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2009年6月

2009年6月30日 (火)

沢田研二 「光と花の思い出」

from『JULIE』、1969

Julie1

1. 君を許す
2. ビロードの風
3. 誰もとめはしない
4. 愛のプレリュード
5. 光と花の思い出
6. バラを捨てて
7. 君をさがして
8. 未知の友へ
9. ひとりぼっちのバラード
10. 雨の日の出来事
11. マイ・ラヴ
12. 愛の世界のために

--------------------

さて、満タンシングルの全曲記事を書き終え、通常伝授に移りたいトコなのですが(リクエストが溜まってる汗)、当ブログは未だに「Pleasure Pleasure」ツアー・セットリストのネタバレ禁止期間(新譜以外ね。新譜は、ハナから演るに決まってますから)なのでして。
世間では、あちら様もこちら様もほぼネタバレ解禁状態で羨ましい限りなのですが、僕のトコはねぇ・・・一人、いるんですわ。「大宮までは黙っててくれ」と言う男が。
長い読者の皆様にはお馴染みの人物ですけどね。

セットリストの曲は避ける、有名曲も避ける・・・するってぇと、ツアーと全く関係無い、「さすがにそれは演らんだろ」と誰もが思う楽曲を伝授するしかないのです。
しばらくはそんな感じで、マニアックなナンバーについて書いてまいります。何卒よろしくお願いいたします。

で、新譜6曲を続けざまに語った反動なのでしょうか・・・気分的に思いっきり時代を遡ってみたくなりました。
今日はズバリ、ファースト!
タイガース在籍時にリリースされたというアルバム「JULIE」より、ZUZUの真骨頂・切なくも爽やかな究極のフラレソング「光と花の思い出」、僭越ながら伝授!

ジュリーのフラレソング(すみません他に言い方が思いつかない・・・)、数々の名曲がありますが、僕はこの曲と「砂丘でダイヤ」が双璧です。全然タイプも年代もかけ離れた2曲ですけどね。
どちらも、詞にドンピシャのヴォーカルが聴けるナンバー。改めて、ジュリーの「歌に心ごと身体ごと入り込む」能力を思い知らされる楽曲なのです。

「光と花の思い出」は、2回し目で「悲しいことだけ」というフレーズも追加されますが、作詞のZUZUがガツ~ンと言い放った一言、

♪なぜ美しいことだけ いつでも思い出す♪

この導入部分に尽きます。
ひょっとしたら、恋人・・・だけとは限らないかもしれません。
愛する人との別れは、そりゃあ切ない。そんな時に人は、悲しみの場面を回顧するのではなく、相手と共有した美しい、楽しい情景ばかりを思い出す・・・なぜ、美しいことだけを思い出すのだろう。

言われてみますと、本当にその通りで。
何ひとつ難解な単語を使うでなく、解りやすい言葉で当たり前の感情を描く、という、それ故にZUZU独特の表現。
以前「遠い旅」の記事で触れたように、書いていない部分まで描き切ってしまうその才能に感動するばかりです。

この頃のジュリーはまだ、「歌に入り込もう」という意識ではなく(「自分の詞ならそれができると思うからそうしたいけど、まだ上手く詞が書けない」という、当時のジュリー自身の発言があります)、「どういう風に歌ったら伝わるのか」という事を念頭に置いてヴォーカルに臨んでいると思いますが、いずれにしてもジュリーが、詞を噛み砕くというアプローチを大前提としている歌い手である事は間違いありません。
結果、この若さで、強い意識なくとも見事に歌の世界に溶け込むヴォーカル。
そんなジュリーの才能を最も見出せるのは、まだ何色にも染まっていないこのファーストアルバムなのかもしれません。

「光と花の思い出」では、Aメロを訥々と、サビを伸びやかに歌っているジュリー。
村井邦彦さんの作曲はAメロが大変美しく、サビはどちらかというと豪快にハジける、という特徴があり、この曲ではサビでタイガースを彷彿とさせるコーラスが導入されています。
ただこの曲の場合はコーラスパートもジュリー自身ですので、タイガースを意識した2声同レベルのミックスは少し勿体無いかも。高音パートを強調した方が効果的だったかもしれません。

その分、Aメロ(曲の骨子という意味では、3回し目のAメロこそがサビと言うべきかも知れません)の美しさが尋常でなく際立っています。
そして。
Aメロは都合4回、登場するんですけど。
4回ともメロディ-それ自体は全く同じ。ですが、一番最後の4回目のみ、演奏の和音構成が違うのです。

そのため、同じメロディーの繰り返しなのに、ラストだけちょっと切ない感じに聴こえるはずです。この曲はニ長調からヘ長調への転調がありますが、便宜上転調していない、と仮定して表記しますと

D→Em→G→D→D→Em→G→D

これが3回目まで。4回目のみ

D→Em→G→D→F#m→(B7)→Em→G→D

たった1小節のコードが化けただけで、こんなにも歌の雰囲気が変わるんです。
参考までに原曲通り、ヘ長調表記に変換すると

F→Gm→B♭→F→Am→Gm→(D7)→B♭→F

となっています。
ギターや鍵盤を嗜む方は、是非弾き語ってみてください。シンプルながら、とても凝った楽曲である事が実感できると思います。

まぁ、歌うのがジュリーだから、ってのが一番大きいんですけどね。

今回、ファーストからの伝授という事で、お題の楽曲選択をこの「光と花の思い出」と最後まで争ったのは、「ひとりぼっちのバラード」「雨の日の出来事」の2曲でした。
機会がありましたら、またいずれ。

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2009年6月25日 (木)

沢田研二 「緑色のKiss Kiss Kiss」

from『Pleasure Pleasure』、2009

Pleasure

1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のKiss Kiss Kiss

--------------------

今日は、ジュリーのお誕生日です。
61歳を迎えたジュリーは、新譜「Pleasure Pleasure」について、「60年の人生への感謝として位置づけている」という事をラジオで語ったそうですね。
明らかに波が来ている還暦後のジュリー。それでも姿勢を崩すことなく、これからも粛々と活動していくのでしょう。
今一番カッコいい61歳。あんな61歳になりたいなぁ。

また、新譜については「同世代に向けて歌った」という発言もあったようです。
実は、その発言は偶然、僕が今日の記事で書こう、と考えていた事とシンクロしているんですよ~。
新譜CD「Pleasure Pleasure」より、トリを飾ります名曲は「緑色のKiss Kiss Kiss」。
伝授!

少し前に、morie様より頂いたコメントを拝見して考えた事があるんです。
今の時点で、かなりの幅広い世代が集結するジュリーのLIVEですが、今後その度合は更に広がっていくでしょう。
極端に言えば、80歳のおばあ様と、その娘さんと、お孫さんが連れ立って参戦する、という事態が普通に考えられます。
そうなってきますと、CCレモンみたく最初から最後までオールスタンディングってのも、どんなモンなんだろうなぁ、と・・・。

もちろん、若くて元気なお客さんは、終始立ち上がってノリまくっていたい。
それはよく分かります。今の僕がそうですから。

しかし、ふと、80歳のジュリーLIVEを観にいく62歳の自分を想像しますと。
今と同じようなガチンコ・スタンディングで行けるかどうか、完全な自信はありません。
今後もちろん、若い新しいファンもどんどん増えてくるでしょうが、基本路線として、LIVE参戦者の平均年齢は年とともに上がっていくでしょう。
ジュリーも、基本はロックでしょうが、今のように動けなくなる時も、当然来ます。
Songsのインタビューでは、「あと5年は行ける。そこから70までは、ごまかしごまかしで何とか行く。さらにその後は・・・う~ん」みたいな事を言っていましたよね。

でも、70歳を超えても、ジュリーも観客も、動かない身体で何とかロックしよう、と考えるはず。
そこで威力を発揮するのが、「キメの手拍子」なんじゃないかと。

「緑色のKiss Kiss Kiss」のリズムは、70年代までは総じて「ボ・ディドリー風」と呼称されていて(今では「ジャングル・ビート」の一部として表現されます。必ずしもロックのみで取り入れられるリズムではなくなってきたからです)、黒っぽくで強烈なロック・リズムです。

♪たん、つ、たん、つ、たん、つつたんたん!♪
(名古屋がお初のみなさま~。どうか最後の予習を~)

CDでもLIVEでも、GRACE姉さんのバスドラムは終始その刺激的なリズムを刻み続けています。

LIVE会場で座って観ていらっしゃるお客さんも、この手拍子に参加する事で、充分なロック・エモーションをジュリーと共有できると思うのです。

新譜ではこの曲ともう1曲、タイトルチューン「Pleasure Pleasure」にキメの手拍子があり、LIVEでジュリーはお客さんの参加を煽ります。
考え過ぎかもしれませんが、思慮深いジュリーは、10年後のLIVE参戦者の平均年齢まで考えた上で、手拍子導入楽曲の割合を増やしているのではないでしょうか。
半分くらいのお客さんが座った状態だったとしても、この手法ならロック・コンサートの雰囲気が成り立つ・・・年齢を重ねていっても、幾つになっても、とにかくロックしたい・・・ジュリーなら、そんな事を考えていそうな気がするのです。

ちなみに「緑色のKiss Kiss Kiss」で取り入れられたこの独特のリズムの本家・R&Bの旗手、ボ・ディドリー氏は、70歳代後半まで、精力的にLIVEツアーを敢行しました。
高年齢の御自身および観客との一体感を、このリズムが切り札として助太刀したであろう事は、想像に難くないのです。

すみません、ここまで長々と手拍子の話ばかりになってしまいました。

希望」「我が窮状」の流れを汲むジュリーの作詞について。
ジュリーが「ポリティクスではない」と歌っている事が全てです。聴き手の感性次第で、色々な解釈があるでしょう。

「黙した声」というのは、発言にしてしまうと様々な齟齬が出てくるから、という意味。同じ「志」「気持ち」を持つ人々の存在を指しているのではないでしょうか。

メロディーの美しさは泰輝さんならでは。「奇跡」同様、ロックなアレンジの中に瑞々しい愁いを合わせ持つ名曲と言えるでしょう。
CDで聴くとそれほど目立たない箇所ですが、LIVEでは間奏のピアノソロが圧巻でした。今後参戦される方々は、泰輝さんの豪快な演奏に是非注目して下さい。

さて、今回の記事をもって、新譜「Pleasure Pleasure」全曲の伝授を終えました。
やはり僕にとって、初めてツアーと同時進行で、タイムリーに楽しめたCDという意味がすごく大きかったのです。
僕の中では、忘れられない名盤となりました。
そして、来年も、それ以降も、フルアルバムでなくても、普通にシングル盤でも良い・・・とにかく新曲をリリースし続けて欲しい、と強く思うのです。

来年も、ツアー最中に新譜の全曲伝授ができますように。
改めて、感謝をこめて。お誕生日おめでとうございます~。

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2009年6月23日 (火)

沢田研二 「NAPOLITAIN」

from『Pleasure Pleasure』、2009

Pleasure

1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のkiss kiss kiss

--------------------

さぁ、関西2Daysもつつがなく終わりました。大盛況だったようで。
いよいよ週末は名古屋ですね。
名古屋がお初、という方々も多いように見受けられます。重ねまして、新譜「Pleasure Pleasure」収録曲を存分に予習しての参戦をオススメいたします。

当ブログもですね。
ここまできたら満タンシングル全曲伝授や~!(ちなみに「別館ジュリー」のメイ様は、御自身の初参戦までに全曲の記事を書き終えていらっしゃいます。さすがです。)
というワケで。
今日は5曲目「NAPOLITAIN」、伝授!

これは何と言ってもジュリーの詞ですね。
普通に読めば、言葉遊びから来る軽快なロックチューン。しかし、いくらでも過剰解釈できるメッセージソングでもあるワケで。
そんな過剰解釈を戒める歌に過剰に反応してしまう僕も僕ですが・・・人生は過剰に満ちているんです!(このワケわからん文章は、一応貝塚MCへのオマージュです、すみません)。

まずは言葉の並べ方が過激なのが興味深くて。
一見関連性が無いような二つの単語をサクッと並べているのですが、ちょっとドキリとするようなセンスです。最も強烈なのが、

病に神に畏れすぎない♪

の「病」と「神」。

他にも

未来に金にのめりすぎない♪
血肉にエコに溺れすぎない♪

など。
ジュリー祭り後の、僕のような熱病のように現れた新しいコアなファンの動向が、ジュリーにはどう見えているのか・・・少し不安にさせる歌詞でもあるんです。
特に僕の場合、こんな感じのブログをやっているものですから、

言葉に無知にかまけすぎない♪

という、この部分が妙に引っかかるワケです。

確かに僕はここ半年、過剰なまでに言葉を並べ立ててジュリーナンバーについて血道を上げて語っています。
自分が新規組である、という事を逆手にとったような表現も、時折使っています。「無知にかまける」、というのはそういう意味なのでしょうか・・・。

救いは、「ほどほどに感じればいい」という答えを、「NAPOLITAIN」の詞の中でジュリーが用意してくれている事です。

僕は渋谷で初めてこの曲が演奏された時から、ちょっと神妙に聴いていまっていたのですが(ジュリーって、ホント歌詞が聴き取り易いヴォーカリストですよね)、実は渋谷の2日間でそれぞれ同席させて頂いた女性お二人、どちらの方もこの「NAPOLITAIN」を、LIVE後に「良かった」とおっしゃってたんですよ。
また、他のブログさんでも、この曲を気に入っていらっしゃる女性ファンが多いようです。

まさに「ほどほどに感じ」て、このアップテンポなロックナンバーを自然体で楽しんでいらっしゃるのでしょう。
ジュリーファンって、ひょっとしたら男性の方が過剰なのかもしれませんね。少なくとも僕について、それは当てはまっています。

LIVEでは、もうジュリーがステージの隅から隅へと走り回ります、この曲。
作曲者である下山さんのギターも素晴らしかった。
今後参加する大宮以降では、僕も何とか、素直に、自然に、そんな演奏を楽しみたいと思っている次第なのです。

ただね。
ここまでトッ散らかったフレーズ(良い意味で、ですよ!)を連発するワケですから、いかな自作詞と言えども、完璧に歌うのは至難の技かと。

貝塚では相当に歌詞をヤラかした、というお話もあちらこちらで目にしております。

僕は、頑張って歌詞覚えていきます。
ジュリーが完璧な歌で僕を叱ってくれますように♪

てか、「NAPOLITAIN」でここまでシリアスな文章を書く自分は、やっぱどうかしてるって!過剰や過剰!
明快に、楽しみましょう。そういう曲です。

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2009年6月20日 (土)

沢田研二 「BAMBINO EXCUSE」

from『Pleasure Pleasure』、2009

大東組のみなさま、おかえりなさいませ。
いかがでしたか?関西限定の漫談などは?

これで今ツアーも無事関西初陣を終えました。
大東コンサートの成功を祝し、本日よりMC(漫談)および新譜「Pleasure Pleasure」収録曲のLIVE演奏の様子につきまして、ネタバレ解禁しようと思います。
新譜以外のセットリストについては、引き続きネタバレリンクへの来訪、お待ちしております~。

いや、新譜のLIVEアクションについてネタバレ解禁するのはね。

いくら僕でも、LIVEの話抜きに、この「BAMBINO EXCUSE」1曲だけで長文記事書けんわ~!

という事情があったりして。

大好きなナンバーなんですけど。いざ語れ、と言われると・・・うぅ、どうしよ?みたいな。
愛をこめて<バカロックの類>と呼称させてください。満タンシングル「Pleasure Pleasure」から4曲目、伝授!

作詞・作曲ともにジュリー自身、というのはちょっと久しぶりのようで。
CDの曲名・クレジットの情報が発表された時には、多くの方々が「ジュリー作詞・作曲・・・どんな曲だろ?」と胸を躍らせたり、はたまた恐れおののいたり(おいおい)。
蓋を開けてみますと、いかにも今のジュリーらしい、豪快なバカロック!
僕はCDより先に、渋谷初日で初めてこの曲を聴いたんですけど、「やってくれる~♪」ってな感じで大変盛り上がりました。
意味なくハジけるバカロック(いや、褒めてるんです)、大好きなのです。

「バンビーノ」というのはいかにもロック的な固有名詞で、わがままなイメージ、エロティックなイメージがある単語なんですよね。
邦楽ロックナンバーで使用頻度が高く、「バンビーノ」がオス、「バンビーナ」はメスです。
ロックを作る際はエロティックなニュアンスがあった方が良い、という概念は、ジュリーの中でずっと生き続けているようですね。

で、LIVEにおけるジュリーのアクションの話なんですが。

サビ(なのかこれは)部「ばん・び~の!」で、ひとさし指立てての右腕突き上げポーズがあって。
まだ楽曲慣れしてない渋谷組、必死でジュリーについていこうとしてたんだけどさ。
ジュリー、やる箇所とやらない箇所があるのよ。渋谷2日間観た感じだと、特に決めてないみたい。
ジュリーがやらない時に勢い余って腕突き上げちゃうと、ちょっと気まずかったりするワケです。
そこで伝授したいのが、腕振り上げのタイミング。

ジュリーは「ばん・び~の!」の「ばん!」の部分でやるんですけど、お客さんは1拍遅れて「び~の!」の部分でガツンとついていくのがイイんです。
ジュリーより1拍遅れてやる事になりますが、ここは小節の2拍目(ばん)と3拍目(び~の)が連続頭打ちのアレンジなので、身体で感じてるリズムにも合ってて、決して不自然ではないのね。
意味なく歌詞が入れ替わる(いえ、しつこいようですがコレは褒めてるんです)「えくすきゅ~!」のトコも、ジュリーが「えくす!」でやったのを確認してから「きゅ~!」でついていく、と。

僕は渋谷2日目で、これを実践しました。大変気持ち良かったです。
まぁ、細かいコトを言えば、ジュリーは腕突き上げと同時に大股開くんですけど、さすがに我々はそこまでやらんでよろし。危ないですから。

せっかくですのでアレンジにもちょこっと触れましょう。
泰輝さんのオルガンは、初期のXTCです。
XTCというバンドは、サイケデリックな録音オタクバンド的なイメージがありますが、初期の2枚のアルバムは完全にアフターパンク路線。演奏もさる事ながら、ヴォーカルもジョン・ライドンみたいな感じで。
泰輝さんのプレイはまさに当時のXTC。カッコいいアフターパンク流のオルガンです。故意に、チューニングをほんの少しフラットさせて、ルーズな感じを出しているのです。
本当は、鍵盤にのしかかるようにして、「く」の字になって弾いてほしいトコなんですけどねぇ。でも、この曲のLIVE演奏で一番印象に残ったのは、キーボードでした。

え、歌詞?

それは、もう様々な方があちらこちらで突っ込んでいらっしゃいますから・・・。
僕も、ネタバレリンクで書いたレポでは若干ツッコミ入れときました。

「BAMBINO EXCUSE」の「よ~う・よう・よう・よ~♪」は
「KNOCK TURN」の「の・の・の・の・の・の・の・の♪」
に、肩を並べたのではないか、とだけ言っておきましょ~。

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2009年6月18日 (木)

沢田研二 「僕は歌うよ」

from「Pleasure Pleasure」、2009

Pleasure

1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のkiss kiss kiss

----------------------

黒部にご参加のみなさま、お帰りなさいませ。新譜の演奏、良かったでしょ~?
感想などございましたら、是非ネタバレリンクの方にコメントお願いいたします~。

てなことで、今日も満タンシングル『Pleasure Pleasure』からのお題です。
3曲目収録、新譜の中では唯一のバラード。
「僕は歌うよ」、伝授!

とにかく。
満タンシングルを聴いた多くの先輩方・・・お姉さま方は当然、クールなお兄様方からも圧倒的な支持を勝ち取った、このナンバー。
果たして僕にこの曲を語る資格があるのかどうか・・・。

と言うのも、「僕は歌うよ」を絶賛する方々は皆、ジュリーと歩んできた期間の長い方がほとんどで。
正に、そういう歌ですからね。「泣いた」というコメントを、あちらこちらで拝見しました。

僕の感想、「素敵な曲だな」止まりなのが、実は少し悔しい・・・。

もちろん、大好きな曲ですよ。でも、先輩方に匹敵するような大感動は、味わえていないと思うんです。
もしも、来年以降なかなかLIVEで聴く機会がなくて、ジュリーが80歳のコンサートでいきなり歌ったとしたら、僕も号泣するでしょう。今の先輩方と同じくらいの年月を(ん?それでも10年以上足りてないか?新参組は辛い・・・)、ジュリーと歩いてきている筈ですからね。
その時僕は・・・うわ~還暦や~。
それは、老後の楽しみにしていよう♪

そんなわけで、安珠さんの詞については、他ブログなどで多くの方が書いていらっしゃるし、僕も「Pleasure Pleasure」の記事で少し触れましたので、今日は楽曲構成とアレンジについて語ってまいりましょう。

GRACE姉さんの作曲したジュリーナンバーはこれまでにもいくつかありますが、泣きのバラード系は初めてではないでしょうか。
姉さんは、どうやって作曲するんだろう?ギター?鍵盤?それとも、単音かなぁ。
Aメロの構成に、寡作な作曲家ならではの面白さがあるんです。

この曲は変ロ長調で、譜面としてはB♭が主キーになるのですが、AメロにB♭コードが出てこない!これはなかなかエキセントリックな作りです。
サブ・ドミナントのE♭とDmを軸に和音展開。サビでようやく主キーに着地しますがそれも一瞬のこと。
「僕は歌うよ~♪」の部分でガクンと転調。これは良くあるパターンですけどね。
そうかと思ったらギターソロ部でバコ~ン!と今度は大胆に転調するし。まぁこの辺りはひょっとしたら白井さんか、下山さんのアイデアなのかもしれません。

なんだか専門的な話になってるようですが、ここまでみなさまにこの曲の構成をお話した上で、ちょっと聴き比べて頂きたい曲があるんですよ。

アルバム「俺たち最高」収録の「桜舞う」。以前に当ブログでも採り上げたバラードナンバーです。

「僕は歌うよ~、あなたの~ために♪」の部分と

「追いかける~君の後から僕は行く~♪」の部分

転調の構成が、同じなんです。理論が解らない方も、聴き比べて頂ければ何となくニュアンスは伝わると思います。
しかも、ギターソロ間奏部でバコ~ンとマイナーキーに転調し、ヴォーカル直前に元調に舞い戻ってくる、というのもアレンジの共通点。
白井さんか、もしくは下山さんのアイデア、と先に述べたのは、「桜舞う」との類似性を踏まえての事なのです。

まぁ、そんな事考えて聴いているうちは、まだまだヒヨッコなんですが。

LIVEでは、泰輝さんの演奏に注目してください。CDだと強力なジュリーのヴォーカルの背後になってあまり目立たないですけど、Bメロ部(1番で言うと「儚い命だとしても~♪」の部分)の鍵盤のメロディーがとても美しいです。
しかも、1番がハモンド、2番がピアノ。
郷愁(1番)から確信(2番)へ、という歌詞にのっとった音色の使い分け、と見ていますがどうでしょうか。

GRACE姉さんと同じく、泰輝さんも歌心のあるプレイヤーですよね~。

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2009年6月15日 (月)

沢田研二 「Smash the Rock」

~from「Pleasure Pleasure」、2009

今日も、満タンシングル「Pleasure Pleasure」から行きますよ~。
これはもう、使命のようなモンです。
ツアーが始まってから、明らかにアクセス数が増えております。それだけ皆様、LIVEの興奮醒めやらなかったり、参戦が待ち遠しくてウズウズしていたり・・・そんな皆様が一様に、このニューリリースCDを聴きまくっている事だけは、間違いないでしょうから。

というか、僕がそうなので。

なんと言っても、ツアーとニューアルバム(いや、シングルらしいが)を同時進行で楽しむ、というのが初めてなんですよ、僕は。
そのことだけでも、「Pleasure Pleasure」という作品は僕にとって忘れられない名盤たりえるのです。

今日はCD2曲目、柴山さんの瑞々しいロック魂による作曲作品「Smash the Rock」、伝授です!

とにかくね。
ニューリリースCD「Pleasure Pleasure」の全収録タイトルが判明した時点で、一番気になった題名がこれ。
だって、いまどき「Smash the Rock」ですよ!
直訳だと「ロックをかませ!」。このタイトルだと、「Rock」という単語から、卑猥な匂いが全然してこない。文字通り、音楽の「Rock」・・・のイメージしか湧かない。
いや、さすがに蓋を開けてみれば、そんな事はないんですよ。この曲の場合もね。
歌詞には、結構大胆なご発言とか、あります(ある意味GRACE姉さんの得意技)。

しかし。
聴く前の段階でタイトルから受けるイメージは、「ロックをかます!」というただそれだけの曲だったりするわけで、これは逆にゾクゾクします。
無理にタイトル装飾したとて、演奏や内容、そしてヴォーカルが伴わない曲って、つまらないじゃないですか。
ややこしい装飾フレーズがなくとも、カッコいいロックは、カッコいい。それを多くのロックファンに教えてくれたのは、ローリング・ストーンズだと思います。一見非常にベタなタイトルの楽曲が、耳にすると信じられないくらいカッコいいという、独特の感覚を持ったバンドですから。

「Smash the Rock」の作曲者は柴山さん・・・こりゃ、この曲はストーンズに違いない!
そう思って聴いたら、本当にそうだったという。

単音のリフではなく、和音リフで押すんですよ、ストーンズって。
しかも二人で。
で、二人のギタリストのフレーズがキレイなユニゾンではなく、微妙にズレる。
そこがカッコいいんです。「Smash the Rock」はまさにそんなアレンジのナンバーでしたね~。
「ブラウン・シュガー」よりは「スタート・ミー・アップ」に近いです。より円熟味が増し、コレやっとけばメンバー全員ノリノリだろう、というね。

CD「Pleasure Pleasure」の収録曲はすべて・・・いや、ひょっとしたら他のどのアルバムもそうなのかもしれませんが、LIVEでの完成度を念頭に置いてアレンジされています。
白井さんはその点で、ジュリーからの信頼度は非常に高いと思われます。

「Smash the Rock」で言いますと、ギター2本の掛け合いの合間にディストオルガンが絡むのもその一例ですし、注目して欲しいのは何と言ってもドラムスです。
リードギター間奏部のプレイを気をつけて聴いてみてください。
間奏が進行していくに連れて、どんどん手数が増えていくんです。多くの方は何となくリードギターを中心に聴いていらっしゃるであろう箇所ですが、「何やら盛り上がってくるなぁ」と何となく感じてしまうのは、このドラムスアレンジを無意識に耳にしているからなのです!

きっと白井さん、もしくはジュリーが「ここはドラムス、どんどん暴れて!」というサジェスチョンを出したのではないでしょうか。

このようにして生まれたアンサンブルは、やはりLIVEで真価を発揮します。
ネタバレには当たらないと思いますので少し話しますと、僕は渋谷2日目が1階7列目という僥倖席だったのですが、ドラムス・キックの影と振動がビリビリと伝わった「Smash the Rock」を存分に堪能することができました。

当然ですが、ジュリーのヴォーカルは非の打ちどころなし。こういうタイプの曲がアルバムに1曲入ってるのって、ジュリー自身も嬉しいんじゃないかなぁ。

気づけば、週末は大東ですか。その前に黒部とかありますし。
今後LIVE参戦なさる皆様も、この曲では思いきりノッちゃって下さい!

しかし、この満タンシングルは全く飽きません。
きっと、ツアーが終わるまではヘビロテなんでしょうねぇ。
大宮、早く来~い!

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2009年6月11日 (木)

沢田研二 「Pleasure Pleasure」

from『Pleasure Pleasure』、2009

Pleasure

1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のkiss kiss kiss

----------------------

この曲の伝授は、ネタバレとは言わないですよね?
一般発売待ちだった方々のお手元にも、ニューアルバム(ジュリー曰く「6曲入り満タンシングル)が届いた頃でしょう。
当然、今ツアーで演奏されますけど、さすがにそれは皆様も先刻ご承知ですし。

今日は、LIVEでのパフォーマンスには一切触れません。
あくまで「Pleasure Pleasure」という楽曲の素晴らしさについてのみ書かせて頂きますので、ツアー参戦前の方々も安心しておつき合いくださいませ。

今後、CD全6曲のうち3、4曲は記事書いちゃいそうな気がしてますが、まずはタイトルチューン、本当に大好きになった名曲「Pleasure Pleasure」にて先陣をば。
伝授!

作詞・GRACE姉さん&作曲・白井良明さん。
ドーム直後に購入したアルバム「忘却の天才」で「不死鳥の調べ」を聴いた瞬間から、僕にとっては特別に思い入れのあるコンビの作品です。

この詞は、すごくジュリーっぽいんですよ。
特にここ数年のアルバムでのGRACEさんの詞は、一瞬ジュリーの作詞作品じゃないか、と勘違いしてしまうナンバーが多いです。


CD3曲目収録「僕は歌うよ」の安珠さんの作詞と比較すると、すごく興味深い。
お二方には共通点があって、どちらもいわゆる「職業作詞家」さんではない。
ですから、レトリックであるとかフレーズ選択においては、かなりの素人っぽさがあります。でも、それが今のジュリーにとても合っている作詞スタイルであることは、確かなのです。

普通に、日常考えている事柄をヒントに、気持ちを言葉に転換させていく。
カッコをつけないカッコ良さ・・・「潔さ」なのだと僕は思っています。それは、ジュリー自身の作詞スタイルとも一致します。

で。
そんなスタイルの中、GRACEさんは「ジュリー目線」、安珠さんは「ファン目線」であるように感じます。
「ジュリーがこんな事を歌ったらより伝わるんじゃないか」というGRACEさんに対して、「ジュリーにこんな事を歌ってもらいたい」という安珠さん。

僕は今回のCDを聴いて、そんなふうに考えました。いずれも素晴らしい視点であり、職業作詞家さんには却って表現できないような味わいがありますね。
お二人とも、人間・ジュリーが好き、というのが基本としてあるからだと思います。

「Pleasure Pleasure」は、その意味で、ジュリーが歌ってこそ、のナンバー。
難しい言葉は何ひとつなく、否定的な観念も何ひとつない。
ただひたすら、「歓び」が伝わる・・・それだけの歌。だからこそ、唯一無二の歌。

♪夢などいらないと言ってるわけじゃない
 今が豊かなだけだよ♪

ジュリーならもっと豪華なことができるはず、もっと露出できるはず・・・ファンはそう考えてしまうかもしれません。
でも、ジュリーは数年前から、すでに答えを出していたようです。それを改めて感じさせてくれるのが、この「Pleasure Pleasure」というナンバーなのです。
さぁ、今のジュリーの歓びを引き寄せて、パワーを貰いましょうよ、みなさん!

さらに。
この歓びを伝えるべく、白井さんの作曲が大いに貢献している事は言うまでもありません

コード進行は基本ド直球。ただし、構成はやっぱり素晴らしき変態路線です。
Aメロ→間奏→サビって!

Aメロ直後の間奏部、一瞬転調が謎です。近親移調と言って、主キーはそのままに、メジャースケールからマイナースケールへ移行します。
しかしそれも一瞬のこと。すぐに元調に戻り、メロディアスでカッコいいギターソロ、その後にサビ。
サビの1回し目は、1小節ごとにアコギ(下山さん)、エレキ(柴山さん)、ピアノ(泰輝さん)がそれぞれ2拍ずつの美味しいトコどり。
2回し目は、GRACE姉さんのドラムスが1小節ごとにフィルインします。
LIVEでの完成度を重視した、的確なバンドアンサンブル・アレンジ。まさにプレジャー×プレジャーな白井さん渾身のナンバーと言えますね~。

シンプルなコードに、贅沢なアレンジと極上のメロが載る。
プレジャーの根幹に回帰した白井さんにも拍手!です。

それにしてもこの数週間、何度「Pleasure」という単語をキーボードで打ち込んだことか。
いてまえさんのbbsに「Pressure Pressure(圧迫×圧迫)」と堂々と間違えてカキコしたのも今は昔。
もはや「P」と打つと、続けて「leasure」って勝手に指が動きます~。

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2009年6月 7日 (日)

初日の直前に、マルベル堂に行ってみました

渋谷初日は、当ブログでお知り合いになった女性お二方と同席。初対面の日でもありました。
唯一東京在住の僕でしたが、ヘビー級の方向音痴のため東京見物道案内など無理。
お二人が苦心して決めて下さったコースというのが、待ち合わせたその足で浅草へ繰り出すというもの。

で、行ってきましたマルベル堂。
↓店先にドド~ンと出バッているのがこれ。

Maruberu

レジの人曰く「12.3東京ドーム以降、ジュリーのブロマイドが売れない日は無い」とのことです。

しかし、やはり女性のファンの方々は違いますね。
僕は店内で圧倒されるのみでしたが(ちょっとだけ坂口良子さん・・・と言うか僕にとっては某ドラマのアッコさん・・・をチェックしただけ)、同行女性お二方とも、大量のブロマイドを好み別にサクサクと分けていく、あの手際の良さ(註:ジュリー以外はまるで無視。素晴らしい!)。

ジュリー自身が何と言おうと、やっぱりジュリーを長年支えてきたのは、こういった女性ファンの方々なんだなぁ、と再確認した次第でございました。

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2009年6月 4日 (木)

ネタバレリンクご活用のお願い

「Pleasure Pleasure」ツアー開始を受けまして、ネタバレ専門のページを開設いたしました。
右上にリンクが貼ってございます。
LIVEの感想などは、是非そちらのコメント欄へお寄せくださいませ。

僕のブログも有り難いことに、最近はより多くの皆様の閲覧を頂けるようになりました。
こうなってまいりますと、積極的ネタバレの責務も、ネタバレを防ぐ責務も、両方発生してくるワケでございます。

セットリストを予習なさりたい方、LIVEの雰囲気に一日も早く浸りたい方は、どうぞネタバレリンクへ!

ネタバレ禁止!の方々は、今しばらくこちら本館のみの閲覧にてご辛抱を。

どうぞよろしくお願い申しあげます~。

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2009年6月 3日 (水)

半年経ったんだなぁ・・・

売店モッシュ必至!

本日帰宅しますと、澤会さんから茶封筒がひっそりと届いておりました。
この突然な感じ・・・早くも慣れてきたなぁ。

まず、ツアーファイナル・渋谷が確定。9.24・・・平日の夕方から(泣)。
長期連休明けだから、ちょっと仕事は休めない・・・無念。
この日はきっとビデオも入るんでしょうね。

そして。
「DVD ジュリー祭り」発売決定!
全82曲4枚組、12,345円。しかも!

6月5日、CCレモンホールより先行発売!

ぐわ~!
こりゃ売店はどえらい事になりまっせ~。
2,222円と12,345円の商品に群がるモッシュ軍団!
販売スタッフには心から同情いたしますが・・・。

実は、すでに封筒に2,222円入れて用意してあったんですよ。
これから14,567円と取り替えます(計算合ってる?)。

「DVDジュリー祭り」、確かに安い買物じゃありません
でもね、この映像だけは、持っておかないわけにはいかないのです。

ジュリー祭りが無かったら、今の僕は無い。
「2008年12月3日は仏滅だった」とか、死ぬまで覚えてるんだろうなぁ。

いよいよ明後日だ~!

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2009年6月 2日 (火)

ザ・タイガース 「淋しい雨」

「THE TIGERS SINGLE COLLECTION」収録
original released on 1969
シングル「スマイル・フォー・ミー」B面

早起きし過ぎました。すでに眠いです。
しかし・・・気づけばあと3日。可能な限り記事を書いておきたいのです。

今日はいよいよタイガースに初挑戦!
「奇跡元年」直後に、
”次コンサートまでにタイガースまでキッチリ勉強する!”
と決意した事はブログにも書きましたが、結局最低限のことしかできませんでした。
「ザ・タイガーズ/シングルコレクション」にて、全AB面を習得したのみです(でも、PYGはアルバムまでバッチリよ!)。

しかし、シングルだけでもかなりの収穫がありました。恥ずかしながら、知らない曲の方が多かったのです。
素晴らしい旅行」が「デイ・トリッパー」のアナグラムであったりとか、ドームで「風は知らない」を演ったのがどれほど贅沢な選曲であったのか、とか、色々学びました。

しかし、その中で圧倒的に好きになった曲が「淋しい雨」ってのは・・・先輩方から見るとどうなんだろ・・・?
「なんでソレなの~?」って感じなのかなぁ。

とにかく「LIVEで聴きたい曲・勝手に伝授~Pleasure Pleasure編」、ひょっとしたら今回がトリかも。
シングル「スマイル・フォー・ミー」のB面です、伝授!

A面「スマイル・フォー・ミー」は、何とビージーズのギブ兄弟の書き下ろしだって言うから、話題性は充分。
B面「淋しい雨」の方はビージーズとは関係なし。ロンドンレコーディングの副産物といった感じなんでしょうが・・・これは名曲!普通に、全英チャートに乗っかりそうな完璧なヒットチューンに聴こえます。

日本人とイギリス人。
リスナーが「雨」という単語から受けるイメージには、民族的な違いがあると言います。
日本人だと、「雨」は情緒あふれる、ドラマティックなイメージ。
一方のイギリスだと、「雨」は突然降りかかる災難。憂鬱な、イヤなもの。避けたい不運・・・そんなイメージなんだそうです。
これは昔、何かの解説文でビートルズ「RAIN」(ジュリーの持ち歌のひとつです)について書かれていたお話。

ビートルズの「RAIN」は、そんなマイナスのイメージを伴うフレーズを全面に押し出した初のポップ・ミュージック、という事で画期的である、と言われています(その狙い、本当はキンクスの方が先なんですが)。
それまでのポップ・ミュージックはラブソングが中心で、例え失恋の歌にしたって、ネガティヴな単語は使用しない、という暗黙のルールがあったのですね。
ロックシーンにおいて革命期と言われた、60年代中盤のサイケデリック・ブームは、歌の内容がラブソングの範疇に留まらないというのが特色でしたから、斬新な歌詞が増えてくるのは当然。
ビートルズの「RAIN」は、その走りとなった楽曲と言えます。

その後、多くのアーティストが「憂鬱な雨」を歌に盛り込んできました。
とりわけアフターサイケに出現した多くのビートルズフォロワー達は、猫も杓子も「雨」だ「雨」だ、といった感じで、素晴らしい楽曲が多く生まれたのです。
それがちょうど、1968~69年くらいのこと。
そう、「淋しい雨」は、まさにそんなムーブメントに正統に乗っ取った、イギリス人にとっても「隠れた名曲のひとつ」で有り得るナンバーなのです。

この頃のジュリーのヴォーカルの魅力は、なんと言っても無防備なくらいに無垢に伸び上がる高音部でしょう。
僕はアルバム「JULIEⅡ」収録の「愛に死す」と、シングル「魅せられた夜」のB面「15の時」。この2曲の高音部ヴォーカルが大変好きなのですが、「淋しい雨」のヴォーカルにも同じ魅力を感じます。

「♪あ・くらうでぃん・ざ・すか~~~あ~~あ~~♪」

サビ部のこの語尾、後半になればなるほど伸ばしてきますよね。
同じ歌詞の繰り返しだから変化をつけてやろう、とジュリーが意識してそうしたのかは分かりませんけど、同じ表現を繰り返さず、変幻自在に歌う・・・素晴らしい歌唱センスです。

僕は、ジュリーの英語やフランス語の歌が好きです。下手すると、日本語よりも感情表現が上手くいってる場合があるかもしれません。
若干発音が日本語英語になる部分こそありますが、「淋しい雨」で言えば「face upon」を「ふぇいさぽん」、「ask me why」を「アスク・ミー・ワイ」てな感じで歌ってくれたら良かったのに、と思うくらいで、あとは全く気になりません。

それにしても・・・。
せっかくタイガースの有名ドコを勉強したのに、一番好きになった曲は、とてもLIVEで聴けそうもない感じ・・・僕の宿命でしょうかねぇ。

やはりここはおとなしく、「シー・シー・シー」のハンドクラップとコーラスを予習しておいた方が良いでしょうか?
「奇跡元年」当日の朝に、それやって自爆したんですけどね。

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