« きめコンには、行けません・・・(泣) | トップページ | THE BEATLES「DAY TRIPPER」 THE ROLLING STONES「(I can't get no)SATISFACTION」 »

2009年2月 9日 (月)

沢田研二 Tour '97「サーモスタットな夏」

~at 日比谷野外音楽堂 1997.10.18

また新たにカテゴリーが増えました。このコーナーでは、ジュリーのDVD作品について、伝授レビューをして参りたいと思います。

実は、リンクを貼らせて頂いているサイト「いてまえジュリー」の皆様からの強烈なプッシュを受けて、先頃DVD版「CROQUEMADAME AND HOTCAKES」を衝動的に購入、現在到着待ちの状況なのですが、いてまえ隊の首領・しゃん様より
「観終わったら、世界中に伝授するように」

と、指令が下りまして。
そういや、DVDそれ自体の伝授は、今までやってなかったなぁ、と。
ちょうど最近の瀬戸口は、定価購入可能なCD全てを買い揃え、大人買い対象がDVD作品へとシフトしたタイミングでもありましたので、ここはひとつ、乗っからせて頂きましょうということですね。
「CROQUEMADAME~」の前に、今日は一丁試し斬りです。

で、このコーナーにおける伝授のスタイルなんですが、楽曲やMCのネタバレはある程度仕方無いとしても、LIVEレポートのように順を追って逐一解説していく、というのは野暮だろう、と。
皆様が御覧になる前に、内容全部説明しちゃうのは、いくら何でもやり過ぎでしょうから。
そこで、作品の見どころ、予備知識などを数ポイント上げて語っていく、というスタイルでやらせて頂きたいと思います。

それでは第一回。
1997年のツアー、10月18日は大トリの日比谷です。
DVD版「サーモスタットな夏」、伝授!

①アルバム「サーモスタットな夏」は、大名盤である!

毎年必ず1枚のアルバムを出し、そのコンサートツアーをやる!
それが、ジュリーが自らに課し、見事に継続し実行してきたスタイルです。
2009年現在、タイガース時代からジュリーと歩んでこられた多くの先輩方が、未だジュリーマニアとして健在である、というのは、
「ジュリーは毎年必ずコンサートツアーをやってくれる」
という信頼感により築き上げられ、今へと繋がってきた結果なのだなぁ、と。
ドーム以降、そういう方々と数多く出会って参りまして、改めてそう確信しております。
で。

アルバムのツアーですから、セットリストはニューアルバム全曲が必須、あとは観に行ってのお楽しみ。
従って、その年のアルバムが好きかどうか、という事は、LIVE鑑賞において大きな影響を及ぼします。
僕は、アルバム「サーモスタットな夏」が大好きなのです。このアルバムでのジュリーのセルフプロデュースはコンセプトアルバムを意識したものであり、白井良明さんが初めて収録曲全てのアレンジを担当、見事にそのコンセプトを纏め上げました。
ドーム以降、ジュリー堕ちの日々を過ごす事になった僕が最初に購入したDVD作品が「サーモスタットな夏」。選んだ理由は一点、アルバム自体が大好きだから、という。
皆様、思い入れのあるアルバムは様々でしょうが、特に新参のジュリーファン、復活組の諸先輩方におかれましては、好きなアルバムのツアー作品から買っていく、というのが一番良いのではないか、と思っております。僕にとって「サーモスタットな夏」は、ズバリそういうアルバムだったのです。

②ファンの皆様も、88歳まで健康でいて頂きたい!

この頃のジュリーがさかんに言っていたのは
「88歳までこのスタイルを続ける事は可能であろうか(拍手)」と。
このLIVEのMCでもそう語っているわけですが、
「自分ひとりだけ(88歳まで)頑張っても、観る人いなかったら、ツマンナイよ!」
だそうです。
「(ですから皆様も)痩せるだとか(笑)、キレイになるだとか、そんな事は二の次三の次で結構、とにかく健康でいて頂きたい!」
「どうせキレイにして(LIVEに)来たって、私ゃ見やしないんだ(笑)!私はただひたすら、歌う、のみ!」
「(と言うのも)最近とみに近視乱視がひどくなって、辞書の字がほとんど読めないという(笑)。CDの歌詞カードの文字は、できるだけ大きめに大きめにと心がけておりますが(拍手)、何はともあれ、私自身も、皆様方も、健康でありたい、いて頂きたいと。健康が一番です(拍手)!」
とまぁ、最初のご挨拶MCはこんな感じ。楽しいですよ~。
これが10年以上前のLIVEなんですから。ジュリーは40代最後の年だったんですね。
還暦を迎え、ドーム興行を大成功させたジュリーを知っている今、改めてこんなMCを聞くのもイイじゃあないですか!

③ジュリー&バックバンド、ステージの見せ場はココ!

個人的な好みの話にはなりますが、何と言っても、第一部ラスト「PEARL HARBOR LOVE STORY」から、着替えタイムを挟んでの「時計/夏がいく」、この2曲の流れは衝撃でした。
着替えタイムにバックバンドが演奏するのは「PEARL HARBOR~」のインストなのですが、これがまた素晴らしい。各楽器見せ場があるのは当然、ラストで村上ポンタ秀一さん渾身のドラミングに振ったカメラワークは見事です。
「PEARL HARBOR」でのジュリーのヴォーカルは凄まじいまでの気持ちの入れようで、「あぁ、着替えの前には全身全霊で楽曲の世界に入り込み、着替えている間にスイッチ入れ直すんだなぁ」などと、勝手に納得しておりました。

「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」では間奏の柴山さんに注目。ステップしながら、果ては片足ピョンピョンでステージ旋回しながら、ニコニコと涼しい顔でリードパートを奏でます。とてもマネできそうにありません。

キーボードの泰輝さんは(今でもそうですが)、御自身の鍵盤パートがお休みの小節間にスゴイ動きをしてまして。
この頃は泰輝さんも相当若かったわけですから、大変な状態になっている曲がいくつもあります。特に「渡り鳥はぐれ鳥」では、その狂乱ダンスの様子がバッチリとカメラに拾われております。

あと、タイトルチューン「サーモスタットな夏」は2度演奏されます。この辺りも、コンセプトアルバムのツアー、という感じを受けます。
1度目の演奏は勿論初っ端。そして2度目は本編ラス前。

この2度目が、特にスゴイです。ステージ左端に、ゲストのBOKE BOKE SISTERSが忽然と出現、CDと全く同じコーラス、嬌声で盛り上げます。
まぁ僕は普通に盛り上がってイケイケになりましたが、女性の皆様はちょっとジェラシーですか、これ?
SISTERSの5人、間奏では右端の柴山さんの所まで駆け寄って行って、「キャ~」と叫びながらヒラヒラ盛り上げです。
ただ心配なのは、彼女達がこれ以降、ちゃんとジュリーに堕ちてくれているのか、という。
その年だけオイシイ思いをして、その後ついてきてくれていないとすると、けしからん事です。元BOKE BOKEの方々、もし当ブログに遊びにきて下さっていましたら、是非コメントにて僕のこの失言を叱咤、お願いいたします。

以上、マニアックな見どころを3点ほど挙げましたが、肝心のジュリーについて。
このDVDでは、動き回る、走り回るジュリーです。その点を重要視されていらっしゃる方は、心配無用です。
ヴォーカルは、曲が進むに連れてスゴくなっていきます。どのLIVEを観ても、いつもジュリーはそうなのですが、この作品では特に「サーモスタットな夏」が2回歌われておりますので、比較すると歴然です。声を出していくうちに、どんどん加速していく歌い手なのですね。

「奇跡元年」では、アルバム「サーモスタットな夏」収録曲からのセレクトは1曲もありませんでした。
夏のコンサートでは、是非とも「ビ~タ~!」とか「やめて!」とか叫びたい瀬戸口なのです。
東京ドームの時は、己の不勉強のため、参加できなかったですからね(泣)。

|

« きめコンには、行けません・・・(泣) | トップページ | THE BEATLES「DAY TRIPPER」 THE ROLLING STONES「(I can't get no)SATISFACTION」 »

伝授・番外編 激奨DVDレビュー」カテゴリの記事

コメント

うむ。なかなか良い出だしじゃ。


これを読んで、今一度サーモスタットのライブ、観たくなりました。そんなこんなで、ぐるぐる、ぐるぐる、ジュリーワールドですべて事足りるわけですね。


もう、洋楽新譜買わなくていいよ〜!潔く、参りましょう。

投稿: しゃん | 2009年2月 9日 (月) 08時44分

はじめまして。
しゃんさんとこから参りました。

コーラス女性5人(BOKE BOKE SISTERS)ですが、皆さんミュージシャンですよ。
97年5月に上演された、ACT「エルビス・プレスリー」にジュリーのバックバンドとして出演されてます。
公演のためにオーディションで組まれたバンドだそうで、
化のGrace嬢も

投稿: くれトモ | 2009年2月 9日 (月) 09時21分

間違って送信しました、お目汚しですみませんが、続きを(゚ー゚;

かのGrace嬢もオーディションを受けていたようです。
フジテレビ・ミュージックフェアにもサーモのコーラスで出演していましたね。

その後もメンバーはジュリーのコンサートに行っていたとか。
ドームにも来ていたのかなあ??

DVDレビュー、これからも期待しております。
ジュリーワールドはまだまだ奥深いですよ~。


投稿: くれトモ | 2009年2月 9日 (月) 09時40分

しゃん様、くれトモ様、お揃いでいらっしゃいませ。

本日AMAZONから商品発送のメールが来ました。
しゃん様のお荷物はまだ届かない…
携帯にストラップ、ジーンズのベルトんとこにキーホルダー装着の予定なのですが。
こりゃ、明日夜あたりは大変な事になりそうですな。

さて、くれトモ様といえば。
「クロックマダム~」LIVEを最前列でご覧になったという伝説のお方。
こちらにお越し頂けて大変嬉しいです。

そして、早速のご指摘、畏れ入ります。
"GIRLS"と"SISTERS"は、単純に間違えて書いちゃいました。今から直します~。

で。

>BOKE BOKE SISTERSは、皆様ミュージシャン

え~!そうなんですか!
僕はてっきり、ドームでの1000人コーラス隊一般公募みたいなノリかと思ってました。

GRACE姉さんもオーディション受けてたとは!
落ちちゃったんですね。
でも、数年後にはBOKE BOKEどころかバックバンドですよ。人の運命は解らない…。

いや、僕は大体一週間に一度くらいの割合で、
「ああぁっ、そうだったのか!」
と、ジュリーを取り巻く新しい知識を叩きこまれている次第です。
それはみな、くれトモ様のような先輩方から、あちらこちらで教えて頂いているのです。

♪感謝、し~たい~♪

今後とも、よろしくお願い申し上げます~。

投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年2月 9日 (月) 20時21分

サーモのアルバムが大好きなので、LIVE DVDもよく見てます。
しかも野外ですからね~。
還暦をすぎられた今後、野外LIVEなんてやってくださることが、果たしてありえるのかどうか…
いやいやぜひやっていただきたい。まだまだできるはず。

GRACEさんが鉄人バンドメンバー入りの経緯はここの真ん中くらいのあたりでコメント
していますよー
http://lmc.yamaha.co.jp/interview/006/index.html

cobaさん&ポンタさんつながりなんですね。
縁というのは素晴らしいものです。

投稿: canna | 2009年2月10日 (火) 01時07分

canna様、いらっしゃいませ~。

嬉しいです、「サーモスタットな夏」がお好きとは!
僕は、「JULIEⅡ」がちょっと別格で一番好きなアルバムなのですが、第2位は日替わりでして。
しかし、ドーム以降の2ケ月に限っては、もう完全に「サーモスタット」が不動の2位を確定したかな、という状況です。
「PEARL HARBOR~」なんて、ジュリー以外一体誰が歌えるんだ!と(でも今度カラオケ行ったら自分が歌う)。

GRACE姉さんの記事、興味深く拝見しました。
なるほどポンタさんのお墨付きがあったのかもしれませんね。
ドラマーとしてのみならず、作詞家としても今やジュリーに欠かせないお方。
「ワイルドボア~」での「堕天使の羽音」の美里パートも素晴らしかった。
今後も、彼女の活躍には大変期待をしております。

cannna様、今回は情報どうもありがとうございました。
またのお越しをお待ちしてます~。

投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年2月10日 (火) 21時14分

お初です。40代男子です。
昨年の秋に、このDVDを購入しました。
本題は、楽曲『サーモスタットな夏』の歌詞の1部分を如何に解釈するか?です。
真夏にエアコンされた室内で空想している内容の曲、であることは明確ですが。
「君は誰?、彼」…ジュリーが交互に指を示して、不思議に思う態を演技している箇所です。
この歌詞の部分は、空想中の,どのような瞬間なんでしょう?。
詞の中の[彼女]=[君]でしょうか。
[彼]って何?
黄昏の語源[誰そ彼]からの発想なのかなぁ。

とにかく「1瞬、君は誰?、彼」の独自なる意味解釈でも
(お暇でしたら)伝授しておいてくださいますと、ありがたく心に留めておきます。

投稿: 鉛筆 | 2009年2月19日 (木) 13時17分

鉛筆様、コメントありがとうございます!

40代男子、バンザイ!
嬉しいです!同じです!

が。
さすがに男子、いきなり鋭いご質問。

この詞、謎なんですよねぇ。
架空の世界だとしても、その中に多分、登場人物は複数いるでしょうねぇ。
ちょっとヤバイ詞かもしれません、これ。

僕は素人レベルではありますが作詞・作曲をしますので、何となく想像できるんですが、
これは、曲が先にあって、後から詞を載せたものと思われます。
詞の手法は洋楽で言えばサイケ時代に近く、雑多で幻想的な言葉をパズルを埋めるようにして散りばめ収束させていく、というものです。

「安堵」とか「ゼンマイ」とか、メロに載せた時に語感の良い言葉を選んで使っているのだと思います。
「君は誰彼」は「たそがれ」から来てます、たぶん。
LIVEでのあのゼスチャーは、ジュリーが良くやる「言葉と身体の表現一致」パターンかと思われます。
ジュリーマニアでの「ワイン」の「仮面を脱いで~♪」のポーズと同じですね。
ちょっとしたステージサービスなんだと思いますが、どうも90年以降は笑いをとってやれ!的なジュリー自身のステージの楽しみ方になってるみたいで。
最近は拍車がかかり、色んな曲で色んな事やってます。
って、僕も最近そういう事に気づきはじめたばかりなんですけど。

ともあれ、年齢の近い男性ファンとお知り合いになれたのはすごく嬉しい事です。
いつかLIVE等でお会いできる日が来ますことを…。

是非また遊びにいらして下さいね~。

投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年2月19日 (木) 23時28分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 沢田研二 Tour '97「サーモスタットな夏」:

« きめコンには、行けません・・・(泣) | トップページ | THE BEATLES「DAY TRIPPER」 THE ROLLING STONES「(I can't get no)SATISFACTION」 »