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2009年2月17日 (火)

沢田研二 「おまえのハートは札つきだ」

「JULIE SINGLE COLLECTION BOX ~Polydor Yeas」収録
original released on 1979 シングル「OH!ギャル」B面

やっぱり、屈指の名曲でした・・・。

いや、唐突ですみません。
え~と、前回記事のフォローの意味もこめて、とり急ぎ1曲、伝授させてくださいませ。

まずは昨夜、後悔とも不安ともつかない気持ちで書いてしまった、「シングル・コレクションBOX~ポリドール・イヤーズ」という商品について。
これ、ドーム以前の僕でしたら、巷の多くの評価と同じく、「値段が高い、無駄が多い、販売意図不明!」と思ってしまっていたかも知れません。

が、12月以降ジュリーについて必死で勉強し、ライブやブログを通じて知り合った諸先輩方の色々なお話を伺ってきた今だからこそ、解る事があるのです。
この商品のターゲットはズバリ、ジュリー曰く「浮動票」の皆様です!

最近購入したDVD「ワイルドボアの平和」(2007年正月)アンコール時のMCによれば

「あの当時(タイガース時代から、80年代までの大ヒット連発期を指すのでしょう)、あんなにたくさん居た人達は、どこへ行ってしまったのか。巷に浮動票として漂っているのか。それを期待するのは、とらぬ狸の皮算用でしょうか?」

還暦を迎える翌2008年には、何か大きい事をやりたい、と明かした上でのジュリーの言葉です。
実はこの時点で既に、「2大ドーム興行」は企画が進んでいたわけですね。ジュリー自身、本当にあの大会場に見合うだけの人数が集まってくれるのか、という不安な思いもあったみたいです。
後に、「チケットが売れなければ中止する覚悟」であった事や、「60歳の誕生日以降禁酒して、この大イベントに臨んでいた」事が明かされるのですが、何と言っても、ジュリー祭り成功のためには、”浮動票の皆様”の動向が、とても重要な鍵だったのです。

例えば、若き日のジュリーを追いかけ、その後結婚されても尚且つジュリーへの気持ちを死守、継続してコンサートに参加してこられた方々は、”固定票”としましょう。

一方。
結婚等を期に、それまで買い集めていたジュリーのレコードを泣く泣く処分、仕事や子育てに追われ、次第に思い出と化していたジュリーが、ふと気づくと「還暦を迎える」という。そして、ドームで大コンサートを敢行することが決まった、と聞いた時に、かつての思いが再燃・・・こういった方々が、”浮動票”です。

ジュリーを振り還ろうにも、レコードは全部処分してしまった・・・。
そこでこの「シングルコレクションBOX」の出番が来るわけです。
わざわざマキシシングル43枚組、それぞれのディスクに当時のジャケットを復刻して付ける、歌詞カードも各ディスクにつき1枚ずつ!などという大胆な形態になったのは、この方々のためです。

失くしてしまった乙女時代の宝物を、そのまま復刻!

それが、この商品の意図なのですね。
さすがにレコードで復刻ってわけにはいきませんから、CDになって、気持ち小振りにはなっちゃってますけどね。
「僕みたいな奴が所有していても、宝の持ち腐れなのかなぁ」という気もしますが、そういった商品の販売意図が確信できただけでも、購入して良かった、と思いました。自分のジュリーに対する理解度が、少し上がったような気持ちになりましたもん。

これから、ゆっくりと大事に、日に2枚ペースくらいで聴いていくつもりです。
自分で編集して聴くなんて、ずっと後でいいじゃん!と、今はそう考えています。

で、真っ先に聴いたのが、お題の「おまえのハートは札つきだ」でございました(何か今回の伝授は蛇足っぽいな)。
あの当時の、日本のロック、なんだよねぇ。
語尾をベタ~ッと延ばすメロディーはジュリー自身歌ってて気持ちいいらしく、洋楽のカバーとか演ると大体いつもそんな歌い方になるのですが、この曲は正真正銘、阿久=大野コンビのナンバー。
アルバム時期で言えば、「愛とは不幸を怖れないこと」と「TOKIO」の間。でも楽曲的には「今度は、華麗な宴にどうぞ」に収録されてても違和感は無さそうです。
アレンジは、ジュリーの大好物・ストーンズです!
ギターを始めとする全体演奏の骨子は、「ブラウン・シュガー」。で、2番直前のカウベル・ソロが「ホンキー・トンク・ウーマン」と同じリズム叩くんですわ~。シングルB面という事もあってか、気持ちいいくらい羽根を伸ばしてます。もちろん、ジュリーのヴォーカルもね。

最後に、余談ではありますが。
AMAZONのお急ぎ便を利用したので、この「シングルコレクション」、届け先を会社にしたんですよ。
そうしたら、予想よりもデカくて重い物体が届きまして。
有り合わせの紙袋にも全然収まり切らず、帰宅路では、袋から半分はみ出しているモノを両手で抱えて闊歩している、という状態でございました。
デカデカの文字で「JULIE」とか書いてあるのが丸見え。
そんな調子で歩いていましたら、池袋駅構内で、すれ違い様に、「あっ」と小さな声を出して振り返ったマダムがいらっしゃったのでした。

単に、目立っていたので気を引いただけなのか、それとも目ざといジュリーマニアの方だったのかは解りませんけど。
もし後者だとしたら、腿のあたりでプランプランと揺れている、いてまえキーホルダーにも気がついただろうなぁ。

Ohgal

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瀬戸口雅資のジュリー一撃伝授!」カテゴリの記事

コメント

私も浮動票・・・再燃組です。
BOXは予約で・・・ACTシリーズは京セラで買いました。
ジュリーのノリノリな曲は職場でBGMとしてかけています。
老人さんのレクリエーション・・・身体を動かすのには結構いいんですよ。
今は完全に固定票になっています。

投稿: まめっち | 2009年2月18日 (水) 08時59分

まめっち様、ようこそいらっしゃいました~。

浮動票→固定票。
世の中の動きは、完全にそうなってますよねぇ。
あとは、僕の世代の「突然堕ち組」が、この先何処までついていくか。
僕らがついていけば、次の世代もきっと…ですよねぇ。
頑張らねば。

いや、「奇跡元年」でつくづく感じましたけど、
ジュリーのみならず、年配のファンの方も相当元気ですね。
ちゃんと最後までスタンディングでついていきますからね~。

途中で右腕筋肉痛を起こした自分が情けないです。

しっかり先輩方についていこうと思います。
今後ともよろしくお願いいたします~。

投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年2月18日 (水) 21時44分


瀬戸口さまの行動を見ていると 安心します。


”ワタシはまだ大丈夫だ” と。

え?チガウ?


Bコレ 再販熱望ですっ(シングルコレを買う勇気がありません・・・涙)

投稿: しゃん | 2009年2月18日 (水) 22時33分

しゃん様、いらっしゃいませ。

う~ん、僕は、しゃんさん見てると「自分はまだ大丈夫だ」と思いますが。
そうでもないのかなぁ…。
まぁ、大人買い恐るべしですね。理性が…。

B面コレクションは、再発しそうな気がします(泣)。
でも、いいのです。後悔はしてません~。
傑作揃いですから、B面!

あと。
「さよならをいう気もない」のジャケットは、
男の僕から見ても、神レベルのカッコ良さです。
って、シングルコレ自慢ですか、これは?

グッズに新企画にと、忙しい最中だと思いますが、また遊びに来てくださいね~。

投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年2月18日 (水) 22時59分

お互いを見て ”あぁはなりたくない” と
思ったり 思われていないのが救いか、も?


また来ます。
中抜けさんたちもいっぱい連れてきますね


さよなら~  の神がかりなジャケかぁ。。。

投稿: しゃん | 2009年2月18日 (水) 23時27分

こんにちは。

そろそろ「きめコン」の準備しなくちゃ!と洋楽の入ってそうな「'79ロックンツアー」のライブカセットを聴き始めたら入ってましたよ、この曲。
若いジュリーが若い声で楽しそうに歌ってました。この頃の声もいいなあ~ 今のジュリーが歌ったらどんな感じだろう?聴いてみたいですね。

次は「比叡山フリーコンサート」を聴いてみるつもりです。昔のジュリーも時々聴いてみるものですね。微笑ましい気分になれます。

投稿: YUKA | 2009年2月19日 (木) 10時18分

みなさま~、いらっしゃいませ~

しゃん様

昨日再び来てくださっていたのですね~。
レス遅れました。昨夜は、寝る前にトカゲ鑑賞(5回目)し、力尽きて寝てしまいまして。

しかし。

この素晴らしいステージを真摯に伝えたいはずなのに、
何故、つい「トカゲ」と言ってしまうのか。

ジュリーのロックは深いっす。

え~、「あぁはなりたくない」どころか
「あぁなりたい」とすら思っとります。
しゃん様のことも、多くの先輩方と同様、尊敬しておるのです。
なんか、実は人間的に相当格上のお方なのでは、とか。

今後も必死でついて参りたい、と。

YUKA様

さすが!
持っておられますか、カセットテープ!

最近とみに思いますのは
テレビの歌番組で見てたジュリーの記憶と、今になってチラホラと聴いた、あの頃のLIVE音源とのギャップ。
いや、歌番組を見てた僕はまだガキ過ぎて、ジュリーの真髄を理解してなかっただけなのかもしれませんが、
それにしても、ここまでロックしていたとは…。

きめ今参戦、羨ましいです…。
洋楽ガンガン演るんでしょうねぇ。

裕也さんがいるから、ジョン・レノンの「パワー・トゥー・ザ・ピープル」を演るような気がしてます。
御存知なければ、レンタルで予習をおススメします~。
ベスト盤なら大抵収録されてますよ~。
(とか言って演らなかったらすみません。
でも、今のジュリーなら、あの曲に日本語詞つけてるような気がしてならない…)

はりきって行ってらっしゃいませ~。


投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年2月19日 (木) 23時07分

瀬戸口さま。

アドバイスありがとうございました。
早速、動画サイトでお勉強してきました。毎日、のぞいて予習がんばります。

ライブカセットも実は存在を忘れていたのだけど、最近偶然発見して聴いてみたら
当時かなり頻繁に聴いていたのか、すぐ記憶が甦ってきました。
めったに聴けない当時のコーラのCMソングもあったり、バンドメンバーの紹介もそれぞれソロ演奏ありで1曲分くらいの時間をとっていたりと興味深かったです。

ではまたお邪魔しますね。

投稿: YUKA | 2009年2月20日 (金) 12時43分

YUKA様

ライブカセット。
存在を忘れていても、しっかり保管してあるところが素晴らしい!
究極の片付け下手な僕にとっては、奇跡のような事ですよ。
僕なんて、数年前に部屋のどこかに埋もれてしまった「來タルベキ素敵」が、まだ発見できませんです…。

コカコーラの曲って、「Hot Summer」ですよね?
当時小学生だった僕は、そのCMの記憶が無いんですよ。
絶対観てるはずなんだけどなぁ…。

投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年2月20日 (金) 22時12分

私もCMはあまり覚えがないんだけど、カセット聴いてたせいか曲は覚えてました。ちなみに「RED SUMMER」でした。
お嫁入り道具で持ってきてよかったです。でもたくさんのLPレコードは今も実家にあります。プレーヤーも場所も無くて…だから少しずつCD買いなおしてます。なんか勿体ない気もしますが…
ジュリーのおかげで昔からやりくり上手な私です!

投稿: YUKA | 2009年2月20日 (金) 23時20分

YUKA様

そうそう、「RED SUMMER」でした。これで、しっかりと覚えました!

お嫁入り道具にジュリーのカセットテープ。
泣けますねぇ。
さすがにレコードはかさばるし、断念なさったんだなぁ、とか想像しましたよ。

LPでジュリー持ってらっしゃる方って、もうそれだけで羨ましいんですけどね。
ジャケはもとより、歌詞カードも大きいですからね。
「いくつかの場面」とか「JULIEⅡ」とか、大きい歌詞カードで見てみたいです…。

投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年2月22日 (日) 03時23分

ファンのオンナノヒト
がジュリーの容姿ついて
形容するときに「可愛い」
という言葉を幾度か目に
したことがある。

実際、20年程前,
吉川晃司ファン19歳の
オンナノコに,ジュリーの
レコードジャケットを
まとめて見せた時「可愛い」
と発言され意外だった。
〜「かっこいい」のではないのかぁ…と考えさせられる,のだ。。


さて、このシングル盤は
アルバムからの抽出でなく
AB両面曲およびジャケット・デザイン合わせて
物品としての個性を放つ
いくつかのうちの1枚だ。
『OH!ギャル』は冗長
な感があり、TVサイズの
ワンハーフで丁度よい感じ
だけれど、B面『おまえの
ハートは札つきだ』は,
全コーラス惜しまず聴くぞ!という気にさせる乗りだ。

〔ブラウン・シュガー〕の
連想は全くしてきません
でしたぁ。。確に唄い出しやギターカッティング音を吟味すれば、
あの楽曲の骨組ですねぇ。
ただ、発売当時に感じてた
ことですが[オールド味
演出意図は解るけど,
ドラムの叩き方、もたもた
させすぎ]な部分。。
ジュリーの歌唱は威勢よく
ホット!ホット!なのに。
という,もどかしさ。
ライヴではどうだったかは存じませんけれども。

ストーンズの作品世界を
投稿者に思わせなかったのは
やはり,ジュリーの歌声にも
「可愛い成分」が混入されているからなのかなぁ…。
かっこいい唄い方だけ,
ではない要素。。

NO-NO-NO…の語句を聴くと
石野真子の『失恋記念日』
が,あたまを過りますぅ。
阿久さん作詞だったかな。。

投稿: 鉛筆 | 2009年6月20日 (土) 09時08分

鉛筆様

いらっしゃいませ~。

この頃の阿久=大野ナンバーは、歌詞と曲が全然合っていなかったりするのが却って魅力に感じますが、この曲はお二人のアプローチがピタリと合っている、と思いました。

僕は、まずLIVE音源を聴いたのですよ~。
カッコ良かったんです。
カワイイ、とは思わなかったなぁ…。

この曲のレコーディング音源がどうしても欲しくて、大枚叩いてBOXを購入。
そして、「遠い旅」や「淋しい想い出」に出逢ったのでした。

ポリドール時代のB面曲、名曲揃いですよね~。

投稿: DYNAMITE | 2009年6月21日 (日) 01時37分

はじめまして。検索サイトより訪問しました。
最近ジュリーのシングルEPを購入して、はじめてこの曲を聴いたのですがあまりのカッコよさに鳥肌が立っています。もちろんジュリーのボーカルは言わずもがなですが、エレキの音や小気味よいカウベルに女性コーラス、どれをとっても70年代グラムロック好きとしてはド・ストライクのロックンロールナンバー。こんなカッコいい曲を40年近く前にやっているなんて。とてもいい曲に巡り合えました。

投稿: 猫とロック | 2018年2月15日 (木) 10時02分

猫とロック様

はじめまして。
コメントどうもありがとうございます!

いやぁこれは懐かしい記事です。
僕の場合は当時(2009年)ジュリーのライヴ・アルバムで初めてこの曲を知って、どうしてもレコーディング音源が欲しくなり大枚はたいてポリドールのシングルコレクションを購入したのでした。

分かりますよ~。この曲をはじめ、70年代のジュリー・ナンバーをグラム・ロックたらしめているのは詞曲演奏の素晴らしさももちろんですが、ジュリーのヴォーカル適性だと僕も思います。

ロック度の高さということで言えば、70年代ジュリーはシングルA面よりもむしろB面です。
猫とロック様がグラム・ロックなど70年代のロック・テイストがお好きならば、是非今度は『勝手にしやがれ』のB面「若き日の手紙」を聴いてみてください。
「おまえのハートは札つきだ」同様に阿久=大野作品ですが、きっと驚きますよ~(もしもう既にお聴きでしたらすみません)。

これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

投稿: DYNAMITE | 2018年2月15日 (木) 16時53分

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