2012年5月15日 (火)

沢田研二 「シャワー」

from『S/T/R/I/P/P/E/R』、1981

Stripper

1. オーバーチュア
2. ストリッパー
3. BYE BYE HANDY LOVE
4. そばにいたい
5. DIRTY WORK
6. バイバイジェラシー
7. 想い出のアニー・ローリー
8. FOXY FOX
9. テーブル4の女
10. 渚のラブレター
11. テレフォン
12. シャワー
13. バタフライ・ムーン

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短めの記事(あくまで拙ブログ的には、ですが)で、ガンガン続いております”今度のツアーでは絶対に聴けそうもない曲”シリーズ。
このテーマですと、やっぱり70年代、80年代のアルバム収録曲たちが多く頭に浮かんできてしまいますね~。

今日は80年代です。
枕もそこそこに、エキゾティクス期の渋いナンバーを採り上げたいと思います。
大名盤『S/T/R/I/P/P/E/R』から。
「シャワー」伝授です!

昨年・・・ちょうど僕が老虎ツアーのセットリスト予想を頑張っている頃でしたが、伊藤銀次さんがブログでジュリーのアルバム『G. S. I LOVE YOU』制作秘話を連載の形で書いてくださっていました。
その際、「今度はアルバム『S/T/R/I/P/P/E/R』のことも書こうと思う」と仰っていたのだけれど、まだなのかなぁ・・・。かな~り、楽しみにしているのですが。

『G. S. I LOVE YOU』『S/T/R/I/P/P/E/R』の2枚は、アレンジャーである銀次さんのリスニング・センス抜きには語れないナンバーがたくさん収録されています。
僕もこれまでいくつかの曲で、そうしたことを中心に考察記事を書きました。今回の「シャワー」についても、そんな内容になります。

『G. S. I LOVE YOU』も『S/T/R/I/P/P/E/R』も、銀次兄さんのアレンジには洋楽ロックへのオマージュがふんだんに盛り込まれているのですが、『G. S. I LOVE YOU』ではビートルズやストーンズが核になっていたのに対し、『S/T/R/I/P/P/E/R』ではさらに渋くマニアックなサウンド・アプローチが為されています。その分、ミックスは正攻法になっているんですけどね。

曲で言うと、例えば「ス・ト・リ・ッ・パ・-」はストレイ・キャッツ、「バイバイジェラシー」はロックパイルという、明確なオマージュ元があります。
では、「シャワー」はどうでしょうか。
当たっているかどうかは銀次兄さんの解説を拝見できる時まで分かりませんが、これはザ・キュアーじゃないかな、と僕は考えています。
エコー&ザ・バニーメンの線も大いに考えられるとは言え、アレンジでの、特にギターの音階やカッティング、エフェクトなどはキュアーの手法だと思うんです。

ザ・キュアーというバンドは、ヴィジュアル系としてはカリスマのような存在。ただ、容姿や過激なキャラクターだけではなく、バンドを率いるロバート・スミスのヴォーカルと音楽性は当時刺激的に新しかったらしい、と僕も後追い認識しています。
それに・・・ロバート・スミスのギターって、いかにも銀次兄さんの好みのように思いますし。

ちょっとおどろおどろしい、と言うか退廃美のような楽曲の雰囲気こそ、キュアーの真骨頂。
「シャワー」のアレンジが凄いのは、キュアーがその後に辿る進化形(アルバム『ポルノグラフィー』など)をも彷彿させるような、ダーク・サイケデリックのアプローチまで先取りしてしまっていることです。

また、オマージュ元の大物としては、一瞬「おっ、ドアーズ!」と感じた箇所もあります。
2分55秒くらいの、リズム隊が無気味に残るところに噛み込んでくるオルガンですね。銀次兄さんはブログで、ジュリー作曲の「HEY!MR. MONKEY」のコード進行がいかに斬新かという説明の際に、ドアーズの「ハートに火をつけて」を引き合いに出していましたし、ドアーズの雰囲気は常に引き出しに持っていたでしょう。
ドアーズはダーク・サイケデリックの元祖とも言うべきサウンドですし、キュアーっぽいギター・アプローチと相性も良かったことから採用されたアレンジだったのではないでしょうか。

しかし、こういったことも結局、一介の素人ファンの推測に過ぎません。
何処までその推測が的を得ているのか、或いは全然見当違いなのか・・・銀次さんの『S/T/R/P/P/E/R』制作秘話を本当に心待ちにしているところです。最近のブログでのご様子を拝見していますと、銀次さんはとてもお忙しそうなのですが・・・。

さて、それでは銀次さんのアレンジで変貌する以前の、純粋に吉田建さん作曲時点での「シャワー」はどんな曲だったのでしょうか。

Sn390346


新興楽譜出版社・刊 『ス・ト・リ・ッ・パ・- 沢田研二楽譜集』より

写真集として有名ですが、スコアとしても素晴らしい1冊です。少し前に、神保町の古書街で見かけた時には凄まじい値段がついていましたね(『水の皮膚』ほどではありませんでしたが・・・)。
「シャワー」の掲載ページは「DIRTY WORK」と抱き合わせです。
ちなみに、そのページの見開き右の写真はこちら。

Sn390347

この本のモノクロ写真のジュリーって、なんだか怖いお兄さんショットが多いように感じるのですが・・・。

ということで、スコアを参考に紐解いてみると・・・「シャワー」という曲は、作曲者こそ違えど前作『G. S. I LOVE YOU』収録の「NOISE」に近い曲想のように思います。
加瀬さんはギターリフ、建さんは当然ベースラインが骨子になっていますけどね。進行や構成はよく似ています。
「シャワー」のサビも「NOISE」同様、それまでじりじりと粘り強く展開してきた曲調が一気に視界を拡げるような解放感(「プリティ・ウーマン」のような単音のギター・フレーズが小気味良く噛んでくるアレンジで、それがさらに強調されています)が素晴らしいですね。

そんな中での2曲の大きな違いは、「NOISE」の”陽”に対して「シャワー」の”陰”とでも言いますか・・・。
「シャワー」は役割的には『G. S. I LOVE YOU』で言うと「THE VANITY FACTORY」のような重心をとる位置に収録されているのでそう感じるのかもしれません。でも本質的には「NOISE」に近いアプローチの曲作りだと思っています。

ジュリーのヴォーカル、切れてますねぇ。こういうヴォーカルのナンバーが収録されていることで、アルバムの構成がグッと引き締まります。
ここでの歌い方は、佐野元春さんに刺激された部分が大いにあるように思います。例えば

♪ ここは   海の底 ♪
  Gm  E♭7  Gm    E♭7

語尾を投げっ放しにするような発声や、トーキング・スタイルももちろんそうなんですけど、細かいながら強調したいのは、「海の底♪」の「そ」の発音。
限りなく「す」に近い「そ」なのです。これは佐野さんのヴォーカルの個性でもあります。
高校時代、佐野さんの「ダウンタウン・ボーイ」という曲で「ここにもひとり、あそこにもひとり♪」というくだりの「あそこ」が「あすこ」に聴こえるのがロックとしてカッコいいのか悪いのか、という激論を友人と交わしたものです。無論僕は、「カッコいい」派ですよ!

あと、この曲ではバッキング・コーラスについても触れておきましょう。
Aメロ冒頭の「Baby♪」の箇所が一番分かり易いと思いますが、抑揚を抑えた平坦な感じの低音コーラスが加えられていて、これがとても効いています(エキゾティクスでこの低音出すメンバーは誰なのでしょうか)。

この手法は、アルバムの他収録曲のいくつかでコーラス参加しているポール・キャラックが在籍していた、スクイーズというパブ・ロック・バンドが得意とするコーラス・ワークです。
リード・ヴォーカルのグレン・ティルブルックの艶のある主旋律に、渋みばしったクリス・ディフォードの無機質な低音を重ねることで、メロディーの要所要所にエッジを効かせる、という独特の技。

「シャワー」では、こんなところにも銀次さんの手腕が表れ、当時タイムリーな洋楽ロック・サウンドへのオマージュが一層楽しめる名曲となっているのですね~。

さて・・・次回の更新ですが、今度は90年代後半に飛んでみようと思っています。
『sur←』以降のセルフ・プロデュース期のアルバム収録曲は、ほとんどの曲がいつセットリストに選ばれても不思議ではないという感じです。そうした中、一握りの「これは当分やらないだろうなぁ~」と思われる曲(僕の個人的な判断ではありますけど)を探していくのも、これまた楽しい作業だったりして。

それでは、また週末(たぶん)に!

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2012年5月12日 (土)

沢田研二 「バラを捨てて」

from『JULIE』、1969

Julie1

1. 君を許す
2. ビロードの風
3. 誰もとめはしない
4. 愛のプレリュード
5. 光と花の思い出
6. バラを捨てて
7. 君をさがして
8. 未知の友へ
9. ひとりぼっちのバラード
10. 雨の日の出来事
11. マイ・ラブ
12. 愛の世界のために

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締切日が過ぎてから書くのもナンですが・・・みなさま、ジュリーのツアー後半戦の申し込みは無事お済みでしょうか?
僕の周囲にはギリギリになってから申し込みをなさる方々が多くて、「よく焦らないでいられるなぁ」と、いつも感心してしまいます。

僕は八王子、大宮、フォーラムを申し込みました。
前半戦で申し込んだ初日渋谷、びわ湖と併せ、すべて第一希望通りとはなかなかいかないのでしょうが・・・どの日も外れたら困る~。
初日は絶対行きたいし、びわ湖はもうすでにその日に合わせてカミさんの実家にお邪魔することを決めてしまったし、大宮はYOKO君今年唯一のチャンス日だし。
外れてもどうにかあきらめがつくのは、ファイナルのフォーラムだけかもしれません。
それに、後半戦初っ端の八王子が第二希望記入欄無し、って大丈夫なのかな。関東圏のファンはドッと押し寄せるような気がするけれど、8月の渋谷と間隔がさほど空いていないし、そんなこともないのかな・・・。

いずれにせよ、楽しみです。久しぶりのソロコンサートですからね!

そしてもうひとつの大きな楽しみ・・・真・タイガースの復活の話題も盛り上がってきましたね。まだ具体的には何も決まっていないようですが、ジュリーの東西トークショーではタイガースのことも大いに語ってくれたそうで、いよいよか!という感じです。
(トークショーは、7月31日の横浜が追加になったらしいですね~。ツアーが始まってからの日程ですし、また新しい話題もあるのでしょう。ご参加希望のみなさま、電話予約のご健闘をお祈り申しあげます!)

とにかく、5人が揃って色々と話しているらしいことが分かり、とても嬉しく思っています。
先の老虎ツアーは本当に楽しくて、武道館まで半年充実したタイガース・ナンバーづくしの日々が送れて、実はLIVEそれ自体はもうかなり満足させてもらった感があります。
でも・・・やっぱりセットリストに「廃墟の鳩」が無いっていうのは、完全なタイガースではなかったとは思いましたし、若輩の身で恐縮ながら、曲によっては「これで、トッポのコーラスがあればなぁ」と思ったナンバーもありました。
それがいよいよ実現に向かって動き始めているんですね・・・。

メンバーそれぞれのスケジュールを合わせることは、演奏曲目のリハだけでも相当難しいのでしょうが、僕個人的には、タイガースとしての新譜リリースにも期待したいんだよなぁ・・・。
そんなことしたらLIVEで昔の名曲がその分はじかれちゃう、という心配の声も大きいとは思います。だから、フルアルバムでなくても・・・5曲入りとかでもね。
トッポの曲、ピーの曲。王道のタローの曲。
サリーの詞。ジュリーも当然作詞するかな。
そして、体調のこともありレコーディング参加となると難しいシローにも、詞を書いてもらって、作詞者として新譜に参加という形はどうかな・・・なんて、僕は以前から勝手に考えたりもしています。

ジュリーとしては「急ぎ過ぎずに」ということのようですね。
僕はジュリーファンだからだと思うけど、ジュリーの発言を色々なブログさんで知って・・・まったく違和感が無いんです。その通りだなぁ、と思うばかり。
トッポのことも・・・CMなんて出なくっていいじゃん、僕はトッポの音が、曲が聴きたいよ!と、そう思うわけです。LIVEのことはジュリーに任せておけば、最終的にはメンバーすべてのファンが会場に集まってくれるよ!と・・・こんなところで書いても仕方ないんですけど。

まぁ贅沢を言えばキリがありませんが・・・楽しみを色々と膨らませながら次の情報を待ちたいと思っています!

それでは本題です。
”今度のツアーでは絶対に聴けそうもない曲”シリーズ。今日は、ジュリーのファースト・アルバム『JULIE』からお題を採り上げます。
「バラを捨てて」、伝授です~。

アルバム『JULIE』収録曲については、参考資料としてこちらのスコアが手元にございます。

Sn390345


ショイン・ミュージック・刊 『沢田研二のすべて』より

曲によってはキーが変えられていたり、かなり手抜きの採譜だったり、曲のタイトルに誤植があったりと、なかなか一筋縄ではいかない(?)スコアブックなんですけど、それがかえって研究心をかきたてますし、何より収載曲が貴重で愛すべき1冊。
で、「バラを捨てて」は、せっかくジュリーがゆったりとした3連符のニュアンスで、音符を跳ねるように歌っているのが、メロディーの採譜ではスルーされている粗さはあるものの、コードについては比較的順当な感じの表記です。キーも原曲通りのト長調になっていますしね。

さて、アルバム6曲目の「バラを捨てて」。レコードだと、A面のトリの位置に収録されているのですね。
これは、つい最近になって「おおっ!」と突然好きになった曲。僕は未だに、ジュリーのアルバムを聴いていて、それまで見過ごしていた楽曲の魅力に突如憑りつかれる、というパターンがしばしばあります。最近執筆した曲だと「Silence Love」なんかも、そう。
ちょっとしたことで聴こえ方がガラリと変わり、劇的に好きになる、という・・・。
LIVEで生で体感することがそのきっかけになることが多いのですが、「バラを捨てて」の場合は・・・ジュリーとトッポの”仲直り”の噂のおかげでした。

「は?なんじゃそりゃ?」
みなさま、そうお思いでしょうね。

言うまでもなく「バラを捨てて」は、日常の断片を安井かずみさんの美しい感性で愛の歌に昇華させたナンバーで、トッポとはまったく関係がありません。
僕は前回記事のシメで、「当時、歌詞からジュリーとトッポのことを連想した先輩、いらっしゃらなかったですか?」と書いてしまいましたが・・・よく考えればそんなことはあり得ませんね。リリース時の状況、年代から考えてもね。
そう、この詞からそんなことを連想してしまうのは、正に「今」だからこそ。
ひょっとしたら、タイムリーなタイガースのことを何も知らない新規ファンだからこそ、の感想なのかもしれませんし。

これまで僕は「バラを捨てて」という楽曲タイトルについて深く考えたことがありませんでした。
情けないことに僕の脳内では、幼少のTVで観ていたジュリーの記憶・・・そのスーパーアイドル的イメージがそのまま残っている部分が自然にあって(それも悪いことばかりではないけれど)、例えば、あのジュリーが若い頃に「バラを捨てて」なんて歌を歌っていたんだなぁ、と認識すると、その瞬間脳内ではバシッと白スーツか何かでキメたジュリーが、口に咥えていた一輪のバラを「プッ!」と吐き捨てる、とかね・・・そんな映像が浮かぶわけです。
詞の内容とは関係なく、ほとんど無意識でそんなふうに捉えているわけですよね・・・。困ったことです。

♪ バラを捨てて 意地を捨てて
  G    Gsus4 G         Gsus4 G 

  帰ってくる 許しあお     う
  Am7     D7    G B7(onF#) Em  G7(onD)

  君はもう離れない ♪
  C       D7  G      

(註:上記紹介の参考スコアとは一部コードが違います。弾き語りならば僕はこう弾きます、ということです)

この曲での「バラ」というフレーズが、まぁ一般的な、「美しいけれど棘がある」という心情的な象徴として描かれていることは、分かってはいました。
ただ、たまたま最近”ツアーで聴けそうもない曲”探しということでアルバム『JULIE』を聴いていて(僕は、このファーストアルバムからはしばらくLIVEのセットリストに採り上げられる曲は無いのではないか、と考えています)、2番の「バラを捨てて♪」に続く「意地を捨てて♪」、そしてその後の「許しあおい♪」という箇所で、ハッとなったのです。
これは、いわゆる”仲直り”の歌だよなぁ・・・と。

男って多かれ少なかれ、他人から見たら「何をそんな頑固な」という「意地」がありますよね。
ジュリーにも、トッポにもあるでしょう。と言うか、この二人は大いにある・・・のでしょうね。タイガースのメンバーで言うと、ピーもそうかもしれませんが。
それは、男にとって大切な「矜持」を支えているもののひとつであるわけです。

「矜持」は、プライドであったり、考え方であったり、環境、人生経験・・・色々な要素で出来上がっていて、その中に「意地」というものも確かにあります。
ただ、ふとした瞬間に「意地」だけを取っ払った方が上手くいく、むしろ自分の矜持がスッキリする、ということがあるのではないでしょうか。
「意地」を捨てたジュリーとトッポが、残ったお互いの矜持をぶつけ合いながら、タイガースについて正に今、色々と話をしている・・・そう想像しただけでワクワクします。ぶつかり合うことも多い二人だけに、いざこの二人の意見が揃った時には、相当強い色が出てくると思いますしね。

そんなふうに考えて、「バラを捨てて」が単に男女の物語ではなく、男同志、女性同志の友情の歌とも解釈できることに、僕は今さらながら気がついた次第なのです。
ZUZUは、普通に同性の友達のことを詞にしたのかな、とも思えてきます。

タイガース在籍期間にリリースされたということもあってか、『JULIE』というアルバムには腰を据えてじっくり制作した、とは言い難い粗さもあり、全体のイメージとしてロック色が薄い作品でもありますが、ジュリーのみずみずしいヴォーカル、ZUZU=村井邦彦さんという旬な才能による曲作り、東海林修さんのプロフェッショナルなアレンジそれぞれに統一感もあり、名盤と言えるでしょう。
今まで通して聴くことが比較的少なかったアルバムですけど、今回ちょっとしたきっかけで「バラを捨てて」が大好きになったように、まだまだ僕の気づいていない魅力が多く隠されている作品のように思います。

まぁ、美しいけど棘は無いですよね・・・このアルバム。

それでは、次回更新はエキゾティクス時代のナンバーに飛ぶ予定です。
最近の記事、文量は若干短めになってきていますが、その分できる限り多くの曲を書いていきますからね~。

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2012年5月 9日 (水)

沢田研二 「青い恋人たち」

『JULIE SINGLE COLLECTION BOX~Polydor Yeas』収録
original released on 1973 シングル「危険なふたり」B面

Singlecollection1

disc-1
1. 君をのせて
2. 恋から愛へ
disc-2
1. 許されない愛
2. 美しい予感
disc-3
1. あなただけでいい
2. 別れのテーマ
disc-4
1. 死んでもいい
2. 愛はもう偽り
disc-5
1. あなたへの愛
2. 淋しい想い出
disc-6
1. 危険なふたり
2. 青い恋人たち
disc-7
1. 胸いっぱいの悲しみ
2. 気になるお前
disc-8
1. 魅せられた夜
2. 15の時
disc-9
1. 恋は邪魔もの
2. 遠い旅
disc-10
1. 追憶
2. 甘いたわむれ
disc-11
1. THE FUGITIVE~愛の逃亡者
2. I WAS BORN TO LOVE YOU
disc-12
1. 白い部屋
2. 風吹く頃
disc-13
1. 巴里にひとり
2. 明日では遅すぎる
disc-14
1. 時の過ぎゆくままに
2. 旅立つ朝
disc-15
1. 立ちどまるな ふりむくな
2. 流転
disc-16
1. ウィンクでさよなら
2. 薔薇の真心
disc-17
1. コバルトの季節の中で
2. 夕なぎ
disc-18
1. さよならをいう気もない
2. つめたい抱擁
disc-19
1. 勝手にしやがれ
2. 若き日の手紙
disc-20
1. MEMORIES
2. LONG AGO AND FAR AWAY
disc-21
1. 憎みきれないろくでなし
2. 俺とお前
disc-22
1. サムライ
2. あなたに今夜はワインをふりかけ
disc-23
1. ダーリング
2. お嬢さんお手上げだ
disc-24
1. ヤマトより愛をこめて
2. 酔いどれ関係
disc-25
1. LOVE(抱きしめたい)
2. 真夜中の喝采
disc-26
1. カサブランカ・ダンディ
2. バタフライ革命
disc-27
1. OH!ギャル
2. おまえのハートは札つきだ
disc-28
1. ロンリー・ウルフ
2. アムネジア
disc-29
1. TOKIO
2. I am I(俺は俺)
disc-30
1. 恋のバッド・チューニング
2. 世紀末ブルース
disc-31
1. 酒場でDABADA
2. 嘘はつけない
disc-32
1. おまえがパラダイス
2. クライマックス
disc-33
1. 渚のラブレター
2. バイバイジェラシー
disc-34
1. ス・ト・リ・ッ・パ・-
2. ジャンジャンロック
disc-35
1. 麗人
2. 月曜日までお元気で
disc-36
1. ”おまえにチェック・イン”
2. ZOKKON
disc-37
1. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
2. ロマンティックはご一緒に
disc-38
1. 背中まで45分
2. How Many "Good Bye"
disc-39
1. 晴れのちBLUE BOY
2. 出来心でセンチメンタル
disc-40
1. きめてやる今夜
2. 枯葉のように囁いて
disc-41
1. どん底
2. 愛情物語
disc-42
1. 渡り鳥 はぐれ鳥
2. New York Chic Connection
disc-43
1. AMAPOLA(アマポーラ)
2. CHI SEI(君は誰)
bonus disc
1. 晴れのちBLUE BOY(Disco Version)

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なるべく多くの楽曲を採り上げるべく、サクサクとした記事を心がけております、”今度のツアーでは絶対聴けそうもない曲”シリーズ。
その3曲目、おつきあいを願います。

先日「気になるお前」の記事中でチラッとご紹介しましたが・・・今回は、いつもお世話になっている先輩からお預かりしている貴重なスコアからお題を選んでの考察です。

009


シンコー・ミュージック・刊 『沢田研二/ビッグヒット コレクション』

とにかくシングルB面曲が惜しげもなく掲載されている点が何より目を惹き、僕などはそれだけで盛り上がってしまいます。
その中から採り上げますのは、信じられないほどの素直さでもって伸びあがるジュリーの高音が素晴らしいナンバー。
「青い恋人たち」、伝授です~。

この曲は先輩方の人気も高いようで・・・本当に、シングルB面がもったいないほどの名曲ですよね。まぁジュリーのB面曲はそんなのばかりですけど。
ただ、オリコン1位となったA面曲「危険なふたり」とのカップリング・・・このバランスは最高です。大ヒット・ナンバーのB面だからこそ光る、ということも言えるのかもしれません。
「青い恋人たち」はバラードとまでは言えない曲想ですが、まず「危険なふたり」を聴いてシングル盤をひっくり返して聴くと、しっとりとした情感溢れるバラード・タイプの名曲として聴こえます。

と、ここで
「新規ファンのDYNAMITEが持ってるのはシングルコレのCD盤でしょ!盤をひっくり返したことなんか無いだろうに~」
という声が聞こえてきそうですが・・・。
実は僕、大学時代にこのシングル・レコード盤を何度も聴いています。以前もチラッと書いたことがありますが、何故か弟が古レコード屋で購入していたのです。
二人で「危険なふたり」を日本のパブ・ロックだ!なんて言ってたんですよね。懐かしい話です。

無論、B面「青い恋人たち」の方もも素晴らしい曲、と記憶が残っていましたよ。残念ながら当時はそれ以上のめり込むことは無く、”第一次ジュリー堕ち期”の30代中盤頃には、どんな曲だったのかすっかり忘れてしまっていました(恥)。

さて、この曲での加瀬さんの作曲アプローチは、「あなたへの愛」に近いと僕は思います。
ミディアム・テンポの珠玉のポップ・チューン。その上でキチンとバンド・サウンドに仕上がっているのは、やはり加瀬さんの曲の力でしょう。

さぁ、そこでスコアです。

Sn390339

絶対音感の無い僕は、ジュリーの歌を聴いて「あぁ、相当高そうな音だなぁ」と感じてはいても、実際に自分で楽器で合わせてみるまでは、音階やキーを特定することはできません。
しかしメロディーの載ったスコアがあると、まずその音の連なりを目で確認することができ、一層「うわっ、凄い!」と感動することができます。

僕はごく一般的な男声よりも少し高めの声域で、20代には高い「ソ」の音までは割と普通に出せていました。
しかしそれは1音1音出す場合のお話。高い「レ」以上の音がある程度続けて歌われるメロディーになると、だんだん歌うのが苦しくなってきます。1番では頑張って歌えても、2番になるとゼ~ハ~状態になったりするのです。
ましてその中で最高音が「ソ#」とか「ラ」になると、声がひっくり返ったり、仕方なく無理に裏声で出したり。
大体、男声で高い「ラ」の音を普通に出せる人は、そうはいまぜん。

ジュリーだって、若い頃はともかく、今は高音を出すのも苦しいはずです。その証拠に、近年のレコーディング作品に高い「ラ」の音はずっと登場していませんでした。

ところが・・・2012年の新譜『3月8日の雲』収録の「F.A.P.P」「カガヤケイノチ」の2曲に、突然高い「ラ」の音が採用されました。
60歳を超えた男声で・・・何という果敢な挑戦!

何度も書きますが、僕はこれこそ新譜に込められたジュリーの気持ちだと思っています。
大部分のリスナーはそんなことには気がつかないでしょう。それがいかにも「頑張っている」「渾身の気持ちを込めている」ということを声高には言わないジュリーらしい、密やかなる志ではないでしょうか。

・・・話が逸れてしまいました。
それでは若きジュリーが歌った「青い恋人たち」のメロディーでは、その辺りどうだったのかと言えば・・・。

Sn390344

上画像は、サビの一番最後の箇所ですね。
すべて高い方の音で「レ~、ファソラ~、ソファ~♪」です。ためしに同じ音階で歌ってみましたが・・・いやいやキツいのなんの。

『ZU ZU SONGS』でのジュリー自身のMCにあった通り、若き日のジュリーは「Aも余裕で出ていた」そうで。
その「A」というのが高い「ラ」の音のことで、「青い恋人たち」で言うと、「あなたはゆく♪」の「は」の部分です。
素晴らしい高音ヴォーカル!

でもそれは、声が高い、というだけではない・・・「余裕で出る」というそれだけでもない。
ある先輩はこの時期のジュリーのヴォーカルを”天上の声”と表現していらっしゃいましたが、とにかく美しい高音なんですよね~。

それに、良い意味で過剰な感情移入が無いのがこの頃のジュリーの歌の魅力だと個人的には思うんです。
押し付けるような感覚が微塵も無く、純粋に優れた歌詞・優れたメロディーをそのまま歌ったら、それがジュリーの個性になってしまう・・・そんな魔法を感じます。
僕はそんなヴォーカルを(『JULIEⅡ』収録曲では毎回のように言っている気がしますが)、「無垢なまでに伸び上がる高音」と表現したくなるのです。今なら「邪気が無い」という言葉も近いように思うけれど・・・。

「青い恋人たち」はサビに向かって徐々にせり上がるようにメロディーが高くなっていきますから、サビの一番最後に一番オイシイ声が待っている・・・それが多くの先輩方の琴線にキュッと触れ、この曲の高い人気に反映されているのではないでしょうか。

さて・・・このスコア・ブック、曲によっては相当に無茶なコード採譜もあるんですけど、この「青い恋人たち」については比較的穏やか、と言うか自然です。

♪ あなたは何故かいつも 倖せ 間違えそう ♪
          F                 Gm                      F

このAメロの採譜でハッキリとした「Gm」のコードを当てているのは、ギター1本での弾き語りで感じが出るように、さらにはベース・プレイヤーへの明確な表記までをを志したアレンジメントで好感が持てます。まぁ、バンドサウンドの場合、ギターは「Gm」の部分を「Fsus4」で演奏した方がイイ感じなんですけどね。一人で弾き語るならば確かに「Gm」です。

でもその他の箇所で「これはちょっと違うんじゃ・・・」という採譜部もありますから、お手持ちの先輩方、この機にちょろっと修正しておきましょう~。
まずは

♪ 側で見ていると ♪
     Am           D7

「と」の部分を、「Dm」表記から上記のように「D7」に直します。
そして

♪ 知らずにまた ♪
  B♭ C7    F

・・・ここは全編、上記のように直しましょう。
で、続く「あなたはゆく♪」のトコも、これと同じ進行で弾いた方が良いですよ!

そうそう、スコアでは割愛されていますが、イントロなどに登場するキメのギター・フレーズ演奏の部分には、「D♭」(レ♭・ファ・ラ♭)や「B♭m」(レ♭・ファ・シ♭)という、歌メロ本編には登場しないコードが効果的に使われています。これがまた渋い!
加瀬さん作曲の時点で既に用意されていた進行なのか、東海林修さんの編曲段階で味付けされたものかは分かりませんけど、これだけで曲の雰囲気が壮大になっているように感じます。

最後に、蛇足です。
ソロ初期のジュリー・ナンバーには、『太陽にほえろ!』挿入曲を想起させるものが多くあります。
まぁそれは井上バンドの音によるところが大きいわけですが、それを抜きにしても、昔から刑事ドラマのサントラを聴きまくっていた僕にとって、若いジュリーの作品群は自然に肌の合う、受け入れやすいものでした。

で、この「青い恋人たち」ですが・・・シングルコレBOXを買ってじっくり聴いた時にパッと思い出した、よく似た雰囲気の曲があります。
それは『太陽にほえろ!』ではなく『西部警察』の挿入曲。
『西部警察』のサウンドトラックの中では「マシンXのテーマ」と並んで特に好きな「気分は最高」という曲です。
作られた時代もアレンジも全然違いますからもちろん偶然なんですけど、「やっぱり僕にはジュリーの曲を受け入れるリスニングの下地があったんだなぁ」などと、当時は嬉しく思ったものでした・・・。

それでは・・・次回のお題も、初期のソロ・ナンバーが続きます!
東西のジュリー・トークショーが無事に終わり、何やら世間がタイガース復活の話題で盛り上がっている折・・・。
「この曲がリリースされた時、歌詞からトッポのことを連想した先輩はいらっしゃらなかったのかなぁ」
という内容の記事になる予定です~。

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2012年5月 6日 (日)

沢田研二 「水をへだてて」

from『女たちよ』、1983

Onnatatiyo

1. 藤いろの恋
2. 夕顔 はかないひと
3. おぼろ月夜だった
4. さすらって
5. 愛の旅人
6. エピソード
7. 水をへだてて
8. 二つの夜
9. ただよう小舟
10. 物語の終わりの朝は

-------------------

すみません!
前回記事にて、「次はたぶんタイガース!」と書いてしまいましたが・・・変更です。

いえね、今回の更新・・・楽曲考察記事ではなく、昨年「南の国のカーニバル」を書いた時のような、単なる個人的な旅日記となることは少し前から予定しておりまして・・・。
実はこのゴールデン・ウィーク、5日から6日にかけて伊豆方面に遊びに出かけることが決まっていて、その途中でチョコレートパフェを食べるという計画を、僕は凄まじく楽しみにしていたのです。

(註:意外に思われることが多いのですが、DYNAMITEは大のチェコパフェ好き。その分、チェコパフェに対する評価はラーメンのそれと同じくらいに厳しい。そんなDYNAMITEが「日本最強」と公言しているのが、2年前に沼津の喫茶店『珈琲館』で頂いたチョコパフェ。以来、もう一度食べる日を心待ちにしていました。ちなみに、伊豆方面へ向かうのに、いつもお世話になっている先輩方がお住まいの地・沼津市を素通りするわけにはいかないのです)

で、次の記事はチョコレートに引っかけて「明治チョコレートのテーマ」でいっか!と考えていました。
どうせ、ほぼタイトルだけ借りるような内容の記事なら、お題としても力が抜けていて良いだろう、と・・・。

安易でしたね。
旅から帰り、まぁチョコレートパフェは素晴らしかったのですが、さすがにそれだけに絞って旅日記とするのは困難。旅行を象徴するのに、チョコレートではやはり弱いのですよ~。

そこで考えた”旅の象徴”なるお題は・・・「源氏」と「水」繋がりで。
世間はトークショーの話題で持ちきりでしょうが・・・こちらはユル~く、アルバム『女たちよ』から「水をへだてて」をBGMに、旅日記の更新です!

☆    ☆    ☆

5日・・・まずは新幹線の『こだま』にて三島駅へ。

Sn390317

三島駅は、東海道線から伊豆方面への分岐点。
晴天のこの日、駅では富士山がお出迎えです。

すぐに伊豆方面には乗り継がず、いったんお隣の沼津駅まで東海道線の在来線に乗ります。始発・三島、終点・沼津の1駅区間だけ運行という3両編成の電車が、ちょうどやってきました。

さて、”日本各地いたるところにジュリーファンあり!”の格言もございますが、沼津はその中でもかなり濃ゆ~い御土地でございます。
トークショーを翌日に控えてかなりのハイテンションとなっていらっしゃる沼津の先輩方に迎えられ、まずは港町・沼津ならではのお寿司を頂きます。

その後・・・チーム沼津のみなさまのジュリートーク御用達スポットということで一昨年にもお邪魔している市内の喫茶店、『珈琲館』さんへ。
待望のチョコパフェ・タイムです!

Sn390319

相変わらず素晴らしい!
まず、サイズの大きさと盛り付けの豪華さからして素晴らしいですね。ちなみに盛り付けられているのは、リンゴ、オレンジ、みかん、メロン、桃、キウイ、イチゴ、バナナ、パイナップル、チェリー・・・等々。
で、巷にはホイップクリームにチョコレートソースをかけただけでチョコパフェと名乗らせているものが多い中、この『珈琲館』さんではバニラアイスとチョコアイスで二玉、その上からホイップクリーム、チョコレートソースをたっぷりかけてくれています。これぞ本物です。ジュリーの歌声のようなチョコパフェだと断言いたしましょう!
あと、コーヒーもなかなか美味しいです~。

さて、デザートとジュリートークを終え、先輩方に三島まで送って頂き、ついでに観光案内までお世話になることに・・・。
今回は、三島大社に参拝。
樹齢1200年という金木犀や、堂々と聳え立つご神木は、まさにパワー・スポットと呼ぶにふさわしい荘厳な雰囲気でした。

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こちらがご神木。
ちなみに三島市は「水の街」ということで、境内には自由に飲める湧水もあります。

で、その「美しい水の街」を前面に押し出した珍しい観光スポットが、三島大社の近くにあります。
源兵衛川の川面遊歩道!

Sn390322

これからの季節・・・涼しそうなスポットですよ~。

先輩方と別れ、僕等夫婦は伊豆箱根鉄道駿豆線『三島田町』駅から電車に乗り、伊豆長岡を目指します。有名な”修善寺”よりも少し手前ですね。
で、今や全国各地色んな”ゆるキャラ”が観光を盛り上げていますが・・・伊豆にもいました。かな~り強引なキャラが!

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その名も『源氏ボタル・よりともくん』!
「源頼朝挙兵の地」「ホタルの地」という二つの売りが、源氏合体しているという。にしても、頼朝のお尻がホタルになってるっていうセンスが凄い・・・。

訪れた伊豆長岡。
宿ではまずは当然温泉につかります。まったりと良いお湯でございました。女湯からは富士山も見えたんですって。
お世話になった「おおとり荘」さん、ゴールデン・ウィークということで満室だったようですが、お値段もリーズナブル、駅から徒歩で行けますし、オススメの宿でございます。

Sn390329

宿のすぐ近くを流れる、狩野川です。

翌6日(今日ですな)には韮山まで足を延ばし、『反射炉』を見学。

Sn390330

来たる5月15日からは、ここで「ホタル祭り」も開催されるとか。
で、この異様な雰囲気の建造物は一体何かと言うと・・・江戸末期、ここで大砲を製造していたそうです。炉内部の天井の独特の形状から”反射炉”と呼ばれています。
作られた大砲は今の東京・お台場などに運ばれ、西洋の列強の襲来に備えたそうです。

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しかし・・・浅学な僕は今回の旅で初めて「お台場」の名の由来を知った次第です。
砲台の「台」だったんですねぇ・・・。

反射炉の近くには、狩野川系統の「韮山古川」が轟音を立てて流れています。

Sn390336

誰ですか?右上の漢字に反応していらっしゃるのは・・・?

かつてこの場所には、川の激流を利用した水車もあったそうですが、さすがに現存はしていません。
ちなみにこのような反射炉が保存されているのは、韮山ともうひとつ、山口県の萩市にあるそうです。こちら韮山の反射炉は現在、平成27年の世界遺産登録を目指しているそうですよ。
実現すれば、大変お得なお値段で世界遺産を見学できることになりますね。
と言うのも、我々夫婦がこの反射炉を訪れて一番ウケたのは

大人100円、子供50円

という見学料金設定でございました・・・。
ボランティアのガイドのおじさま、ありがとうございました~!

そんなこんなで、夕方からは天気が崩れるということでしたから、おもやげなど買いまして、早めに帰京いたしました。
電車の連休Uターン混雑も予想ほどではなく、穏やかな旅を満喫しリフレッシュできました。
明日からまた日々の仕事、日常を頑張らないとね・・・。

☆    ☆    ☆

ということで、「源氏」と「水」繋がりの旅日記でございました。
せっかくですので、BGM「水をへだてて」についても少しだけ触れましょうか。

アルバム『女たちよ』収録曲の中では、「エピソード」「さすらって」と並び、個人的に特に好きな曲のひとつ。

♪ 川の向こうに 日本の柳
   Gm                  Gm7  E♭maj7

  水をへだてて 姉といもうと ♪
  Fadd9                     Gm

冒頭から、華麗なアレンジとジュリーのヴォーカル。
アルバムの中で最も美しいメロディーを擁しながらも、艶っぽく謎めいた雰囲気の名曲ですね。

「その胸に届くには♪」から始まる第二展開部(何故か”Bメロ”とは呼びたくない・・・)は、主旋律、演奏共に「レ~、ソ、ド~、ラシ♭♪」という、不思議な音階のリフレインが攻めてきます。
強引に弾き語るなら「Gm」と「Gsus4」だけど、ここは一瞬「和音の感覚が消える」というのが、筒美京平さん渾身の狙いではないでしょうか。それによって次の

♪ 橋を渡って…… ♪

   Cm9

の神秘的な和音(構成音では「レ」の音がポイント)が、メチャクチャに美しく聴こえます。
普通の伴奏で流してメロディーを歌うのとは、格段の差があると思うなぁ・・・。「エピソード」の記事にも書いたように、このアルバムには奇跡的な和洋折衷があって、それぞれの異なる世界観の魅力を見事に融和させているのがジュリーの円熟期に入ったヴォーカルだと言えますが、やっぱりそれをサラッと引き出した筒美さんの作曲は、凄いと思います。

でも、「水をへだてて」に限らず、このアルバムの収録曲はもう今後のジュリーLIVEではとても聴けそうにありませんね・・・。

ということでゴールデンウィークも終わりましたが、拙ブログではまだまだ”今度のツアーでは絶対に聴けそうもない曲”シリーズが続きますよ~。

僕は今回のツアーではタイガース・ナンバーは封印されると思っていますから(”近い将来”に向かって、ということですね)、「明治チョコレートのテーマ」なんて言わずに、この機にキチンとタイガースの曲を採り上げておいた方がいいのかな・・・。
よし、5月中にはタイガース・ナンバーも1曲書こう!

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2012年5月 3日 (木)

沢田研二 「エンジェル」

from『第六感』、1998

Dairokkan

1. ホームページLOVE
2. エンジェル
3. いとしいひとがいる
4. グランドクロス
5. 等圧線
6. 夏の陽炎
7. 永遠に
8. 麗しき裏切り
9. 風にそよいで
10. 君にだけの感情(第六感)
11. ラジカル・ヒストリー

----------------------

何だか最近、仕事が怒涛に忙しくなってきています。有り難い事です。
と言いつつ、ゴールデン・ウィークはカレンダー通りにお休みもさせて頂いて、それなりに遊ぶ予定もあったりするんですけどね。

そんなこんなで今回から拙ブログでは、”6月からのツアーではとても聴けそうもない曲”シリーズへと突入いたします。
まぁ、「とても聴けそうもない」というのはヒヨッコの後追いファンである僕が何となくそう思っているだけのことで、意外やそういう曲こそサプライズのセットリスト入りがあるのかもしれませんが、5月は一応そんなテーマでやっていきます。
6月に入りましたら、”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズを開催します。

しばらくは何かと忙しい中での執筆、更新になりますから、ちょっと対策を講じました。
最近の拙ブログの壮絶な大長文傾向を見直しまして、なるべくサクッとした記事を書いていこうか、と・・・。
その分更新間隔をできるだけ空けないようにして、なるべく多くの曲を採り上げていければなぁと考えています。
5月、6月と、そんな感じでおつき合いくださいませ~。

さて、”今度のツアーでは聴けそうもない曲”シリーズ第一回は、アルバム『第六感』からお題を採り上げます。
2曲目収録、「エンジェル」伝授です~!

僕が思うに、90年代以降のジュリー・アルバム・・・特にセルフ・プロデュース期に入った1995年以降の作品というのは、膨大な収録曲のいずれもが、ツアー・セットリストにいつ何時降臨するのか、まったく油断がなりません。ほとんどの曲にその可能性を感じます。
1998年リリースの『第六感』にしても同様です。
ジュリーが少しずつ押し進めてきた”自作詞を核としたアルバム制作”が(CO-Colo時代を除いて、ですが)ハッキリ形にできた最初の1枚がこのアルバムだったのでは、と僕などは分析していますから、ジュリー自身の収録曲への思い入れは強く、LIVEで歌いたい曲は多いんじゃないかなぁ、と想像しています。
ですから、『ジュリー祭り』で1曲も選ばれなかったというのはいまだに不思議なんですけどね・・・。

来たるツアーでは特に、「グランドクロス」「風にそよいで」「ラジカル・ヒストリー」あたりが要注意、というのが僕の予想。
まぁ、他のどの曲でもそれなりに違和感なく歌われそうに思うのだけど・・・そんな中で、どうも「コレだけは、今年ジュリーが歌っている絵が浮かばない」という曲が、1曲だけ。
それが「エンジェル」なのです。

いや、素晴らしい曲です。
でも、今年のセットリストに入るにはちょっとフットワークが軽過ぎるイメージなんですよね~。

軽快なポップ・チューン。川村結花さんのセンスが光る、畳みかける躍動感が持ち味のメロディー。
そして拙ブログ的に特筆すべきは、白井さんの大胆なアレンジです。これは、クイーン・サウンドなんですね~。

以前の記事で触れたように、『第六感』には何故だかクイーンを意識したアレンジの曲が多くて、中でもズバリ!なのが、「いとしいひとがいる」と、この「エンジェル」の2曲です。
タイプの違う2曲がいずれもクイーン、というのが白井さんならではの遊び心でしょうか。

「いとしいひとがいる」の方は、「ボヘミアン・ラプソディー」などに象徴される王道のクイーン・バラードを思わせますが、「エンジェル」はもっと渋いパターンで・・・クイーン・ナンバーで言うと一番近いのは「懐かしのラヴァー・ボーイ」という曲ですね。
あのフレディ・マーキュリーが「グッド・オールドなファションのカワイイ坊や」と言うからには、そこに深~~~い意味(というか下心)が充満しているんだろうな、と高校生だった僕はそんな不謹慎なことを考えながらこの曲を覚えたワケですが・・・まぁそこんトコは置いといて。

重要なのは、「エンジェル」は川村さんの作曲段階ではおそらくクイーンとはまったく関係なく、リズムパターンが共通するくらいだったと思われることです。それが白井さんのアレンジや各楽器の音色選択によって、見事にクイーン化しているという・・・。
これは「いとしいひとがいる」についても同じことが言えまして、例えば間奏。本編には登場しないコード進行、或いはギターの旋律にクイーンのエッセンスが満ちています。白井さんがアレンジ段階で工夫した進行なのでしょう。
「エンジェル」の間奏、左右のギターが追いかけっこするような絶妙のフレージングが本当に「懐かしのラヴァーボーイ」のような小気味よさで、ジュリー・ナンバーでの白井さんのギター・トラックの中でも僕は一、二を争うほど好きですね~。

クイーンのギタリスト、ブライアン・メイのレコーディング演奏の大きな魅力のひとつは、緻密かつ華麗なオーヴァーダビングです。
リードギターの主旋律を幾重にも取り巻くオーヴァーダブ。主旋律とはまったく別のメロディーによる裏リードのパートを重ね、さらにそれにもハモりのフレーズを足していく徹底ぶり。バッキングの低音部も、まるでキメのリフ・フレーズのような存在感があります。

「エンジェル」での白井さんのギター・レコーディングにもその手法が歴然とあり、特に間奏はフレーズそのものからしてブライアン・メイっぽいのです。
ちなみに「エンジェル」のギターは4トラック。とは言ってもそのうち3トラックまでは、ハーモナイザー(自動的にハーモニー音を生み出してくれるエフェクター)を使って演奏していますから、これがもし70年代のブライアン・メイ奏法をそのまま踏襲するなら、本来7トラック分のギターが重ねられていることになるわけです。

また、クイーンの代名詞とも言うべき分厚いコーラスがいきなりのイントロから採り入れられていたり、Aメロのピアノ4拍連打も、フレディ・マーキュリーの得意なパターンのひとつです。
さらにBメロではドラムスに注目。この飛び跳ねるようなウキウキのポップ・チューンに、何故か重厚な後ノリのハードなドラミングがバッチリ合っている・・・それこそがクイーンのドラマー、ロジャー・テイラーの凄味を彷彿させるのです。

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↑ 昨年12月、『東京タワーQUEEN展』に展示されていた、ロジャー・テイラー・モデルのドラムセット。写真右手前に注目。フロア・タムが2個並びというのがカッコイイのです。

ところで、今回僕がこの「エンジェル」をお題に選んだのは、個人的に最近ちょっとクイーン・モードになっていたから、という理由もあります。
昨年から、フレディ・マーキュリーのアニヴァーサリー・イヤーに合わせたクイーンのイベントも頻繁に開催され、僕もあちこち出かけました。上の写真を撮った(撮影自由!というイベントでした)東京タワーもそのひとつです。
たまたま、カミさんもクイーン好きなものでね・・・。夫婦で音楽についての会話と言えば、ジュリーかクイーンか、という感じですから。

で、つい先日。
ちょうどゴールデン・ウィーク前半の4月30日には、クイーンのトリビュート・バンド『QUEENESS』の川口でのLIVEに、夫婦で参加してきました。彼等のステージを観るのは、3月の渋谷に次いで2回目となります。
レパートリーの中で僕が気に入っているのは、「デス・オン・トゥ・レッグス~キラー・クイーン~バイシクル・レース~アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー」の4曲メドレー。これ、適当にメドレーにしているのではなく、キチンとアレンジの関連性を持たせて繋げているのが素晴らしいのです。
例えば、「デス・オン・トゥ・レッグス」は途中ピアノの連打がソロで残る箇所がありますが、それは「キラー・クイーン」のイントロにも同様にあり、イカしたギター・リフ転調(この転調はQUEENESSのオリジナル・アレンジ)を足場にして、スパ~ン!とピアノで繋げています。
また、「バイシクル・レース」には途中テンポダウン&リズムチェンジで一瞬3拍子になる箇所があります。QUEENESSはそのリズムチェンジのイメージを残したまま余勢を駆って、ヘヴィー・ワルツ・ナンバーである「アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー」のイントロへと繋いでゆくのです。

クイーンというのはルックス的にも完璧なバンドだったりするので、日本人のトリビュート・バンドがそれこそ完璧にステージ再現しようとすると逆に嫌味になったりするのでは、と案じてしまう人も多そうですが・・・QUEENESSの場合、その心配は無用!
何せヴォーカル(&ピアノ、ギター)のフレディ・エトウさんのキャラが・・・ただただ和みます。いかにハードなナンバーでも、ニコニコとステージを観てしまうのです。
どんなキャラなのかは文章では説明し辛いので、興味のあるかたはエトウさんのブログへど~ぞ!

http://blog.goo.ne.jp/annan


ちなみに、ジュリーファンにもお馴染みのナンバー、「ウィ・アー・ザ・チャンピオン」で大団円となった
LIVE終演後、メンバーのみなさまはわざわざ客席に御礼の挨拶に来られ、僕等夫婦はエトウさんと握手をさせて頂けました~。

・・・話が逸れました。
このように、白井さんの渾身のアレンジによってすっかりクイーン化している「エンジェル」ですが、川村さんの元々作ったメロディーがまず素晴らしく、良い意味で過剰なアレンジをものともしない凛とした名曲であったことも忘れてはなりません。
凝っているのに自然体で、しかも王道な進行もあって、誰もが親しみやすい曲ですよね。
例えばAメロの

♪ 天気予報 はずれ 突然雨
  D    Daug  D6          D7    G   Gsus4  G

  今日も日が悪いよね ♪
           A

この可愛らしいAメロ初っ端のコード進行は、ウキウキするようなポップ・チューンとしては王道の手法。和音の2つ目の構成音が半音ずつ上昇していく、という理屈です。
ジュリー関連ですと例えば、キーは違いますが「渚でシャララ」の「傷つけ合うよりホホエミ選んで♪」の部分などが、まったく同じ理屈の進行となっています。

で、毎度のことながら、極上の曲を用意されてなおその上を行くほどに素晴らしいのがジュリーのヴォーカル。
「エンジェル」の場合は、とにかく楽しそうに歌っている・・・若々しくどこか照れたような感じもあるヴォーカルが良いんですよね~。

ヴォーカルから推測できるのは、ジュリーの有無を言わせない「楽しさ」です。
君の嫁いだ景色」もそうなんですが、ジュリーは理屈関係なく無邪気に楽しいシチュエーション、というものを詞で表現しようとすると、キツネとタヌキが脳内に登場してどんちゃん騒ぎするみたいですね。

「キツネのヨメイリ」
「タヌキのオマツリ」。
と来て、「ワァオ!」ですから・・・。

Snow Blind」の「マジ、アイ・ラヴ・ユー♪」に怯んだヒヨッコが言うのもナンですが、ジュリーのキツネ&タヌキ・シリーズ、僕はとても好きで、ほのぼのと味わっておりますが・・・苦手なファンのかたもいらっしゃるかな?
フレーズとして唐突と言えば、唐突ですからね・・・。

最後に。
アルバム『第六感』は、作品的にはある意味70年代、80年代のジュリーとイメージを重ねることもできる大名盤だと、個人的には思っています。
実は僕は購入当初このアルバムをあまり集中して聴いていなくて(大人買いの弊害ですな)、ある日突然その魅力に気がつく、という始末でした。
今では、好きなアルバム・ベスト10には入ります。
覚さんの詞とジュリーの詞のシンクロが本格化し始めたのも、このアルバムからだと思うなぁ。

そんな中、「エンジェル」は”昔のジュリー”っぽい作詞だと思うんです。キツネやらタヌキやらは別にしてね。
これは・・・”不良時代”を書いたジュリーだからこそ書ける詞とは言えないでしょうか?
Z2飛ばす”君”をモノにしようという不良少年。
『第六感』を作った50歳のジュリーの中に、ロックンロール世界共通の礎である「不良少年のイノセンス」という志がしっかり残っているように思うのです。何とも痛快ではありませんか!
そしてそれはきっと、60歳を超えた今でもずっと続けてそうなのでしょう。

それにしても・・・「ホームページLOVE」と「エンジェル」の作詞アプローチの落差は凄いですね・・・。
それがまた、ジュリーなのでしょうか。

え~、そろそろシメますが、執筆開始時の心づもりよりも長めの記事になってしまいました。
まぁ・・・長文にすることには拘らないけれど、結果的に長くなってしまう場合もありうる一例、ということでどうかひとつ。

サクッとした感じで、色んな曲を次々に書いていければなぁ、と思っています。
次回はたぶん、久々のタイガース!

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2012年4月28日 (土)

沢田研二 「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド(巴里にひとり)」

from『KENJI SAWADA』、1976

Kenjisawadafrance


1. モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド(巴里にひとり)
2. ジュリアーナ
3. スール・アヴェク・マ・ミュージック
4. ゴー・スージー・ゴー
5. 追憶
6. 時の過ぎゆくままに
7. フ・ドゥ・トワ
8. マ・ゲイシャ・ドゥ・フランス
9. いづみ
10. ラン・ウィズ・ザ・デビル
11. アテン・モワ
12. 白い部屋



日本語版「巴里にひとり」
from『沢田研二/A面コレクション』

Acollection


disc-1
1. 君をのせて
2. 許されない愛
3. あなただけでいい
4. 死んでもいい
5. あなたへの愛
6. 危険なふたり
7. 胸いっぱいの悲しみ
8. 魅せられた夜
9. 恋は邪魔もの
10. 追憶
11. 愛の逃亡者
12. 白い部屋
13. 巴里にひとり
14. 時の過ぎゆくままに
15. 立ちどまるな ふりむくな
16. ウィンクでさよなら
disc-2
1. コバルトの季節の中で
2. さよならをいう気もない
3. 勝手にしやがれ
4. MEMORIES(メモリーズ)
5. 憎みきれないろくでなし
6. サムライ
7. ダーリング
8. ヤマトより愛をこめて
9. LOVE(抱きしめたい)
10. カサブランカ・ダンディ
11. OH!ギャル
12. ロンリー・ウルフ
13. TOKIO
14. 恋のバッド・チューニング
disc-3
1. 酒場でDABADA
2. おまえがパラダイス
3. 渚のラブレター
4. ス・ト・リ・ッ・パ・-
5. 麗人
6. ”おまえにチェック・イン”
7. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
8. 背中まで45分
9. 晴れのちBLUE BOY
10. きめてやる今夜
11. どん底
12. 渡り鳥はぐれ鳥
13. AMAPOLA
14. 灰とダイヤモンド

----------------------

少し更新の間隔が開いてしまいました。
今週はまず、火曜のあの夏日に仕事で超大物商品の発送を社員総動員でやりまして・・・全員Tシャツをグショグショにして頑張りました。と、思ったらその後は雨が続いたり・・・忙しさと相俟って、さすがに体調を崩してしまったのでした。
それでもなんとか踏ん張って、仕事を欠勤することなくゴールデン・ウィークへと突入できて、ホッとしたところです。

そんな最中、『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアー後半のインフォメーションが届けられたのは、何よりの薬。
ファイナルは渋谷ではなくフォーラムにしたんですねぇ・・・。還暦以来のジュリー人気もまだまだ右肩上がり、という証明でしょう。

それでは・・・「Snow Blind」「気になるお前」と続けてまいりました、『ジュリー祭り』セットリストからのお題シリーズ、ひとまずのシメとして今回は有名シングル曲を採り上げたいと思います。
『ジュリー祭り』序盤のヤマ場となった、タイガース→PYG→ソロのヒット・シングル攻勢の中から。
「巴里にひとり」、伝授です~。

まぁこの曲にはフランス語ヴァージョンと日本語ヴァージョンがあり(その他にもあったんでしたっけ?)、『ジュリー祭り』ではフランス語ヴァージョンが選曲されたわけですが、当記事では2つのヴァージョンの比較考察なども語っていきます。曲のタイトルは大ざっぱに「巴里にひとり」で統一することになりそうですが、その点御了承くださいませ。

さて、シングル版「巴里にひとり」がリリースされたのは、仏日ともに1975年のこと。
アルバム『KENJI SAWADA』は翌年のリリースなんですね。
先日の「気になるお前」の記事でご紹介したスコア『沢田研二/ビッグヒットコレクション
』のオマケひとことコーナーでのジュリーの言葉に

仕事の面でも最高の状態にあるとき、ボクは結婚したい

というものがあり、まさにそれを実践、さらなる不動の飛躍を誰もが予感していたのが1975年という年だったのでしょうか。
渡辺プロダクションさんも、結婚をさらなるステップにジュリーを本物のアーティストにすべく、大プッシュ状態だったと聞きます。

ここで、まさにそんな折に発行されたお宝情報紙をご紹介しましょう。お持ちの先輩方も多いのかな?
僕はこれが何という情報紙であるかすら分からない状態で先輩からお預かりしているのですが、とにかく1975年のジュリーの動きが一目で把握できるような充実の内容になっていますね・・・。

Pari1

表紙はもちろん、当時ヒットの最中にあったシングル、「巴里にひとり」をドド~ンと前面に押し出しております。しかも、コード付のメロ譜がフツ~に掲載されているではないですか!何と大らかで素晴らしい時代でしょうか・・・。
ただしこの譜面、日本語版「巴里にひとり」とは採譜のキーが違います。何故そんなことになったか、については僕なりに思い当たっている理由があるのですが、そのお話はまた後で。

この表紙を開くと・・・

Pari2

伝説の『JULIE ROCK'N TOUR '75』の公演広告が。

まぁ、70年代のROCK'N TOURはすべて伝説なんですけどね。この時は特に盛り上がった雰囲気があります。
写真の下には、ジュリーのツアーに臨んでの言葉が添えられています。


(本文抜粋)
全国縦断コンサートは、僕の今年一番のメインの仕事になるだろうし、昨年のコンサートが成功したから。今年もその勢いにのってという安易な気持ちは決してない。このところ芝居とかドラマが続いていたけれど、幸い新曲の「巴里にひとり」がヒットしたことからも、ここでもう一度”歌手・沢田研二”というものを見てもらいたい。結婚したからといって、そのために僕の音楽に対する姿勢がこれまでのものと変わるものではないし、仕事に対して冒険心とか情熱は決して失ってはならないものだと思っています。
沢田研二

また、このページは見開き折り込み式になっていて、さらに頁を拡げますと

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それぞれの土地で、たくさんの先輩方がこのツアーに参加なさったのでしょうね~。
さらに裏表紙は、これこそ伝説中の伝説・・・。

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これまで何人の先輩から、この時の興奮を聞かせて頂いたことでしょう。1975年とは、そんな年だったんですね。

さぁ、それではこの素晴らしいメロディーライン・・・その楽曲構成の真髄に迫ってみましょうか。

まず・・・実はこの曲、日本語ヴァージョンとフランス語ヴァージョンでは、キーが異なります。
日本語ヴァージョンは、ご覧の通り♭2つの変ロ長調。

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ドレミ楽譜出版社・刊 『ピアノ弾き語り 沢田研二/ベスト・アルバム』より

対してフランス語ヴァージョンは何と・・・。
変イ長調とイ長調の間!この世の誰にもキーを特定することはできません。
80年代前半までは、こういう設定になってしまっているレコードプレスって、結構あるんです。レコーディング後に「もう少しテンポが速い方が(或いは、遅い方が)いいんじゃあない?」ということになれば、レコーディングテープのピッチを少し上げたり下げたり。その結果、鍵盤には存在しない音階が登場してしまうのですね。
ちなみに、『ジュリー祭り』で歌われたフランス語ヴァージョンのキーはイ長調でした。この場合ですと、日本語ヴァージョンよりも半音だけ低いということになります。
演奏のしやすさで採譜するなら、このイ長調が最適でしょうね。

以下、この記事ではその日本語ヴァージョンの変ロ長調表記にて、考察を進めて参ります。
この曲の美しさは、サビ部の三段転調にトドメを刺します。

Aメロ・・・変ロ長調でしっとりと流れてきた穏やかなメロディーが、サビ部でまずは変ニ長調へと転調。

♪ パリ  ラ・セーヌ 今で    は
     E♭m7  A♭7     D♭maj7   D6

  遠く   の   人 ♪
   E♭m7  A♭7    D♭maj7

そして間髪入れずに、今度はハ長調へ。

♪ 帰ら ぬあの日が ♪
  Am7  D7   G6

「えっ?」と思う間もなく(ハ長調であるにもかかわらず、「C」=ド・ミ・ソのトニック和音が登場する暇すら無い!)、変ロ長調へと帰還し

♪ 心に痛い ♪
   Cm7  F7

で、華麗に着地。
有無を言わせず、オシャレ。これはロック的とは言えない作曲手法で、僕は作曲者や作曲のいきさつ、経緯などをまったく知らないのですが、明らかに「フランスで売るぞ!」という狙いを感じます。

では、「巴里にひとり」のこの優雅な転調によるフランス戦略を踏まえつつ、一歩下がってアルバム『KENJI SAWADA』の特徴について考えてみますと・・・。
このアルバムって、フランス語のナンバーを軸にしながらも、日本語、英語の既発表曲が差し込まれる収録曲構成は、一見とっ散らかったようなイメージも受けますが、全曲通して聴き込んでみると不思議な統一感があります。
これは一体どういう理由によるものなのでしょうか。

ここで、ジュリーとも縁の深い、佐野元春さんのアルバム制作秘話をご紹介したいと思います。
佐野さんは”アルバムの収録曲構成の統一感”ということに並々ならぬこだわりがあるようです。僕が高校生の頃に読んだインタビュー記事(『ミュージックマガジン』だったように記憶していますが、自信がありません)で
「リスナーは(細かい理屈は解らずとも)、例えばキーが「E」の曲から「A」の曲を連想したり、キーが「C」の曲なら「F」の曲を連想したりということがあると思う。『バック・トゥ・ザ・ストリート』(佐野さんのファーストアルバム)は「E」、『サムディ』(同サード・アルバム)は「C」が基調になってる」
と、斬新な手の内について語ってくれていました。

随分深いところまで突き詰めて作っているんだなぁ、と感心したものですが、佐野さんは続けて
「(アルバムの統一感については)まだまだ他にも秘密がある(笑)」
と語っていました。

ならば、と僕はその後リリースされた佐野さんのアルバムについて、隠された「秘密」を解き明かそうと色々研究した結果、『カフェ・ボヘミア』(オリジナル・アルバムとしては5枚目)という作品では、いくつかの収録曲について、まったく同じ理論に基づく転調が取り入れられていることをつきとめました。
うち、「ヤングブラッズ」と「シーズン・イン・ザ・サン~夏草の誘い」の2曲はシングル曲でもあるので、ご存知のかたも多いでしょうか。
近い時期にリリースされたこのシングル2曲を、「何か雰囲気が似ているな・・・」とお感じではありませんでしたか?

「ヤングブラッズ」の「偽りに沈むこの世界で♪」の部分。
「シーズン・イン・ザ・サン」では、「長い夜が明けてゆく♪」の部分。

この2つの転調部がその感覚の正体で、これはまったく同じ理屈の転調になっているのです。
同アルバム収録のナンバーでもう1曲「虹を追いかけて」にも同様の理論に基づく転調があり、それぞれ全然違う曲の隠れた共通点の提示により、リスナーは知らず知らずにアルバム全体に統一感を覚えるわけです。
佐野さん、これは明らかに狙っていますね。

そして、そんな佐野さんの『カフェ・ボヘミア』リリース(1986年)から遡ること10年以上も前、ジュリーのアルバム『KENJI SAWADA』に同じ手法を見出すことができるのです。
例えば「巴里にひとり」と「フ・ドゥ・トワ」が何か似てるなぁ、と漠然と感じていらしたジュリーファンの先輩方は、きっと大勢いらっしゃると思うのですがいかがでしょうか。
まぁこの2曲の場合はイントロのアレンジや、3連符バラードの曲想なども共通しており類似点も多いのですが、他のフランス語ナンバーについても、何となく似た雰囲気を感じる曲がありませんか?

そこで、フランス語収録曲を具体的に検証してみますと

「巴里にひとり」の「Paris la Seine♪」の箇所。
「スール・アヴェク・マ・ミュージック」の「Dans Chaque ville♪」の箇所。
「フ・ドゥ・トワ」の「Je n'ai pas le droit♪」の箇所。

これら3つの転調箇所はすべて同じ理屈によるものです。例えば全曲ハ長調へと移調して揃えてみますと、採譜表記はどの曲も変ホ長調への転調となるのです。
また、「マ・ゲイシャ・ドゥ・フランス」の「Parfois elle♪」の箇所も、厳密には違いますがこれら3曲とよく似ています(例えば転調連結部が「ド・ミ・ソ」→「ラ♭・ド・ミ♭」の和音になっているのは、「フ・ドゥ・トワ」とまったく同じ)。

当時のスタッフは、これらフランス語ナンバーにさりげなく共通の雰囲気を作って、ジュリーという歌い手のイメージを固めようとしていたのではないでしょうか。
そしてアルバム制作の際には、収録の英語ナンバーを敢えてロック色の強い曲にすることにより、優雅なフランス語ナンバーを引き立てようとした・・・そんな策略も見えてくるのですが・・・。
いずれにせよ、『KENJI SAWADA』は単なる企画盤としてではなくひとつのコンセプト作品として、僕の中で評価は高いです。通して聴くと不思議と日本語ナンバーの配置にも違和感はありませんし、何と言ってもフランス語の7曲の完成度が非常に高いですからね。

それでは、ジュリーのヴォーカルについて。
ジュリーのフランス語発音の魅力については、以前の「フ・ドゥ・トワ」の記事で語りまくりましたから、ここではそれ以外のお話・・・そう、むしろ発音がネイティヴでないことによる魅力を掘り下げたいと思います。

もちろん日本語版「巴里にひとり」のヴォーカルも素晴らしいのですが、僕は圧倒的にフランス語ヴァージョンのヴォーカルの方が好きです。言い様のない色気を感じるのです。
ただ、盟友のYOKO君などは逆に日本語ヴァージョンの方が好きだということで・・・突き詰めていけば、単にそれぞれの好みの問題なのでしょう。
あと、絶対音感をお持ちの方はひょっとしたら、先述したキーの曖昧さのせいで、フランス語ヴァージョンを居心地悪く感じたりするのかもしれません。才の無い僕には想像できないことですけれど・・・。

みなさまは、どちらのヴァージョンがお好きですか?

フランス語ヴァージョンのこの曲のヴォーカルの魅力について考えた時、僕は「他国の人が自分の国の言葉で歌った曲」の方が、例え発音にたどたどしさがあったとしても、曲によってはかえってグッとくる、というパターンが彼の地フランスで起こり、それがヒットチャート第4位というセールスに繋がったのではないかと想像しています。

僕の場合、「外人さんが歌った日本語の曲」ということで、同様に思い起こすある名曲があるので、ジュリーがフランスで受け入れられたのはその逆パターンなんじゃないか、と以前から考えていました。
その名曲とは・・・イタリア人歌手、ファウスト・チリアーノが歌った「私だけの十字架」。
ご存知の方も多いでしょう。社会派の刑事ドラマ『特捜最前線』のエンディング・テーマとして有名だった曲です。

その国の言葉のニュアンスについての完全な理解が足りておらず、それがかえってベタベタした感情移入を取り払い、真っ直ぐに歌詞とメロディーの良さに直結して聴こえる・・・そんなパターンの曲。
きっとフランスのリスナーにとって、ジュリーの「巴里にひとり」はそんなふうに聴こえたんだと思います。
このパターンの絶対条件は、シンプルなフレーズの言い回し(外国人でも発音には困らない)ながらも深い味わいのある歌詞であること。
「巴里にひとり」にはそれがありました。僕は大学で2年間だけ親しんだだけで、フランス語の心得は無いに等しいのですが、それでもこのフランス語の原詩は素晴らしいと思います。
まぁ、ジュリーに言わせると
「ナンパかましてる歌」
になっちゃうわけですが・・・(2003年『明日は晴れる』ツアーでの発言)。

ジュリーは感情たっぷりのヴォーカルも素晴らしいけれど、この曲のように「いわば、歌わされている」「手探りで歌を模索している」といったようなヴォーカルで信じられないほど無垢で崇高な声を出します。
その透明感、気高さは、やっぱり若きジュリー最大の魅力だと思います。

最後に・・・別の話になってしまいますが、先程半ば強引に『特捜最前線』の話を出しました。
実は、この素晴らしい社会派刑事ドラマの初期メンバーだった荒木しげるさんが、先日亡くなられました。
荒木さんはフォー・セインツのドラマーだったんですよね。でも僕はミュージシャン時代の荒木さんを知りません。僕にとって荒木さんは、細菌風船爆弾から街を護って殉職した「津上明刑事」なのです。

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↑ 第146話『殉職Ⅰ・津上刑事よ永遠に!』より

この場を借りまして、ご冥福をお祈りいたします・・・。

さて、早いものでもう5月がやって来ようとしています。
次回更新からは”絶対に今年のツアーでは聴けそうもない曲”シリーズを開催予定。
それを5月いっぱいまで続けて、6月に入ったら”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズへとなだれ込んで行こうと考えております。

よろしくお願い申し上げます~。

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2012年4月22日 (日)

沢田研二 「気になるお前」

from『JULIEⅥ~ある青春』、1973

Julie6

1. 朝焼けへの道
2. 胸いっぱいの悲しみ
3. 二人の肖像
4. 居酒屋ブルース
5. 悲しき船乗り
6. 船はインドへ
7. 気になるお前
8. 夕映えの海
9. よみがえる愛
10. 夜の翼
11. ある青春
12. ララバイ・フォー・ユー

----------------------

唐突ですが・・・。
ジュリーが自分の持ち歌で一番好きな曲って、何でしょうかね?

最近だと「緑色のKiss Kiss Kiss」とか?
覚和歌子さんの作詞作品は好きな曲が多そうですが、中でも抜きん出て、というのは「銀の骨」あたりなのかな?
建さんプロデュース期だと、「単純な永遠」。
オールウエィズ期の「彼女はデリケート」、エキゾティクス期なら「ジャスト・フィット」?
では、それ以前の70年代のナンバーで考えてみると・・・。
コバルトの季節の中で」や「不良時代」は好きそうですよね。ジュリー自身が作詞や作曲に関わっていますし。
でもそれらを凌ぐほどに、やっぱりこれが一番好きなんじゃないか、と考えられる曲は・・・。

それが今日のお題です。
『ジュリー祭り』セットリスト完全記事制覇に向け、これが42曲目の記事となります。
アルバム『JULIEⅥ~ある青春』から、ZUZU=加瀬さんコンビのゴキゲンなロック・ナンバー「気になるお前」、僭越ながら伝授~!

後追いファンの僕は、数年前までこの曲のジュリーの中でのスタンスというものを軽く考えていました。
それこそ、アルバムの1収録曲。隠れた名曲。
そう認識してしまっていたのです・・・。

LIVEに参加したこともないクセに、「自分はかなりマニアックなジュリーファンである」などと自負していた(恥)時期・・・だいたい2005年から2006年頃のことでしたか。
ポリドール時代のアルバムをすべて聴き終えた僕とJ友・YOKO君は、その後何故か近年のアルバム収集へとは進まず、「次はDVDにシフトしてみようか」ということになりました。
YOKO君が『快傑ジュリーの冒険』と『ジュリーマニア』、僕が『ZUZU SONGS』と『REALLY LOVE YA!!』の購入を受け持ち、それぞれ持ち寄って鑑賞したわけですが、『ZUZU SONGS』の感想を語り合う中で

「有名シングルでもないアルバムの収録曲をサプライズでやってくれてるのがイイよなぁ。それでお客も盛り上がってるのが凄ぇよなぁ」

などと言っていたものでした。
それが「気になるお前」だったというわけ(知らない曲については無視して話しをしていた
←「ライラ」汗)。
まったくもって、無知でしたね・・・。

その後、どうやら「気になるお前」はLIVEの超定番曲であるらしい、ということが分かってきて、『ジュリー祭り』参加時には二人とも「やっぱり歌ってくれた!」と感激するくらいまでにはなんとか成長しておりました。
特にYOKO君は直前のセットリスト予想で、
アルバム『JULIEⅥ~ある青春』からだと”「気になるお前」と「ある青春」希望!”と言っていましたから、ドームでは興奮していましたね~。懐かしい。
(ちなみに僕は”「朝焼けへの道」と「船はインドへ」希望!”と言っていました。YOKO君の完勝です・・・)

僕はこれまで「気になるお前」を2度、生で聴くことができています。
まずは『ジュリー祭り』、そして2010年のジュリーwithザ・ワイルドワンズのツアー『僕達ほとんどいいんじゃあない』。
ジュリワンではセットリストの大トリということで、大変盛り上がりましたね~。あまりにそのインパクトが強かったので、それ以来僕は「気になるお前」の音源を聴くと、脳内にジュリーと植田さんが並んで暴れているシーンが再生されてしまうほどです。

ただ、ジュリーファンの先輩方はもう何度もLIVEでこの曲を体感なさっているでしょうから、思い起こすシーンも数多いのでしょうね。
ジュリーも若い頃、「ステージでこの曲は外せない!」という意識があったようですし・・・。

ここで、1973年と1974年当時のジュリー自身の言葉を、2冊の資料本から抜粋してご紹介しましょう。
これら本をすでにお持ちのジュリーファンの先輩方も多いかもしれませんが・・・。

まずは、1973年の資料。
僕が昔から、機会を見ては神保町などの古書店を巡ってかき集めている、雑誌付録歌本の中の1冊。

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『明星』昭和48年12月号付録 『YOUNG SONG』

これはジュリー堕ち以降に購入したもの。表紙はご覧の通り郷さんですが、87ページから107ページにわたり、『沢田研二大事典』と銘うって、ジュリーの歌を特集している号なのです。

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タイガース時代の大ヒット・ナンバーから、最新アルバム(!)収録「胸いっぱいの悲しみ」までを総特集。
僕にとって残念だったのは、すべての曲にスコアまたはコード譜がついているわけではなく、歌詞だけの紹介にとどまっている収載曲が多いということ。
ただ、結構写真を多めに載せてくれているので、当時先輩方の間では話題になっていたのかも・・・と想像しています。
それぞれのページの掲載写真がどのくらい貴重なものなのかが僕には分からないのですが、例えば

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こんな感じで、カラーページもたくさんあるんですよ~。

で、ご紹介したいジュリーの言葉というのは、モノクロページにひっそりとある『ジュリーはこれからどこへ行く?』という記事から。

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(本文抜粋)
タイガースの熱狂時代から、PYGのサウンド創造時代へ。そしていま、ひとり立ちのソロ・シンガーに。ジュリー=沢田研二は、長い道のりを歩いてきた。この4月『危険なふたり』ですばらしい人気を集め、その地位を不動のものにした沢田研二は、これからどこへ行こうとしているのか?
「べつに。どこへ行くいうたかて、マイ・ペースや。ま。これまでいろんなことやらされてきたんやけど、あまりアチコチ行かずにおこう思うんや、これからは」
「タイガース時代のいちばんの曲は、なんていったかて「花の首飾り」や。あのころのかつみは最高やった」
「このごろフッと思うんやけど、自分のステージを、全部自分自身で作っていきたいんや。曲だけでなく、向こうの曲は詩を自分で書いたりして・・・むずかしいけど、これができたらすごい快感やで」
「よく他人(ひと)が言うけど・・・”大人の歌手”なんて、ワシは、意識するのはマチガイやと思うんや。人はどんどん若くなるもんやで」
「ことしのクリスマス・イヴは、日大講堂(東京・両国)で、そりゃあすごいショーをやるで。期待しといてや!」

興味深いインタビューです。
その後のジュリーの歌手人生は、決して「アチコチ行かんとこ」とはいきませんでしたが、基本的なジュリーの考えというのはまったく今に至っても変わっていませんし、自分のステージを自分で、という望みは完全に達成されています。”人はどんどん若くなる”という言葉についても、当時読み流していたジュリーファンの先輩方が、今こそ噛みしめていらっしゃる言葉でしょう。

また、この時点でトッポの「花の首飾り」を称賛しています。老虎ツアー武道館のレポの同曲の項でご紹介した、トッポがジュリーに贈った言葉・・・あれもまた1973年の言葉なのです。
きっと、何年か周期でこの二人は感性の波長が合う時期が訪れるんじゃないんですか~。
期待して見守りましょう!

ということで、ジュリーは73年時点から、「自分で作る」ということに心を砕き、そういった曲でステージを埋め尽くすことを望んでいます。
一見、加瀬さんの提供曲の立場は・・・などと考えてしまいますが、そこで、続いて翌74年編纂と考えられる資料からの言葉を。

今年の始めに老虎ツアー・鹿児島公演へ遠征(帰省)した際に、親切な先輩からお預かりさせて頂いた、素晴らしく貴重なスコアです(発行年月日記載が見当たらないのですが、収載曲がアルバム『JUEL JULIE』までとなっていますので、少なくとも浄書・出稿は74年に為されたものと推測できます)。

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シンコーミュージック・刊 『沢田研二 ビッグヒット コレクション』

まぁ、「気になるお前」自体のスコアは他に持っていたのでさほど珍しくはないのですが(採譜もかなり粗いしね。ただ、粗い採譜の方がむしろ、自分でそれを参考にしながらああでもない、こうでもないと取り組めて、勉強になったりしますが・・・)、とにかくジュリー・ソロ・デビュー間もない最初期のシングルB面曲がズラリと掲載されているのが、圧巻なのです。

拙ブログでは5月に入りましたら”絶対に今年のツアーでは聴けそうもない曲シリーズ”というのを開催する予定ですから、このスコアに収載されている珠玉のシングルB面曲からも、1曲採り上げたいと考えています。

それはさておき、このスコアには嬉しいオマケがありまして・・・本を開いて右ページの下余白部に、「ジュリーのひとこと」コーナーが設けられているんですよ~。
その中にこんな一文が。

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読めますかね?


・コンサートで必らず歌う曲は、”気になるお前”です。

と、断言しちゃってます。
70年代のジュリーLIVEに参加されていた先輩方は、毎回「気になるお前」を堪能できたのだ、ということが分かりますね・・・。
ならば、先の『YOUNG SONG』のインタビューでジュリーが最後に触れていた「日大講堂」のクリスマス・コンサートでも「気になるお前」が歌われていたのでしょうね。実際このステージを観に行かれた先輩、拙ブログをお読みの方の中にいらっしゃるかなぁ・・・。

ジュリーは自作曲への渇望を感じながらも、「作曲家さんの提供曲の中で、自分に合ったものはどの曲か」ということも真剣に考えていたでしょう。
「気になるお前」は、大いにジュリーの目に敵ったナンバーということになります。

ちなみにこのスコアの他のページ掲載の「ひとこと」コーナーで、興味深いものをいくつかご紹介しておきましょうか。

・初恋は小学5年の時、ずっと想い続けていたけど何もいえなかったのです。
・タイガースの時は、ファンのことや曲のことでメンバーといつも議論していた。
・性格は短気で、すぐにカッとするが素直なのですぐにカラッとした気分になれる。
・高校時代の空手着は部屋で普段着の代用として着ている。
・今のボクが人気にのまれないのはタイガースがあったからこそです。
・寝る時はいつもパンツ1枚で、部屋をまっ暗にして寝る。
・将来の夢は、自費出版でレコードを作り、自分のスタジオを持つこと。
・左頬に大きなホクロがあるけど他にも襟足に沢山ある。


ね?スコアとしてだけでなく、このコーナーにザッと目を通すだけでもなかなか楽しいのです。

さぁそれでは、ジュリーが何故「気になるお前」をそんなに好きなのかということを、突っ込んで考察してみましょう。

四月の雪」の記事にも書いたんですけど、やっぱりジュリーは当時からずっとローリング・ストーンズが大好きだったと思うんです。
歌いながらミック・ジャガーのようなアクションを披露している映像が多く残っていますしね。

で、「気になるお前」ですが・・・これは別に”モロにストーンズ”という曲ではありません。色々な洋楽の要素がミックスされ、その上で加瀬さんの明快なメロディー、日本人好みのリズムが丁寧にあてがわれている、和洋折衷の名曲と言えます。


ただ、やはり強烈なのはイントロです。
単音ではなく、コード弾きに近い複音のリフ。
しかも音を叩き斬って、シャキシャキと歯切れの良く、鋭く尖ったフレーズとなっていますよね。

このイントロのギターこそが、ミック・テイラーを迎えて以降のストーンズに象徴される音、そのものなのです。
複音リフでカッコ良く切り刻むギターのイントロが流れてくるだけで、「あぁ、これはストーンズだなぁ」と分かる、そんな”ズバリ”の音。

このパターン、ストーンズの曲で挙げると、「ブラウン・シュガー」「ロックス・オフ」「イフ・ユー・キャント・ロック・ミー」「スタート・ミー・アップ」・・・まだまだたくさんあります。
元をストーンズのデビュー当時まで辿れば、「ルート66」のカヴァー・アレンジ解釈あたりにその根本を見出せそうですが、いわゆる一般的にストーンズ=カッティング・リフ・イントロと言わしめた
本家本元、すべてはここから始まった、とされる曲は「ブラウン・シュガー」です。
ジュリーファンならば、お馴染みの曲ですよね。

ジュリーはかつて「もし無人島に持っていくならどのレコード?」という仮定のインタビューに答えて、ストーンズの『スティッキー・フィンガーズ』を挙げていたそうですね。
その『スティッキー・フィンガーズ』のA面1曲目を飾る「ブラウン・シュガー」が、ジュリーの中で特に思い入れのあるストーンズ・ナンバーであることは、間違いないと思います。

また、『スティッキー・フィンガーズ』はブラスを前面に押し出したアルバムとしても有名(代表格の曲は、B面1曲目の「ビッチ」)。
ジュリーはソロ・デビュー後大ヒットさせた「許されない愛」について、ブラス・ロックとしての手応えを語っているように、この手のアレンジが好物だったはずです。
『JULIEⅥ~ある青春』には、この「気になるお前」と「悲しき船乗り」・・・2つのブラス・ロック・ナンバーが収録されています。

僕が『JULIEⅥ』というアルバムの構成に惹かれる点として、似通った楽曲コンセプト(詞も曲もアレンジも、ということです)をZUZU=加瀬さんコンビと、山上路夫さん=森田公一さんコンビがまるで競作しているように収録されていること。
その一例が、2つのブラス・ロック「気になるお前」と「悲しき船乗り」。2曲が対になっている関係のように僕には思われます。
スマートな「悲しき船乗り」。
ラジカルな「気になるお前」。
僕はいずれも大好きですが、ジュリーはきっと「気になるお前」の方を気に入っていたに違いなく、そこにストーンズへのリスペクトの気持ちが同時に介在していたのでは・・・というのが僕の推測です。

「A→D→A→G→E7」のコード・リフは、おそらく加瀬さんの作曲段階からキメのフレーズとして出来上がっていたでしょう。
レコード音源では左サイドのリズムギターがこのリフを弾き、右サイドのリードギターは単音部以外シンプルなバックアップに徹します。このギター2本のミックスがキレイに左右に分かれて絡み合うのも、70年代のストーンズっぽい処理と言えます。
ただ、加瀬さんはモロにロックンロールの尖がったコード進行にはこだわらず、サビ部では

♪ きっといつかは 誰れの手にも
  A                     Bm

  渡さないで  僕のそばにいるんだ ♪
  D    A    F#m   D            E7

と、「Bm」「F#m」といった甘めの和音も挿入し、いわば「ロッカ歌謡曲」のような当時の日本でのヒット性要素にも配慮しているようです。これは「危険なふたり」のコード進行にも言えることで、加瀬さんの”愛情を持つ策士”ぶりがよく反映しています。加瀬さんは常に「ジュリーに合ってる!」という主観的信念(愛情)によって、楽曲提供をしてきたのだと思います。

ジュリーのために「気になるお前」を作曲してから、数十年。
加瀬さんは何度となくジュリーがステージでこの曲を歌うシーンを観てきたでしょうが、還暦のドーム公演でセットリストのラスト近くに歌われて、いっそう感激していたのではないでしょうか。
特に、ジュリーが伸び伸びと本当に楽しそうに歌う曲というのは、加瀬さんにとっても特別な曲になっているでしょうからねぇ・・・。

そうそう、『ジュリー祭り』のDVDって、極端に言うと「基本ジュリーしか映ってない」状態ですから、僕にしては珍しくあんまり演奏に耳が行かないまま観ちゃうんですけど、ただ1曲「気になるお前」だけは別です。
この曲だけ、鉄人バンドの大胆な映像露出がありますよね。
まぁ、リードギターが下山さんに切り替わっったシーンで、花道に進出した下山さんをカメラが追いきれていなかったりもしていますが・・・。

で、鉄人バンドの「気になるお前」って、何故かストーンズの雰囲気ではなくなるんですよね・・・この辺りが音楽の面白いところです。
僕が有名なシングルしか知らずにドームに参加していたら、ひょっとしたら「気になるお前」を最近の曲だと勘違いしたかもしれません。
それだけ普遍性のあるナンバー、特定の演奏表現に縛られない自由度の高い名曲、ということも言えるのでしょう。

とにかく。
ドーム以降に聴きだした近年のアルバムの楽曲ばかりでなく、「気になるお前」のような、ドーム以前から「よく知っている」つもりになっていたポリドール時代の曲についても、『ジュリー祭り』をDVDなどで振り返る時、「あぁ、自分は本当にヒヨッコだったなぁ・・・」と感慨に浸りながら観てしまう、というのも不思議なものです。これは僕にとって『ジュリー祭り』唯一に限る感覚です。

ヒヨッコついでに、この機会に2つほど先輩方にお尋ねしてしまおうかな・・・。

まず・・・「気になるお前」って、僕の知る限りではすべて、レコード音源よりLIVEの方が長尺になっていますが、LIVEヴァージョンのダメ押しのサビ部(ヴォーカルとドラムスだけが残る)って、昔からあんな風にアレンジされていたのでしょうか。

そしてもうひとつ。
東京ドームの方での『ジュリー祭り』ですけど・・・僕はこの「気になるお前」の後半部で・・・たぶんギターソロ直後かその次のAメロ頭で、ジュリーがヴォーカルの入るタイミングを間違えて、かなり突っ込んだ箇所から歌い始めてしまって慌てて正しい箇所から歌い直した、という記憶が残っているんです。
でも、DVDではキチンと歌っている・・・。
これは僕の記憶違いなのか、それとも映像制作時に修正されているのか・・・。

どうか逆伝授のほど、よろしくお願い申し上げます!

それでは・・・次回もう1曲だけ、『ジュリー祭り』セットリストからのお題での更新が続きますよ~。

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2012年4月17日 (火)

沢田研二 「Snow Blind」

from『greenboy』、2005

Greenboy
1. greenboy
2. atom power
3. Snow Blind
4. 永遠系
5. 笑う動物
6. ふたりの橋
7. GO-READY-GO
8. リアリズム
9. MENOPAUSE
10. 君の笑顔が最高

-------------------

いやぁ・・・世間では6月からのツアー『3月8日の雲~カガヤケイノチ』の初日チケット抽選の落選通知が送られてきているそうですね。
何人かの先輩方が、落選の憂き目に逢っていらっしゃいますが・・・僕の自宅にはまだ何も届いていません。
大丈夫かなぁ・・・。

しかも、今の時点で落選通知が来ているかたは、第二希望を記入していないか、もしくは第二希望まで落ちてしまった、というパターンに限られているわけですから、現段階ではまだ僕も初日に当選しているかどうかは分からないのです。第二希望に回ったかどうかは、チケットが送られてくるまで明らかになりません。
毎度のこととは言え、スリル満点ですねぇ・・・。

それもまた、ツアーを待つ楽しみのひとつと考えることにします。6月に入ったら完全にLIVEモードのスイッチを入れますが(お馴染み”全然当たらないセットリスト予想”シリーズの記事を開始するってことね)、それまでは粛々と、様々なジュリーナンバーに思いを馳せながらゆっくり朗報を待つとしましょう。

それでは。
今回から3曲ほど続けて、『ジュリー祭り』セットリストからのお題を採り上げようと思います。
ジュリーの70越えまでに、僕がジュリー本格堕ちを果たしたあの宝物のような『ジュリー祭り』のセットリスト全曲をこのブログで記事として網羅する・・・ささやかながらも大きな、個人的目標です。そのために、『ジュリー祭り』セットリストから年に10曲前後をピックアップして執筆していく、というノルマを自らに課しているのです。
まぁ単純計算だと、もう年に5、6曲のペースで充分間に合うところまで来ているんですけどね・・・。

今年はこれまで『ジュリー祭り』セットリストから「君だけに愛を」「勝手にしやがれ」という超有名なナンバー2曲を執筆しました。
6月からはツアーが始まります。そうなるとなかなか自由課題の執筆時間がとれなくなる可能性も出てきますから、この4月にまとめて3曲ほど書いておき、今年前半の5曲、ということでノルマのメドをつけておこうと思います。

まず今回は・・・。
前回記事「四月の雪」からの「雪」繋がりでもあり、「ジュリー作詞作品」繋がりでもありますバラードを選びました。
アルバム『greenboy』から「Snow Blind」、伝授です~。

まぁ一応「伝授」などと言ってはみたものの、僕としては冷や汗モノのお題です。
かなり以前から拙ブログへお越しくださっているみなさまは、僕がそう書いていたことを覚えていらっしゃるかもしれませんが・・・実は僕は少なくともドーム直後くらいまでは、この「Snow Blind」という曲がどうにも苦手だったんですよ~。

近年のジュリー・ナンバーへの圧倒的知識不足の状態で臨んだ『ジュリー祭り』で生で聴いた時には「へぇ~、面白い進行、アレンジの曲だな~」と思いました。その後の大人買い期でも、この曲との再会は楽しみにしていたのです。
ところがいざCD『greenboy』を購入し、初めて歌詞の細かい部分を把握して・・・歌詞カード読みながら聴いていると、とにかく

「まじ I love you」
  

このフレーズをどうしても受け入れることができず、途方にくれました。
今となっては、「何故そんな細かいことに引っかかっていたんだろう」と不思議にすら思うほどですが、当初は本当に違和感バリバリで。

思うに、自分のヒヨッコ加減・・・つまり、ジュリーを全然知らなかった、ってことなんだと思います。

まず、『ジュリー祭り』以前の僕にとって、ジュリーは”往年のスーパースター”でした。
もちろんずっと現役でいることは承知していたけれど、僕の認識の中では、阿久=大野ナンバーで歌謡曲のトップに立ち、その後エキゾティクスを率いてカッコいいロックをド派手にカマしていた、良い意味で偶像、虚飾を貫いたジュリーの姿があったのです。ですから『ジュリー祭り』に臨んでも、80年代までのバリバリの時代の曲でほとんど固められることを期待していました。
なにせそれまで全くLIVE参加の経験が無く、ほんの数枚を除いて、熱心に聴いていたのはポリドール時代のアルバムばかり。とにかく「人間・ジュリー」を知らなさ過ぎたこと・・・それに尽きます。

つまり当時の僕の感覚からすると、あのスーパースター・ジュリーが「まじ」なんて俗っぽい言葉を使うわけがない、というわけ。
僕の中にいたジュリーは「まじ、好き」などと言って女性を口説くなんてあり得ない・・・女性には愛されるのが必然、自分から愛を訴えることなどしない。そんな必要はない、と。
・・・なんという勝手なイメージですかねぇ~。
でもそんな感じで、ジュリーのことをよく知らずにイメージ固定している僕と同世代の人は、きっと多いんじゃないかなぁ。

しかも「まじ」ですからね。
そんな下々の言葉(というイメージでした)をまさかジュリーが、と考え、スーパースター像とのギャップに僕は悩んだワケです。
さらに言うとこれがもし「超・アイラヴユ~♪」だったら、「まじ」の数倍凹んだでしょう。ジュリーには、いわゆる僕等世代より後の若者から派生した言葉は似合わないと決めつけていました。

先述の通り、アルバム『greenboy』を購入した頃の僕は激しい大人買いの真っ最中で、ジュリーの話ができる唯一の友人(だったのよ、この頃は)であるYOKO君に、聴いたアルバムの感想をその都度真夜中の電話で報告する、というのがお決まりのパターンになっていました。
それまでは、『サーモスタットの夏』を聴いては「凄ぇぞ!」と騒ぎ立て、「PEARL HARBOR LOVE STORY」の歌詞全文をメールに書き起こして送りつけたり、『sur←』を聴いては「時計/夏がいく」の勝手な脳内振り付けを細かく説明したり、という怒涛の「オマエも聴け!」攻撃が続いていたのですが・・・。

『greenboy』の時は、だいたいこんな感じの会話になりました。

D「今度は『greenboy』を買ったんだけどさ・・・」
Y「ん?テンション低いな。どうした?」
D「”Snow Blind”って、ドームでやった曲が入ってて・・・」
Y「あぁ、シングル攻勢の後にやったヤツね。イイ曲だったじゃん」
D「うん・・・イイ曲だとは思うんだけど・・・ジュリーが”まじ、アイラブユー”って言ってるんだよ~」
Y「は?」
D「だから、これはジュリーの詞なんだけど、ジュリーが”まじ”って言ってるのが、素っ頓狂な感じで受けつけないんだ・・・」
Y「何だそりゃ?」

まぁ、その後なんだかんだと言いまして、僕の言ってることは伝わったと思うのですが、YOKO君にしてみれば自分が音源を聴いていない状態なわけですから、何のこっちゃ感はあったんでしょうね。
最終的に彼は、しょげかえるDYNAMITEをこう一喝しました。

ジュリーが”まじ”だっつ~なら、マジなんだろ!100回聴いて乗り越えろ!

で、100回・・・聴いたかな?
数えていたわけではないのでひょっとしたら50回くらいなのかもしれないけど、YOKO君の言う通り、何回も何回も聴きましたよ~。
ちょうど『ジュリー祭り』の年が明けた2009年お正月、僕は幸運なご縁があって、参加をあきらめていた『奇跡元年』に行けることになり、2000年代のジュリー・ナンバーを必死で予習した時期があります。「Snow Blind」もその頃に相当集中して聴いたんですよね・・・。

2009年末には、もうすっかりこの曲が大好きになっていました。完全に乗り越えたのです。
今では、いかにもジュリーらしい歌詞だなぁと思えてきています。
一途に、その身を相手の中に深く沈みこませよう、という詞ですよね。

前回記事「四月の雪」で、ジュリーは季節外れの雪に違和感、とまどいを覚えながらも、「たったひとつ信じられるもの」「自分の中に存在する確かなもの」として愛を描き、相手(聴き手)に無防備なまでに身体を預けるという、ジュリー作詞の今も変わらぬ本質を考察しました。
「Snow Blind」の50代のジュリーも、20代の若きジュリーと全く本質は変わっていないと思います。

♪ 降り積もるよ  君の 謎が
  Fm     B♭m7   E♭7  A♭

  愛のように 雪のように ♪
  Fm   B♭m   C7       Fm

「謎」とは、ジュリーが抱くちょっとした違和感。それが降り積もる雪にシンクロしています。
ほんの少しのすれ違いが、「君」の中に雪を重ねる瞬間をジュリーにもたらし、確かな「愛」も謎となって深く積もっていったのでしょうか。
しかし

♪ 君の知らない僕も    いるよ
  F    C           B♭m  F

  僕の知らない君がいようと ♪
  G    C          B♭    Am G(onD)

「君」が謎であろうとどうであろうと、「僕」はこうなんだ、という強い意志ですね。
「僕」の思いは確かであるということ。君の知らない僕がいたとしても、「僕」は「僕」の愛が確かであると知っている。
ならば「君」もそうに違いない、という歌なのでしょう。

相手のことをすべて知ってから好きになるなんてあり得ない、とジュリーは言っているのですね。
「知る」ことよりもまず、「まじ I love you」の気持ちの方が先。それが当たり前だし自然だろう、ということなんじゃないかなぁ・・・。

歌詞の作り的には、Aメロで謎を投げかけサビで悟る、という仕組み。
これがまた、伊豆田洋之さんの作曲とマッチしまくっています。

「Snow Blind」は基本ヘ短調ですが、サビ部だけヘ長調に近親移調しています。転調の理屈としては、「魅せられた夜」や「追憶」と同パターン。サビのメロディーでいきなりでパ~ン!と視界が開けたように明るい感じになるのです。
いざ好きになってみると、何と素晴らしい曲かと思います。

まず、伊豆田さんの曲が最高に良かった、という『ジュリー祭り』の生の感想へと立ち返り、さらにそこから、自分がこれからずっと勉強していこうと決めたジュリーという人間は、こんな人なんだ・・・そんな思いがプラスされれば、「Snow Blind」ほど無敵なバラードというのもなかなかありません。
ジュリーが「ドームで歌いたい」80曲にこれを挙げたのも、今となっては大納得なのです。
そして、ここまで「信念」あるが故に心を晒せるのがジュリーの強さ、優しさだと思いますし、だからこそ今年の新譜がああいう作品になったのだ、とも・・・。

こうして、今では大好きになった「Snow Blind」。
ただし白状しますと、僕にはこの曲の他に、乗り越えなければならない曲がまだ残っていたりします・・・。
これまでにも何度かコソッと書いたことがあるのですが、不肖DYNAMITE、未だに好きになれていないジュリー・ナンバー・・・通称”三大壁曲”と呼ばれるものが3曲存在するのです。

まず1曲目は、この曲がダメだ、と言うと多くの先輩方から「え~っ?!」とブーイングを浴びまくるというナンバー・・・おそらくジュリー界ではかなり人気の高い「素肌に星を散りばめて」。
ただ、名曲であることは認識していますから、1度でも生のLIVEで聴くことができたら必ず好きになるだろう、とは思っています。
とにかく僕みたいな奴の悪いクセ、というか陥りやすいことなんですが・・・どんな曲でも、初めて聴く際にはまず全体の作曲構成やアレンジに耳を向けてしまうんです。
で、初めて「素肌に星を散りばめて」を聴いた時
「あれっ?これは光○○NJIの「パラ○○ス銀河」にそっくりの構成じゃないか?」
と思ってしまって・・・。
無論、作曲の順序は銀次兄さんの方が全然先であることは分かっています。でも不幸にして僕は知る順番が逆でした。
以来、この曲を聴くと脳内にローラースケートをはいた少年達が登場してしまって・・・大変困っているのです。誤った脳内映像を払拭するには、直に、強烈に「これはジュリーの曲なんだ!」という新たなシーンを植えつけるしかありません。
いつか、生で体感できますように・・・。

2曲目は「お気楽が極楽」。
これは、なんだかバックでビョンビョン言ってる雰囲気と、ちょっと長尺なのが引っかかっているだけ。
要は、聴き込みが足りていないのでしょう。アルバム『いい風よ吹け』はこの1曲を抜くとちょうど通勤時間にピッタリの長さになるので、そうやって編集して聴いていた時期(2008年末)があってね・・・印象がそのままになっちゃってます。
生で聴いたらたぶん普通に盛り上がるかな・・・自信はないですけど。

そして3曲目・・・「涙のhappy new year」。
こちらも先輩方の人気が高い曲なのに、僕はどうも落ち着いて聴くことができません。そしてこの曲がダメな原因が、かつて「Snow Blind」がダメだった理由にとても近いんです。
つまり、歌詞に馴染めていないということ。特に
「携帯の機種が古すぎるから」
ってのが、どうもイカンのですよ。
何故イカンのかは、自分でもよく分かりません。ただ、こんなドラマティックなメロディーにその歌詞はないだろう!と感じた初聴の印象を、未だにずっと引きずっているのです。
これも、100回聴いたら乗り越えられるのかな・・・?

ちなみに私事ですが、今のDYNAMITEの使用している携帯は機種が古すぎ、今年の7月に強制的に通話が不可能になることが決まっています。それまでに機種交換しないと、それこそ猫や犬までに馬鹿にされそうです。
面倒な操作を覚えることが苦手なので、今時「携帯から携帯への機種変」などという稀有なパターンをやってしまいそうですが・・・一応お尋ね申し上げます。
みなさま、スマホって正直どうなのですか?
メリットあります?

「涙のhappy new year」の話に戻りますけど、思えば昨2011年は大変な1年で、年が変わる際も厳粛な雰囲気と、やりきれない思いと、祈りがありましたね。お正月といっても、浮かれた感じではいられませんでした。
そんな年の迎え方をした中で・・・ツアーを控えたジュリーの頭の中に「涙のhappy new year」という楽曲がもしかすると浮かんでいるかもしれませんね。
「Snow Blind」がセットリスト入りしたなら、今では大喜びの僕も・・・「涙のhappy new year」が来たとするなら、これは正直かなりの試練です。

でも、きっとその後、何とか好きになろうと100回でも200回でも必死に聴くでしょう。
だって・・・僕は「まじ I love JULIE」なんですからね!
降り積もる謎が解けていくほどに、どんどん好きになっていくのかもしれませんし・・・。

さて、最後に。
多くの先輩方はとうにご承知でしょうが、「Snow Blind」はいくつか映像作品が残っていますね。
『ジュリー祭り』の「Snow Blind」ももちろん素晴らしいのだけれど、僕は2004年のクリスマス・コンサート『師走-ROMANTIX』でのこの曲のシーンが大好きです。
翌2005年リリースのアルバム『greenboy』から先がけて披露されたこの「Snow Blind」には、いかにもクリスマスらしいステージ演出があって、歌うジュリーに雪(材質は紙?発泡スチロール?)が降り注ぐのです。

大量の雪にちょっととまどったような表情で熱唱するジュリー、本当に愛をむき出しにして晒すようなヴォーカルです。
まぁ「大量の雪」とは言っても、夜ヒットの「ダーリング」の紙テープほどではありませんけどね・・・。
まだ観ていらっしゃらない方々は、是非!

それでは次回も、『ジュリー祭り』セットリストからのお題更新です~。

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2012年4月13日 (金)

沢田研二 「四月の雪」

from『JEWEL JULIE 追憶』、1974

Julie8


1. お前は魔法使い
2. 書きかけのメロディー
3. 親父のように
4. ママとドキドキ
5. 四月の雪
6. ジュリアン
7. 衣裳
8. ヘイ・デイヴ
9. 悲しい戦い
10. バイ・バイ・バイ
11. 追憶

---------------------

『3月8日の雲』全曲記事を書き終え、ホッとひと息ついておりましたもので・・・久しぶりの更新となります。
今日のお題から、またまたジュリー・ナンバー自由課題期間として再スタートです!

ジュリー界も何かと騒がしいこの頃です。
そういえば・・・
「どうしてジュリーのブログを書くの?」
と、そんな事を改めて尋ねられたのは、僕が『ジュリー祭り』の記事を書いて少しずつジュリーファンのみなさまと交流するようになってから、初めてのこと。
今、「ジュリーを語る」ということはそんなに特殊な状況なのでしょうか。僕には正直、よくは分かりません。

でも、何故書くのかと問われれば、答えは簡単。
僕自身が幸せな気持ちになるからです。

僕はこれまで、ビートルズに始まって色々な音楽を突っ込んで深く聴いてきたつもりですが、一人のアーティストについて「考える」「語る」ということが、これほどの歓びを伴うものだとは気づかずにきてしまいました。
ですから、僕にとってジュリーは「初めての人」ということになります
(変な意味ではありませんよ~)

ジュリーを考察する場合、自分がそれまでつちかってきた僅かながらの音楽知識を一応の土台とはしながらも、逆にジュリーの本質たる部分については「ほとんど何も知ってはいない」というゼロに近いところから無心でスタートしたことが、結果この歓びを知ることへと繋がったと思っています。
それは、僕の気づかなかった「音楽の深さ」を知ることでもありました。「本物」を語る時、音楽の知識だけではとても通用はしないのです。
楽曲の分析という点だけとってみても、ある程度の年齢に達して以降の自分が、いかに音楽の勉強をサボっていたかを実感させられます。

『ジュリー祭り』のレポートを書いて、持っていなかった近年のアルバムを次々に大人買いして、初めてブログに見ず知らずのジュリーファンのかたからコメントを頂いて、それが日常になってきて、自分で考えたことを記事に書くと、先輩方がそれについて色々と教えてくださるようになって・・・僕はまるで子供が言葉を覚えていくようなスピードでジュリーを知っていきました。
ジュリーをどんどん深く知ることは、何よりの新鮮な歓びでした。
40歳を過ぎて、勉強・努力をするというのは本来楽しいことなんだ、と再び思い出しました。ジュリーを考えることから派生して、ジュリーのことだけではない、色々な知識欲が向上していったのです。

今もその途中です。

ジュリーの膨大な楽曲群、エピソードと歴史の深さを考えれば、誇張ではなくこれはライフワークを見出したと言ってもよい・・・それをして、一生かけて打ち込めるものに出逢えたとするならば、こんなに幸せなことはないでしょう。
それが、僕がジュリーの記事を書き続ける理由かなぁ。

それをしないと、「言葉を覚えるスピード」がガクンと落ちちゃいますからね~。その分ライフワークにも支障をきたします。
昨年の震災以来あらためて何度も考えることなんですけど、やっぱりブログでは楽しい記事を書いていきたい、と思います。本来ジュリーのことを語るというのは楽しいこと、明るいことなのですから。
読んでくださるみなさまにおかれましては、これまで通り厳しくも楽しく叱咤して頂ければ・・・なお嬉しいです。頼もしく思っております。

よろしくお願い申し上げます!

さて再スタート、今回のお題は・・・。
アルバム『JEWEL JULIE 追憶』から、一見美しいフォーク・タッチのナンバー、しかし実は・・・という名曲を採り上げます。
この曲についても、僕が全然知らない逸話があるんだろうなぁ、とは思いますが・・・。
「四月の雪」、畏れながら伝授です~。

このお題については前回記事「カガヤケイノチ」下書きの時から決めていました。
『3月8日の雲』という新譜を聴いて・・・ジュリーの数多い才能の中でも、やっぱり最大の魅力はヴォーカルなんだなぁ、と再確認。
是非次も、ジュリーのヴォーカルの素晴らしさについて語れる曲をお題に・・・と考えていたら、折り(季節)も良し、「四月」とタイトルにつく名曲があるではございませんか。

ただ、まさか本当に今年「四月の雪」が降るとは思ってなかったんですよねぇ・・・。
おかげで各地の先輩ブロガーさん達がこぞって「四月の雪」を語っていらっしゃったばかりか、先の僕のブログ記事「カガヤケイノチ」に頂いたコメントの中でも、この曲が旬の話題に。
すっかり遅れをとってしまったDYNAMITEなのです。

それにしても先週の”春の嵐”には驚かされました。
関東圏では、4月3日の午後に嵐がやって来ました。僕はその日会社でたまたま大きな仕事があったもので、早退などできるはずもなく・・・帰宅時刻はまさに暴風の最中。
いざ帰宅、となった際に後輩社員が「傘をさそうなどと考えてはダメです!」と言い放ち、大きなゴミ袋の底を丸く切り取ったものを用意してくれて、皆それを頭からかぶって帰路に着きました。
これが大正解で・・・傘をふんばってさそうとしてズブ濡れになっている人々を横目に、僕はまったくと言って良いほど濡れませんでした。格好は恥ずかしかったですけどね・・・。

まぁ僕はそんな程度で済んでいますけど、各地で雨風による深刻な被害も出ていますし、北海道では「四月の雪」どころか「四月の外は吹雪」くらいの天候になってしまったとか・・・。
地震のこともそうだけど・・・ここ数年の乱れた気候の変化も、やはり「地球が怒っている」ということなのでしょうか。

ジュリーは20代の頃から、そういった空気には敏感だったのでしょうね。
僕のような平凡な者は、例えば「四月の雪」というフレーズを何気なく味わった時に、”何か趣のあるもの”というイメージで安易に咀嚼してしまうわけですが、実はこの1974年の作詞の時点でジュリーはすでに、季節外れの天候に際して違和感を覚えているようです。
何か落ち着かない、何かしっくりこない。四月に降る雪を目にして、そんなふうに歌っているように感じられます。

♪ 風がやんだ夜の 時は速くすぎる
  D              Em                 D

  窓をあけてみたら 雪が降ってた ♪
  D             Em       G    A       D

そんな漠然たる違和感の中で、ただひとつ信頼できる「愛」に対しては、無垢なまでに身体をあずけ、相手(聴き手)が思いもかけないほどの激しい情熱をもって深く入り込んでいこうとする・・・。この主人公は、やはりジュリー自身の投影でしょう。

クールな視点と激しい感情が入り乱れる若きジュリーの危ういほどの美しさは、何も容姿に限ったことではありません。そしてその本質的な美しさは、僕が『ジュリー祭り』以降に聴く始めた、近年から最新の作品に至るまでずっと変わっていないんだなぁ、とも思えます。

さて「四月の雪」は作詞のみならず作曲もジュリー自身の作品ということで、後追いファンとしては、色々と当時ジュリーが好んで聴いていた音楽のことを想像したりして、考察も楽しいです。
レコーディングされた完成形は70年代セメント・フォークのような仕上がりになっていますけど、ジュリーの作曲の骨子となっているのは3連符のブルースのようです。リズムを分解してみると、同アルバム収録の「親父のように」や「ヘイ、デイヴ」と同じパターンになるのです。

以前の考察記事で書いたように、速水さん作曲の「親父のように」はローリング・ストーンズの「アイ・ガット・ザ・ブルース」を思わせるナンバー。
ジュリーと井上バンドの間にどっぷりとしたストーンズ・サウンドのムーヴメントがあったとするなら、この『JEWL JULIE』は格好の考察材料になると僕は思っています。
「四月の雪」同様にジュリー自身の作詞・作曲作品である1曲目「お前は魔法つかい」がモロにストーンズ風であることなどから、当時のジュリーのストーンズへの傾倒は大きかったと言えるでしょう。とすると、ジュリーの作曲段階での「四月の雪」は、そのリズムとメロディーの載せ方(言葉数に比して声を伸ばす音が多い)から、案外「Love In Vain」あたりを参考に作られたのではないかなぁ・・・。

ただ、ジュリーの作曲が面白いのは、メロディーやコード進行が一筋縄ではいかない、という点ですね。

♪ 四月だというのに 風が冷たい夜 ♪
  D             Em                    D

この部分の進行とメロディーについては、古くからあるポピュラー・ミュージックの王道。歌謡曲でも童謡でもポップスでもフォークでも、そしてもちろんロックでもイケる、万人の胸をくすぐる旋律です。
有名な曲の例を挙げると、僕が初めてこの手の進行とメロディーに出逢ったのは、「ビューティフル・サンデー」のサビ部ですかね~。テンポや雰囲気は全然違うけれど、あの有名なサビを歌ってみると「あぁ!」とお思いになるはずですよ。
「四月の雪」とは、どっちが先ですっけ・・・?

ところが一転、サビ部は王道どころか・・・ジュリー・オンリー道。
堯之さんや大野さんも大いに意表を突かれたであろう、ニ長調からホ短調という風変わりな転調が登場します。

♪ 愛は何故に君を引き止める ♪
  Em            C    G       D

使用するコードからして、ジュリーに「転調」の意識はないのかもしれません。
と言うのも「引き止める♪」の部分では
「あれっ?D(ニ長調のトニック・コード)に戻ってきたのに・・・何か落ち着かない、変な感じだな」
という、メロディーの居心地の悪さが感じられるのです。
それが、逆に斬新で素晴らしい。普通の作曲者であればここは「D→B7」とコードを載せて、ホ短調へのキレイな着地を目指すところ。
ところがジュリーはポ~ンと放り出すようなメロディーを残し、まるで歌の主人公の不安を煽るように、リフレインへと這い戻ってゆくのです。
粘り強く我慢強い、孤高のメロディーだと思います。

ちなみにジュリーが「四月の雪」で採用したニ長調からホ短調への転調アイデアは、後のアルバム『チャコール・グレイの肖像』冒頭収録の「ジョセフィーヌのために」で踏襲され、素晴らしい完成度をもって到達点を迎えることになります。
ジュリーは若い頃から「自分の言葉で作ることができれば上手く歌える」と発言していたらしいですが、それは詞のみならず曲についても言えることだったのでしょうかね・・・。

さぁ、それではいよいよ「四月の雪」最大の魅力・・・ジュリーのヴォーカルについても少し語っておきましょう。
この曲で堪能できるのは、美しい中に「静かな咆哮」を感じさせてくれる、独特のヴォーカル・スタイルです。

僕が今回、ジュリー・ヴォーカルの魅力溢れるナンバーとして「四月の雪」をピックアップしたのは、やはり昨年から今年にかけて体感した老虎ツアーの影響が大・・・つまりザ・タイガースのジュリー・ヴォーカルを見出せる曲、という理由によるものです。
まぁ、70年代のジュリー・ナンバーには特にそんな曲が多いんですけどね。

僕の個人的なイメージかもしれませんが、2つほど他の曲例を挙げてみますと・・・。

まずは老虎ツアーでまさか!のセットリスト入りを果たし、ジュリーのヴォーカル、サリーとピーのパッションに多くのタイガース・ファンが酔いしれたハードなロック・ナンバー「割れた地球」。
この曲のヴォーカルは、アルバム『JULIEⅣ~今僕は倖せです』収録の「怒りの捨て場」に引き継がれていると思います。
独特のシャウトのタイミングや、ブレスの激しさ・・・そして何よりこの2曲は曲想やアレンジ、歌詞のコンセプトにも共通するところがあり、僕などは6月からのソロ・ツアー『3月8日の雲~カガヤケイノチ』のセットリスト・サプライズとして密かに期待しているほどです。

もう1曲は、残念ながら老虎ツアーでは歌われなかった後期タイガース・珠玉のシングルB面の一角、「はだしで」。
この曲でのちょっと気だるそうな、太陽に焼かれるような息遣いのヴォーカル・スタイルは、アルバム『JULIEⅥ~ある青春』収録の「船はインドへ」後半のヴォーカルに引き継がれているように僕は感じます。
この考察については以前異論も頂戴したことがありますが・・・声の出し方や、60年代末から70年代初頭のアメリカン・ロックの流れを汲んだような抑制の効いた歌声が、そっくりだと思っているんですよね・・・。

では、お題の「四月の雪」のヴォーカルで僕が想起するタイガース・ナンバーとはどの曲なのか、と言いますと。
これは、アルバム『自由と憧れと友情』の中で僕が最も好きなナンバー、「誰れかがいるはず」なのです。
みなさま、意外に思われるかもしれませんね。「四月の雪」と「誰れかがいるはず」とでは、曲調もテンポもアレンジも全然違いますから。

しかし、ですよ。
僕は以前「誰れかがいるはず」を聴き込んで、ジュリーは”叫ぶように囁く”ことのできるヴォーカリストだと書きました。
ハスキーと単純に言うのとは違う、地声と裏声のギリギリ狭間のような発声で、男声としてはかなりの高音域を歌う「誰れかがいるはず」でのジュリー。
そのジュリーが、「四月の雪」にはさらに美しさを増した形で現れていると思うのです。
歌い出しいきなりの最高音(「ファ#」)で、そんなジュリー・ヴォーカルに引きつけられます。

この声であの容姿なわけですからね。若き日のジュリーというのはそりゃもう反則レベルだったでしょう。
カミさんが最近DVD『夜のヒットスタジオ』disc-2収録「サムライ」の、ラストシーンでジュリーが涙を流すシーンを激賞しまくっているのですが・・・まぁ確かにあれは、男性から観てグゥの音も出ません。
そのせいでしょうか・・・僕が脳内で「四月の雪」を歌うジュリーの映像を空想再生すると、そこでもジュリーは涙を落として歌っているんですよね~。そんな雰囲気を感じさせるヴォーカルだと思います。

淡々としているのに、慟哭や切なさを感じさせる歌声。
そしてこの時のジュリーは、確かに2012年の新譜にも現れている気がします。何処がどう、とハッキリとは言えないのですが・・・。
ただ、現在のジュリーの発声表現の方が、地に足がついていて優しくなっているのかなぁ。
その分、「危うい美しさ」が減っていると言えるのかもしれないし、そうではなく、すべてがそのまま残っているのかもしれない。でも、優しく温かくなっているのは確かだと思います。

そんなわけで・・・。
このところは、ようやく四月らしい気候に恵まれた暖かな日々です。
桜舞う季節に母親を亡くしてから、早いもので12年が経ちました。以来、やはり毎年この時期になるとそのことを思い出します。
ですが、前回「カガヤケイノチ」の記事に頂いた先輩のコメント・・・本当にその通りで、たとえ僕が、或いは様々な人がそこに何を見ようとも、桜はただただきれいですね。

そこで本日のオマケは・・・先週から今週にかけて僕があちこちで出逢った、今年の桜達です~。

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さて次回更新では、『ジュリー祭り』セットリストからお題を採り上げる予定です。
ジュリー70越えまでに『ジュリー祭り』セットリストを拙ブログ記事で完全網羅する!という目標に向かって、今年も「1年に10曲前後執筆」のノルマを少しずつ果たしてまいります~。

せっかくだから、ジュリーの作詞作品の考察をもう少し続けてみようかな・・・。

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2012年4月 4日 (水)

沢田研二 「カガヤケイノチ」

from『3月8日の雲』、2012.3.11

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1. 3月8日の雲
2. 恨まないよ
3. F.A.P.P
4. カガヤケイノチ

--------------------

『3月8日の雲』全曲記事執筆シリーズも、今回で最後です。
当初、3月いっぱいに書き終えるという目標を掲げておりましたが、予想外の大変なエネルギー消費に、達成には至りませんでした。
それはそのまま僕自身の力不足ということでもありましょうが、最後の曲まで入魂度は落ちませんでした。自分にとって、それは良かったなぁ、と思っています。

有終の美、となればよいのですが・・・いよいよ今日のお題は「カガヤケイノチ」です。

オフィシャル・サイトでは「シングル曲」としての追記があったナンバー。
「シングル曲」の明確な表示が何に繋がるかと言うと、例えばアルバム・ヒットチャートのラジオ番組でこのCDがラインクインした時に、CDを代表してオンエアされるのが「カガヤケイノチ」になる、といったようなことです。
今のところ、そういう情報を僕は得ておりませんが・・・。

僕は今回の新譜を何度か聴いた段階で、すぐにこの「カガヤケイノチ」が一番好きになりました。
それは今でも変わっていません。
ただ・・・どういうふうに好きか、という個人的な思いについては、どんどん変わっていきました。
最初は、「こんなキレイな音は初めて聴いた!」と感動したアコースティック・ギターのワルツ・ストロークと、ジュリーのヴォーカルに惹かれました。
次第に、ジュリーがオフィシャルサイトに「この曲がシングルだよ」と追記した気持ちがそのまま伝わってくるような歌詞と、見事なまでに詞とシンクロした楽曲構成に心を奪われていきました。

発売前に執筆した楽曲予想記事の中で、唯一当たっていた(と自分で思った)のが、「カガヤケイノチ」について書いた


ジュリーの詞は、これが一番泣けそうな予感がします

という1行。
歌詞カードを見ながらエンディングのコーラスを一緒に歌うと・・・自然と涙がこみ上げてきていました。
この曲が4曲目で本当に良かった・・・ジュリーの歌詞を味わいながら、何度もその感動に浸っていました。

しかし、今。
同じ箇所を聴いた時にこみあげてくる涙と感動の意味合いが、少し違うものになってきています。

「ジュリーが自分に向けて歌ってくれているような感じ」

多くのジュリーファンが、色々なジュリーナンバーに抱いていらっしゃる感覚ですよね。
でも、僕にとってはこれ、結構珍しいことなんです。

僕が今回、そんな予期せぬ感覚に触れて、突然書きたくなったこと・・・それが今日のお題の最大のテーマであり、『3月8日の雲』レビューの締めくくりです。
またしても今回個人的な思いに偏りながらも・・・みなさまに心からお伝えしたいことがあります。

感謝を込めて。
「カガヤケイノチ」、伝授です!

これまで3曲の記事で、僕は繰り返し
「このアルバムは4曲でひとつ。通して聴くべき作品だ」
と書いてきました。
コメントをくださった方々も、同じ感想でいらっしゃるようでした。でも、今の僕の考えは、かなり変わってきています。

実は僕は、このアルバムの3曲目「F.A.P.P」までの記事を書き終えた後、何か虚脱状態のような感覚に陥ってしまいました。
そして・・・こんなことは初めての経験だったのですが、ジュリーのこの新譜をしばらく聴きたくない、という気持ちになりました。聴くのが辛くなってしまったのです。

救ってくれたのは、「カガヤケイノチ」でした。


思いもしなかった感情に戸惑いながらも
「もう1曲記事が残っている・・・頑張れ!」
と、自らを鼓舞しつつ「カガヤケイノチ」だけを抜き取って、1曲だけ繰り返し聴きました。

♪ 頑張ら ないでいい 泣いていいのに
  B    F#  G#m   D#m  E       B        F#

  笑って 生きて行くしかないのですね
  B    F#  G#m  D#m  E       F#       B

  イノチアルモノ ♪
  Em             B

今の僕にはこのジュリーの歌詞、メロディーと歌が、ほんの半月前とはまったく違って聴こえています。

「頑張らないでいい♪」
この言葉は、ジュリーファンにとっては新譜発売のずっと前から、すでに馴染みの深いフレーズだったと言えるでしょう。
「頑張ってる人に”頑張って”と言ったらイカン!」
というのはジュリーがLIVEのMCでよく語ってくれることですし、昨年の震災を受けての発言の中にも、「頑張らなくていい。ゆっくりゆっくりでええんや」と、ジュリーは被災地の復興にそんな思いをかけていたのでした。

僕は・・・そしておそらく多くのみなさまも、「カガヤケイノチ」の先述の歌詞・・・「頑張らないでいい♪」が、被災者の方々に向けられたものだと思っていますよね。
それは、たぶん間違いないことでしょう。

しかし今、被災者ではない僕が
「オマエ、そんなに無理して強くなろうとするなよ」
とジュリーにこの曲で言われているような気がしているのです。
ジュリーが「頑張らないでいい♪」と歌うのを聴くたびに、少し前までとはまったく別の感動に襲われ、涙が溢れてきます。

今だから言える本心を吐露すると。
ここまで3曲の考察記事執筆は、ジュリーの素晴らしさを語るにふさわしい楽曲ばかりで大いに気合も入り、張り切りましたが・・・一方ではとても辛かったのです。
どれも文句なく大好きな曲なのに、いざブログで語ろうとすると、何やら無性に怖かったです。
しかもその「怖さ」は、1曲目から3曲目へと進むに従って、加速度的に大きくなっていきました。

「3月8日の雲」「恨まないよ」「F.
A.P.P」、これまで書いてきたそれぞれの記事中で僕は、色々と考えが至らなかったり、間違ったことを書いたりしたでしょう。
でも、僕なりに真剣に楽曲と向き合ったことは確かです。そうしないと書けないような3曲だったのです。
でも、この3曲に真剣に対峙し向き合うには、まず自分が苦しまなければならない、シンドイ思いをしなければならない・・・知らず知らずのうちにそんなふうに考えてしまいました。
そうでなければ、被災者の方々に申し訳ないような気がしていたのでしょうか・・・。

僕は、精神的にはまぁお気楽で鈍感な方だと自分では思っています。
そんな僕が、「F.
A.P.P」の記事を書き終え、改めてこのアルバムを聴いた時・・・何だか胸が圧迫されるような感覚を覚えました。音を受け入れるのがキツい、と一瞬の思いがよぎりました。

「聴けなくなった?・・・そんなバカな!」

と自分で自分に驚愕しました。
CD発売当初
「凄いと思う・・・でも凄過ぎて、だんだん聴くのが怖くなった。聴けなくなってきた」
と仰っていた先輩がいらっしゃいます。
僕は「こんなに良いアルバムなのに、何故?」と思っていました。しかし僕は、随分遅れてそのお言葉を実感することになったのでした。

何がそんなに怖かったのか。
それは・・・心の平穏が失われる、という恐怖だったと思うのです。

今回の新譜に抵抗を感じていらっしゃるジュリーファンのかたは、意外と多いようです。
「好きになりたいのだけど、聴けない」・・・それは、そういった先輩方が無意識に「自分の気持ちがどうなってしまうかわからない」という”怖れ”に気づいていらっしゃるからでは・・・。
ジュリーの激しいメッセージが発する温度、あまりのまばゆさを、きっと鋭く直感していらっしゃる。

僕などは、ブログの楽曲考察記事ということで気合を入れて、いきなり曲の核心に踏み込んでいったは良いけれど、これは言わば・・・「かけ湯」をせずに50℃近いお風呂にそれと知らず飛び込むような行為だったわけで(伝わるかな?)・・・。

このアルバムの楽曲に真剣に対峙する。僕にとって楽曲考察の記事を書く、ということがそうだったのですが・・・それは、自分の限界ギリギリくらいの精神力を投じることが必要でした。
そうしていると、辛さ、苦しさなどのマイナスの感情との戦いが生じます。それに打ち勝っていくことは何とかできるにしても・・・次第に心がささくれだって、荒んでくる瞬間が確かにあったのでした。

凡人たる自分が強く心を保つには、それも仕方のないことでしたし、それがジュリーの新譜に向き合い、作品のテーマとなっている震災や原発事故を自分で考えるために必要なことなんだ、と思っていました。

でもジュリーは、聴く人にそんなことを強要してはいなかったんですね。

「頑張らないでいい」
「強がらなくていい」
「苦しい時は、考えるのをやめたっていい」
「時には、向き合うことから逃げたっていい」

僕はここへきて、そんなふうに「カガヤケイノチ」を聴きました。

勝手な思い込みかもしれません。
それにしたって皮肉というか何というか・・・僕は自分が「頑張った」からこそ、そんな気持ちでこの曲を聴けるようになったのかなぁ、とも考えます。
その上で、若輩の身でとても生意気ながら・・・みなさまには「無理して頑張らないでください」と申しあげたいです。

もちろん、心身ともに元気な時にはジュリーのこの新譜を聴いて、ジュリーが提示したテーマを自分なりに考えるのはとても大切なことだと思います。
でも。

苦しい時は、逃げたっていいじゃないですか。
辛い時は、目も耳も、そむけたっていいじゃないですか。

このアルバムを聴くのが辛いと仰るかた・・・ならば、無理して聴くことはないのです。
聴ける時に聴けばいいし、対峙するのがシンドイ3曲を除いて、最後の「カガヤケイノチ」1曲だけを繰り返し聴いていたって良いと思うのです。

こんなことが起こったんだから、常に心を強く持っていなきゃだめだ、なんてことはないと思います。
無理して考え込んだせいで、優しい気持ち、穏やかな心を失くしてしまわないように。
本当に大切な「人の気持ち」というのが何なのか・・・ジュリーは「カガヤケイノチ」でそれを歌ってくれているんだと僕は思うなぁ・・・。

ジュリーの今回の新曲を聴いて、色々と考えて、苦しみ、悲しみ、戸惑い、悩み・・・確かにあります。
それが「ブレる」ということであれば、ジュリーは
「それでいいんだよ。それが当たり前だよ」
と言ってくれているのではないでしょうか。

そこで、逆に改めて知らされるのが、ジュリーの強さです。
ジュリーは強い・・・途方もなく強いですね。

ファンは、この新譜をただ聴く立場・・・それでもジュリーの歌を全身で受け止め、曲と対峙するには莫大なエネルギーを使わねばなりません。
とすれば・・・イチから歌いたいことを纏め上げ、作品に昇華し広く世に問うということをやってのけたジュリーの心身にかかるプレッシャー、注ぎ込まれたエネルギーは、一体どれほどのものなのか。
実際、色んなことを言われたでしょう。目にし、耳にしたでしょう。
ジュリーの心の負担は、想像を絶します。

それでもジュリーは、苦しみや悲しみを歌う以上の、大きな優しさを忘れなかった・・・穏やかな心を失うことなど無かった。
それがジュリーの強さです。それが「カガヤケイノチ」という曲です。僕はそう思います。

いつも遊びに伺っている先輩のブロガーさんが、僕の「F.A.P.P」の記事を過分なまでのお言葉で紹介してくださり
「きっと後には爽やかな風が吹いている」
と仰ってくださいました。
力を尽くして書いたことが少しでも報われたような気がして、嬉しかったです・・・。
そして、僕にとっての「爽やかな風」は、「カガヤケイノチ」という曲の中にこんなにもたくさん詰まっていたんだなぁ、と今大きな感謝の気持ちに包まれています。

僕はそう思えたから、現金なものでアッという間に復活。この大名盤をまた再び毎日ガンガン聴きまくっていますよ。
全曲通して聴いた時、最後に「カガヤケイノチ」が待っている・・・というのが、何物にも変えがたい歓びです。
人の心って、単純なのか複雑なのか、ですね・・・。

そういえば、昨年のことで少し思い出した話があります。
4月・・・仙台駅からすぐ近く、青葉通り沿い付近にある楽器・楽譜の有名ショップさんが、まだ3月11日以降の大きな痕跡の残る状況下で、お店を再オープンすることが決まりました。
店頭の商品はほとんどが傷んでしまっていたため、新たに品揃えからの再スタートです。各メーカーに、決意漲る書面と共に大量の発注が届きました。

通常メーカー側は、書籍などをダンボール箱で発送する場合、商品のサイズがまちまちだったりすると、「パッキン」といって、包装の梱包紙などを丸めたものを隙間に詰め込んで荷物を作ります。
その日、僕の勤務先はいつも通りにしてしまったのですが、あるメーカーさんは、「パッキン」の代わりにチョコレートなどのお菓子を大量に買ってきて、ダンボール箱の隙間に敷き詰めて発送なさったそうです。

後に、そのショップさんが「嬉しかった」と感動されていたというお話が伝わってきました。
「粋なことするなぁ。素敵だなぁ」
と感心したこと・・・そんなことを、今になって僕はまた思い出したのでした。

こういうことってやっぱり、普段から自然体の優しさと穏やかな心を持って被災地のみなさんに思いをかけていらっしゃる・・・そんな志のかたの、スッと思い浮かんだアイデアだったんだろうなぁ、と思うわけです。
今後、何かのきっかけで被災地の方とご縁があった際、「自分は今度のことをこう考えています」とか、「何と言葉をおかけすれば良いのか・・・」とか、そんな主張や迷いを抱くのではなく、自然にスッと日頃の思いを行動に示せる、言葉に表せる・・・そんな優しさを持つ人でありたい、と僕は今考えています。

ジュリーの「カガヤケイノチ」の歌詞に、僕は同様の思いを感じました。

♪ 歳   月が過ぎよう と 
  Dmaj7   D6    Dmaj7  D6

  待ち つづけてる人  に
  Dmaj7   D6     Dmaj7   D6

  See           温もりを あげたい
  Em Emmaj7 Em7 A    Dmaj7  D6     Dmaj7  D6 ♪

少し前まで、今ひとつ咀嚼しきれていなかったこのAメロの2回し目の歌詞が、今なら分かるような気がするのです。

でも・・・泣けるのは、歌詞だけではありませんね。

それではいよいよ、ジュリーの素晴らしいヴォーカルと、下山さん渾身の作曲、鉄人バンドの暖かな演奏などについても語ってまいりましょう。

このアルバムの曲並びが、後になるに連れてどんどん高音域になってゆくことは、前回記事でも触れました。
64歳になろうというジュリーが・・・おそらく今年が最後の挑戦になるでしょう、レコーディング作品としては本当に久しぶりに、高い「ラ」の音を解禁したのです。

♪ ブ レ つづても 貰った命 ♪
  G   A  F#7    Bm     Em    A     F#

「ブレつづけても♪」の「け♪」が高い「ラ」の音。
「F.
A.P.P」の最高音としても登場したこの音。この曲では、それは正に奇蹟のヴォーカルです。

「カガヤケイノチ」の場合は「F.
A.P.P」と比較すると全体的に音域設定が高めで、これは男性よりもむしろ女性のキーに合うのではないでしょうか。
Aメロの頭から既にメロディーがオクターブ超えということで、ジュリーは声を休める間もないほどなのです。

しかし何よりも、「カガヤケイノチ」の穏やかな曲調が、ジュリーがスッと気持ちを込められるものだったのでしょう。
そのため、そんなに高音域だとは思えないほどの自然で伸びやかな、それでいて力強いヴォーカルになっていますよね。

そこで、下山さんの作曲についてです。
発売前、「カガヤケイノチ」というタイトル、下山さん作曲、ということから僕もあれこれと予想をしまして、最初はエイトビートのポップ・チューンかな・・・とか、新調
したアコギで作曲するだろうから、「Beloved」みたいな感じかも、と思い直したりしました。
いずれも、外れました。
「カガヤケイノチ」は、アコースティック・ワルツでしたね。

ワルツとは意表を衝かれましたが・・・改めて聴くと、このリズムがジュリーの作詞のコンセプトと見事に融合しています。
穏やかに浮遊している感覚。ゆっくりと揺れながらも、安心できる確かな存在の上にしっかりと支えられているような感じです。

いつもお世話になっている先輩が、「ワルツは人間の一番の気持ちの音楽」という加古隆さんの言葉を教えてくださいました。さらに、「ジュリーが好きな”天然の
美”もワルツですね」とも。
ジュリー、あの曲が好きだったのか・・・僕はそのお話、今回初めて知りました。
ちなみに「天然の美」(=「美しき天然」)は明治時代に作られた唱歌だそうですが、曲中に1箇所だけ、転調もしていないのにとても斬新な音階が登場するところがあって、「凄い曲だなぁ」と、僕は以前から興味を持っていたものでした。
意外なところでこの曲のお話が伺えて、驚き感心させられた次第です。

さて、下山さんの「カガヤケイノチ」は、柴山さんの「F.A.P.P」に負けじと複雑な転調を駆使した、高度な楽曲です。
イントロからBメロまでが、ニ長調(部分的にロ短調への平行移調あり)。サビがロ長調。
短い伴奏部を挟んで2番(Bメロ途中からの導入)でそれを繰り返し、さぁ間奏ギターソロ!というところで突然半音上がってのハ長調へと昇華します。
「いざ間奏」で半音上がりのカッコ良さは、同じワルツ・ナンバーであるポール・マッカートニー&ウイングスの「夢の旅人」を思い出しました。

下山さんの中には、カントリーのイメージが最初にあったような気がします。
意外とテネシー・ワルツあたりの雰囲気が狙いかもしれません。アコギでそれを作る、というのがミソだったんだと思います。

仕上がった音源は、ジュリーの詞との融合や、それに伴う独特の浮遊感、浮上感を持つアレンジが施されたことで、まったく新しいジャンルのような、不思議な魅力を持ったナンバーとなりました。
例によりまして、ヴォーカル、コーラス以外のすべての演奏トラックを書きだしてみましょう。

・アコースティック・ギター(下山さん)
・エレキ・ギター(2番から噛む、サスティンの効いたリード・ギター。柴山さんのように聴こえるけど・・・自信がありません)
・キーボード(ポワ~ンという幻想的な音色。泰輝さん)
・オルガン(イントロや間奏のキーボードとは別の、シンプルなオルガンの音色。泰輝さん)
・謎の低音(1番Bメロから噛んでくる薄い低音。オルガンのようにも聴こえるし、シンセベースの一種のようでもあります。ほとんど主張の無い音で、2番以降はトラック判別すら困難。下手するとギターの音なのかも・・・)
・ドラムス(GRACE姉さん)
・エレキギター(最右トラックで、楽曲全編に渡ってあぶくをたてているような音。この音はギターなんですよ!たぶん柴山さん)

最左のアコースティック・ギター、最右のエレキギターは、ともに楽曲全体を最初から最後まで徹底して包みこんでいます。
ワルツが人間の一番の気持ちの音楽とするならば、「気持ち」を刻むワルツがアコースティック・ギター。呼応して浮遊感を演出するのがエレキギターという役割です。
問題は、もうひとつのエレキギター・トラック・・・中央のリード・ギターが柴山さんで合ってるのかなぁ、ということ。
作曲が下山さんだから、普通は下山さんだと考えるところなんですけど、音色やフレージングが「涙色の空」のリード・ギターにそっくりなものですから・・・。ならば、柴山さんかなぁ、というのが僕の推測です。
泰輝さんは最大で3つの音色を使い分けている可能性がありますが、別録りではないように思います。泰輝くさんが別録りを敢行したのは、このアルバムでは「3月8日の雲」1曲だけではないかなぁ・・・。

さて、演奏の見所については、これも例によりまして・・・LIVEでの配置予想と併せて語っていきます。

柴山さん・・・エレキギター
イントロからしばらくは、CD音源で右サイドから聴こえているおぶくを立てるような浮遊音を再現してくれるのではないでしょうか。しかしBメロからサビにかけては、単音弾きで低音のカバーに当たると予想します。
間奏のリードギターは、おそらく「涙色の空」のようなサスティンの効いた音色設定になるでしょう。「ちゅくぎゅ~ん!」はさすがにナイと思いますけどね。
あとは、何と言ってもコーラスです。エンディングの「笑顔~で~♪」のコーラス部で、文字通りの満面の笑顔をもって歌ってくれるのは、ステージ上では柴山さん一人だけでしょう。注目です!

下山さん・・・アコースティック・ギター
この曲はアコギでしょう!
ひたすらにそれを切望いたします。繰り返しになりますが、とにかく「カガヤケイノチ」のアコギ・ストロークは、洋楽含めて、僕がこれまで聴いてきたすべての音源の中で一番キレイなアコギの音でした。ほどよくシャリッとしていて、ハイコードは硬派に、ローコードは柔らかく鳴っています。
その威力を、是非LIVEでも体感させて欲しい・・・。
見所は、ハイコードの連発となる1番、2番のサビです。結構ヘッドから遠いところまで動き回る進行になっています。
そして最後のコーラス部のサビでは一転、ローコードでの優しいストロークになるはずです。ちなみにこの箇所だけに関して言えば、ギタリストにとって、完全に目をつむっていても弾けるほどの簡易な演奏ということもありますし、ならば下山さんのコーラス参加にも期待してみたいと思います。

泰輝さん・・・オルガンなど
基本、CD音源と同じ音色設定と予想します。イントロと、1番と2番の間の間奏部が泰輝さんのソロということになりますね。
イントロにしても間奏部にしても、例えば下山さんのアコギは「Dmaj7」をずっと引っ張っての演奏。「Dmaj7→D6」の循環を表現しているのは、泰輝さんのキーボード・フレーズなのです。キーボードが消えると今度はジュリーの歌うメロディーがその役を引き継ぎます。
ヴォーカルとキーボードのかけ合い、という意味でも、ジュリーと交互にスポットを浴びるなどの、照明の工夫が為されるかもしれません。

GRACE姉さん・・・ドラムス
1曲目「3月8日の雲」の記事中では、ブレイク部で炸裂する”鬼姫ロール”に注目、と書きました。
4曲目「カガヤケイノチ」にも、GRACE姉さんのドラムロールが登場します。ただ、聴こえ方はまったく違います。
「3月8日の雲」がハードな戦慄のロールとすれば、「カガヤケイノチ」は、優雅で前向きな、マーチング・ロール。これを、”くの一ロール”と名付けましょう。だって、下山さんの曲だもの(意味分かんないかた、ごめんなさい)。
しかしジュリーLIVEでのGRACE姉さんのステージで毎回驚かされるのは、「そのフレーズを叩きながらコーラスまでとりますか!」・・・というね。
今回もそれが観られるでしょうか。
リード・ギター部の「Hoo・・・♪」というコーラスに注目です。マーチング・ロールを叩きながらコーラスまで担うとなれば、これまた凄いことですよ!

それでは、最後になりましたが・・・。
「カガヤケイノチ」は目まぐるしい転調と難解な構成を擁する高度な楽曲と言えますが、耳当たりは穏やかで、清々しいポップ・チューンです。
転調部ごとのパーツ・・・Aメロ、Bメロ、サビをそれぞれ独立して切り取ってみると、抜群にメロディアスであることが分かります。難解なのは、美しい3種類のパーツを繋ぐ手管ということです。

特にサビのコード進行は古き良きフォーク・ソングの構成に通じるものがあり、親しみやすいメロディーとなっています。
そしてそのサビ部は、1番、2番のロ長調を終えた後、半音上がりの転調でハ長調のギター・ソロへと繋がり、そのまま最後の大コーラス部へと移行していきます。
ここまで、ハイ・コードを駆使して忙しく演奏されていたアコースティック・ギターは、最後の最後に最もシンプルで最も易しい王道のロー・コード進行となり、謎が解けるように解放され地に足を下ろしたストロークに変わります。
そして、#も♭も付かない裸のメロディーが待っているのです。

最後のサビ部だけが、明解で易しいメロディーと演奏に収束していくことは、何かこの曲のテーマ、本質をそのまま表しているように僕には思えます。

この最後のサビ部・・・ジュリーは「一緒に歌ってね」と、きっとそう言ってくれていますね。そう聴こえますよね。
これまでジュリーがステージなどで「一緒に歌って」とお客さんに語りかけたナンバーが過去にどのくらいあったのか・・・新規ファンの僕には分かりません。
『ジュリー祭り』が初のジュリーLIVEだった僕にとって、それを生で体感できた楽曲は「あなたに今夜はワインをふりかけ」ただ1曲です。よく考えたら、あの曲も「ラララ・・・♪」というハミング部が最後に待っているんですね。

シンプルで、覚えやすいハミング・リフレイン。
もう余計な言葉はいらない。難しいことは考えなくていい。ただ、歌がある。
ジュリーは、「笑顔で」「寡黙に」「カガヤケイノチ」の3つのフレーズだけを最後に残し、歌に託しました。
そして下山さんの作ったメロディー、コード進行とバンドの演奏も、最後の最後に究極にシンプルな形にまで収束されました。
それが『3月8日の雲~カガヤケイノチ』という作品の、必然のフィナーレなのだと僕は感じます。

みなさまの中に、昔ちょっと弾いていたギターがケースに埃をかぶった状態で保管されている、というかたはいらっしゃいませんか?
なかなかコードが覚えられなくて挫折したままになっている、と仰るかた・・・いらっしゃいませんか?
「カガヤケイノチ」の、簡単なコードだけで伴奏できる、一番最後のサビだけ弾いて歌ってみませんか?
普段こういうことはあまりブログには書かないようにしているんですけど、この曲だけは、みなさまに実際に声を出して歌ってみて欲しいのです。

覚えるコードは、初心者用の簡易なものが5つ。
その中で「F」と「G」は、本来もっと難しい正規のフォームがあるのですが、ここでは、下山さんがアコギを弾く際に愛用している、シンプルな変則フォーム(小指を全く使わない押さえ方)を覚えてみましょう。


(ギターの弦は、構えた時に上から6弦→1弦です)

「C」
(鍵盤:左手=ド、右手=ド・ミ・ソ)
ひとさし指・・・2弦1フレット
中指・・・4弦2フレット
薬指・・・5弦3フレット

「G」
(鍵盤:左手=ソ、右手=シ・レ・ソ)
ひとさし指・・・5弦2フレット
中指・・・6弦3フレット
薬指・・・1弦3フレット

「Am」
(鍵盤:左手=ラ、右手=ド・ミ・ラ)
ひとさし指・・・2弦1フレット
中指・・・4弦2フレット
薬指・・・3弦2フレット

「Em」
(鍵盤:左手=ミ、右手=シ・ミ・ソ)
中指・・・5弦2フレット
薬指・・・4弦2フレット

「F」
(鍵盤:左手=ファ、右手=ド・ファ・ラ)
ひとさし指・・・1弦と2弦の1フレットを同時押さえ
中指・・・3弦2フレット
薬指・・・4弦3フレット

これだけ覚えれば、「カガヤケイノチ」エンディングのコーラスを永遠に繰り返し弾き語れます。世にギター初心者向けの曲多しと言えど、ジュリー・ナンバーでここまで、涙ながらにも楽しく簡単に弾き語れる曲は無いです。

それでは、いきますよ~。

♪ 笑~顔
  C

C


♪ で~
  G

G


♪ ラ~ララ~
  Am

Am


♪ ラララ
  Em

Em


♪ カガヤ
  F

F


♪ ケイノ
  C

C_2



♪ チ~
  G

G_2


♪ 寡~黙
  C

C_3


♪ に~
  G

G_4


♪ ラ~ララ
  Am

Am_2


♪ ラララ
  Em

Em_2


♪ カガヤ
  F

F_2


♪ ケイノ
  G

G_5


♪ チ~
  C

C_4


こうして歌う練習しとかないと、いざツアー本番では泣いちゃって泣いちゃって声にならず・・・なんてことになってしまいそうですからね。

といったところで。
遂に、この大名盤の全曲を、記事に書き終えることができました。
いやぁ・・・シンドかっただけに、感慨深いです。
このアルバムはずっと残っていく作品だと思いますから、何年か後に僕の記事など忘れられていようとも、その時代時代で様々な人がこの名盤を熱く評価し、何十年と確実に語り継がれていくと思います。

とにかく、収録曲について自分なりに考えることは考えました。あとはツアーを待つばかりです。
まずは、何とか初日に当選することを願うのみ。

そう言えば

Sn390250

パルシステムのチラシに、今年もジュリーのツアーが掲載されていました。
我が家で利用しているパルシステムのエリアでは、川口リリア、千葉文化会館、パストラルかぞ、栃木総合文化センター、前橋市民文化会館、結城市民文化センターの北関東6公演が取り扱われているようです。
多くの地元の方に観て頂きたい、曲を聴いて頂きたい、と思います。

それにしても何故、いつまでも2007年の写真がこうして使われているのでしょうか?
5年前のジュリー、さすがに若いですねぇ・・・。

さて・・・次回更新からは、過去のジュリー・ナンバー考察お題に戻ります。
『3月8日の雲』を書き終えた後だと、文章に臨む気持ちにも何やらギャップが生じてしまいそうで不安ですが、またいつもの感じで書いていけたら・・・と思っています。

現時点の構想でお題の予定としましては、ちょっとだけ執筆作業のお休みを頂きました後に(さすがに精魂尽き果てた感が・・・汗)、まず初期のナンバーを1曲書き、その後『ジュリー祭り』セットリストから3曲くらい採り上げるつもりでいます。

とりあえず次回記事では、瑞々しくも、静かな咆哮を感じさせるジュリー・ヴォーカルで気分一新、再スタートと行きたいところです。
よろしくお願い申し上げます!

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