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2009年1月20日 (火)

沢田研二 「あのままだよ」(そして「Long Good-by」へ)

from『チャコールグレイの肖像』、1976 
and 『ROCK'N'ROLL MARCH』、2008

え~、昨日が名古屋、明日からは(日付変わったので、正確には今日ですが)大阪ですよね。
矢継ぎ早の更新ではございますが、引き続き、自主規制しております。相当我慢してますが、24日夜までは、「奇跡元年」のセットリストについては一切語りません。大阪の皆様、東京最終日のチケットをお持ちの皆様、どうぞ安心しておつき合い下さいませ。

今日はどうしても書きたい事がありまして。
実は、昨年9月放映「Songs」での2夜連続ジュリー特集の映像を、昨夜初めて、気合入れてしっかり観たのでした。
相方のYOKO君が放映直後に録画盤を郵送してくれていたんですが、東京ドームの演奏曲目が少しでも判明してしまうのが怖くて、チラ見程度にしかチェックせず、そのままずっと忘れていたんですね。

で、観終わった感想は当然のごとく、「ドーム前にちゃんと観ときゃ良かった!」となるわけで。
別に、「こんな意外な曲を!」みたいなのは無くて、ヒットシングルと「ロックンロールマーチ」収録曲の演奏・・・良い意味でオーソドックスな内容でしたし、何よりも、「ドームの前にこれだけは伝えておきたい」という重要なメッセージが数多く込められた番組だったのですね。

さて、僕の世代のジュリーファンが総じて抱える高い壁、それは、タイガースを知らない、という事に尽きます。
ライブに行ったり、ブログにコメントを頂いたりする中で、ジュリーマニアの先輩方に色々なお話を伺うにつけ、どうしても追いつけない、羨ましい、というその思いが、日に日に大きくなっているこの頃。
この番組にも、それはありました。一番の衝撃は、インタビューにてジュリー、岸部一徳さん、森本太郎さんが「Long Good-by」について語り合われたシーンでした。
特に1番・2番の作詞を担った岸部さんのお話が・・・。瞳みのるさんとの、タイガース解散時のやりとりについて語られていて。僕は恥ずかしい事に、「Long Good-by」の詞の意味を、全く誤解していました。レクイエムの類かと思っていたのです。何という浅はかな・・・。
そうかぁ、そんな事があったんだなぁ。
森本さんの曲に、そんな思いを込めて岸部さんが詞を載せて、3番の詞はジュリーが書いて・・・。なるほどなぁ。そう思うと、今までとは全然違って聴こえるなぁ、この曲。
ところで、岸部さんはそのインタビュー中で、こうもおっしゃっていました。
「あの件の直後は、ピー(瞳さん)の事を詞に書こう、なんて思えなかったし、できなかった。何十年も経った今だから、彼の言った事が解るような気がして、(Long Good-byという詞に)書き留めたかった」

・・・・・・。
ん?
なんか、じわじわと引っかかる気持ちが、僕の中に沸き起こる。

「Long-Good-by」と似たような視点の、古い楽曲があったような気がする。何だっけ?
何だっけ?・・・と、そのまま寝ました。で、今朝通勤途中に、突然思い出したその曲。
相当に前置きが長くなりましたが、アルバム「チャコール・グレイの肖像」から、大トリ収録「あのままだよ」、伝授!

作詞は岸部さん。


そう、俺はあのままだよ
学校に行かなくなったのは、おまえと歌っていたかったからだよ
おとなしいこの俺がだよ
家を飛び出したのは、おまえと夢を追いかけたかったからだよ

俺の体の中にいる あの時のおまえの夢に
俺はいたのだろうか
俺はいるのだろうか

やっぱり、似てる。偶然かなぁ。僕の解釈が偏っているのかなぁ。
岸部さん自身が、「昔は書けなかった」とおっしゃっているのだから、全然関係ない詞なのかもしれません。でも、”はからずも遠く離れてしまった、昔の大切な仲間への郷愁”というテーマは、この曲には潜在しているような気がします。この詞を書くにあたって、岸部さんの脳裏に瞳さんのことがほんの少しよぎったとしても不思議ではない、と思えてきます。

「チャコールグレイの肖像」というアルバムは、全ての収録曲をジュリーが作曲し、そのため、何か一貫したコンセプトがあるように聴こえます。「勝手にしやがれ」以前の、どこか翳のあるジュリー。作る曲も(良い意味で)暗い曲が多くて。
そんな中でもこの「あのままだよ」は、特に暗い、と言うか重いメロディーです。アレンジにしても、鬼気迫る、と言うのでしょうか。僕は「ジョンの魂」あたりの影響かな、などと勝手に考えていましたが、今、詞の意味を改めて突き詰めてみると、これはメロディーも、演奏も、更には歌も、重くなるのが自然だったのでは・・・。
低音で和音を淡々と突き放すピアノ、不安を煽るようにロール気味に叩かれるスネアドラム。ジュリーの呻くような、それでいてサビでは絶唱となるヴォーカルは凄いの一言です。
そしてエンディング、曲はブツッ、と突然終わります。何か、大切な仲間との、断絶した状況を示唆しているかのようです。

「Long Good-by」では、決して断絶などではなく、「永遠に続く今」という表現で、岸部さんもジュリーも、暖かいメッセージを詞に込めて送っています。この温度差が、「何十年」という月日、「重い隙間」なのではないのか、と(あくまでも僕の我儘な想像の世界ですが)そう思ってしまいます。
ひょっとしたらとんでもない誤解かも知れませんが、今日は帰宅してからずっと、そんな思いで「あのままだよ」を繰り返し聴いていました。
「あのままだよ」、切ない名曲です。
もちろん「Long Good-by」の方も名曲。こちらは、優しい名曲ですね。

今日は、2曲の対比という形で記事を書きましたので、「あのままだよ」収録の超名盤、「チャコールグレイの肖像」についてはまたの機会まで置いておきます。
このアルバムには、僕の「日替わり!ジュリーで一番好きなナンバー」の常連さん、「夜の河を渡る前に」が収録されておりますので、そちらの伝授の際に、語ろうと思います。

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瀬戸口雅資のジュリー一撃伝授!」カテゴリの記事

コメント

初めまして
人にはネタバレ禁止と言いながら、自分が見た後は盛大にネタバレしてはばかりない
自己本位なマニアでございます^^

Long good-by と「あのままだよ」
まったく思いつきませんでした。というか、こんな歌詞あったっけ?
と見てみたら…買ったまま一度も聞いてませんでした~
他の曲が全集に収録されていたので、聞いた気になっていただけでした

で、あらためて歌詞を読むと
ピーのことにも思えるし、トッポのこととも見えるし
時期的にサリーがベーシストをやめた時なので
ジュリーへの思いとも感じられます

サリーは今では自分が演奏していたことすら忘れているらしいから(笑)
ピーのことを詞にしたことも忘れていただけかもしれませんね

それにしてもこんな歌があったなんて。
教えていただきありがとうございました。

投稿: メイ | 2009年1月23日 (金) 00時37分

コメントどうもありがとうございます!
メイ様のHP拝見させて頂きました。凄い…。もう、格が違いますね。さすがです。(当ブログに来て頂いている方々はすでに御存知のHPかもしれませんが、皆様も是非御覧になってみてください。サイト名は「別館ジュリー」です。)
ドーム以来、何人のそういった先輩方と知り合ってきた事か……。やっぱり、タイガース時代からジュリーを知っておられる皆様は、知識と愛情の深さが違います。それはそのまま、ジュリーの歩んできた歴史の凄さの証明だと思います。
これからHPの方に足跡残しにまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年1月23日 (金) 10時23分

瀬戸口様
前のコメントのことですが
URLを記入する前に、私のブログで勝手にこちらさまを紹介させていただいていたことを
お断りしておくのが礼儀でした
幸い、好意をもって拙ブログへご訪問くださいましたようで恐縮の極みでございますが
大変失礼いたしました
明日のレポを楽しみにしておりますので、今後ともジュリーをよろしくお願いします←身内じゃないけど

(このコメントへの返信は不要ですので、カゼがぶりかえさぬようお大事に)

投稿: メイ | 2009年1月23日 (金) 21時25分

メイ様、ありがとうございます。
どんどんリンク貼って頂いてオッケ~ですよ。大変光栄に思っております。
おかげさまで熱は下がりました。本当に、おかげさまで、なのです。
メイ様のHPで当ブログ紹介記事のコメント欄を拝見しまして、いっぱい汗をかきましたから。だって僕42歳ですよ!「青年」って…嬉しいですけど。ええ、これからもよろしければそう呼んで頂きたいですけど。
人間、汗をかくと熱が下がるというのは本当のようです。
またお邪魔しにいきます~。

投稿: 瀬戸口雅資 | 2009年1月24日 (土) 01時56分

『あのままだよ』1曲だけ
について述べます。
題材や動機は、仲間への
想いだったかもしれません。
仕上がった作品を鑑賞して
思い巡らせた個人的解釈は…

〔自分の中の[もう1人
の私]〕という存在。。
それに向かって語りかけ
ている歌詞なのだろう。
少年時代の自分の中にいた
もうひとりの私。
今を生きる自分の中にいる
もうひとりの私。

それぞれに語りかけながら
自己をみつめ直している。

そういう心理学めいた理解
で聴いてきたんです。。

岸部さんは俳優業に踏み出したばかりの頃の思い

沢田さんが歌えば
自分の肖像として,収録
アルバムを綴じる独白
になる。。

投稿: 鉛筆 | 2009年6月18日 (木) 19時19分

鉛筆様

今日も神出鬼没にありがとうございます!

おそらく、多くのみなさまが鉛筆様のような捉え方で聴いていらっしゃったと思います。
僕の聴き方はやはり、リリース後に長い年月があり、初めて聴いた、というものなのです。

それはそれで結構楽しめる聴き方ではありますけど、強引といえばそうかも…。

アルバム「チャコールグレイの肖像」には、自閉的なコンセプトがありますし、岸辺兄さんの詞も、それを受けての作品かもしれませんね。

投稿: DYNAMITE | 2009年6月18日 (木) 22時39分

はじめまして。最近になってザ・タイガースに嵌まった新参者です。
音楽にはとても疎いので、こちらのブログで勉強させてもらっています。
といっても初めて聞く音楽用語が多く、検索必須の状態ですが(汗

そんな超初心者が、1年以上も前の記事に書き込むのは非礼な行為かもと躊躇しつつも、「あのままだよ」の詞に個人的な拘りがあるので、思い切って書いてみます。失礼をお許しください。

ある方が、「Long Good-by」を聴いて「あのままだよ」を連想したこと、「ジュリーがサリーに向けて歌ったような曲」「ジュリーとサリーのWキャストで語り合ってるよう」などのことをブログに書いていました。
それがとても気になって色々と調べた結果、以下の推測をしています。

この詞はサリーが井上堯之バンドを脱退した時の、引き留めようとしたジュリーの言葉を基に、少し後の時期に書かれたものではないか、と(サリーとピーとの間のエピソードも、一部に入っているようですが)。
1975年6月19日のコンサートを最後に脱退、翌年12月1日に「チャコール・グレイの肖像」発売と、時期的にも合いますしね。

脱退だけに留まらず、ベーシストをも辞めるつもりだったサリー。自分が居続けようとしている音楽界から、(ピーに続いて)去って行こうとする彼を、ジュリーはかなり引き留めたようです。
タイガースの頃に仲間と喧嘩する度に庇ってもらい、サリーがいるならとPYGへの参加を決めたジュリーにとって、「お前と歌っていたかった」「お前と夢を追いかけたかった」は心からの叫びでしょう。

脱退32年後のサリーへの還暦祝いに、音楽を忘れて欲しくないからと赤いベースギターを贈ったほど、ベーシスト・岸部に拘り続けているジュリー。
ピーとも再会でき、サリーたちと再結成への打ち合わせをしているようなので、解散40周年の節目である来年にでも「Long Good-by」「あのままだよ」へのアンサーソングが聞けるといいのですが・・・

投稿: 結人 | 2010年4月 4日 (日) 10時56分

結人様

はじめまして。
ようこそいらしてくださいました~!

コメントありがとうございます。
大変お恥ずかしいことに、この記事を書いた当時の僕は、タイガースの音源を1枚たりとも持たず、未熟な想像で語っているのみなのです。
サリーの事も、全然詳しく知りませんでしたし。
今ですと、結人様の考察の方がしっくりくる事が解ります!

僕の中でこの「あのままだよ」の記事はとても重要で、初めてメイ様にコメントを頂いたのがこの記事だったり。
僕以外にもジュリーについて熱く語っていらっしゃる事を、僕はそれまでほとんど知らなかったのです!
自分の未熟を現実に知ったきっかけの記事として、大切に思っています。

あれから1年。
僕もずいぶんTGについて知りました。
本当に、40周年、期待は膨らむばかりです。

今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます!

投稿: DYNAMITE | 2010年4月 4日 (日) 20時12分

賛同を、ありがとうございます。そしてこちらこそ、よろしくお願いいたします。

温かい言葉に甘えて少し追加を。
「あのままだよ」への、ピーたちからのアンサーソングはこれからかもしれませんが、ジュリーからサリーへのアンサーはアルバム発売の1年後、レコード大賞受賞の舞台上でしたね。

5人で抱いた「日本一になる」の夢が叶った後、共にPYGに参加した2人の次なる夢は、恐らくは「実力があった、と認めさせる」こと。
歌手生命の危機でもあった謹慎期間中に「あのままだよ」などの作曲をしていたジュリーにとって、「GSの残党」が作曲し、演奏し、歌う作品が大賞を取ることこそが、「あの時のお前の夢」の実現だったろうと思います。

物凄い勢いで抱きつくジュリーと、温かい笑顔であやすように受け止めるサリー。2人の関係も経緯も全く知らず、サリーをこの人誰?と見ていた当時の自分に、説教をしたい気分です(苦笑
今更なことを、長々と失礼いたしました。

投稿: 結人 | 2010年4月 4日 (日) 23時50分

結人様

まったく、仰る通りです。
そして僕も、当初あのレコード大賞映像の意味を知らずにいた一人です。
なぜあの人にだけ特別に強く抱きついて胸をうずめたのか。
なぜあの誰だか知らない人がジュリーをあやすかのように優しく微笑んだのか。

お恥ずかしい限りでございます…。

投稿: DYNAMITE | 2010年4月 5日 (月) 21時46分

中抜け復活組です。
その中抜け期間を埋めるため、こちらによくお邪魔してます。今さら6年も7年も前の記事にコメントなんて、へっ??って思われるかもしれませんが、この結人さんと管理人さんのやりとり、涙があふれてあふれて。ツイターならいいね連打したいところです。あのレコ大の場面しっかり覚えてます。レコ大の受賞場面では家族の方々がお祝いに駆けつけるのがよくありましたが、ジュリーは仲間たち、そう『GSの残党』が。あ~ホントにいい
大晦日でした。
これからもこっそり、でもしっかり楽しませていただきます。まずはお身体お大事に

投稿: ruru7 | 2016年10月 2日 (日) 00時40分

ruru7様

はじめまして。
お返事遅くなりました。コメント頂きとても嬉しいです。ありがとうございます!

この記事を書いた頃は僕は本当にタイガースについて、サリーやピーについて、ジュリーの歴史について知らないことばかりでした。
さらに言えば、まさかピーの復帰を機にタイガース再結成への機運が高まり遂に実現することなど、僕ならずとも多くのファンにとって考えてもみないことでしたね・・・。

今改めて振り返ると、「あのままだよ」も「Long Good-by」も当時とはまったく聴こえ方が違います。
先日もサリーの発案で、ピーの古希お祝いに5人揃って楽しい時間を過ごしたというタイガース。この2曲も今は「メンバーも長いファンの先輩方も、本当に良かったなぁ」と胸を熱くさせてくれます。

「あのままだよ」の歌詞については2014年に後日談の記事があります。
もしまだお読みでなければ、(物凄い大長文ですが)ご一読くださると嬉しいです。
http://gyujin-information.cocolog-nifty.com/11/2014/10/post-f89c.html

これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます!

投稿: DYNAMITE | 2016年10月 3日 (月) 09時24分

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