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2008年12月 7日 (日)

[伝授・特別編]還暦だぞ!人間60年ジュリー祭り ツアー最終日12・3東京ドーム完全レポ(第2部)

前回更新に引き続き、本日はいよいよ第2ステージ(43曲目から80曲目まで)のレポートでございます。
今、当ブログの検索ランキングを見て驚きました。東京ドームに行った人、無念にも行けなかった人、みんながジュリー祭りを検索してる。半端な事は書けません、頑張ります。記述ミスを発見したり、正確な情報をお持ちの方、遠慮なくコメントにて叱咤激励の程、よろしくお願い申し上げます。

さて、第1部が豪快なコーラスと共に幕を閉じ、我々も一端会場を出て、まずは一服。バルコニー出口が喫煙所として開放されていた。周囲皆、興奮気味に第1部ステージを振り返っている。瀬戸口・YOKO君両名は「まだ阿久=大野ナンバーが全部残ってるなぁ」と言いながら、第2ステージのセットリストへと思いを馳せる。
しかし腹が減った。この後迎えるであろうヒット曲連発攻撃に備え、体力を蓄えておかなければ。売店へと向かうと、ホットドッグ、ハンバーガー売店窓口は長蛇の列。仕方なく最後尾に並ぶ。横には遥か遠くの女子トイレへと伸びる大行列が。凛として粛々と並んでいるのが逆に気の毒だ。ほんと、この辺なんとかならんか東京ドーム。ジュリーのコンサートとかの場合は、女子用プレート用意して、男子トイレ5箇所くらいは貼り替えてあげるとかさ。我々男は、そのくらい平気ですがな。
ようやく食料ゲット。窓際でガツガツと食いまくる。と、「第2ステージは18時35分開演です」とのアナウンスが流れる。時計を見るとあと5分足らずだ。さすがに行列のおばさま達から、「え~っ!」と声があがる。仕方ないんだ、東京ドームは深夜規則キビシイみたいだからな~。
食後再び一服し、トイレに向った時、会場内から演奏音が漏れ始める。ヤバイ、と耳をすますと、聴き覚えのある初期のメロディー。意外と尿意に弱いYOKO君はそのままトイレへとダッシュで駆け込んでいったが、瀬戸口はトイレをあきらめ、「うわぁ~っ!」と雄叫びを上げて会場へ飛び込んだ。第2部、開演!

43曲目「不良時代

Julie4

アルバム『今僕は倖せです』から。
この曲が第2幕のオープニングというのは、何と渋い演出であることか。作詞・作曲をすべてジュリーが手がけた4枚目のアルバムの中でも、人気の高いナンバー。アルバムリリース時、「グレていた若い日~♪」と歌うジュリー自身もまだまだ相当若かった訳だが、還暦を迎えて、セットリストの節目でこの曲を歌う・・・。ジュリーの演出も、この日のために充分練られ、凝っている。
第1部からそうだったが、ギターの下山さんは、曲ごとに忙しくエレキ、セミアコと持ち替えての大熱演。

44曲目「Long Good-by

Rocknrollmarch

ニューアルバム『ROCK' N' ROLL MARCH』から。YOKO君、トイレから戻る。後で聞いた話だと、その時は男子トイレの「大」の方にまで女性の行列ができており、「始まっちゃった、どうしよう」と、さすがの淑女の方々も焦りを隠せていなかったという。気の毒だ。
註:その後、瀬戸口はこの楽曲の歌詞解釈を完全に間違えていた事が判明。お恥ずかしい。詳しくは当ブログ1月20日付の記事を御覧下さいませ。)

45曲目「

Julie4_2

申し訳ありません。瀬戸口はこの1曲のみ見逃しています。さすがに我慢できずトイレへと立ってしまった・・・。曲は、これも「今僕は倖せです」からの渋いピックアップ。

46曲目「美しき愛の掟

Tigerssingle

タイガースから。これまでジュリーのライブDVDを結構観てきたけれど、ここまでタイガースのナンバーを詰め込んだステージは初めてなんじゃないだろうか。隣のおばさまはウットリ状態。ジュリー、MCにて「第2部は、ニューアルバム・ロックンロール・マーチから全曲と、ヒット曲詰め合わせでお送りします!」

47曲目「護られているI LOVE YOU」

Rocknrollmarch_2

『ROCK' N' ROLL MARCH』から。アジテーション色の強い歌詞を、絞り出すようにカッコ良く叩きつけながら歌うジュリー。
(註: この日までの私は、最近のジュリーのアルバムは『ROCK' N' ROLL MARCH』しか聴いていない、という不勉強な状況だった。コンサート後、続けざまに90年代後半から2000年代のアルバムを購入してひとつ感じたのは、近年のジュリーが作詞家として見事にレベルアップしている事であった。もちろん、「ロックンロール・マーチ」というアルバムもその流れを引き継いでいる)

48曲目「あなただけでいい」

Acollection

サードシングル。おばさま、YOKO君が両隣で全開。第2部でのジュリーは、今度は真っ赤なインディアン衣裳に替わっている。
瀬戸口、ヒット曲連発コーナーを予感し、無意識に力をセーブしてしまう。次は何だ?

49曲目「サムライ

Royal

やはり来た。イントロの1,2音だけで会場は蜂の巣をつついたような爆発状態となる。シングル盤の方の「片手に、ピストル♪」から入るアレンジ。本当にこれが60歳の声なんだろうか。ヴォーカルに衰えが全く感じられない。おばさまと一緒に「ジェニ~♪」コーラスを歌う。サビでは勿論、会場総員右手指立て突き上げで。
余談だが、アルバム『思いきり気障な人生』収録の別ヴァージョンの「サムライ」もまた違った素晴らしさがあるので、聴いていない方にはこの場を借りてお勧めしたい。

50曲目「風に押されぼくは

Rocknrollmarch_3

再び『ROCK' N' ROLL MARCH』から、変わった転調を擁したワルツ・バラード。アルバムの中でもヴォーカルが特に前に出ている曲。会場の雰囲気から判断するに、瀬戸口も含め、アルバム『ROCK' N' ROLL MARCH』は予習済みの方々が多いようだ。

51曲目「我が窮状

Rocknrollmarch_4

こちらも『ROCK' N' ROLL MARCH』から。作詞家・ジュリーの魅力あふれるトリッキーなバラードナンバー。作曲はズバリ、大野克夫さんである。
(註:1000人コーラス隊に参加した鈴木さんの話によると、コーラス隊が一番上手く歌えたのはこの曲だそうだ。ただ、クラシック畑の方が多かったので、譜面の「tu tu・・・」を「トゥッ、トゥッ」と発音してしまう方が多かったとか。ロックなら「チュッ、チュッ」だもんねぇ)
(さらに註:チュッ、チュッの件、これ、「ロックンロール・マーチ」の話でした。)

52曲目「Beloved

Rocknrollmarch_5

『ROCK' N' ROLL MARCH』メドレーの様相を呈してきた。作曲者は、この日ギターを弾いている下山さんだ。考えてみれば、柴山さんと下山さん、両雄が並び立っているステージというのは凄い。エキゾチックス×ルーザー。この二人なら何でも出来るし、身を任せて聴いていられる。ジュリーも居心地がよさそうだ。

53曲目「やわらかな後悔

Rocknrollmarch_6

引き続き『ROCK' N' ROLL MARCH』から。前曲の流れを受けて、こちらはもう一方の雄、柴山さん作曲のナンバー。80年代からずっと、ジュリーの片腕となって素晴らしいギターを弾き続けてきた柴山さんだが、作曲クレジットは意外や珍しい。下山さんのアコースティックギターに載せ、柴山さん渾身のリードギターが炸裂。

54曲目「海にむけて」

Rocknrollmarch_7

更に『ROCK' N' ROLL MARCH』から。これは加瀬邦彦さんの作曲。『ROCK' N' ROLL MARCH』は作家陣も実に贅沢なラインナップなのだ。瀬戸口、「クライ・ベイビー・クライ♪」のコーラスに参加する。
曲後、マイクを立てて「再び、御無礼いたします」と頭を下げるジュリー。一見、「年甲斐もなく、昔のギンギンなナンバーを」とおどけて謙っているようだが、この演出によって観客に「さぁ行くぞ!」とスイッチを入れているのだ。喝采する3万人、さぁ、何が来る?

55曲目「憎みきれないろくでなし

Omoikirikiza

イントロでエキサイトする隣のおばさま。瀬戸口、サビ「憎みきれない~♪」で両手を前に出し、「ジャッ、ジャッ」で掌を返したは良いが、そこまで。左ではおばさまが、瀬戸口に見せつけるように人指し指をグリグリ。あっ、そうだった!と、右隣のYOKO君にも伝授。2番からはしっかりおばさまについていく。

56曲目「ウィンクでさよなら」

Royal2

続けて爆発する会場。これも”やってくれるかどうか微妙”なシングルとして事前に挙がっていたので、興奮した瀬戸口・YOKO君の殴り合いが始まる。ジュリーのヴォーカルの抜けが素晴らしい。手拍子して良いのか踊って良いのか・・・結局どっちもやってしまう3万人。

57曲目「ダーリング

Konndohakareina

イントロのギターだけで、更に場内大爆発。YOKO君、以前より「ジュリーのアクションの中で一番シビレる」と言っていた、ヴォーカル導入直前の指舐めポーズを、瀬戸口に見せつけるようにしてジュリーと一緒にキメる。
それにしてもこの曲の盛り上がり方というのは一体何なのか。普段アルバム『今夜は、華麗な宴にどうぞ』を聴く際にも、どちらかと言うと他の収録曲の方をエキサイトして聴くのだが、ライブでのこの圧倒的な威圧感。ひれ伏すしかない。会場の多くの方がそうだと思うが、ここへきて膝からふくらはぎのあたりがパンパンに張ってくる。ジュリーはと言うと、全速でステージ、花道を駆け回る。おそるべき気力、そして体力だ。

58曲目「TOKIO

Tokio 

ジュリーも少しは休めばいいのに、「ダーリング」終了間髪入れず「トキオ~!」と絶叫。この全力疾走には、ヘトヘトなおばさま達も腹を括るしかない。イントロで瀬戸口・YOKO君二人同時にエアギターを始める。YOKO君、「あんたはキーボードでしょ!」と突っ込む。バカを言いなさい、とエアベースに切り替える瀬戸口。
サビ「ト~キ~オ♪」では3万人が例のポーズ。一瞬2Fの観客も大ヴィジョンに映るが場所まで識別できず。

59曲目「Don't be afraid to LOVE

Panorama

アルバム『パノラマ』ラスト収録のナンバー。吉田建プロデュース期、おそらく代表曲かと思うが、残念ながら瀬戸口・YOKO君ともに音源を所持していない。おばさま達もそういう方が多いのか少し静かになるも、ジュリーが変わらぬ入魂ヴォーカルを続けるので、熱気は引かず、休む暇もない。このアルバムも買わなくちゃなぁ。勉強します。
(註:  後日、私の書いたブログに目を通したYOKO君から怒られた。「何言ってんの瀬戸口さん、俺等、この曲DVD(ジュリーマニア)で持ってるじゃん!」・・・・・・・・・・・・・た、確かに・・・・・・・・・・・・申し訳ない、お恥ずかしい、面目ない。
12月11日、アルバム『パノラマ』購入。う~ん、いい曲だ・・・・・・って、気づくのが1週間遅い!いや、言い訳になりますが、この曲って、男性と女性だと圧倒的に女性の方に訴える力が強いと思う。ドラマチックな曲想とアレンジはもとより、ジュリー自身の詞、この内容が大きい。つまり、当日この曲が演奏された瞬間、おばさま達は決しておとなしくなったのではなく、ステージで歌うジュリーに口説かれている気分に浸っていたのではなかろうか。当記事にコメントを書いて下さった女性で、”ライブの夜帰宅して真っ先に聴いたアルバムは『パノラマ』”という方がいらっしゃいましたが、この瞬間の追体験をなさったという事でしょう。さすがジュリーに青春を燃やした昭和の淑女の皆様は、我々とは格が違う。
とか書くと、「俺だってウットリしてたんだよ!ボケッとしてたのは瀬戸口さんだけでしょ!」と、またYOKO君に怒られそうですな・・・)

60曲目「約束の地

Beautifulworld

アルバム『Beautiful World』から。これも音源を持っていないが強引に盛り上がる。吉田建プロデュース期のCDは、ファンの評価も高いのだがなかなか入手が難しく、中古でとんでもない値段がついていたりして手を出せずにいた。が、もうそんな事を言っていられない、とにかく見つけたら買おう、と心に決める。勉強します。
(註:1月23日、アルバム『Beautiful World』購入。AMAZONで、それまでずっと「現在お取り扱いできません」と表記してあったこのアルバムの欄に、突如中古盤1,000円の売り手が。思わず0の数を数え直す。だって、今の相場なら10,000円でしょう、これ。表記は間違いなく1,000円でした。23日、無事に商品到着。お店ではなく、一般の方でした。ありがとうございます!って言うか、何か申し訳ないような・・・。で、やっぱり名盤でした。吉田建プロデュース期の5作品が遂に揃ったぁ!と、喜んでいたら、「そのうち買おう」と悠長に先送りにしていた「生きてたらシアワセ」が公式サイトでも完全ソールドアウト!中古の価格が15,000円まで跳ね上がってる!全アルバム完全収集の道は険しい・・・)

61曲目「ユア・レディ」

Zuzusongs

DVD『ZU ZU SONGS』のトリ前の映像で、強く印象に残っていたナンバー。無論、ZUZUこと安井かずみさんの訳詩曲である。当時のライブでジュリーは、「安井さんの訳詩は、訳詩という範疇を超えて、ほぼ”作詞”」と語っていた。ドームでこの選曲、やはりジュリーは安井さんの作品に対して特別な思いがあるのだろう。

62曲目「ロマンスブルー

Rocknrollmarch_8

再び『ROCK' N' ROLL MARCH』から。還暦を迎えたジュリーが「僕等はいつ大人になった?」と問いかける詞が、こうして生で聴くと胸にしみる。

63曲目「TOMO=DACHI」

Rocknrollmarch_9

『ROCK' N' ROLL MARCH』より。ハードな曲調に、ユーモラスな関西弁の詞(作詞はジュリー自身)が載った変わり種。これが予想以上にライブ向き。ジュリーは花道全力疾走、その後ステージ右端に駆けていった時には、一瞬ライトが追いつかなかい程だった。

64曲目「神々たちよ護れ

Rocknrollmarch_10

最近のジュリー自身の詞には、メッセージ性の強いものが多く見られるが、『ROCK' N' ROLL MARCH』も例外ではなく、群れてブチキレる若い世代を一喝するようなこのナンバーは、おばさま達の共感を呼ぶだろう。瀬戸口・YOKO君はちょうどその狭間の世代という事になろうか。

65曲目「ス・ト・リ・ッ・パ・-

Stripper

今度は何の前触れも無しに、往年ヒット曲へと雪崩れこんだ。3連符スネアドラムスのイントロ一瞬だけで「ウォ~!」と行けるのが我々狭間世代の強み。数秒遅れておばさま達も「キャ~!」と来る。瀬戸口エアベース、YOKO君エアギター(アーム入り)はお約束。YOKO君は「おれのすべてを~♪」の指差しを瀬戸口の横腹に突き刺す。ジュリーの揺れながら握り拳ポーズ、健在。

66曲目「危険なふたり

Royal_2

この日のライブ、イントロの盛り上がり方が一番凄かったのはこのナンバーだった。もちろん「ダーリング」や「勝手にしやがれ」(ごめん先に書いちゃった)も凄かったのだが、この曲が一番、というところに客層を感じさせる。と言うより、2Fの反応だけで言うなら、ここへ来てようやく、おじさま(観客の1割くらいか)達が声を出し、踊り始めたという事だ。瀬戸口・YOKO君の前席は、キャ~キャ~状態の奥様と仏像のように固まっている旦那、といった二人連れであったが、ここでは旦那様の方も相当キテいました。
瀬戸口、僭越ながら2・4拍の手拍子では飽き足らず、Bメロ「僕には~できない~♪」の部分で4拍全連打の変化をつけ、隣のおばさまもそれについてくる。嬉しいねぇ。もちろんジュリーは往年の、あの通りのアクションで絶唱。

67曲目「おまえにチェック・イン

Wonderfultime

体力、ヤバい。しかしこの曲が来たらここはもう行くしかない。無論コーラスは会場全員やるんだけど、瀬戸口は敢えてエキゾチックスパート(裏声)。ラストの「愛し合ってる~♪」に被る部分がどうしてもやりたいのである。と思ったらおばさまも同じ事やってた。凄い!と思いきやYOKO君は横で「ソ~、ダーリン♪」をやっていた。当然、ジュリーもやっていた。
この曲の演奏になると豪快にステップしてしまうのは、ほとんど条件反射なんでしょうか、柴山さん?足踏みしながらのリードギターは圧巻。

68曲目「君をいま抱かせてくれ」

Hello

アルバム『HELLO』から。知らない曲だが強引に盛り上がる。勉強します。昨日お邪魔した、とあるジュリーマニアのブログでは、このナンバーを絶賛していた。ZUZUが亡くなったという事もあって、ライブで往年ヒット曲を解禁した、ちょうどその頃のアルバム。聴いてみよう、と思う。
(註:1月31日、当ブログに遊びに来てくださったジュリーマニアの先輩の、望外の御好意によりこの貴重盤を入手できました。ありがとうございます。捨て曲ナシの名盤でした。それでもドームセットリストに選ばれたのは「君をいま抱かせてくれ」ただ1曲!♪曲の数だけでジュリーを語るさみしい男にはなりたくありません♪が、ジュリーの歴史は、イコール名曲の歴史でもあるわけです。)

69曲目「ROCKN' ROLL MARCH」

Rocknrollmarch_11

『ROCK' N' ROLL MARCH』からタイトルチューン。この曲で一応シメ、という雰囲気が伝わったので、力を振り絞って拳を振り上げ、コーラス参加。見ると、1000人コーラス隊も「ダ~♪」と元気よくやっている。([註・その後の調査にて]  コーラス隊のリハの際、この曲についてジュリー自身から「ロックンロール」ではなく「ロッケンロール」と発音して欲しい、との指示を頂いたそうです)
ちなみに後日、コーラス隊参加の鈴木さんが「瀬戸口さんどこにいたんですか?」と聞くので、「2Fの左最前部」と言ったら「あぁ、あの2Fで一番盛り上がってた所ですか!」との有り難い言葉を頂きました。頑張って良かった。否、ほとんど隣と斜め前のおばさまのおかげかな?
大合唱ののち、ジュリーは丁寧に歓声に応え、ステージは暗転。

~アンコール~

70曲目「カサブランカ・ダンディー」

Royal_3

手を振りながらジュリー再び登場。お馴染みのイントロに、跳ね飛ぶ3万人。ジュリーのDVDを結構観ているけれど、ライブでこの曲は意外と貴重。「ボギ~、ボギ~♪」で腰のあたり、「良かった~♪」直後の頭部付近、というアクションを、おばさまから伝授してもらう。「キザでいられた~♪」からの一連の腰ヒネリまでやってのけるおばさま・・・尊敬します。

71曲目「勝手にしやがれ

Omoikirikiza_2

もう無条件。手拍子が全員頭上へ移動。瀬戸口、「壁際に~♪」で一人孤高に腕を組み、「照れてただけだよ~♪」で頭ポカッをやっておばさまに笑われる。例の「行ったきりなら♪」部分でYOKO君が1Fにトレードマークの帽子を投げ飛ばすかと期待して見ていたがやってくれなかった。それどころではなかったのだろう。
この曲を生で聴くと、「本物」に触れた充実感で満たされる。やっぱり凄い。やっぱり、大名曲なのだ。

72曲目「恋は邪魔もの」

Acollection_2

一度暗転があったがすぐに出てくるジュリー、「まだまだ曲がある・・・」で場内大歓声。瀬戸口、時間が押しているのか?と少し不安になるも、曲が始まってしまえばハジけるのみだ。これも”やってくれるかどうか微妙”なところだったが、やってくれた。ただ、何となくこれで、あぁ、「魅せられた夜」は今日は無さそうだな・・・と思ってしまう。何故かは解らないが、その時に漠然とそう思った。YOKO君、リードギターのリフ部で当然のエアギター。追いかけキーボード部は瀬戸口がこれまた当然のエアピアノ。ジュリー、どこまで疲れ知らずなのか、ステージ疾走に次ぐ疾走。

73曲目「あなたに今夜はワインをふりかけ

Omoikirikiza_3

ジュリー、「次の曲では皆にコーラス協力して貰うよ!あなたに今夜はワインをふりかけ!」・・・会場は大拍手。「できれば女性は裏声で」とはジュリーのリクエスト。「低い声だと悪酔いしちゃうから」に場内爆笑。
ひとまずジュリーがお手本をアカペラで歌い、「じゃあ皆、練習な!」と言うと、あのイントロが流れ、ドラムスだけ残った状態で3万人が歌う。歌い終わると会場はどこからともなく拍手。それを聞いたジュリー、「何その拍手は~?こんなんで満足してんの~?」と突っ込みを入れ、爆笑を呼ぶ。でも・・・ひょっとしたら大阪はもっと元気良かったのかも。悔しい。が、少なくとも瀬戸口はフルボリュームで歌った。YOKO君は・・・彼の実力ならもっと行けたと思うけどね。
ジュリーの「じゃ、本番行くぞ~!」の声で演奏スタート。1000人コーラス隊も交え、全員で歌う。瀬戸口、生意気に3度上でハモる。
曲が終わると、ジュリーは観客に応えた後、「コーラスさ~ん!」と1000人コーラス隊にも手を振る。手を振り返すコーラス隊。何度も言うけど鈴木さん、あなた自分がどれだけシアワセか、解ってる?

74曲目「時の過ぎゆくままに」

Ikutuka

いつ来るか、と思っていたが、ここで来た。エンディングが近いのか、と思い少し寂しくなる。「残ってる曲は・・・」と頭の中で勘定を始める。「ヤマト」「BAD TUNING」・・・「ロンリーウルフ」「DA-BA-DA」「LOVE-抱きしめたい」あたりはもう微妙か・・・。
会場は静まり返り、じっくりとこの至高のバラードを聴き入る。この曲が収録された「いくつかの場面」は、おばさま達にとって特別なアルバムである事は疑いない。瀬戸口・YOKO君は残念ながらタイムリーではない。ポリドールの再発で聴いたクチだ。それでも素晴らしさは解っているつもりだが、おばさまの恍惚の表情には、勝てないなぁ。
そう言えば、開始直前「阿久悠さんについて何か一言あるかもしれない」とYOKO君と言っていたが、特別何もなかった。考えてみればこの記念興行に、ホーンセクションも無く、ド派手なスモークとかがあるわけでもなく・・・それがまた、今のジュリーらしく見える。間奏部で沸き起こる拍手。「悪魔のようなあいつ」のDVDも買わねば、と思う。

75曲目「ヤマトより愛をこめて

Konndohakareina_2

バラードの超名曲が続く。2番から、ドラムスがとてもセンスの良い噛みこみ。
収録アルバム『今夜は、華麗な宴にどうぞ』は、この「ヤマトより~」の他に「探偵」「スピリット」というバラードの大作3曲が核になっている大名盤。この機に多くの方に聴いて頂きたいと思う。
ジュリーは依然、入魂・熱唱。「今はさらばと♪」で一勢に横揺れになる3万人。

76曲目「気になるお前

Julie6

あぁ、この曲があった!YOKO君大好きなナンバーである。瀬戸口、「きっと、いつかは♪」の1番の部分、2・4拍のタイミングでYOKO君を殴る。YOKO君は「僕のものになるんだ~♪」でお返しに瀬戸口の頭を掻きむしる。2番で、はしょってサビに入ってしまうジュリー。この日初めての解り易いミスだったが、会場はジュリーの間違えたタイミングで拳ふりあげのフォロー。バックバンド泣かせだ。柴山さん、下山さんもジュリーと一緒に花道にせり出し、入魂の演奏。

77曲目「朝に別れのほほえみを

Human

ここでタイガース!本当に、客層を考えてのセットアップリスト。人間60年、というのは何もジュリーに限った事ではなく、この日はジュリーと同世代のおばさま達だって主役という事か。

78曲目「遠い夜明け

Kitarubeki

アルバム『耒タルベキ素敵』から。ラスト近くなって渋い選曲。『耒タルベキ素敵』は、ジュリー史をなぞった作品、とも言われていて、過去曲やデビュー時の風景へのオマージュが散りばめられていると言う。歌詞の記憶こそ完璧ではないながらも、一緒に歌う瀬戸口。

79曲目「いい風よ吹け

Iikazeyofuke

うわ~予習はしてきたけどまだ歌えない!アルバム。『いい風よ吹け』からタイトルチューン。いい曲だ。当然ながら、ライブで聴いた曲は、すべて録音音源が欲しくなる。勉強します。
(註:12月25日、アルバム『いい風よ吹け』購入。全体的にも良い作品だったが、やはりこのタイトルチューン「いい風よ吹け」が頭抜けていた。最近のジュリーの詞には、「生」と「死」について掘り下げたものが多くあり、そこでは、ジュリー自らについてはもちろんのこと、共に歩んできた大切な人達の、来るべき人生における終幕について言及される。「いい風よ吹け」はそういった楽曲の中においても特に切実な描写があり、胸を打たれる。事前にこの曲を知った上であの会場にいたかどうか、これは雲泥の差があったものと思われる。これがラス前、というのがどれほど多くの人の胸を打ったか。今改めて、不勉強のまま臨んだ己を恥じるばかりである。)
演奏が終わり、「79曲歌っちゃったか?」とバックバンドを振り返るジュリー。メンバーが頷くと、「よ~しラストだ~!」

80曲目「愛まで待てない」

Aimadematenai

ライブ前日まで知らなかった曲。(註:12月28日、アルバム購入。「愛しい勇気」「30th. Anniversary Glub Soda」の2曲がかなり好き) 映像予習してきて良かった。ジュリーは右端、左端、花道最前部、とそれぞれ特定の位置である程度の時間をとって最後の熱唱。ほんと、アリーナが羨ましい。CO-CoLoの会員になろう、と今さらのように決意する。
演奏が終わり、メンバーを紹介。柴山さんが大トリなのがやはり泣ける。ジュリー、「シメは、関東1本締め!」で爆笑。1本締めのライブなんて初めて観たなぁ。
(註:その後、「初めて観た」なんちゅうのは不勉強の露呈でしかなかった事が判明。最近のジュリーのライブは、こんな感じで終わるっぽい。DVD「サーモスタットの夏」を観て、そう思った。こちらは3本締めであった。)

メンバー全員で歓声に応え、暗転。これで終わりだとは思いたくない。トリに相応しい曲で、まだ「恋のバッドチューニング」が残っている。或いは「酒場でDA-BA-DA」でもトリに見合うはず。YOKO君をダイブさせてくれ!「OH!ギャル」だってアリだ。「マンデイ!」叫ばせてくれ!・・・必死でアンコールを訴える会場だが、時間的にはいっぱいいっぱいのようだ。先にも書いたが、東京ドームは深夜規制が厳しいのである。それでも観客が帰らない事には・・・という事だろうか、しばらくしてジュリーとバンドのメンバーが登場し、最後の挨拶。曲はやらないけれど、もう一度改めて感謝の意を、という感じ。ジュリーの「また来年ね!」の、本当に最後の一言でようやく納得し、席を立つ観客。
終了は午後9時40分に届こうかという時刻。6時間半にわたる、夢の時間が終わった。

夢の時間。
「夢」というのはこの日のMCでジュリーが語った言葉である。
自分は夢を見られるような人間ではない、とジュリーは言った。それが、昭和41年(瀬戸口が生まれた年である)に上京して以来、夢の中に生きさせてもらった、と。
ただ、夢の中に生きていたから、その上で更に夢を見る、という事ができないでいた。でも、今日(12月3日、東京ドーム)、また夢を見させてもらった。
ジュリーはそう言ったのだ。それがこの日、唯一感傷的なシーンだった。

新聞記事では伝わりにくいかと思うが、最後の最後「2008年12月3日・仏滅、私はこの日を忘れません!」というMCにしたって、「12月3日」の後、タメを作って「仏滅!」とおどけて言い、場内の爆笑を誘っていた。
過剰に感慨に溺れる事なく、「明日からまた頑張る!」というメッセージ。若手(一応な)我々2人も勿論充分過ぎるほどのパワーをこの日のライブで受け取ったけれど、ジュリーのそんなメッセージは、同世代のジュリーマニアにとって、凄く励みになったのではないだろうか。

YOKO君とは打ち上げにて、「俺達はまだヒヨッコ」と語り合った。「ロンリーウルフ」や「酒場でDA-BA-DA」は、俺達にはまだ早いんだよ、という事だ。1年かけて勉強し、また来年、大きな会場でやる時には行こう、そうやって徐々にステップアップして常連になろう、と。

最後に。
このレポートを書くにあたり、相当の時間を要した。なんせ全80曲だ。駄文であるとは言え、その楽曲数のレポートをこなすにあたり、半端ではないエネルギーを使った。
そう考えると、6時間半かけて、その80曲を疾走し、歌いきったジュリー、演奏しきったバンドのメンバーが使ったエネルギーというのは、いかほどのものなのか。想像を絶する。本当にすさまじい事だと思う。

ありがとう、ジュリー。

ありがとう、サンキュ~、ありがとうね!

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コメント

感涙・・・・

投稿: みっきー | 2008年12月 7日 (日) 06時27分

みっきー様、コメントありがとうございます!
きっと当日いらっしゃった方なのでしょうね。
同じ感激をわかち合えて良かったです。
また来年、お会いしましょう!

投稿: 瀬戸口雅資 | 2008年12月 7日 (日) 23時08分

ありがとうございます!!
私も当日参戦した・・・タイガースのデビュー・シングルからコレクションしている・・・いわゆる「オバサン」世代の者です。
殆どの曲を知っていたのですが・・・何しろ、あまりにも素敵な夢のようなひとときでして、あっという間に終わってしまった印象だったのです。

コチラの詳細な描写を拝見して、ああそうだった・・と、追体験をして楽しむ事ができました。
どうも有り難うございました。

ちなみに・・・帰ってきて直ぐに聴いたアルバムは「パノラマ」です。
もちろん1月のCCレモン・ホールにも参ります。
これを機にコンサートが一段と盛り上がりそうで嬉しいです。
どこかですれ違うかもしれませんね。

投稿: obasan | 2008年12月 9日 (火) 10時37分

コメントどうもありがとうございます!
このレポートは、ドームに一緒に参加した方が当日の雰囲気を振り返って楽しんで頂くこと、そして当日残念ながら行けなかった人に最大限当日の雰囲気を伝えること、その2点を念頭にアップしたものです。
ですので、「追体験できた」と言ってくださったのがとても嬉しいです!
僕と、同行したYOKO君は開演前に、「自分達が若手として、目上の方々を引っ張って盛り上げていこう」と話していましたが、結果は全くの逆で、僕等の方がジュリー同世代の方々に引っ張って頂いた…そんなコンサートでした。あらためて、ジュリーの偉大な歴史を知った気持ちです。
ほとんど知ってる曲でいらした、とは…凄いですね。僕等はまだまだヒヨッコでした。本当に、これから勉強します。
僕は普段はベスト盤はあまり聴かないのですが、当日深夜は「ロイヤルストレートフラッシュ」3枚を聴きまくりました。しかし、そちらでは、「パノラマ」だったんですね。そのお言葉で、絶対いいアルバムなんだ、と確信しました。近日中に購入したいと思います。
CCレモンには行けませんがまた近いうちに同じ会場で感動をわかち合える日があると思います。楽しみにしています。
CCレモンの感想とか、よろしければここに書き込んじゃって下さいね!

投稿: 瀬戸口雅資 | 2008年12月 9日 (火) 21時28分

長いレポに感謝!!
同じ空間を共有できたことに感謝。
自分もまだ勉強曲が多いので参考になります!

投稿: ぬこ好き太郎 | 2008年12月13日 (土) 11時22分

コメントありがとうございます!
あの日、同じ空間にいた方々に、その後この記事を読んで頂き、コメントまで頂けるというのは本当に嬉しい事です。平日深夜までかかって長いレポートを書きあげた事が、多少でも意味があったのだ、と実感しています。
今度同じ空間を共有する時は、お互いパワーアップしていられたら、と思います。今後ともよろしくお願い致します!

投稿: 瀬戸口雅資 | 2008年12月13日 (土) 14時26分

あの日の興奮を思い出してしまいました。
最近やっと日常に戻ってきたのに…(笑)

楽しく読ませていただきました。
ありがとう

投稿: ごまん | 2008年12月15日 (月) 16時42分

コメントありがとうございます!
楽しんで頂けてこちらとしても嬉しいです。やはりあの12月3日は、会場にいた方々にとって本当に特別な日だったのですね。
ところで僕は、まだまだ日常に戻ることができません。
あの日を境に、今まで聴かずにいた90年代以降のアルバムを聴きまくっております。それがまた素晴らしい作品ばかりで圧倒され、あの日の記憶も手伝って、体温は上昇の一途です。
次回は是非とも、知らない曲は無い!と言うくらいにパワーアップしてコンサートに臨みたいと思っています。
またお会いしましょう!

投稿: 瀬戸口雅資 | 2008年12月15日 (月) 20時46分

ブログ執筆者です。
その後、ボーナスをはたいて未聴のアルバムを買いまくり猛勉強した私は、意を決してCCレモンのチケットを購入しようとしましたが、時既に遅し、当然のソールドアウト。
どこかにチケット余らせているお方、連れてってくださるお方はいらっしゃらないでしょうか。定価引き取りなどとケチな事は申しません。アドレスも晒します。どうかどうか…。
今の私は東京ドームの時のヒヨッコではありません。「マンジャーレ」はイントロの瞬間爆発できます。「Don't Be Afraid…」でウットリできます。「サーモスタット」ではちゃんと「やめて!」も言えます。
藁にもすがる思いです。
どうかひとつ。

投稿: 瀬戸口雅資 | 2008年12月24日 (水) 04時11分

今更ながらのコメント笑ってください。
楽しくライヴの模様を思い浮かべました。
私はタイガースリアル世代で、長崎のコンサートも参戦した1人です。
その後ストーンズのハードコレクターとなり数十年を過ごしました。
2002年の「忘却の天才ツアー」でひさしぶりにジュリーを体験してから またまたジュリーにのめり込んでしまいました。

DVDで還暦ツアーの模様を見ましたが、声の衰えが無いのに驚き、体力が当時のままというのにも感心しました。
日本を代表するロックボーカリスト「ジュリー」をこれからも追い続けるつもりです。
楽しいブログに出合って喜んでいます。

投稿: まーちゃん | 2011年5月 1日 (日) 12時58分

まーちゃん様

ようこそ懐かしの記事へ!
ありがとうございます~。

今この記事を読み返すと、無知だった自分に恥じ入ることも多いのですが…楽しんで頂けて嬉しいです。
本当に凄いステージでした。
大げさではなく、僕は『ジュリー祭り』に参加して人生が変わったほどです。
今も大切にしたい記憶…やっぱり自分にとっても特別なレポですね…。
『ジュリー祭り』の全曲を記事にすることが今のこのブログの最大の目標です。

今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます!

投稿: DYNAMITE | 2011年5月 2日 (月) 12時30分

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