DON DIXON 「GIRLS L.T.D.」
”いかした愛の落武者”ドン・ディクソン。ニック・ロウの大ファンで、アロガンスなるバンドで活動していたが売れず、プロデューサー転向してソコソコ成功、調子に乗ってソロアルバムをリリースしたら一部コアな人々から大絶賛され、その後はマイペースながらコンスタントに新作を出し続けてくれているニクい奴。
彼がもう少し遅く生まれて、90年代半ばに同じ事をやっていたとしたら、間違いなくパワーポップ仕掛け人としてブラッド・ジョーンズと評価を二分していただろう。それくらいの大人物。ただ、ニック・ロウフェチ度が高すぎるのか、自身のアルバムに関してはワザといい加減な、途中で投げ出したようなプロデュース志向が見受けられる。好き勝手にやって、ソコソコ食っていけてるワケだ。羨ましい。今回はそんな彼が唯一渾身・真剣にプロデュースしたと思われるファースト・アルバムから、タイトルチューン「GIRLS L.T.D.」を伝授!
「GIRLS L.T.D.」ってのは通称で、正式な楽曲名は「MOST OF THE GIRLS LIKE TO DANCE (BUT ONLY SOME OF BOYS LIKE TO)」という。あの風体で(落武者)「ボーイズ」とはよく言ったモンだが、まぁ、女の子ひっかけて踊る、なんてのが苦手そうなキャラではあるな。
とにかく名曲、私も含め、延々とニック・ロウとか聴き続けてきた人にとっては、衝撃の、歴史的大名曲なのである。タイトルセンス、詞・曲の構成、アレンジ、ヴォーカル、演奏時間、イントロからエンディングまで、完璧。サビ前に「さぁ行くぞ!」的な隙間を入れる、とか、フェイドアウト間際に一発マヌケに雄叫ぶ、という技は、その後ごくごく自然にSUPER46にとりいれられていった。最もその度合が強いのは、「GET NERVOUS!」収録の「ロックな女」だが、その他色々な曲で、私は「GIRLS L.T.D.」の恩恵を被っている。
残念ながらドン・ディクソン、アルバムを出す度に絶対イイ曲は入っているんだけど、この名曲に比肩しうる程の楽曲はまだ書けていない。ならば、初心者が聴くべきは、ファーストである。
プロデューサーらしいと言えばそうなのだが、この人はとても良いアウトテイクがあるので、ボーナストラック入りのCDをお勧めしたい。私はレコード、通常CD、ボーナス入りCDの3種類持ってますけどね。
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