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2009年2月

2009年2月28日 (土)

ごめんなさい、きめ今のレポは無いんです・・・

きめ今の詳細がまだ解らないよ~。
瀬戸口の野郎、とっととレポ書きやがれ!

・・・全く同感でございます。
帰宅してみると、どうもきめ今のレポートやセットリスト詳細記事を求めて検索かけて、当ブログにお越し下さった方々が数名いらっしゃるようです。

申し訳ありません。
以前にも書きましたが、瀬戸口はきめ今参加できなかったんです。
いつもは、自分の書いた文章を読み直すなんて恥ずかしいのですが・・・

俺だって、俺の書いたレポ読みたいよ、今回ばかりは!

あ~あ。ホント、無理矢理行けば良かったなぁ。
渋谷も神戸も、絶賛の嵐ですね。でも、詳細が良く解らない。

参戦された方々、断片でも構いませんので、「この曲が良かった」とか、一言でもコメントを~!
どの曲をどういう風に演ったのか、それが一番知りたいよ~。

どうかお願いいたします~。

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2009年2月23日 (月)

THE BEATLES 「GET BACK」

「きめコン」セットリスト予想シリーズ。
と言いながら、ちょっと渋いトコ行っちゃったか?と思わないでもないですけど。
でも、ビートルズは必ず何曲かは演ると思うし、この曲、結構匂うんだよなぁ。
ジュリーは過去、71年クリスマス・イブの1stリサイタルでカバーしてます。幻のカセットテープリリース「JULIEⅢ」より、伝授!
(註:すみません、LPもちゃんと存在するみたいです。かの様、ご指摘ありがとうございました~。)

何故この曲を演りそうな気がするかと言いますと。
いきなり失礼な話なのですが、この「Get Back」って、一見するとガンガンに攻めるロッケンロール。でも実は、体力的に結構・・・楽なんです。
マーチのリズムなんで、演奏してる分には、聴こえるほどテンポ速くなかったりとか。
もちろん、ポール・マッカートニーのキーは、常人にはちょっと高くて苦しいですよ。でもそこは、ジュリーですから(って、裕也さんは?)。
歌詞も、好きに崩して歌えたり。歌唱の自由度がすごく高い曲で。最近のポール・マッカートニーのLIVEを観ても、他の曲より全然楽そう。ちなみにポールは、ジュリーより年上なんですけど。

ジュリー自身MCで「頑張って、でも頑張らないで、適度に力を加減して、無理せずやっていきたい」と語る事が多くなってきました。
今後もできる限り長く歌っていきたい、という決意ですよね。
「Get Back」は力を抜いてるようには見えない曲ですから、ジュリーもセットアップとして選びやすいんじゃないか、と。妥協ではなく、魅せる技術、ということです。

予想の理由はもうひとつあります。
この曲は、現在の鉄人バンド(ベースレス編成)に非常に合っているのです。
サイドギターが5・6弦(低い方の弦)を強調して、後ノリで弾くスタイル。これで低音がカバーできます。演るとしたらおそらく下山さんがこのパート。カントリー・タッチのリードギターパートを、柴山さんが担当してくれるでしょう。

そして、オリジナルのシングルヴァージョン(「LET IT BE」のB面)ではビリー・プレストンがゲスト参加していて、間奏ではホンキー・トンクなピアノをキメているのですが、これは泰輝さんも演るとなったら血が騒ぐのではないでしょうか。

ここまで書いて、本当に演りそうな気がしてきた・・・観たいなぁ・・・。

今回の伝授曲、ビートルズから「I Saw Her Standing There」とどちらを採るか、迷いました。でも、「I Saw Her~」はハンパなく体力使う曲なんで、今回はどうかなぁ、と。
それに、僕が観れないLIVEで「I Saw Her~」演るのだけは勘弁してくれ~(何処かで聞いたような話だな)という自分勝手な思いもありますもので。「Get Back」を推奨させて頂いた次第であります。

もしも、だよ。
「Get Back」演らずに「I Saw Her」だったとしたら、それってジュリー、ガチ本気だから。その場合は、観れなくて悔しいが仕方無い!参戦する皆様にすべてをお任せしますので、モッシュ行ってください。
「Get Back」は、普通に手拍子でね。
頼んだよ~(泣)!

最後に、「Get Back」収録CDの紹介を。
まぁ、普通はアルバム「Let It Be」で聴くんでしょうが、ここはシングルヴァージョンでの予習をオススメしておきます。

THE BEATLES 「PAST MASTERS vol. 2」
こちらでひとつ。そう、先日伝授致しました「Day Tripper」と同じCDですよ。ジュリーのカバー曲のオリジナルを2曲押さえる事ができます。
ちなみに、万が一ジュリーがギター持つとしたら、「Day Tripper」はかなり有力。いや、加瀬さんが弾く可能性もあるなぁ・・・。

それでは皆様、張りきっていってらっしゃいませ~。

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2009年2月21日 (土)

沢田研二 「届かない花々」

from『CROQUEMADAME & HOTCAKES』、2004

Croquemadame_2


1. オーガニック オーガズム
2. Whisper
3. カリスマ
4. 届かない花々
5. しあわせの悲しみ
6. 
7. 夢の日常
8. 感情ドライブ
9. 彼方の空へ
10. PinpointでLove

-------------------

ようやくこの日がやってまいりましたか。
いえね、この「届かない花々」については、アルバム「クロックマダム&ホットケイクス」購入の瞬間から、いつかブログで語らねばイカン、と思い続けてきたのでした。

何故かって?
もちろん、大好きな曲だから、というのも当然あります。
が、それ以上に・・・
当ブログに遊びに来ていらっしゃる皆様に、ちょっと謝らなければならない事があるのですよ。その機会が、やっと訪れました。

何度も申しあげている通り、僕は東京ドーム参戦時、90年代以降のジュリーの楽曲知識に乏しく、3分の1程度の演奏曲目については、翌日の新聞記事でタイトルを確認したのでした。
その頃は、世の中にこんなに多くのジュリーファンサイトが存在するとは全く知りませんでしたので、僭越ながらと言うか、無謀な試みと言うか、神をも怖れぬ行為とでも言うのか・・・

「よっしゃ、この俺がドームのセットリスト全曲を網羅したレポートを書いて、世の中のジュリーファンに貢献したる!」

などと、大それた事を考えたのでした。
何をエラそうな・・・今、当時の自分のそんな行為を振り返ると、冷や汗が噴き出ます。
まぁ、そんな大胆な発想が、結果として若手(一応)ジュリーマニアである自分を自ら育てあげた事も確かなので、どうかその辺は寛大なお心で見逃して頂ければ、と(汗)。

とにかく。
例え知らない曲についてでも、極力調査して一言でも良いから書く!
という方針でしたので、まずは新聞(サンスポ)で楽曲タイトルを確認、という作業から始めたわけですよ。
するといきなり、

4曲目「A. B. C.」

とか書いてある(笑)。
オイオイこの記事本当に大丈夫なんだろうな~?
とか思いながらも、他に手立てが思いつかなかったので、いちいちWikiで確認しながら(当時は、知らない曲について、収録アルバムやリリース時期が全く解らなかったため、Wikiでも探しきれなかった曲もいくつかありました)、せっせとレポート書いたんですよ~。

で、東京ドームの記事、アップしたんです。
まぁね、書いたには書いたけど、ブログそのもののタイトルに「ジュリー」とか「沢田研二」とか入ってるワケじゃなし、どのくらいの方々の目に触れるか、なんて考えもしてなかったんですけどね。
まぁ、2、3人の本当に濃いマニアの方が偶然見つけて「なんか暑苦しいヤツがいるなぁ」程度の感想を持たれて終わりかな、と。

ところが。
12月中旬あたりから、なんか徐々に検索フレーズランキングの様子がおかしくなってまいりまして(「瀬戸口 ジュリー」とか「ジュリー 伝授してやる」←笑 とか)、下旬になる頃には、一日のアクセスが3桁超えたりとか。
何だ、これは?
と焦った僕は、その後購入した最近のジュリーアルバムについて、必死でドームレポート記事に加筆していったりとか、勘違い記述を訂正したりとか、なんとかジュリーマニアの先輩方が読むに耐え得るものにしよう、という努力の日々に突入する事になりました。

何でいきなりこんなアクセス集中すんねん!ネットおそるべし!
てゆ~か、バリバリ本名で露出しちまった!こんなん想定外だっての!

未熟な僕は、嬉しいやらビビるやらではありましたが。
まぁ、1月中旬くらいにやっと判明したのですが、どうも主にメイ様としゃん様の所で晒されていたのがアクセス集中の原因だったようです(いや、ありがとうございました。成長させて頂きましたです)。てか、よくお二方とも、こんなブログ見つけられましたねぇ。

え~と、それでね。
なんとかドームの記事も、ジュリーマニアとして通用する形にまで加筆修正できたかなぁ、と思い始めていた1月上旬に、アルバム「クロックマダム~」を購入した僕は、収録曲のタイトルを見て、愕然としました。

届かない・・・・・・・・・・・・・花々

ちょっと待て~!

たぶん、12月から遊びに来て下さっている方々は、気がついてる人も多いとは思いますが、瀬戸口、この瞬間まで、ず~~~っとこの楽曲のタイトルを「届かない花束」だと、勘違いしておったのです。
当然ドームのレポート記事も、アップから1ケ月もの間、その状態で放置されて晒され続けておりました。

当方の調査によりますと、あの記事を「記念に印刷して読んだ」とおっしゃって下さっている有り難い方々が三人ほどおられますが、それらはすべて、

28曲目「届かない花束

と書かれているはずです。
え~と。
今からでもその・・・印刷し直して頂くわけには・・・(汗汗)

ということで。
少し咽の閊えがとれたような。長々とホント、くだらないお詫びにおつき合い頂きましてどうも。
それでは、いつも有り難いコメントを頂いているYUKA様よりのリクエスト、「最近赤丸急上昇」だとおっしゃっておられます、名曲「届かない
花々」、伝授です!

1960年代前半までのロックでは、いわゆる「ロック」ナンバーと「バラード」ナンバーというのが明確に区別されておりました。
その頃の「バラード」というのは、言葉は悪いですが「媚びる」ナンバーでありまして、感情を思いっきり露出して、「ホレ、泣け、泣け」とリスナーに訴える役割を与えられていたのです。それは決して悪い事ではなく、ロックアルバムの中にそういった楽曲をいくつか差し込む事によって、アーティストのステータスを押し上げていたのでした。
ところが、66年以降のサイケデリックブームの中で、「媚びないバラード」というべき楽曲が数多く台頭してまいります。
抒情的というより幻想的。エモーショナルというより、クール。

明確なエイトビートではなく、小刻みにリズムが跳ねて、演奏者は常に3連符を意識。
マイナーコードへ展開して泣きを取るのではなく、トニックのセブンスコードを主軸として意外性を選ぶ、というのが「媚びない」バラードの特徴。

現在の音楽シーンでは、そんな構成のバラード楽曲も多様化し、却って媚びたりもしていますが、「届かない花々」は、徹底的にクールな進行で作曲され、素晴らしくストイックな名曲に仕上がっています。
こんなに感動的なバラードであるにも関わらず、マイナーコードは一切使われていないのです。ハッキリと泣きを狙ったバラード楽曲を否定はしませんが、「届かない花々」のようなナンバーがアルバム収録されてこそ、良質なロックミュージックの醍醐味が味わえると言えます。

全体のコード進行は、キンクスの「FULL MOON」という全く無名な楽曲に代表される、固い感じの構築。あと、白井さんがアレンジの段階で施したものと思いますが、イントロのドラムスとベースのアンサンブルに、正にその頃ロックマニアの間で旬と言われた、ロン・セクスミスというカナダのアーティストの名曲「THESE DAYS」へのオマージュが見られます。どちらの曲も、ストイックな「媚びない」バラードなのです。

ジュリーはそんな楽曲に、幻想的でありながらも非常に前向きな、骨のある強い歌詞を載せました。
この曲のみならず、90年後半からのジュリーの作詞センスの急激な成長には、目を見張るものがあります。

アルバム「クロックマダム~」その他の収録曲につきましては、当ブログ2009年2月3日付の「感情ドライブ」記事をご参照下さいませ。

で、先程述べたお三方・・・少しでも哀れとお思いでしたらどうか・・・刷り直してやってください~。
ちなみにこれ、後に調べましたところ、サンスポさんの間違いではありませんでした。僕が勝手な思い込みで誤って覚えてしまったようです。
「花束」って・・・どっから出てきたんだろ?
おそらく、ストーンズの「DEAD FLOWERS」あたりからの連想だったものと思われます。その節は、大変失礼致しました~。

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2009年2月17日 (火)

沢田研二 「おまえのハートは札つきだ」

「JULIE SINGLE COLLECTION BOX ~Polydor Yeas」収録
original released on 1979 シングル「OH!ギャル」B面

やっぱり、屈指の名曲でした・・・。

いや、唐突ですみません。
え~と、前回記事のフォローの意味もこめて、とり急ぎ1曲、伝授させてくださいませ。

まずは昨夜、後悔とも不安ともつかない気持ちで書いてしまった、「シングル・コレクションBOX~ポリドール・イヤーズ」という商品について。
これ、ドーム以前の僕でしたら、巷の多くの評価と同じく、「値段が高い、無駄が多い、販売意図不明!」と思ってしまっていたかも知れません。

が、12月以降ジュリーについて必死で勉強し、ライブやブログを通じて知り合った諸先輩方の色々なお話を伺ってきた今だからこそ、解る事があるのです。
この商品のターゲットはズバリ、ジュリー曰く「浮動票」の皆様です!

最近購入したDVD「ワイルドボアの平和」(2007年正月)アンコール時のMCによれば

「あの当時(タイガース時代から、80年代までの大ヒット連発期を指すのでしょう)、あんなにたくさん居た人達は、どこへ行ってしまったのか。巷に浮動票として漂っているのか。それを期待するのは、とらぬ狸の皮算用でしょうか?」

還暦を迎える翌2008年には、何か大きい事をやりたい、と明かした上でのジュリーの言葉です。
実はこの時点で既に、「2大ドーム興行」は企画が進んでいたわけですね。ジュリー自身、本当にあの大会場に見合うだけの人数が集まってくれるのか、という不安な思いもあったみたいです。
後に、「チケットが売れなければ中止する覚悟」であった事や、「60歳の誕生日以降禁酒して、この大イベントに臨んでいた」事が明かされるのですが、何と言っても、ジュリー祭り成功のためには、”浮動票の皆様”の動向が、とても重要な鍵だったのです。

例えば、若き日のジュリーを追いかけ、その後結婚されても尚且つジュリーへの気持ちを死守、継続してコンサートに参加してこられた方々は、”固定票”としましょう。

一方。
結婚等を期に、それまで買い集めていたジュリーのレコードを泣く泣く処分、仕事や子育てに追われ、次第に思い出と化していたジュリーが、ふと気づくと「還暦を迎える」という。そして、ドームで大コンサートを敢行することが決まった、と聞いた時に、かつての思いが再燃・・・こういった方々が、”浮動票”です。

ジュリーを振り還ろうにも、レコードは全部処分してしまった・・・。
そこでこの「シングルコレクションBOX」の出番が来るわけです。
わざわざマキシシングル43枚組、それぞれのディスクに当時のジャケットを復刻して付ける、歌詞カードも各ディスクにつき1枚ずつ!などという大胆な形態になったのは、この方々のためです。

失くしてしまった乙女時代の宝物を、そのまま復刻!

それが、この商品の意図なのですね。
さすがにレコードで復刻ってわけにはいきませんから、CDになって、気持ち小振りにはなっちゃってますけどね。
「僕みたいな奴が所有していても、宝の持ち腐れなのかなぁ」という気もしますが、そういった商品の販売意図が確信できただけでも、購入して良かった、と思いました。自分のジュリーに対する理解度が、少し上がったような気持ちになりましたもん。

これから、ゆっくりと大事に、日に2枚ペースくらいで聴いていくつもりです。
自分で編集して聴くなんて、ずっと後でいいじゃん!と、今はそう考えています。

で、真っ先に聴いたのが、お題の「おまえのハートは札つきだ」でございました(何か今回の伝授は蛇足っぽいな)。
あの当時の、日本のロック、なんだよねぇ。
語尾をベタ~ッと延ばすメロディーはジュリー自身歌ってて気持ちいいらしく、洋楽のカバーとか演ると大体いつもそんな歌い方になるのですが、この曲は正真正銘、阿久=大野コンビのナンバー。
アルバム時期で言えば、「愛とは不幸を怖れないこと」と「TOKIO」の間。でも楽曲的には「今度は、華麗な宴にどうぞ」に収録されてても違和感は無さそうです。
アレンジは、ジュリーの大好物・ストーンズです!
ギターを始めとする全体演奏の骨子は、「ブラウン・シュガー」。で、2番直前のカウベル・ソロが「ホンキー・トンク・ウーマン」と同じリズム叩くんですわ~。シングルB面という事もあってか、気持ちいいくらい羽根を伸ばしてます。もちろん、ジュリーのヴォーカルもね。

最後に、余談ではありますが。
AMAZONのお急ぎ便を利用したので、この「シングルコレクション」、届け先を会社にしたんですよ。
そうしたら、予想よりもデカくて重い物体が届きまして。
有り合わせの紙袋にも全然収まり切らず、帰宅路では、袋から半分はみ出しているモノを両手で抱えて闊歩している、という状態でございました。
デカデカの文字で「JULIE」とか書いてあるのが丸見え。
そんな調子で歩いていましたら、池袋駅構内で、すれ違い様に、「あっ」と小さな声を出して振り返ったマダムがいらっしゃったのでした。

単に、目立っていたので気を引いただけなのか、それとも目ざといジュリーマニアの方だったのかは解りませんけど。
もし後者だとしたら、腿のあたりでプランプランと揺れている、いてまえキーホルダーにも気がついただろうなぁ。

Ohgal

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しばらくは、DVDも買えません~(自業自得)

すみません。
ジュリー絡みはジュリー絡みなんですが、すごく個人的な、複雑な思いを整理したくて、この場を借りまして、綴ります。

本日(日付変わったから、正確にはもう昨夜ですけど)午後11時過ぎあたりから。
2時間くらい、悩み続けてました。

最近、ふとした事で、ジュリーの「おまえのハートは札つきだ」という曲を初めて知ったのです。
先輩の皆様は御存知でしょうね。「OH!ギャル」のB面曲です。
ヤラレました。
このところ、近年のアルバムばかりをドサドサと頭に詰め込んだ反動なのでしょうか。
あの時代ならでは、の空気がすごく新鮮だったのです。
どうしても、レコーディング音源が欲しくなりました。

AMAZONに行きました。
2008年リリース「Single Collection」、30,000円也。

レビューを書いていらっしゃる皆様の評価は様々ではありましたが、概して評判は良くありません。

「一枚一枚シングルCDにする必要があるのか?」
「明らかな便乗商売で、良心が感じられない」?

「いくら何でも高すぎる」

まぁ、おおむねこういった評価が多かったようでした。
実際僕も、買ってしまったら、ディスクを1枚1枚取り出して聴くのではなく、自分で編集して纏めてしまうと思いますし。
B面すべてがシングル盤オンリーのリリースではないので、全く持っていない楽曲、というのは20曲足らず。
どちらかと言うと音目当ての僕に、全ジャケ写真網羅に、果たしてどれくらいの意味があるのだろう(いや、もちろん嬉しい事なんですが)?

しかも、3万円。
本当に2時間悩んだ挙句・・・。

ポチッっと・・・あ~あ、やってもうた・・・。
そんな事ないと思うけど、リマスターされてなかったら、どうしよう・・・。

いくら大人でも、そうそうお金持ってないです。
先輩方は、今となっては貴重なB面曲もレコードで持っていらっしゃたり、「B面コレクション」を買ったりしておられるでしょうから、この企画盤に引っかかったしまったのを、あきれる思いかもしれませんねぇ。
大体、夏くらいに「B面コレクション」復刻しそうな気もしますし。

まぁ、しゃ~ない!
「買って正解!」と思える事を期待します~。
お急ぎ便だから、明日(もう今日か)着だよ(実は結構ワクワクしてる、のかなぁ)。

以上、独り言書いて落ち着きましたので、寝ます~。

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2009年2月15日 (日)

沢田研二 CONCERT TOUR 2004 「CROQUEMADAME & HOTCAKES」

~at 大宮ソニックシティ 2004. 11. 6

筆が冷静なうちに、大切なことを先に書いておきます。
この「CROQUEMADAME & HOTCAKES」DVDですが、今日一日で2回観ました。
今まで観たジュリーのDVDの中で、ダントツです。素晴らしいです。
「ストリッパー」や「生きてる実感」など、比類無き入魂ヴォーカルです。
気合ほとばしる演奏、カメラワーク、ライトアップ、どれも最高の出来と言えます。

全人類、必見です。

ですが。
この作品を語り出すと、どうしても話が笑いの方向へ走ってしまう。そうせざるを得ない、という何だかおかしな事態が起こります。
一度観てしまったが最後、誰だって、そうなります。

いてまえ隊の皆様だって、本当はこの素晴らしいド迫力作品を、心底、切実に、強力プッシュしたいはずなのです。
しかし。そういう真面目な方向に話が行きません。
この作品を伝授するにあたり、最大の試練は、正にその点でして。
少しでも筆に理性の残っているうちに、頑張りたいと思います。
伝授!
(註:作品の特性により、かなりのネタバレを含みます、ゴメンナサイ)

さて。
まずは、カッコいい事から先に片付けて参りますか!(うぅ~、誤解を招く伝授だ・・・)

①キーボードの居ないバンド形態、ならではの熱演!

バンドメンバーは、ギターが柴山さんと下山さん、ベース・依知川さん、ドラムスにGRACE姉さん。キーボードの泰輝さんは不参加です。
2000年以降のアルバム楽曲は元々そういう作りですので問題ないのですが、キーボードが居ない、という事で最も影響を受けるのは、やはり往年のヒット曲ですね。ピアノは勿論、ホーンセクションの音色が作れないわけですから。

そういった理由もあってか、「CROQUEMADAME~」ツアーのセットリストでは、昔懐かしい大ヒット曲は最小限の数にまで押さえこまれています。
それでも、演ってます、「ヤマトより愛をこめて」!
第一部のトリです。

Sibayama

ピアノの旋律を、柴山さんがギターのアルペジオで弾く!という。
これは素晴らしい!是非後世に伝えたい名演です。今後のLIVEでは、もう観る事はできないのではないでしょうか。貴重です。

そして。
ジュリーには、鍵盤無しでも何ら問題ない特大ヒット曲が、あるじゃぁないですか!
「ストリッパー」!

Stripper

懐かしの、弦楽器軍団横並び横揺れの図、再び!
何というカッコ良さ・・・。僭越ながらプレイヤーの立場で言わせて頂きますと、演奏者にとって、こんな気持ちいいステージ配置は無いですよ!

②アルバム「CROQUEMADAME~」は、妥協無き名盤!

ステージ第一部は、アルバム「CROQUEMADAME~」収録曲を中心に、ガツンガツンと全速全身全霊で演奏されます。
アルバム自体が「ちょっとハード過ぎて・・・」と敬遠気味の方がいらっしゃいましたら、まずこちらのDVDを観て、その後にもう1度CDを聴いてみましょう。
どの楽曲も、聴き違えるほど好きになっているはずです。
とにかくジュリーのヴォーカル、バックの演奏の入魂度がハンパではありません。LIVEでのジュリーはどちらかと言えばスロースターターですが、このステージは違います!1曲目「カリスマ」から全開です。
画像は、いてまえ隊の皆様に感謝と敬意を表しまして、こちら。

Kanjojpg

3曲目「感情ドライブ」。
「気をそらせない♪」と、身悶えながら熱唱の図。

こうして、「一体これで最後まで持つんか?」と思わせるほどのハード路線で、第一部を完走しますと、着替えタイムのバックバンドによる演奏が、何と「クリムゾン・キングの宮殿」ですよ!
バンド総員、呪縛のコ-ラス参加!
これはもう、「このあと、一体どれだけハードなステージが展開されるんだ?」と、観客が頭を抱えんばかりの演出(いや、別の意味で頭抱えることになるんですが)。

そしていよいよ、第二部トップを切るナンバーのイントロが・・・下山さんのギター炸裂、「君のキレイのために」!
ものすごいハードな事になってきた!
すべての観客がそう思い、身体を震わせた瞬間、登場したジュリーは・・・。

③尋常じゃない!トカゲの祭り!

まぁ、見て下さいよ。

Kiminokirei

多くは語りませんが、正直に言いましょう。
吹きました。
また、この衣裳が相当重いらしく、セットを旋回するジュリー、息も絶え絶えの状況になってます。しまいには一周ごとに、柴山さんのアンプだと思いますが、手をついてひと休みしたりして。

曲は進み、「憎みきれないろくでなし」。
ここでトカゲ祭りは最大の修羅場へと突入いたします。
どういう仕掛けなんでしょうか、衣裳にどんどん空気が注入され、風船のように膨らんでゆきます

そしてジュリーは曲の途中で右側のボタンを外していきます。
間奏のギターソロで、遂にエリマキと腹部がパンパンにまで膨らんで、無事変身完了~。

Rokudenasi1

変身完了したジュリーと、リードギターの柴山さんが、間奏の終わりの方でどちらからともなく歩み寄って急接近。
ジュリーはタップンタップンになった腹部を、両手で柴山さんに向かってブルンブルン突き出すという信じ難い行為。それでもバシッと最後までソロをキメる柴山さんは、プロ中のプロ!
・・・このシーンは吹くどころではありませんでした。
ジュリーのDVD観て爆笑する日が来るとは、予想だにしていませんでしたよ。

ギターソロが終わり、2番の歌に突入。

Rokudenasi2

「こんなに、真面目に、愛しているのに~♪」
真面目・・・なんでしょうか?

次の「恋は邪魔もの」もこんな調子で、トカゲ祭りは、ここまで。

④トカゲを脱ぎ捨てたら、おいで♪

重たい衣裳を脱ぎ捨て、「ストリッパー」へと雪崩込んだワケですよ。
先程も述べた通り、メチャクチャにカッコ良いのです。ヴォーカルは、今まで観た映像の中では一番だと思いました。
でもね。
どうしても、ドラムセットの手前に脱ぎ捨てられた緑色の物体に、時々目が行ってしまうんだなぁ。

しかし、この「ストッリッパー」以降の流れは、本当にスゴイです。
1回目に観た時は、トカゲを振り払うのに必死でしたが、2回目はもう、ここから先はスタンディングで観てました。
「届かない花々」でのジュリーの熱唱と、下山さんの渋過ぎるアコギストローク。
「君をいま抱かせてくれ」のイントロがガツ~ンと来た時の躍動感。

2回目の鑑賞では、緑色の物体には目が行きませんでした。良かった、良かった。

⑤大ヒット曲じゃないアンコール、で大満足!

アンコールの3曲が、また良かったんですよ~。
「海に還るべき・だろう」のLIVEって初めて観たのですが、いつもこうなんですか?

Umini1

ジュリーではなく、ギターのお二方がピョコピョコとステージ周回。
依知川さんの「お~いおまえら、何処いくん?」みたいな表情が楽しい。

で、何周かピョコピョコした後、お二人が最終的に何処へ辿り着いたかと言いますと

Umini2jpg

ドラムセットの上までやってまいりました。
GRACE姉さん、お気持ちは解りますが笑ってる場合じゃないです!
この直後に、裏打ち叩きながらコーラス(神業)、という大任が待ち構えていますから!

で、「生きてる実感」「グランドクロス」。
決して有名な曲ではないんですよね。実際、ドーム以前の瀬戸口なら、お手上げのセットリストなんです。
ただ、ドーム以前の楽曲知識の状態で参戦していたとしても、このステージはとても楽しめたのではないか、と思います。ジュリー堕ちが、4年早まっていたでしょう。
それだけの普遍性を持ったLIVE映像でした。
逆に言うと、常連さんはビックリしたでしょうねぇ。

さぁ、みなさん。
これは、買っときましょう。今すぐに。

買ったら、まずは第一部で圧倒され、第二部のトカゲで笑って、最後にまた圧倒されて。
「生きてる実感」でジュリーと一緒にジャンプ、ジャンプ!

バカですね、人間は♪

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2009年2月11日 (水)

THE BEATLES「DAY TRIPPER」 THE ROLLING STONES「(I can't get no)SATISFACTION」

またか、とお思いでしょうが、新たなカテゴリー作りました。
ズバリ、ジュリーがこれまで歌ってきた洋楽のカバー曲を、ジュリーのスタンスと絡めながら伝授して行こう、というものです。

この部分においては、ひょっとしたら何人かのジュリーマニアの先輩方よりも、僕の方が詳しい場合があるやも知れません。
今後のジュリーが「歌う曲がいっぱいあるから」という事で、完全にライブ中心の活動をしていくとすれば、昔歌っていた洋楽カバー曲の出番も増えるものと思われます。
そんな時、皆様が「あぁ、あそこに書いてあったのはこの曲かぁ!」と、少しでも思い出して頂ければ、そして、少しでもヴォーカリスト・ジュリーのマニアックな部分を知る手助けができれば、と考えております。

第1回は、これはもう基本中の基本ですが、ビートルスの「デイ・トリッパー」とストーンズの「サティスファクション」。最近のLIVEでも何度か演ってますが、この2曲が何故メドレーセットで歌われるのか、などなど語って参りたいと思います。伝授!

いわゆる、「リフ一発もの」というジャンルがロックには存在しますが、それが完全に確立されたのは1965年。「デイ・トリッパー」「サティスファクション」の2曲が、シングル大ヒットをカッ飛ばした年です。
それ以前にも「リフもの」と言える楽曲は多数存在していて、古いところでは「ツイスト・アンド・シャウト」とか「ポイズン・アイヴィー」とか(2曲とも、後にビートルズ、ストーンズがそれぞれカバーしています)。和音弾きによるリフですが、キンクスの「ユー・リアリー・ガット・ミー」もその類です。

では、65年リリースのこの2曲が「リフ一発ロック」の礎石と言われ、それまでの「リフもの」とどういう点において異なった要素を持っていたかと言うと

① リードギタリストの地位向上
それまでは、間奏でステージ前方にせり出してきて、音を間違えないように丁寧にメロディーを奏で、拍手を受ける、というパターンであったリード・ギタリストが、イントロから他楽器を差し置いて完全ソロ状態でスタート、「俺を見ろ!」とばかりに余裕で弾きまくる、という主役級へと転換した

② 歌メロとは別の旋律が、楽曲の売りに
歌が始まってしまえばお休みタイムとなり、適当なくずしコードを弾いたりしてお茶を濁していた、というのがそれまでの楽曲のリードギター部アレンジ構成だったが、この2曲では、歌が始まっても延々と単音を弾きまくり、ヴォーカルメロディーとは別の「もうひとつの旋律」として楽曲のイメージを決定づけた

③ とにかく、曲が攻撃的であった
リードギターがガンガンに攻める曲、ということで、それまでに無いハードなサウンドとなった為か、歌われる歌詞の内容も、反社会的でモラルに縛られないものであった

こんなところでしょうか。
①で述べた「余裕で弾きまくる」というのは結構重要なポイントなのですが、2曲ともEメジャー(ホ長調)をトニックとしていて、ギターという楽器で一番楽に演奏可能なポジションで作曲されています。
少年時代の瀬戸口はレコードを聴き「うわ~カッケ~!このギター難しいんだろうなぁ~」とコピーに挑戦したところ、あまりの簡単さに腰を抜かしましたが、まぁこのあたりはプレイヤーの内緒の観点でもあるので言わぬが華かと(言ってんじゃん)。
とにかく、ギターを見ずに前をしっかり向いてガンガン弾く、というのが、当時はすごく新鮮でカッコ良かったのでしょう。
もちろん、70年代に入る頃には「リフ一発ロック」も相当進化し、難易度の高いフレーズを余裕でブチかますバンドが続々と登場します。
レッド・ツェッペリンの「リヴィング・ラヴィング・ウーマン」であるとか、挙げていけばキリがないほどです。

と、ここまでの説明で多少は伝わったでしょうか、「デイ・トリッパー」と「サティスファクション」、この2曲は作り込みがすごく似ているのです。
瀬戸口少年もよく、「デイトリッパーからサティスファクションへの切り替え遊び」を楽しんだものです。
ジュリーは、この童心をそのままLIVEで演っちゃっているわけです。
想像ですが、ジュリーも若い頃に、この2曲のリフは私生活で散々ギターで弾いて楽しんでいたと思いますよ。
「デイ・トリッパー」「サティスファクション」がジュリーのステージで続け様に演奏されるのは、ジュリー自身が、”洋楽ロックが好きな小僧”とか”不良少年のイノセンス”という心を永遠に持ち続けている、という証なのです。

ひとつマニアックな楽しみ方を付け加えますと、近年のジュリーLIVEでこの2曲のメドレーが演奏される際、キーボードの泰輝さんがタンバリンを叩く、というのは多くの皆様お気づきかと思います。
が。
皆様、これ、鍵盤のパートが無いので、泰輝さんは単に盛り上げ役としてタンバリンを持ってる、と思っておられませんか?
それは大変な間違いなのです。
オリジナル音源の「デイ・トリッパー」「サティスファクション」共に、タンバリンは重要な役割を果たしている楽器です。レコードミックスにおいて、両楽曲ともスネアドラムよりも全然目立っていますし、叩き方も楽曲の進行によりパターンが変化し、アレンジの目玉とも言えるほどの名演が聴けます。
そして、泰輝さんのプレイは、ほぼオリジナル完コピです!
先日伝授致しました「サーモスタットな夏」DVDでは、一番オイシイ部分で、しっかり泰輝さんにカメラが切り替わりますので、是非注意して御覧になって下さい。

この2曲、オリジナル音源に興味のある方に、どのCDで聴くべきか、というのを最後にひとつ。
どちらの曲も超有名なシングルなので、色々なベスト盤で聴く事ができますが、僕のおススメは次の2枚。

「DAY TRIPPER」収録CD
THE BEATLES 「PAST MASTERS vol. 2」

「(I can't get no)SATISFACTION」収録CD
THE ROLLING STONES 「STILL LIFE」

両CDとも、普通のベスト盤でもオリジナルアルバムでもありませんが、自信を持っておススメします。
ストーンズの「STILL LIFE」の方はLIVE盤CDなのですが、数年後には貴重盤となってしまう可能性があります。ジュリーマニアの皆様ならお馴染みの「Time Is On My Side」も演ってますぜ~。
騙されたと思ってひとつ、いかが?

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2009年2月 9日 (月)

沢田研二 Tour '97「サーモスタットな夏」

~at 日比谷野外音楽堂 1997.10.18

また新たにカテゴリーが増えました。このコーナーでは、ジュリーのDVD作品について、伝授レビューをして参りたいと思います。

実は、リンクを貼らせて頂いているサイト「いてまえジュリー」の皆様からの強烈なプッシュを受けて、先頃DVD版「CROQUEMADAME AND HOTCAKES」を衝動的に購入、現在到着待ちの状況なのですが、いてまえ隊の首領・しゃん様より
「観終わったら、世界中に伝授するように」

と、指令が下りまして。
そういや、DVDそれ自体の伝授は、今までやってなかったなぁ、と。
ちょうど最近の瀬戸口は、定価購入可能なCD全てを買い揃え、大人買い対象がDVD作品へとシフトしたタイミングでもありましたので、ここはひとつ、乗っからせて頂きましょうということですね。
「CROQUEMADAME~」の前に、今日は一丁試し斬りです。

で、このコーナーにおける伝授のスタイルなんですが、楽曲やMCのネタバレはある程度仕方無いとしても、LIVEレポートのように順を追って逐一解説していく、というのは野暮だろう、と。
皆様が御覧になる前に、内容全部説明しちゃうのは、いくら何でもやり過ぎでしょうから。
そこで、作品の見どころ、予備知識などを数ポイント上げて語っていく、というスタイルでやらせて頂きたいと思います。

それでは第一回。
1997年のツアー、10月18日は大トリの日比谷です。
DVD版「サーモスタットな夏」、伝授!

①アルバム「サーモスタットな夏」は、大名盤である!

毎年必ず1枚のアルバムを出し、そのコンサートツアーをやる!
それが、ジュリーが自らに課し、見事に継続し実行してきたスタイルです。
2009年現在、タイガース時代からジュリーと歩んでこられた多くの先輩方が、未だジュリーマニアとして健在である、というのは、
「ジュリーは毎年必ずコンサートツアーをやってくれる」
という信頼感により築き上げられ、今へと繋がってきた結果なのだなぁ、と。
ドーム以降、そういう方々と数多く出会って参りまして、改めてそう確信しております。
で。

アルバムのツアーですから、セットリストはニューアルバム全曲が必須、あとは観に行ってのお楽しみ。
従って、その年のアルバムが好きかどうか、という事は、LIVE鑑賞において大きな影響を及ぼします。
僕は、アルバム「サーモスタットな夏」が大好きなのです。このアルバムでのジュリーのセルフプロデュースはコンセプトアルバムを意識したものであり、白井良明さんが初めて収録曲全てのアレンジを担当、見事にそのコンセプトを纏め上げました。
ドーム以降、ジュリー堕ちの日々を過ごす事になった僕が最初に購入したDVD作品が「サーモスタットな夏」。選んだ理由は一点、アルバム自体が大好きだから、という。
皆様、思い入れのあるアルバムは様々でしょうが、特に新参のジュリーファン、復活組の諸先輩方におかれましては、好きなアルバムのツアー作品から買っていく、というのが一番良いのではないか、と思っております。僕にとって「サーモスタットな夏」は、ズバリそういうアルバムだったのです。

②ファンの皆様も、88歳まで健康でいて頂きたい!

この頃のジュリーがさかんに言っていたのは
「88歳までこのスタイルを続ける事は可能であろうか(拍手)」と。
このLIVEのMCでもそう語っているわけですが、
「自分ひとりだけ(88歳まで)頑張っても、観る人いなかったら、ツマンナイよ!」
だそうです。
「(ですから皆様も)痩せるだとか(笑)、キレイになるだとか、そんな事は二の次三の次で結構、とにかく健康でいて頂きたい!」
「どうせキレイにして(LIVEに)来たって、私ゃ見やしないんだ(笑)!私はただひたすら、歌う、のみ!」
「(と言うのも)最近とみに近視乱視がひどくなって、辞書の字がほとんど読めないという(笑)。CDの歌詞カードの文字は、できるだけ大きめに大きめにと心がけておりますが(拍手)、何はともあれ、私自身も、皆様方も、健康でありたい、いて頂きたいと。健康が一番です(拍手)!」
とまぁ、最初のご挨拶MCはこんな感じ。楽しいですよ~。
これが10年以上前のLIVEなんですから。ジュリーは40代最後の年だったんですね。
還暦を迎え、ドーム興行を大成功させたジュリーを知っている今、改めてこんなMCを聞くのもイイじゃあないですか!

③ジュリー&バックバンド、ステージの見せ場はココ!

個人的な好みの話にはなりますが、何と言っても、第一部ラスト「PEARL HARBOR LOVE STORY」から、着替えタイムを挟んでの「時計/夏がいく」、この2曲の流れは衝撃でした。
着替えタイムにバックバンドが演奏するのは「PEARL HARBOR~」のインストなのですが、これがまた素晴らしい。各楽器見せ場があるのは当然、ラストで村上ポンタ秀一さん渾身のドラミングに振ったカメラワークは見事です。
「PEARL HARBOR」でのジュリーのヴォーカルは凄まじいまでの気持ちの入れようで、「あぁ、着替えの前には全身全霊で楽曲の世界に入り込み、着替えている間にスイッチ入れ直すんだなぁ」などと、勝手に納得しておりました。

「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」では間奏の柴山さんに注目。ステップしながら、果ては片足ピョンピョンでステージ旋回しながら、ニコニコと涼しい顔でリードパートを奏でます。とてもマネできそうにありません。

キーボードの泰輝さんは(今でもそうですが)、御自身の鍵盤パートがお休みの小節間にスゴイ動きをしてまして。
この頃は泰輝さんも相当若かったわけですから、大変な状態になっている曲がいくつもあります。特に「渡り鳥はぐれ鳥」では、その狂乱ダンスの様子がバッチリとカメラに拾われております。

あと、タイトルチューン「サーモスタットな夏」は2度演奏されます。この辺りも、コンセプトアルバムのツアー、という感じを受けます。
1度目の演奏は勿論初っ端。そして2度目は本編ラス前。

この2度目が、特にスゴイです。ステージ左端に、ゲストのBOKE BOKE SISTERSが忽然と出現、CDと全く同じコーラス、嬌声で盛り上げます。
まぁ僕は普通に盛り上がってイケイケになりましたが、女性の皆様はちょっとジェラシーですか、これ?
SISTERSの5人、間奏では右端の柴山さんの所まで駆け寄って行って、「キャ~」と叫びながらヒラヒラ盛り上げです。
ただ心配なのは、彼女達がこれ以降、ちゃんとジュリーに堕ちてくれているのか、という。
その年だけオイシイ思いをして、その後ついてきてくれていないとすると、けしからん事です。元BOKE BOKEの方々、もし当ブログに遊びにきて下さっていましたら、是非コメントにて僕のこの失言を叱咤、お願いいたします。

以上、マニアックな見どころを3点ほど挙げましたが、肝心のジュリーについて。
このDVDでは、動き回る、走り回るジュリーです。その点を重要視されていらっしゃる方は、心配無用です。
ヴォーカルは、曲が進むに連れてスゴくなっていきます。どのLIVEを観ても、いつもジュリーはそうなのですが、この作品では特に「サーモスタットな夏」が2回歌われておりますので、比較すると歴然です。声を出していくうちに、どんどん加速していく歌い手なのですね。

「奇跡元年」では、アルバム「サーモスタットな夏」収録曲からのセレクトは1曲もありませんでした。
夏のコンサートでは、是非とも「ビ~タ~!」とか「やめて!」とか叫びたい瀬戸口なのです。
東京ドームの時は、己の不勉強のため、参加できなかったですからね(泣)。

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2009年2月 6日 (金)

きめコンには、行けません・・・(泣)

たった今、メイ様のところにお邪魔させて頂いたのですが。
うらやましい~~~みなさま、コメントにて大変盛りあがっておられます。

今回の日程、開演時間では、僕はどうしようもありません。有給2日しか残ってないし、仕事は決算期だし・・・。
後日、先輩方のレポートにて追体験させて頂くしかなさそうです。

ところで。
コンサートチケットって、もう少し早く手元に届くようになりませんかねぇ。
1ケ月くらい前がベストのような気が・・・。

東京ドームの時なんて、11月26日ですよ、着いたの。
20日過ぎたあたりから、YOKO君と電話で「どうしよう」「どうする?」とか最悪の事態のことばかり話してましたからねぇ。
10日前とか、世間の相場は大体そんなモンだ、とは認識してましたが、1週間前になって届かない、ってのは身体にも良くない。
考えたんですけど、例えばコンサートまで1ケ月を切ったあたりから、

「ただいま発送手配中です。もうしばらくお待ちください」

とか、1週間に1回ずつ送信してくれるサービスとか、やってくれないかなぁ。
それだけでも、ずいぶん気持ちが違うと思うんですけど。

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2009年2月 3日 (火)

沢田研二「感情ドライブ」

from『CROQUEMADAME & HOTCAKES』、2004

Croquemadame


1. オーガニック オーガズム
2. whisper
3. カリスマ
4. 届かない花々
5. しあわせの悲しみ
6. G
7. 夢の日常
8. 感情ドライブ
9. 彼方の空へ
10. PinpointでLove

--------------------

ジュリーの90年以降最近のアルバムをほとんど知らずに2008年を迎えてしまった、と、当ブログに散々書き、先輩方にひたすら頭を下げてきたのですが、逆にそれは僕にとってすごく贅沢な日々を与えてくれました。
次のコンサートのため、勉強!と思い買ったアルバム、傑作。すぐに他のアルバムも聴いてみると、傑作。更にまとめて買う、またこれが傑作揃い。
先輩の皆様が長い年月をかけ、1年ごとに味わってきた感覚およそ10数年分を、1ケ月で体験してしまうという絶頂。こんな贅沢がありますかいな。

その課程で、覚和歌子さんという素晴らしい女流作詞家を知ったり、ジュリーのセルフプロデュースという形態がすごく醍醐味にあふれている事を肌で感じたり(これは、1年ごとのリリースでは解りにくかったのでは?一気に聴いた身としてはそこが一番ラッキーだったかもしれません)と、それはもう、素晴らしい毎日でした。
そうして、最近のジュリーが以前にも増して1にも2にもロックであり、作詞・作曲がこのコンビなら間違いナシ!と自然に頭に叩きこまれてしまったのが、GRACEさんと白井良明さん。

ジュリーのアルバムがロックである、というその証明のような曲ばかりを書き続けているお二人。
僕よりもさらに若い世代にジュリーを伝え広めていく中で、確実に鍵(手がかり)となるのが、このコンビが書いたロックナンバーなのです。

そんな中から今回は、いてまえ隊・しゃん様(御本人の自覚がどれほどかは不明ですが、ジュリーマニアの間ではハッキリ言って今や超有名人。冗談ではなく、近い将来のマスコミ取材対応、心の準備などなさっておく事をお勧めします。決め今2daysで最もブレイクするのは、いてまえグッズである、と僕は確信していますから)より光栄にもリクエストを頂いた、最高にブッ飛んでるナンバーを。
アルバム「CROQUEMADAME & HOTCAKES」より、「感情ドライブ」、伝授!

まず、恐る恐るGRACE姉さんの詞に触れますと、ジュリーナンバーでここまでモロな詞は、他に無いです!敢えて言えば「オリーブ・オイル」くらいでしょうか。
(3月2日註:すみません、ありました。シングル「おまえがパラダイス」のB面曲「クライマックス」!作詞は糸井重里さんです。)
そう言えば、「オリーブ・オイル」は覚和歌子さんの詞ですが、タイトルや内容について、ジュリー自身のリクエストがあり、あまりのキワドさに、覚さんが手綱を締めてこのタイトルに落ち着いた、という話があります。
ジュリー、セルフ・プロデュースの醍醐味は、こんな逸話からも窺えるわけです。
そう考えると、今一番ジュリーの身近にいる作詞家さんと言えば、GRACEさん。ツアーメンバーでもあるのですから、ジュリーと直接話す機会も多いでしょう。
「良明さんがものすごいブッ飛んだ曲を作ったから、ここは是非、全開でブッ飛んだ詞を書いて」
ジュリーからそんなサジェスチョンが、あったのかどうか。
「感情ドライブ」ですよ。この語感をナメてはいけません。野暮な事言いますが、通常ロックで「ドライブ」と言えば9割方アノ方面です。
詳しい内容は、まぁ実際聴いて頂いた方が早いでしょう。と言うより、これ以上は公の場では書けません、残念ながら。

ただ、GRACEさんも、この曲でなかったらここまでは書かなかったでしょう。「感情ドライブ」での白井さんの曲作りとアレンジは、明らかにトランス、倒錯といったイメージを狙っています。
この曲に限らず、白井さんの作曲には独特の個性があって、ガツ~ンと次々に落下していくような転調を得意としています。そしてその特徴故に、楽曲構成をして、Aメロ・Bメロ・サビ、と言うよりは、全く異なった楽曲のヴァースを繋ぎ合わせた2部構成・3部構成と表現したくなります。こう言うと尺の長い楽曲を想像されるかもしれませんが、白井さんの曲は比較的短めのものが多く、その中で構成変化が目まぐるしく現れる、という、まぁこれは失礼ながら一種の変態路線です。

「感情ドライブ」に話を戻し、GRACEさんの詞を合わせて解釈しながら白井さんの狙いを紐解いていきますと、まずAメロ(第1部)、ハードなギターコードリフで押します。ここでは徐々に昂ぶる感情を表現しているものと思われます。この部分では主人公は一人暴走です。
Bメロ(第2部)は、接続を表現。ハードに叩きつける第1部から一転、流麗なメロディーにより、ドライブ相手とのやりとりが見えてきます。
サビ(第3部)では、融合。純粋3部構成のコムズカしい楽曲なら、理屈としてここで曲は終わりですが、これはロックミュージックですので、ここまででようやく1番終了。
すぐに2番に突入するのはナンなので、当然間奏が入るのですが、白井さんはここに官能タイムを導入します。
しゃん様が「この間奏は一体何がどうなっているんですか?」とおっしゃっていた部分ですね。
本当は理屈なんて必要ないのです。間奏でリスナーをトランスさせる、という狙いがハッキリしているのですから、「何だ何だワケ解らん!」と圧倒されながら聴く、というのが正解で。
まぁ、せっかくですので分析しますと、ここはギターリフに合わせて4分の11拍子になってます

譜面だと「4分の4」+「4分の4」+「4分の3」という書き方になるでしょう。最後の「4分の3」の部分は、いわゆる♪ブンチャッチャッ♪というワルツの4分の3ではなく、4分の4の最後の1拍が、強引に削ぎ取られている、という感覚です。
変拍子で有名な洋楽の例を挙げますと、ピンクフロイドの「MONEY」という曲があります。御存知の方も多いでしょう。これは「4分の4」+「4分の3」の7拍子なのですが、最初から最後までカッチリしたギターリフが継続しますので、ギターを追いかけてさえいれば、道に迷うことはありません。
ところが、我等が「感情ドライブ」の間奏はちょっとタチが悪い。
2回し目までは、渋いリムショットに合わせて淡々と進むワケですが、3回し目で他の楽器が噛みこんできたと思ったら、ギターリフがちょっとヤンチャを始めます。
リフの最初の1音が、前のリフの最後の1音と繋がって、1拍前のめりに演奏されるのです。これはシンコペーションと言う技術。
僕は中学時代ブラスバンドをやってましたが、吹奏楽の課題曲は難易度別のランクがあって、シンコペーションの頻度が高い曲ほど、ランクが上がります。中には、主旋律など皆無で、各楽器が至るところでシンコペーションし、その組み合わせで楽曲が成立しているという、ほとんど技術を磨くためだけに作曲されたような課題曲もありました。僕は正直ギブでした。
これ要するに、「感情ドライブ」の間奏は演奏が難しい、という事なのです。ギターリフ弾いてる白井さんではなく、周りで合わせている皆様の方が、です。
そんなわけですので、聴く人は無理に理解などする必要はありません。ひたすら圧倒され、たじろぐよろし!

間奏後の2番は1番と同じ構成ですが、サビのダメ押し後、最後の最後に、オーガズムで終了。
各楽器、ちゃんと「トビタッ」っております。
で、続く曲が「彼方の空へ」・・・って、一体何を考えているんでしょうかこのアルバムの曲順は!

このナンバーの伝授だけで伝わったかな、とは思いますが、「CROQUEMADAME & HOTCAKES」は、完璧にロック一色のアルバムです。「忘却の天才」よりもハードさでは上だと思います。
冒頭の「オーガニック・オーガズム」は白井さんらしい非常にカッコ良いナンバーで、これがシングル。
ドームで演奏された「届かない花々」は収録曲で最も僕が気に入っているナンバーで、一見バラードなのですが、その実サイケデリック期の洋楽へのオマージュがあったり、ロン・セクスミスやアリスタ時代のキンクスが混ざっていたりと、非常に完成度の高い曲。
「カリスマ」「PinpointでLove」では土屋昌巳さんが作曲を手がけ、ジュリーの世界に新たな一面が加わりました。
先に少し触れました「彼方の空へ」は、GRACEさんの詞が先立つ人へ向けたレクイエムなのですが、曲は演奏時間3分にも満たないスッキリした潔いロックで(作曲はジュリー自身)大変好感が持てます。
あと、「G」の覚和歌子さんの歌詞が最高に好きで、「不自由選ぶ、それも自由だ」はもはや僕の座右の銘となっております。

以上、色々ウンチクは並べましたが、一番スゴイのはとにかくヴォーカル!
どれだけ理屈をコネても、最後はジュリーのヴォーカルが、全てを凌駕するのです。
ゴタク並べてる暇があったらもっと聴けぃ!と自分を戒めまして、今日のところは。

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