沢田研二 CONCERT TOUR 2002 『忘却の天才』
~at 府中の森芸術劇場 2002. 10. 26
ようやく観ることができました。「忘却の天才」ツアーDVD。
実はこのツアー、チラホラとあちらこちらのファンサイトで調査した範囲だと、あまり評判がよろしくない。
「ジュリー、全然動けてない」という辛口の評価が多く、まぁ実際生で観た方々がそうおっしゃっているのですから、それはそうなんだろうなぁ、と。
しかし。
この辺が後追い組の強みとも言えるのですが、僕にしても、バリバリに動きまくっていた頃のジュリーをタイムリーで知らないわけで、「動かないジュリー」にも慣れちゃってる(「ワイルドボアの平和」とかね)し、それはそれでイイもんだ、と植えつけられてます。
だからソコは平気かな、と思ってて。
どうしても観たいなぁ、とずっと思っていたのは、僕にとって「忘却の天才」というアルバムが特別な作品だからなのです。
いや、「好きなアルバム」として言うなら、う~ん・・・全体の15位~20位くらいかなぁ。「サーモスタットな夏」とかよりは全然下位なんですけど。
じゃあ、何が特別なん?
って、この「忘却の天才」はねぇ、ジュリー祭りが終わってから、最初に買ったアルバムなのですね。
これを特別と言わずして。
以前から当ブログにお越しの皆様方にはホント繰り返しになっちゃうんですけど、ドームのセットリストに知らない曲が多かったのが、悔しくてねぇ。
「とにかく聴いてない最近のアルバムを聴いてみよう」と、試しに(恐る恐る)買った1枚。これがもしもショボい作品だったら、自分のジュリー堕ち度がここまで激しくなっていたかどうか。ハッキリ言って、運命の1枚です。
聴いてすぐに、こりゃ大傑作!だと思ったんです。未聴のアルバムの中で一番良いのを初っ端に聴いちゃったのかもな・・・と、そう思った(だから、この時点では全体の順位は10位以内よ)。その判断は、後に良い意味でメタメタに覆されてしまうのですが。
そこから先は、後追い組・中抜け組の皆様のほとんどが通る道へと、僕も一直線でございました。ヘヴィーな大人買い期間です。
「忘却の天才」が背中を押してくれたんですね。
ですから、2002年のジュリーには、大きな大きな感謝の気持ちがあるのです。2008年のジュリーと、同じくらい。
2002年、「忘却の天才」。
果たしてどんなツアーだったんでしょうか。あ、DVD収録は大トリの日じゃないんですね、これ。
10月26日・東京は府中の森芸術劇場、伝授!
① やっぱり名盤、「忘却の天才」
編成は、2004年「クロックマダム&ホットケイクス」のツアーと同じなんですね。キーボードレスは、あの年だけかと思ってました。
ひょっとして、2000年から2005年までは全部こうなんですか?アルバムの作りから考えるに。
で、当然、「忘却の天才」収録曲は全て演ってるんですけど。
衝撃だったのは、アルバム聴いた段階でそれほど印象に残っていなかった2曲がメチャクチャ良かったんです~。
「我が心のラ・セーヌ」と「終わりの始まり」。
どちらも、演奏が神。ジュリーのヴォーカルも(これは全体そうなのですが)アドリブのシャウトが多かったり。
「ラ・セーヌ」は柴山さん、下山さん両名セミアコです。今まで見た映像だと、どちらかは必ずエレキだったんですけど。改めて・・・上手いなぁ二人とも。
「終わりの始まり」は、イントロで「あれっ、こんな曲あったっけ?」と思ったくらい、LIVEの方が全然ハジけてる気がしましたが。まぁこれは単に僕の勉強不足かもしれません。レコーディングテイクをもう一度聴いてみなくちゃ。
そして、アルバム中一番好きな「不死鳥の調べ」。
これは少し不安だったのです、観る前は。どう考えても録音向きの構成の曲で。ヴォーカルも、ブレスが結構キツそうだし。
杞憂でございました。
特に、間奏が8小節ずつ柴山さん→下山さんのバトルになってたのが良かった~。でも、カメラさんは追いきれてなかったね。
タイトルチューン「忘却の天才」についてもひとこと。
この曲はステージ映えしますし、今後のLIVEでもそのうち演ると思います。みなさん、ひとさし指クルクルポーズをしっかり覚えておきましょう。覚えないまま今年のツアーでヤラレたら、後悔しますよ~。
あと、府中のこのステージでは、依知川さんのベースに一瞬おそるべき神プレイがありました。
②キーボードレスで、往年のヒット曲はどうだった?
「クロックマダム~」DVDの記事でも述べましたが、キーボード無しのスタイルで演奏に影響が出るのが、70年代~80年代の大ヒット曲の数々。
さて、どういう風に料理してくれてるんだろう?
と、観始めてからというもの、ソコは興味深々だったワケですが。
「コバルトの季節の中で」「あなたに今夜はワインをふりかけ」
この2曲はスゴかった。
何と、柴山さんがリードギターパートとキーボードパートを両方弾く(!)という荒技です。
特に「コバルト~」の1番の部分。全体の音数が少ないから、柴山さんは本当に大忙し。下山さん、その間お行儀良くず~っとお休みです。これは音色の関係上仕方ない。2番になってカッコ良く噛みこんできます。
「憎みきれないろくでなし」は、「クロックマダム~」ツアーの時と同じアレンジで演ってましたが。
何?この曲って、間奏でジュリーが柴山さんにカラむのが最近のお約束なのですか?
今にして思えば、「クロック~」の時は柴山さん、この曲の間奏で必死の形相してたんだなぁ。
こちらでは、ジュリーのカラみに煽られてゴキゲン、安心してイッちゃってますね。
③動けてない・・・こともない?大きくてお茶目なジュリー
いや、動いてますよ。結構。
やはり、不評なのは体型のせいなのでは・・・?僕は男ですから、実際あまり気にならないのね、ソコは。これで声が全然出てなかったら「オイオイ」って思うけど、気持ち良く絶唱してますから。「あなたへの愛」の一番高い音(G#)がバロメーターなんです。ココがスッと出てる時は調子がいい時。
しかしね。
確かに、今まで観たジュリーの中で最も巨大であったのも、事実ですわ。
どこまでが顎で、どこから首?
加えて、右手の指が・・・なんだかとても短く見えるんですが。
で、いくら何でも最後の最後、あの曲順はキツいでしょう。
「君のキレイのために」→「愛まで待てない」って!
動ける動けない以前に、生きてステージ終えられるかどうか、ジュリー(55歳)にとって問題はズバリその一点であったかと。
そこは上手いことやってます。この辺がプロですよね~。
「君のキレイ~」のエンディング、壁にへばりついて悶絶。直後に軽く「アイム・ソー・タイアード」なんてMC入れて、すぐさま「愛まで待てない」に突入しましたが、ここで裏技「自分スロー」が登場。
普通にそういうスローモーション画像処理に見えます(本当かよ)。走るべき箇所は断固走りますが、部分部分ではこうしてしっかりウケもとりつつ、無理せず頑張りました。
あとね、不評の原因・・・なんじゃないか、と思われるシーンを。
曲は「危険なふたり」。
柴山さんのハジけっぷりは素晴らしいのですが、問題はジュリー!
「年上のひと~♪」と歌いながら、前方のお客さんを次々に物色。
「美しすぎる~♪」は、「アカンて、アカンて」みたいなゼスチャーで、次の「ア~、ア~♪」はゲロ吐き声で歌うという・・・
これは、いくら何でもブラック過ぎないか~?
いやいや、楽しい作品でした。
積極的におススメしたいところではありますが、なにせこのDVD、現在はそう簡単には手に入らないという。
なんかね、貴重盤とか稀少グッズとかが多過ぎないですか、ジュリーの作品って。
こんなブログで多くの皆様に支持・叱咤して頂き、色々な恩恵に預かれる自分は本当に幸せ者。
ジュリー運を使い果たしてしまわないか、と少し心配でもあります。
僕の人生を変えた、2002年と2008年のジュリーに、感謝。
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コメント
そういえば思い出しました。この頃のジュリーは「メガヒット曲」を歌うときは必ず茶化してました。
私は楽しくて好きだったんですが、不評だったみたいですね。^^ヾ
それが、会場ごとで違う事やってたんで(真面目に歌うときもある)面白かった~。
投稿: Rei | 2009年3月16日 (月) 14時35分
DYNAMITEさん こんばんは~♪
「忘却の天才」確かに、一番大きかった頃ですね(^^;) 中抜けで、久しぶりに見た友人に申し訳ない気がしました。
毎年見ていても辛いものがありましたから
音楽的なことはよくわかりませんが、キーボードがなかった時がありましたわ、そういわれれば・・・。
それにしても「後追い組」とおっしゃるDYNAMITEさん、もう、ずっと追い越してしまわれてますわよ~~
横レス失礼します。
Reiさん、「メガヒット曲」に対する照れがあったのでしょうかしらね。
投稿: みゆきママ | 2009年3月16日 (月) 21時23分
Rei様、みゆきママ様、いらっしゃいませ~。
地方コンサート参戦のプロでいらっしゃるお二人のお話、説得力あります~。
会場ごとに違う事やるジュリー、それを知っておられるだけで素晴らしい!
ジュリーって、僕の地元鹿児島でも、なんだか「オイオイなんでまたそんな・・・」っていうド田舎をまわってるんです、過去のツアー。
でも、ふと考えてみますと、微妙に熊本からの交通アクセスがギリギリ便利なトコを狙っているような・・・。
Rei様、川内とか出水とか、行かれた事あるんじゃないですか~?
みゆきママ様、毎年見ててツラかった・・・のですか?
話には聞いてます。
「サーモスタット」あたりから、年々大きくなられていったとか、ジュリー。
まぁ僕も、「いい風よ吹け」歌詞カード内のアノ写真初めて見た時は、「アカンて~」思いましたけどね。
しかも、その写真をライブのセットリスト収録アルバム紹介の横に貼っつけてる「いてまえジュリー」さんって・・・確信犯ですね。
お二方、夏に機会がありましたらお会いできますように。
僕は今のところ、渋谷→渋谷→大宮→安城→神奈川と決まっとります~。
投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年3月16日 (月) 22時55分
瀬戸口さん
渋谷2日め、神奈川は行く予定でーす^^v
渋谷は日帰りでーす、びゅーんと来てびゅーんと帰りますよー^0^
投稿: Rei | 2009年3月16日 (月) 23時01分
Rei様
うわ~渋谷は日帰りですか~。
大変ですね。
まぁ、CCレモンって意外とキャパ少ないですからね。
会場前の慌しい中でも、いてまえT着た(たぶんね)男子を見つけるのは容易かと。
遠慮なく指さして下さいね~。
投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年3月16日 (月) 23時24分
こんばんは~
今回伝授は私にとって「トカゲ」以上に
抵抗感のあるお言葉です、部長!
観てないんです、このDVD..
巨大.....ヾ(.;.;゚Д゚)ノ
あのあのあのあの.....
「生きシア」よりも?
動画サイトで1曲だけ見たときは
すごくステキに見えたんですが...
考えてみると、今までの伝授で
衣装以外に外見に言及したものって
ないですよね?
それをわざわざ明記なさるということは
やはり...
いいえ、ここは勇気を出して
観ることにしましょう。
今回、「CROQUE」とは逆にCD→DVDと行ってみようと
自粛期の禁を犯し、
「忘却」CDぽちっとして聴きはじめたところです。
「不死鳥の調べ」伝授読んでから
すっかり忘れてましたが
聴いてみたら
よかった!!すごくスキです~
それから
どうしてジュリーのバンドって
キーボードがないとかベースがないとか
なんですか?
理由があるの?
それってよくあることなんですか?
こちらも
私のようなド素人にわかるように
伝授お願いします。
Rei様 みゆきママ様
「茶化してた」「メガヒットに対する照れ」...
そうだったんですね。
♪別にふざけて困らせたわけじゃなーいー
んですね!
「チェックイン」で
「Hold me tight ウッ」
とやってるの観た時は びっくりしました~
できれば、ふつうにやってほしい...
投稿: シロップ。 | 2009年3月16日 (月) 23時30分
わ~~い!
大宮、安城で会いましょうね!!
いてまえTシャツ着てきます!!(間に合うか???)
投稿: まめっち | 2009年3月17日 (火) 06時42分
シロップ。様
うわ~、またネタバレを・・・。
ごめんなさい。
でも、巨大だからと言って、カッコ悪くは見えなかったんです、このツアーのジュリー。
僕は、往年のヒット曲のお茶目なノリは大好き。
1曲を除いて。
僕は「恋のバッド・チューニング」って、果てしなくカッコいい曲だと、ずっと思ってたんです!
それが・・・
「Really Love Ya」あたりから。
気持ちが・・・アッハン♪
いいから・・・ウッフン♪
アレだけは、ついていけない・・・。
投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年3月17日 (火) 21時48分
まめっち様
お、いてまえTでいらっしゃいますか!
しかも大宮!
大宮は・・・ちょっとスゴイですよ。
僕、YOKO君(ドームレポ他、参照)と一緒に参戦ですから、その日。
お席が近ければ、殴り合いとか見れるかもしれません。
ジュリーのLIVEに男2人で参戦した時の破格のテンション、お見せしましょう!
安城では、たぶん打って変わっておとなしくしてるかと・・・。
見知らぬ土地で晒される・・・試練です。
投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年3月17日 (火) 21時53分
いや~~~ん!
恋のバッドチューニングは最近の私のテーマソングだわ!
旦那とは少し離れてGood!
でもネット社会で毎日繋がるしね!!
「睡蓮」大好きなんだけど、カラオケ屋に入っていません。
リクエストしているんだけど…
ジュリーの歌聴いてると元気が出るわ!
投稿: まめっち | 2009年3月17日 (火) 23時02分
またまたお邪魔します~
じっくり観られてないんですが
さらっと観てみました~。
ネタバレokですよー。
だってそのプチ・ネタバレで、
観よう!買おう!って気になるんですから。
恐れていたサイズですが。。。
不思議とそんなに巨大とは感じなかった。
衣装が体型カバーするようなデザインの
せいか...
それとも、目が慣れてしまったとかΣ(゚д゚;)
巨大への恐怖心がなくなったので
じっくり鑑賞してみます♪
投稿: シロップ。 | 2009年3月17日 (火) 23時30分
みなさま~
コメントどうもありがとうございます!
☆
まめっち様
調べました。
確かに・・・UGAにも「睡蓮」は無いんですね。
ちょっと意外。「ひぃ・ふぅ~」とか「夢見る時間~」とかはあるんだけどなぁ。
とりあえず、ドームのセットリストは全曲網羅してほしいですね、UGA様。
あと、「いくつか」と「チャコール」を全曲~。
☆
シロップ。様
それは、慣れたのではありません。
乗り越えたのです!
もう大丈夫。
大きくたって、ジュリーはジュリーなのです。
あんまり痩せると、かえって心配しちゃうじゃないですか~!
投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年3月18日 (水) 21時32分
乗り越えた!!
そうだったのか..
これ以上高い山が
現れませんように(u_u。)
(だって膝が心配...)
投稿: シロップ。 | 2009年3月18日 (水) 21時51分
シロップ。様
そうそう、バンド編成の話するの忘れてました~。
キーボードが無し、ってのは良くあります。
ロックのLIVEの中でも、より無骨なステージになりますね。
ただ、ベースが無いってのは・・・まず考えられない。
よほど変則的なバンド以外は。
で、その変則的なバンドの場合を考えると、圧倒的にヴォーカルがメインのステージになるのですね。
ジュリーがそこを狙ったのかどうかは、僕には解りません。
でも、最近の鉄人バンドは完全にジュリーと一体化してますし、これもアリかな、とは思えてきてます。
タイガース時代の曲とかでは、泰輝さんが鍵盤でベース音を弾いたりしてますよ。
投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年3月19日 (木) 00時20分