2022年10月 1日 (土)

『THE SUPER FIGHTER』

アントニオ猪木さんが亡くなられた。
間違いなく僕の人生に大きな影響を与えてくれたスーパースターであり、それは猪木さんの現役時代を知るプロレスファンならばほとんどの人が同様であろう。

今、猪木さんの旅立ちに際し、どのように書けばよいのかまったく分からない。
本当にショックである。

入会している『新日本プロレスワールド』では、「ありがとうアントニオ猪木さん」の言葉を添えて、猪木さんの過去試合動画(現時点で159本)アーカイブ検索画面がトップにシフトされた。
今日はずっとその動画を観ている。「猪木&タイガー・ジェット・シン vs ビッグバン・ベイダー&アニマル浜口」なんてあったのか~、と興奮するもつかの間、実際に試合を観はじめると、猪木さんの闘う姿にじわりと涙が出てくる。 

そして、部屋のシンセの上には1冊の本がある。
数年前、勤務先の引越にあたり膨大な社内資料を整理していて発掘した、『THE SUPER FIGHTER』というメロディー・スコアだ。

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A4サイズ、サブタイトルには「Photograph & Music Score」とある。
奥付には「協力」として「新日本プロレスリング株式会社」「テレビ朝日ミュージック」のクレジットもある。
1983年8月発行・・・ということは、あのハルク・ホーガン戦の直後ではないか。

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スコアのスタイルはコード付のメロディー譜。

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各選手のテーマ曲のスコア・ページにはその選手の写真があるが、猪木さんだけは「炎のファイター」該当ページ以外にも単独フォト・ページをたくさん飾っている。

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「テーマ音楽を創造する13人のアーティストが語る、リングサイドからの暑いメッセージ」という章では、井上堯之さんの言葉も掲載されている(堯之さんは、前田日明選手の最初期テーマ「KATANA」の作曲・編曲を担当)。

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このスコアの猪木さんは、個人的にちょうど僕が大好きな時代の猪木さんだ。
ただ、この後時代が変わっていっても猪木さんは僕にとって特別な存在、スーパースターであり続けた。
僕が大人になり選挙権を得て初めての国政選挙では、スポーツ平和党に1票を投じたものだ。

いつもお世話になっているジュリー道の師匠は、某議員の秘書をされていた頃に何度も国会で猪木さんを見かけたという。
大きな身体を申し訳なさそうにすぼめかがむようにしてエレベーターに乗り込んでいたのだそうだ。

悲しみと想い出は尽きないが、猪木さんはきっと新しい闘いに打って出たのだろう。
現在天国のヘビー級シングルのベルトを持っているのは、馬場さんか、鶴田さんか、ブルーザー・ブロディか。
いずれにしても猪木さんは、休む間も惜しむようにすぐに挑戦表明をするだろう。
ここから精一杯の「猪木コール」を送りたい。

心より猪木さんのご冥福をお祈り申し上げます。

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2022年9月14日 (水)

沢田研二 「時計/夏がいく」

from『sur←』、1995

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1. sur←
2. 緑色の部屋
3. ZA ZA ZA
4. 恋がしたいな
5. 時計/夏がいく
6. さよならを待たせて
7. あんじょうやりや
8. 君が嫁いだ景色
9. 泥棒
10. 銀の骨

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「8月のうちにやっておきたい」と予定していたことがほとんどできないまま、夏は行ってしまいました。
本日のお題曲そのまま、正に「僕を置いてく~♪」ですよ・・・残暑はまだまだ厳しいですが。

趣味の音楽活動も然り。そしてブログ関連で言えば、『まだまだ一生懸命』ツアー初日渋谷の後、セトリの答え合わせ編くらいしかまともに更新できてない・・・。
本当は、ピーさんがゲスト参加したYOUさんのLIVEのこととか、吉田Qさんの新譜レビューとか、8月のうちに書くつもりだったのですが・・・まぁ、こうなったら焦らずこれからコツコツと進めていきます。

その間、ジュリーのツアーは新潟に続き神戸、大阪公演も延期となりました。
これは事情が事情ですからやむを得ません。参加予定だった関西の先輩方も、すぐに延期日程を出してくれたジュリーに感謝していらっしゃる様子でよかった・・・今はただただ、コロナ憎し!の気持ちです。
実は僕の勤務先でも8月から9月にかけ立て続けに同部署の陽性者が出ましてね。
幸い社内感染には至らず(いずれも家庭内感染と見られます)そこはホッとしていますが、僕より上の重鎮2名の長期休みが相次ぎ、面倒な仕事が大量に僕に回ってきていたという・・・ずっとバタバタしていました。

そんな中ですが気をとり直しまして、今日は久々の楽曲考察&ツアー・セットリストの振り返りにて更新です。
よろしくお願い申し上げます。


①『ジュリー祭り』幻の8曲を考える

「時計/夏がいく」は、『ジュリー祭り』に参加して本格ジュリー堕ちを果たした僕が、そのまま未所有のアルバム怒涛の大人買い期に突入、すぐに大好きになった1曲。

その頃購入したアルバム収録曲の中では、「PEARL HARBOR LOVE STORY」や「不死鳥の調べ」「違いのわかる男」などとともに「日替わり・ジュリーで一番好きな曲」常連となり、このブログにもヒヨッコ・ファン状態丸出しのまますぐにお題記事をupしてしまった、という名曲。
『ジュリー祭り』の余韻醒めやらぬまま参加した翌年すぐのお正月LIVE『奇跡元年』で「時計/夏がいく」が歌われた時には大々興奮、我を忘れるほど盛り上がったことを今でもよく覚えています。

で、いつだったかジュリーがMCで語ったところによれば、当初『ジュリー祭り』セットリストに用意した候補は88曲あったのが、それだとドームの演奏時間をオーバーしてしまいそうなのでギリギリになって80曲に絞ったらしいのですね。
以前にも書いたことがあるのですが、「幻」のセトリとなったその8曲が、短いスパンで開催の『奇跡元年』にそのままシフトされのではないか、と僕は推測しています。

『奇跡元年』のセトリで『ジュリー祭り』と重複していない曲は、全9曲。
演奏順に

「奇跡」
「時計/夏がいく」
「MENOPAUSE」
「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」
「生きてる実感」
「希望
「ジェラシーが濡れてゆく」
「THE VANITY FACTORY」
「ヘイ・デイヴ」

このうち「ヘイ・デイヴ」は『ジュリー祭り』直前のデイヴさんの旅立ちを受けて急遽新年LIVEに採り上げられたのでしょうから、残るは8曲。
これらをジュリーは元々2大ドーム用のセトリ88曲の中に選んでいて、鉄人バンドもある時期までは各自のリハで準備、それが『奇跡元年』で回収された・・・僕はそのように想像すのですが、いかがでしょうか。

いずれにしても今ツアー『まだまだ一生懸命』のセットリストは、超有名シング・ヒットに加えて「バンド時代の常連曲をこの機に!」とジュリーが張り切って自分の大好きな歌達を選んだに違いなく、来年のさいたまスーパーアリーナ公演に向け、演者も僕らファンもテンションの上がりまくるラインナップ。
その熱量が一般ピープルにも広がって、さいたまアリーナが歴史的イベントとなる光景・・・今から易々と見えてくるではないですか~。

僕としては、『ジュリー祭り』に参加した時の自分のようなお客さんが1人でも多く発掘されることを期待。
そしてそんなお客さんが「知らない歌だけど、あのちょっと沖縄っぽいカッコイイ曲は何?」とネット検索して、当記事をヒットさせてくれたら何より嬉しいことです。

それでは「沖縄」のキーワードが出たところで、過去記事ではまともにできていなかった「時計/夏がいく」の楽曲考察へと進んでいきましょう。


②『島唄』としての「時計/夏がいく」

ここで言う『島唄』とは、90年代の沖縄ポップス・ムーヴメントから音楽業界でそう呼ばれるようになったジャンルのこと。
僕は楽譜の仕事をしているので、『島唄』をタイトルに付けたピアノ・オムニバスのスコア等が飛ぶように売れていた時期を身近に体験しています。

楽曲で有名なのは、みなさま御存知であろうTHE BOOMのズバリなタイトル「島唄」(92年リリースのアルバム『思春期』収録、翌93年シングル・カット)ですが、沖縄ポップスのブーム自体はその少し前から「癒し系ポップス」と結びつきつつじわじわ起こっていて、THE BOOM「島唄」の大ヒットがムーヴメントを全国的に不動のものとしたわけです。

ジャンルとして確立した『島唄』は、沖縄出身のバンド、BEGINが重鎮となり一般ブームが落ち着いた後も熱心なリスナーの支持を継続させています。
その独特の音階、抑揚は確かに聴くと心安らかとなり、「沖縄三線」や「一五一会」(BEGIN考案の楽器。今秋にはヤイリギターさんの主催で世界大会も予定されています)といった楽器を嗜む人にとっては、特になくてはならない音楽でしょう。

さて、ジュリーの「時計/夏がいく」は95年リリースですから、(少なくとも詞曲については)ムーヴメントとしての『島歌』流行の影響を受けてはいるでしょう。
ただ、ムーヴメントに便乗してゴリゴリにプロモートしていく、というようなことはまったく無くて。
もしアルバム『sur←』から「時計/夏がいく」がシングルカットされていたら、先述のオムニバス・スコアにこの曲が収載されていた可能性もあり、僕としては「もしも」な妄想に臍を噛む思いもあれど、まぁジュリーは奥ゆかしいと言うのか無欲と言うのか、やはりその頃から「セールス流行」からちょっと離れた地平にいて、独自の道を歩んでいたのかなぁ、とも思います。

この時期のジュリーの楽曲製作は「曲先」でしょうから、まずジュリーが「僕もちょっと自分流で沖縄っぽい曲を作ってみようかな。歌ってて楽しそうだし」と難なく作曲をし、西尾佐栄子さんがメロディーにバッチリの名篇を載せた・・・そんな過程が想像できます。

「君をのせて」のヴォーカルを加瀬さんから「沢田らしくてイイ!」と絶賛されて以来
「僕は”あ~あ♪」と歌う歌が多くなりました」
と語るジュリーですが、僕は「時計/夏がいく」の「あ~あ♪」が特に好きですねぇ。
白井さんのアレンジが「沖縄系」とは異質のルーズなブラス&ストリングス・ブルースになっているのも絶妙。
素晴らしい意味で「脱力系」の名曲だと思うんですよ。つまりは「癒し」です。

アーアー 夏がいく
      Dm             B♭

どこへいく 僕をおいてく ♪
         C              F    A7

メロディー高低の動きがいかにもジュリー・ヴォーカルと合っていて、「沖縄風」との相性もさることながら、やはりジュリー自身の作曲、ということが大きいのでしょう。
これまでのLIVE体感、どのツアーでもジュリーは歌っていて楽しそうに見えるんですよねぇ。

『島唄』のジャンルを愛する方々にも是非知って頂きたい名曲、と思っています。

ところで、一般に沖縄を題材とした歌の歌詞には、THE BOOMの「島唄」をはじめ、現地の戦争体験のメッセージを含むものがまま見受けられます。
西尾さんの「時計/夏がいく」もその点深読みしようと思えばいくらでもできそうですが、この曲には本来そうした社会性は無い、ひたすらに瑞々しいポップスであると僕は考えています。
ただし、沖縄という地の歴史、返還後も続く住民の苦悩などを知った上で聴く方がより素晴らしい、曲への愛情が増すのでは、とは思っていますし、沖縄返還50年の今年にジュリーが全国ツアーでこの曲を採り上げたことにも意義があるでしょう。
先日の知事選結果を見ても、国と県民の考えには大きな隔たりがある・・・そういう「50年」であり続けたのだと、そこを今考えないジュリーではないでしょう。
そう言えば、数年前に突然セトリ入りした「謎の曲」は、沖縄調でしたね。

それにしても本土に育つ子供たちは今、沖縄をめぐる様々な問題や現状をどのように学ぶのでしょうか。

正直、僕の少年時代も特に学校でそれを教わった、ということは無いのです。
例えば僕は高校で日本史選択でしたが、授業は昭和に入ったあたりでもう卒業シーズンでした。
全国の高校がそんなものなのかなぁ?

では僕がどうやって沖縄のことを学んだかと言うと、これが刑事ドラマ『Gメン'75』なのですよ。
藤田美保子さん演じる響圭子刑事主演で、何と3週にも渡った沖縄ロケの大作があります(第59~61話)。

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第59話

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第60話

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第61話

『Gメン'75』って「結末」まで描かないパターンが多くて、この大長編もそうです。

米軍兵士による卑劣な犯罪を追及できない事態に激高し「何故捕まえないの?」と食ってかかるも、地元の刑事に「君は何も知らないようだ・・・」と哀しい顔で諭されるシーンを皮切りに、被害者の親族、老母からは無言の拒絶を受け、若者からは「ヤマトンチュに俺達の気持ちが分かってたまるか!」と罵られ・・・沖縄の現状を少しずつ知ってゆく響刑事。

日本の法では裁けない犯人をなんとか追い込み、それでも「基地に入られたら手出しできない」状況は変わらない中で、ラストシーンは、砂浜を走って逃走する犯人を追う響刑事が被弾し負傷し倒れながらも、犯人に向け拳銃を撃つ・・・その発砲炎に包まれた、涙と汗で濡れる彼女の「憤怒」の表情のアップで唐突にストップ。

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視聴者には「ここから先のストーリーは自分で考えろ」と言うわけです。
(スクショはいずれも手持ちのDVD『Gメン'75 BEST SELECT BOX
』disc-1より)

もちろん話自体フィクションですし、沖縄返還から僅か数年後の放映ですから単純に今現在とリンクさせるのは無理があります。
しかし、僕の少年時代はこうした題材を堂々と扱う人気ドラマがあった、ということ。
今はそういうの、あるのかな・・・。


③『まだまだ一生懸命』セトリ振り返り

僕もジュリーLIVEに通うようになって早10数年。最近はセットリストに未体感ナンバーが入ることも少なくなってきて、「できればまだ生で聴いたことのない曲多めがよいなぁ」と贅沢な考えを持つようになりましたが、今回は「これまで何度も聴いてるけど、やっぱりイイ!こういう歌が何度でも聴きたいんだ」と再認識させられたと言いますか・・・お題の「時計/夏がいく」をはじめとする「セトリ常連曲」のパワーに大満足。
お正月LIVEに引き続き、ジュリーファンとしての初心に立ち返ったセットリストだったなぁ、と思います。

有名ヒット・シングルはお正月との重複が無い、というのが大きなポイント。
特に6曲目からの「勝手にしやがれ」→「時の過ぎゆくままに」→「危険なふたり」という特大ヒット・チューン3曲の畳みかけは圧巻でした。
アンコールの「ダーリング」も併せ、久々のバンド・スタイル全国ツアー、ジュリーとしても千秋楽さいたまスーパーアリーナ公演に向けてふさわしい選曲、の意味があったのかな。
オーラスが「あなたへの愛」ってのも素晴らしいです。

そんなセトリの中でも個人的に「おお~っ!」と特に盛り上がったのが、10~12曲目。
気合の入りまくった新曲「LUCKY/一生懸命」→LIVE初体感だった「Come On !! Come On !!」→大好きな「時計/夏がいく」の流れです。
もちろん、刺激的なオープニング「ジャスト フィット」から、同じリズムの「サーモスタットな夏」(「やめて!」は、柴山さんの裏声でした)と続く冒頭2曲の時点で、「これは素晴らしいセトリになる!」と約束されたようなものでしたが。

新生バンドとなって、以前とはアレンジが大きく変わった曲もいくつかありました。
特筆すべき「いい風よ吹け」は、今年の12月3日(『ジュリー祭り』記念日)のお題として「やり直し」考察記事を書くつもりです。
あと、「TOKIO 2022」の単独考察記事も近いうちに書かなければ・・・。

今回のセトリの核は、まずツアー・タイトルチューンでもある「LUCKY/一生懸命」でしょう。
それとは別にジュリーが示す重要な1曲が、アンコールの「頑張んべぇよ」ではないでしょうか。
バンド・アレンジも最高でした(柴山さんのキメのカッティングが、同じように弾いているはずなのにCD音源よりカッコ良く聴こえたほどです)。

これ、初日は(他公演も?)珍しく歌う前にMCでジュリーの「曲紹介」がありましたよね。
「思いきって歌ってみます」と。

以前から、ジュリーのLIVE評は名うてのプロのライターさんも書いてくださっています。
素晴らしい、と嬉しく思う一方「いや、その書き方はちょっと・・・」と感じる文章を時折見かけます。
「キーを下げずに歌っている」ということを、まるでセットリスト全曲がそうであるかように読み取れてしまうことがあるのです。
これはジュリー言うところの「褒め殺し」に当たります。
ジュリーもキーを下げる曲は下げていますし、それはマイナス要因では決してなく、パフォーマンスを高めるための至極当然のステージ手法。
よって、「キーを下げずに歌っている」ジュリーの凄さを語る場合は具体的に曲名を書くべきなのだ、と僕はいつかジュリーが「褒め殺しはやめて」と言った時から気をつけるようにしています(僕自身は絶対音感を持ちませんので、弦楽器の変則チューニングですと判別はできません。原曲とは異なるコード・フォームだったり、鍵盤が見える位置でLIVE参加した場合は分かります)。

最近の傾向だと、高い「ラ」の音か曲によっては高い「ソ」の音の登場頻度を基準に移調が見られるのですが・・・「頑張んべぇよ」って、最高音が高い「シ」なのです(サビ最後の4音連続!)。ジュリーの喉をもってしても、この音はそうそう出せません。

しかしこの曲に「キーを下げる」選択肢は無いでしょう。「ギリギリ出せない」と自覚する高音でジュリー自身が作曲したことが、歌詞とも合致する歌のコンセプト、根幹だからです。
必死、いや「一生懸命」に出ない高音を歌おうという心意気こそが、今ジュリーにとっての「ロック」である、と。
MCでの「思いきって」とは、「これからそんな自分の姿を曝け出す」覚悟を語ってくれたのではないでしょうか。

ともあれ、この最強の布陣でジュリーが来年の千秋楽大舞台まで駆け抜けるつもりでいてくれるのが、ファンとしては頼もしいやら有り難いやら。
この先の各地公演、振替日程も含めて無事開催されるよう、心から願っています。

最後に。
『sur←』は、90年代のアルバムでは『サーモスタットな夏』に並んで収録曲セトリ入り率が高い名盤。
遅れてきたファンの僕も、『ジュリー祭り』での「銀の骨」「さよならを待たせて」を「未知の曲」として体感後、「時計/夏がいく」「あんじょうやりや」「君が嫁いだ景色」「緑色の部屋」と、これまで計6曲を比較的早い段階でLIVEで聴けています。
近い機会に「ZA ZA ZA」とか「恋がしたいな」あたりも是非体感してみたいものですな~。


さて次回更新ですが、これがまたいつになることやら・・・(汗)。

コロナ禍以来、自分の親ともカミさんの親とも会えていなくて、今年に入ってから夫婦で「いい加減にそろそろ」と話をしておりまして。ジュリーの「LUVKY/一生懸命」冒頭の歌詞に背中を押されたこともあり、まずは今週末、3連休を利用してカミさんの実家に帰省します。

そんなこんなで、まだしばらく慌しい日々も続きそうですが、次回も更新の際にはじっくりと、時間をかけて書きたいと思っています。
しばしのお待ちを~。

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2022年8月23日 (火)

残暑お見舞い申し上げます

8月に入ってから、ご無沙汰しております。

本当はお盆前に『まだまだ一生懸命』ツアー・セットリストから1曲お題を選び、渋谷初日の細かい感想など併せて書こうと思っていたのですが、月はじめの新潟公演(ツアー2日目)が延期となり、僕の周囲に「ネタバレ我慢を神奈川公演まで頑張る」と仰る先輩方が多くいらっしゃったため、ステージ概要に詳しく触れる記事更新を保留している次第です。
まぁ、厳しい決算月で仕事が大変、という理由もあるんですけどね。

さて、僕の次のツアー参加は11月のフォーラム。
そしておそらくその参加前に、ジュリー主演映画『土を喰らう十二ヵ月』を観る予定です。

我が家もムビチケをとりまして準備は万端。
公開が待ちどおしいですな~。

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↑ カミさんの分と2枚とったので、特典も2枚・・・ということなのかな?それとも2枚ついてくるのが基本形?

そして、ジュリーファンであればほとんどのみなさまはもう御存知なのでしょうが、銀座松屋内の「松屋手仕事直売所」さんが映画とコラボ!(こちら
9月13日から1週間、「ツトムさんの台所」ショップ・イベントが開催されるようですね。
せっかく関東圏に住んでいますから、時間があれば行きたいなぁ。

そういえば、原作の『土を喰う日々』の文庫。凄い重版ペースのようですねぇ。
僕は最初のヴァージョンの帯1冊しか買っていませんけど、ファンによっては帯が変わる度に買い直していらっしゃる方も・・・それがここへ来て新潮文庫さん、トドメのフルカバー・ヴァージョンで重版ですか!
僕もさすがにこれならもう1冊持っておきたいぞ~、と心動いております。


ということで、まだまだ厳しい残暑は続くようです。今日はイヤな暑さだった・・・。
コロナ禍の心配もあります。みなさまくれぐれも体調お気をつけて・・・。

神奈川公演にご参加のみなさま、よろしければご感想お聞かせくださいね。

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2022年7月26日 (火)

「まだまだ一生懸命」セットリスト(答え合わせ編)

初日渋谷、行ってまいりました!
いや~素晴らしいツアー開幕のステージでした。

僕は改装後の渋谷公会堂は今回が初めてで、その点も楽しみにしていました。
「ロックの聖地」の面影を残しつつ、懐かしい「歌謡コンサートホール」的な仕様と言いますか、ちょっとNHKホールに構造が似ていませんか?
同行した友人の佐藤哲也君が見事ゲットしてくれた僕らの席は、2階5列目。
もちろん細かいところまでは無理とは言え、なかなか見やすい席でしたね~。

さぁ、今日はいよいよ開幕した『まだまだ一生懸命』ツアー・セットリストの「答え合わせ編」です。
普段から「僕の予想は全然当たらない」と自虐気味に言ってはいますが(まぁ外れるのがまた楽しい、とも思っているんですけどね)、さて今回は・・・?

まずはセトリとはまったく関係無さそうな若虎ジュリーのショットを数枚貼りますので、ネタバレ我慢中のみなさま(応援していますよ!)は、写真から下は読まないでくださいね。

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新曲「LUCKY/一生懸命」の考察記事で僕は「明るくポップなジュリー」と書いたのですが、初日のステージ全体にそれが反映している感じでした。
嬉し楽しいセットリストです。

それでは参ります!

1.「ジャスト フィット

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イントロ前のS.E.再現ですぐに分かりました。いきなりの予想的中、しかも近年に限ってはレア度高めの名曲降臨にテンション上がる!

ちなみに佐藤君、この曲は知ってたんだって。
渡されたCDを聴いて「これは知ってるけど、やらんやろ~」と思ったのだとか。
ジュリーファンの「先輩」として溜飲を下げた、それでもサプライズ級のオープニングでした。

2.「サーモスタットな夏

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また予想的中・・・佐藤君も隣で「うわぁ・・・よく当たるな~」と言い始めました。

似たリズムの曲をLIVEで繋げてくるのは、ジュリーがよく採用するパターンですね。

3.「I'M IN BLUE

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おぉ久々!
佐野さんの曲が来るなら「すべてはこの夜に」じゃないかな、と思っていましたが、こっちですか~。

佐藤君は知らない曲だったそうですが、ちゃんと手拍子を合わせていました。さすが!

4.「greenboy

Greenboy

佐藤君は既に知っている曲なので予想CDからは外していました。これは多くのみなさまの脳内予想に挙がっていた1曲だったのではないでしょうか。

オリジナル音源にキーボードは入っていませんが、斉藤さんのオルガン・アレンジが素晴らしかったです!

5.「いい風よ吹け

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ここで柴山さんがギターチェンジ。
「よく見えないけど、あれは”世界のカブトムシ図鑑に載ってるやつ”(白のフェルナンデスね)じゃないか?」
と思っていたらやっぱりこの曲がキタ~!

正直これは鉄人バンド(特に下山さんのアコギ・アルペジオ)のアレンジに思い入れがあるんですけど、オートフィルターのバッキングを導入した高見さんの新たなアプローチも斬新でカッコイイです。

佐藤君は「タイトルだけ知ってた」そうです。

6.「勝手にしやがれ

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イントロ・インパクトが相変わらず凄い!一瞬でジュリーの世界になりますねぇ。

「さよならというのもなぜか♪」の後のジュリーの即興作詞が聴きとれなかったのが悔しい・・・。

7.「時の過ぎゆくままに

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なるほどこういう攻め方か!じゃあ次は「危険なふたり」か「追憶」が来るな、と思いました。

柴山さん、ギター1本体制の時とは「余裕」が違います。全然フレット見ずに弾きますね~。

8.「危険なふたり

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やはり来ました。
ここまでの「大ヒット曲3連発」は、お正月のセトリと重複していないのがポイントですね。

依知川さん、この曲はサリー社長に敬意を表して(?)ピック弾きです。

9.「TOKIO 2022」

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これを「怒涛のヒット曲連発」コーナーに組み入れるかどうかはまた別として、このアレンジも改めてカッコイイ、と思いました。

柴山さんの弾き方自体は、テンポこそ少し遅くなっていますが、昨年のギター1本体制で魅せてくれたそれとほぼ同じでした。
そうしたことも含め、落ち着いてきましたら単独のお題記事を書きます!

10.「LUCKY/一生懸命

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開演前に「間奏ソロをどちらが弾くのか楽しみ」という話をしたら、佐藤君曰く「えっ、どう聴いても高見さんじゃん」と断言。
「音色、音階が変態」なのだそうです(もちろん彼、褒めているんですよ!)。僕はまだ修行が足らんな~。

ジュリーの歌い方、表現は、「このラッキーをみんなでシェアしよう!」(「共有しますか?」という楽しいキーワードが今プロレスファンの間で流行しているんですけど、それにとても近い明るいイメージ)という感じなのかなぁと個人的には思いました。
これから各地ツアーにご参加のみなさま、サビに振り付けがありますよ!お楽しみに~。

11.「Come On !! Come On !!

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「LUCKY/一生懸命」が歌われた後、ということで「歌詞繋がりでここで「奇跡」が来るぞ!」と身構えたていたら、何と嬉しいサプライズ。
今セトリで新譜2曲意外では唯一、僕は初体感となるこのダイブ曲が降臨です。
「奇跡ヤバイそれ!」じゃなくてその直後の「カモンカモン!」からの歌詞繋がりだったか~(笑)。

佐藤君はまったく知らない曲。終演後に「マルコシアスバンプの秋間さんの曲だよ」と教えたら興味津々の様子で、おそらく彼は近々アルバム『REALLY LOVE YA !!』を購入すると見ました。

12.「時計/夏がいく

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予想的中。大好きな曲なので嬉しい!

これも久々ですよね~。「驚いて、振りむけば♪」のジュリーのアクションも懐かしいです。

13.「君をいま抱かせてくれ

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予想的中。佐藤君、「おまえ、本当にすげぇな」と・・・。いやいや、いつもはこんなに当たらないのよ~。
今回は、「ギター1本体制ではご無沙汰だけど、バンドではよくやってたよね」という曲を中心に予想を立てたので、そのあたりがうまくジュリーの「そろそろ歌いたい」選曲とシンクロしたのかなぁ?

14.「愛まで待てない

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「君をいま抱かせてくれ」の最後の音が残っている状態で、平石さんがハーフ・オープン・ハイハットで凄まじいBPMのカウントを炸裂させた瞬間、それと分かりました。
またまた予想的中、やはりこの曲が来ますわな~。ほとんどのファンの方がセトリ入りを確信されていたのではないでしょうか。

ジュリー、走る走る!
間奏は柴山さんと高見さんのリレーでしたね。

15.「約束の地

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またしても予想的中。と言うか「君をいま抱かせてくれ」からここまでの3曲は、佐藤君に渡したCDの曲順までそのまんまだったので、佐藤君もさすがにビックリ。いや、僕自身が一番ビックリなんですけど。

あれだけ走り回り暴れまくった「愛まで待てない」直後のバラードだというのに、ジュリーはまったく呼吸が乱れません。
歌えば歌うほど声がよく出てくる・・・これこそ我らがジュリーなのです。

アンコール

16.「頑張んべぇよ

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これは「あっ!」と思いました。
歌われてみますと納得のセトリ入りです。
僕は「予想編」で、音源リリース前の1度しか歌われていないという理由で「揺るぎない優しさ」を挙げましたが、そもそも「まだ1度も歌っていない」曲があったわけですよね。

また、これはアンコール前のMCでジュリーが「さいたまスーパーアリーナ公演決定!」をお知らせしてくれたこと無関係の選曲ではないでしょう。
ジュリーにとっても「今度こそ」の意気、そういう気持ちも込められていた歌だったに違いありません。

ああいうことがあったので、この公演決定への世間の注目も高いようです。
ここは僕らファンもひと肌もふた肌も脱いで頑張りましょう。皆でさいたまスーパーアリーナを満員にして、最高のニュースを世間に届けようではありませんか!(なんか選挙演説みたいな書き方ですみません笑)

17.「ダーリング

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これもお正月と重複しない大ヒット曲。
すわさんと山崎さんがジュリーの隣に出張してきて振りを合わせるシーン、「いよいよLIVEは佳境」という感じで盛り上がりましたね。

18.「あなたへの愛

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先輩方は意外に思われるかもしれませんが、僕や佐藤君の世代って、同年シングルの「危険なふたり」は知っていても「あなたへの愛」は知らずに育っているんです。
新規ファンの佐藤君、「初めて聴く曲」だったと言っていました。

これが今セトリのラスト、とても心地よい締めくくりだったと思います。


ということで、僕にしては相当高い的中率での「答え合わせ」となりました。
佐藤君の予習用予想としては充分過ぎる結果。また、ブログを読んでくださっている人の中に、ここ数年でジュリー堕ちされたファンで、もしか「DYNAMITEの予想曲、一応チェックしておくか」と予習し初日に参加された方がいらしたとしたら、僕は鼻高々でございます(笑)。
いかがだったでしょうか。

それでは次回更新はおそらく8月、セトリの中から1曲お題を選び、さらに詳しいLIVEの感想も併せて「やり直し伝授」のカテゴリーにて書く予定です。

お題はもう決めました。
「大好きな曲ゆえに、ジュリー堕ち間もない時期に書いてしまってまともな記事になっていない」という名曲のリベンジ考察です。
しばしのお待ちを~。

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2022年7月21日 (木)

「まだまだ一生懸命」セットリスト(予想編)

注:
こちらの記事はツアー開幕前の「予想編」です。
初日が終わりましたらなるべく早いうちに「答え合わせ編」と題してまた記事を書きますので、正式のセトリはそちらのupをお待ち頂き御参照ください。

あ、ケンケンジ姉さんには当日のうちに忘れずにセトリをメールいたします(笑)。

で、今回の予想記事ですが・・・これは渋谷初日を一緒に参加する友人の新規ファン、佐藤哲也君に「これで予習しとけ!」と渡した、僕が独断で編集したCD曲目(全18曲)をここでみなさまにもご紹介しておこう、という内容です。
したがって、僕とタメの佐藤君なら当然知っている数々のヒット曲や、彼が既にCDを購入しているアルバム(『耒タルベキ素敵』とか『第六感とか)』)の収録曲はここでは外していますから、そのぶん「セトリ予想」としてはハンデがあるんですけど、なんとか彼のためにも5、6曲は当てたいところ。

結構真剣に考えて作成しましたが、さてみなさまの予想とどのくらい重なるでしょうか。
CDの曲順に沿って、参ります!

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セットリスト的中自信度・5段階内訳
★★★★★・・・絶対やります!
★★★★・・・絶対とまでは言えませんが、おそらくやると思います。定番曲の中でも今回可能性が特に高いと思えるナンバーです。
★★★・・・比較的セトリ入り頻度高め、という中から「今回は是非」と期待しているナンバーです。このあたりまではみなさまの予想と重複するものも多いのではないでしょうか。
★★・・・ちょっと難しいかなぁ、と思いつつも「可能性はある!」と考えるサプライズ・ナンバーです。
★・・・おそらくやりません。でも聴きたい、一縷の望みに賭けたい!というレア曲です。

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1.「LUCKY/一生懸命」
的中自信度★★★★★

Lucky_20220721192201

やはりジュリーの表情とアクションが楽しみ。威風堂々と、にこやかに歌ってくれると個人的には予想していますが・・・。
あと、間奏ソロを柴山さんと高見さんのどちらが弾くか、にも注目しています。

2.「湯屋さん」
的中自信度★★

Julie4_20220721192301

『ジュリー祭り』以降では、僕が唯一参加できなかったLIVE『きめてやる今夜』でしかセトリ入りしておらず、個人的には悲願の1曲。
近年セトリ入り率の高いアルバム『JULIE Ⅳ 今 僕は倖せです』収録曲なので今回も望みを託します。

3.「時計/夏がいく」
的中自信度★★★

Sur

大好きな1曲、久々の降臨期待!

4.「夜の河を渡る前に」
的中自信度★★

Tyakoruglay_20220721192401

僕が本格ジュリー堕ちする少し前までは時々歌われていたようですが、僕は未だ未体感。個人的ダイブ曲のひとつです。

5.「un democratic love」
的中自信度★★★

Undemocraticlove

ジュリーが今歌えば、歌詞中の「君」はプーチン大統領を指すように聞こえるのでしょうか・・・?
元々は安部さんを指す(リリース時の僕の個人的解釈です)「君」(対する一人称は「国」)。ジュリーの歌声と表現力ならば、この詞をもってしても鎮魂歌として成立するでしょう。「本当の愛とはどんなものか、君は知っていたんだよね」というふうに。
僕は安部さんについてこの曲の考察記事で色々と書いたように、政治的な考えは一部において真逆でしたが、心から尊敬し見倣いたいと思う安部さんの言葉があります。
「家庭の幸福とは、妻への降伏」
世界中の指導者達がこの志を持てば、戦争なんてきっと起きないでしょうに。

6.「彼は眠れない」
的中自信度★★★

Karehanemurenai_20220721192501

歌詞冒頭「海の向こうで戦争もはじまっている」からのセトリ入り連想、と言うと安易なようですが、相当な有力候補と見ています。
何より今のバンド編成がメチャクチャ似合いそうな名曲ではないですか!

7.「若者よ」
的中自信度★★★

Namidairo

ジュリーは選挙のある年にこの曲を歌う、というイメージが僕にはあります。
「俺たち、老人!」の字ハモコーラスは、すわさん&山崎さんに加えて柴山さんかな?(笑)

8.「光線」
的中自信度★★★

Sinpurunaeienn

これも新生バンドがピッタリの名曲。いかにもBARAKA好みの七拍子フレーズ部、そしてコーラス隊ラストのリフレイン「Oh,oh,oh,oh~♪」が今までにも増してカッコ良く聴こえると思う!

9.「気になるお前」
的中自信度★★★★

Julie6_20220721192601

限りなく★5つに近い★4つ予想です。
バンドだと久々な感じだなぁ。

10.「希望
的中自信度★★★

Ikitetarasiawase

平和へのメッセージ・ソングは必ず何か歌われる、と思う中で個人的に最有力と推すのがこの名曲。
平石さんのドラム、絶対合いますよ~。特に間奏後、ジュリー歌い出し直前のフィルは要チェックです。

11.「muda」
的中自信度★

Royal80

今回作ったCDの中では唯一の★ひとつ。まぁセトリ入りは無理かな~。
一度は生で聴いてみたい、とずっと思い続けている1曲なのですが・・・。

12.「君をいま抱かせてくれ」
的中自信度★★★

Hello

最近はご無沙汰ですけど、そろそろ来そうな定番曲。盛り上がるのは確実。

13.「愛まで待てない」
的中自信度★★★★

Aimadematenai_20220721192801

これはジュリー、バンドで歌いたくてうずうずしている曲だと思いますよ~。
てっきりお正月の新バンドで早速歌うものとばかり予想していたのですが・・・今回はきっと来ます!

14.「約束の地」
的中自信度★★★

Beautifulworld_20220721192801

ジュリーの人生観がリリース時からさらにフィットしてゆき進化を続けている名曲。
LIVEだと(当然ですが)フェイド・アウトではない、というのがポイント。エンディングのあのジュリーの厳かな手の動き、表情を久々に味わいたいです。

15.「揺るぎない優しさ」
的中自信度★★

Isonomia_20220721192901 

2017年お正月に、CDリリースに先んじて「今年の新曲です」ということで歌ってくれた・・・セトリ入りは現時点でその1回きりなんですよね。
つまりファンとしては「未だ、曲を知った状態でLIVE体感できていない」貴重な1曲。
セトリ入りの可能性は高くないとは思いますが、「脳よ熱くなれ」のフレーズが「LUCKY/一生懸命」の世界観にも通ずる、と思うので期待してみます。

16.「サーモスタットな夏」
的中自信度★★★

Samosutatto_20220721193501

この編集CD、一応ここからの3曲が「アンコール」という体裁で曲並びを考えました。いざ聴いてみたら、この3曲の繋がりがメチャクチャ良くて(曲間無しの編集)自分でビックリしたという。
「サーモ」はやっぱり夏のツアーが似合う!まぁ今ツアーは冬そして来年へと続きますが、特に暑い時期にジュリーLIVEで聴きたい1曲です。
「やめて!」は、すわさん担当かなぁ?

17.「ジャスト フィット」
的中自信度★★★

Miscast

長いファンのみなさまにとってはセトリ常連曲なのでしょう。でも『ジュリー祭り』以降はまだ1回(1ツアー)しか歌っていなくて、僕にとっては結構レアなイメージ。久しぶりに体感したいです。
長尺のソロをどちらのギタリストが弾くのか(はたまたリレーか?)にも注目。

18.「TOKIO 2022」
的中自信度★★★★★

Lucky_20220721192201 

佐藤君は今年新譜が発売されていたのを知りませんでした。ジュリーの新曲が出るなら3月11日、と思い込んでいたみたい。
これは昨年ギター1本体制で疲労されたパンク・ヴァージョンとどの程度近い(もしくは同じ)演奏を柴山さんが魅せてくれるか、が個人的なチェック・ポイントです。

☆   ☆   ☆

で、佐藤君にこのCDを渡した後になって「ああっ、あの曲があった!」と思いついたのが、「奇跡」。
「LUCKY/一生懸命」の歌詞中に出てくるフレーズそのままのタイトルですし、これはきっと来る、オープニング1曲目もあり得る、奇跡ヤバイそれ!

というわけで、追加で「奇跡」も加えた計19曲を今回の僕のセトリ予想ラインナップとさせて頂きます。
(まぁ「LUCY/一生懸命」「TOKIO 2022」の2曲については「予想」とは言えませんが)

正直、お正月までは行かなくともヒット曲多めの構成になるような気がしていますが、とりあえずこの予想の中から1曲でも多く的中させたいものですな~。

それでは、いざ渋谷初日。
次回更新は「まだまだ一生懸命」セットリスト(答え合わせ編)ということでよろしくお願い申し上げます!

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2022年7月16日 (土)

沢田研二 「LUCKY/一生懸命」

from『LUCKY/一生懸命』、2022

Lucky

1. LUCKY/一生懸命
2. TOKIO 2022

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先日、渋谷初日の先行予約を見事僕のぶんも合わせてゲットしてくれた友人の佐藤哲也君と会い、無事チケットを受け取りました。
実際に手にすると「もうすぐジュリーの全国ツアーが始まる!」実感がバリバリ沸いてきますね~。

新規ファンの佐藤君(ジュリーLIVE参加は今度で4回目)にはその際、DYNAMITE渾身の予習用セトリ予想CDを作って渡してきました(笑)。
どのような曲並びとなったか、それは近々にもゆる~いセトリ予想記事をupしますのでそちらに書くとしまして、今日はジュリー今年の新曲「LUCKY/一生懸命」の考察記事です。
カップリングの「TOKIO 2022」については、現場(LIVE)で色々と確認したいことがありますからツアーが始まってからの執筆。したがって今日はツアー前最後の楽曲お題考察記事となります。
よろしくお願い申し上げます。

それにしても気魄漲る新曲。さすがはジュリー、ここへきて新たな境地を開拓しました。
それではポイントごとに書いていきましょう!


①史上初「大悟ロック」誕生!

次項でも書きますが、この曲は近年のジュリー・ナンバーの中では「ポップ」寄りの傑作です。
だからと言ってロック色が薄れたわけではありません。ジュリーの詞曲ともに強力な「ロック」。「血が騒ぐ ROCK MUSIC」を意識して作られたからこそ生まれたポップ性、唯一無二のメッセージ・ソングです。

では、「LUCKY/一生懸命」に込められたジュリーのメッセージとは、どのようなものなのでしょう。

会いたい気持ちもがく 会えない想いおもく
D                             F#m

自分の大切みつめてた ♪
Bm                       A

この冒頭の歌声で、多くのファンがそれぞれの「コロナ禍でのの辛さ」を改めて想い起こしたでしょう。

実際僕も先日ピーさんの「久しき昔」の記事中で「コロナ以来、音楽仲間と集まって飲みに行けていない」と書いたばかり。
当然、もう2年以上も故郷の鹿児島やカミさんの実家にすら帰省もできていません。
「会えない気持ちもがき」というのは、今誰しもが共感できうる歌詞でしょう。

何よりこのコロナ禍では、それぞれの人にとっての「普通」「日常」がいかに尊いものだったかを思い知らされたわけで、僕らジュリーファンは一時「(例年ならば当たり前のようにある、と考えていた)ジュリーのLIVEが無くなってしまった」経験もし、ツアーがあった日々を恋しく思ったりしたものです。

それは、ジュリーも同じだったと。
ジュリーにとっては「お客さんの前で歌う」ことが当たり前の生活だったわけで、改めて「自分の大切」に思いを馳せていた・・・考えてみればこの新曲はコロナ禍以来のリリース、その間の日々をジュリーがそうして過ごしていたことが今回の新曲で伝わり、まずはファンとして嬉しく、有り難く感じた次第です。

ただジュリーの詞はそのことを起点としつつ、演奏時間7分を超える大作を自らの矜持とともに百花繚乱の言葉や表現で広がり、駆け巡ります。

ジュリー自身の歌人生(生き方、と言ってもよいでしょう)を明快にテーマとした新曲創作スタイルは、2019年の「SHOUT!」から始まっていて、2020年「頑張んべぇよ」にも引き継がれました。
いずれにも言えることですが、そのテーマをして歌が私的な「自己完結」に留まることが無いのが凄いです。
グローバルに開かれたメッセージ、これこそジュリーの特別さでしょう。

特に今年の「LUCKY/一生懸命」では「またしてもジュリー、未踏の境地に行っちゃったか!」とその「広がり」に驚嘆させられます。
コロナはもちろん、他のあらゆる社会問題をも内包。視野が広いし統括表現も凄い。

「最低な奴も最高な奴もLIVE!」
「世界の事情も家庭の事情もLIVE!」

といったあたりに社会風刺が見てとれます。
当然「LIVE」(ライヴ)は「LIVE」(リヴ=生きる」とダブルミーニングになっているのでしょう。

これほどの人生観、俯瞰力で歌を描けるということは・・・通して聴き終えるたびに、「常人ならざる地平に足を踏み入れたジュリー」を、浮世ですったもんだしてお天道様に恥じてばかりいる凡人の僕は考えてしまいます。
まるで悟りをひらいた「生き神様」を見るような、ね。

で、僕はこの新曲を「大悟ロック」であると勝手にジャンルづけしたのです。
もちろん、そんなふうに思えるロック・ナンバーはこれまで僕の知る限り古今東西存在しませんでしたが。

大悟=「たいご」と読みます。

これは仏教用語。
簡単に言えば、厳しい修行道程の、ある瞬間に「世の摂理すべてが分かった!」と突然「悟る」こと。
京極夏彦さんの『鉄鼠の檻』を読まれている方ならば、ご存知の言葉です。

「大悟。ただいま大悟いたした」
(『鉄鼠の檻』より)

一度は言ってみたい台詞ですが、僕のような者では生涯かけても無理でしょう。でも74歳のジュリーはこの新曲で堂々とそれを言っているように、僕には思えるんだよなぁ。
だから「一所懸命」ではなく「一生懸命」だとジュリーならば歌えるのです(これは最後の項で詳しく書きます)。

それにしても今回、いつも以上にジュリー独特の面白い言葉使いや表現が並んでいますよね。
そんな中で個人的に特に興味深いのは

諦めた時から 風がかわった
G             D    G            D

誰も知らない景色     も見たし ♪
G               D F#m(onC#) Bm

ここです。
「諦めた時」というのは「無欲」を会得した時なのでしょうが、「誰も知らない景色」というのは?

僕はこれが、あの『ジュリー祭り』のことだったら良いのになぁ、と想像しています。
僕のジュリーLIVE初参加にして「本格ジュリー堕ち」を果たした東京ドーム。それまで多くのロック・ステージを観てきた僕も、開演前から終演までのあんな空気管は初めてでしたし(当日はアリーナ席を羨ましく思ったけど、今は会場全体を一望できる2階席で良かった、と思っています)、ステージ上のジュリーから見てもそりゃあ凄い景色だったのではないかなぁ、と。

あと、これは細かいところですが「A級の不思議」という表現も面白くて。
僕は将棋ファンで、「A級」(順位戦の最上ランク)なる言葉に明快なイメージがあります。
230名もの将棋棋士のうち、「A級」に在籍できるのは僅か10名。しかも1年を通してA級9戦を闘い、最も成績の良かった1人が「名人」に挑戦できる代わりに、成績下位の2名はB級1組に陥落するという厳しいシステム(あの羽生善治九段ですら現在はB級です)。
棋士デビューして最初にランクインとなるC級2組からA級に辿り着くまでにはシステム上、最短でも5年がかかる道のりを考えても、正に「最高峰」を意味するのが「A級」です。

ジュリーがどういう経緯で「A級」という言葉を選んだのかは謎にせよ(「永久」と掛けてる?)、僕にはその言葉の気高さ、尊さが、「順位戦A級」のイメージと重なりヒシヒシと伝わるのです。
選ばれし者しか行き着けない場所に立ったジュリーが「A級ってこんな感じか~」と歌ってくれているような・・・曲中でとても好きな箇所のひとつですね~。

おっと、ジュリー自作の「曲」の方にも触れなければいけませんよね。
長くなってきましたので簡潔に。

大作にも関わらず冗長に感じないのは、ジュリーのヴァース構成が素晴らしいからです。

「複数の曲のアイデアを、1曲に纏めて投入する」作曲手法は、ポール・マッカートニーの得意技。
今回のジュリーの作曲は、それに近いことをやっているように思います。

まず確固とした「サビ」を作り、そこまでに至るヴァースに、別に温めていた作曲アイデアを惜しみなく継ぎこみ繋いでゆく、という手法。
例えば1番と、2番&3番のAメロ位置のヴァースは、コード進行もメロディーの音符割りもまったく違います。
2番&3番のそれは「ラップ」とまではいかないけど、細かく言葉を重ね16分音符で畳みかけてきます。実はこういうメロディーの載せ方は近年のジュリーは得意とするところじゃないかな。
「AZAYAKANI」で最初に手中にした音符割りの手法かと思います。

あと、やはり新バンド結成があったからでしょう、作曲段階からコーラス・パートを意識していますよね。
近い将来、もしLIVEでお客さんの声出しが解禁されたら、会場皆で揃って「ば~ばばば~♪」とか「じ~じじじ~♪」と歌いたいですよ(笑)。
いや、初めて聴いた時、ジュリーに「ばば~」とか言われて女性のファンの先輩方はどう思うんだろう?とか心配してしまったのですが、ジュリー道の師匠の先輩が「愛を感じる」と仰っていたのでひと安心(笑笑)。

ここでの「じじ~」はジュリーとしてはステージ側の自分とバンドを指していると思うけど、男性客の僕も仲間に入りたいので、その時が来たら楽しく「じ~じじじ~♪」 と歌いたいと思っています。


②「七福神(仮)」も気合充分!

ジュリー渾身最新の1曲に、バンドメンバーも全力で応えていますね。
GRACE姉さんのコーラス・ゲスト参加(女声ですし、やや左寄りの単独ミックスになっているので聴き取り易いです)も嬉しい!

まずは斉藤さんのアレンジの素晴らしさでしょう。
ジュリーの自作曲はずっと以前から、独特の小節割りが特徴のひとつでした(一方でコード進行も独特の作品が多いですが、今回の「LUCKY/一生懸命」についてはニ長調の王道です)。
職業作曲家とは異質のタイミングで意外な「間」があったりするわけです。

斉藤さんはその特徴をうまく生かし、特にジュリーが最初のサビ前に「everybody♪」と語るような感じで挿し込む小節の「間」に施されたアレンジは完璧で、曲中最も惹きこまれるジュリー・ヴォーカル部となりました。

他にもドミナント部に配された「間」にはあのザ・タイガース「廃虚の鳩」を彷彿させるようなフレーズを考案、演奏しています。
その音色は朴訥なオルガン系。最近の流行曲ではあまり耳にすることのできない良質なポップ性を感じます。
そう、今回のジュリーの新曲は、大作であるにも関わらず久々に「ポップ」で(これは強調したい!)、メッセージ性を邪魔しない「明るさ」や「軽さ」があります。それが斉藤さんのアレンジ(加えてバンドの演奏)と相性が良いのです。

例えば、いかにも鍵盤奏者ならではの王道分数コード・アレンジの採用。
何箇所かあるんですけど、ジュリーが歌いはじめる直前の「チャ、チャ~、チャ、チャ~♪」の和音が最も目立つでしょうか。
ここは「Em(onA)」。
なんとも優しげなドミナントで、僕はこのパターンの分数コードの理屈をポール・マッカートニー「しあわせの予感」(ウイングス名義)で覚えましたが、みなさまが絶対知っている曲だと、松田聖子さんの「赤いスイトピー」が挙げられます。
こちらも歌い出し直前で使われていますね。
いずれにしても究極にポップなアレンジです。

バンドの演奏に目を向けますと、まずドラムス。
お正月LIVEの記憶も新しい、平石さんの重厚な後ノリ・ビートがこの曲でも健在。冒頭Aメロの刻みがハイハットではなくキックってのが良いです。

依知川さんのベースは、高音からなだらかに下降するフレージングがマッカートニーしてますねぇ。
依知川さんは、ヴォーカル・パートとぶつからない裏メロを生み出すのが本当に上手いです。これは普段BARAKAでのプログレ志向あればこそ、でしょうね。

で、楽しくも悩ましいのがギターです。どれが柴山さんでどれが高見さんなのか、音源だけでは僕にはなかなか分からないという・・・。
演奏トラックは3つで、それぞれ左右とセンターにミックスされています。
左右のバッキング・パートについては、現時点では左が高見さん、右が柴山さんと見ています。
根拠は、右サイドの演奏に柴山さん得意のブラッシング音(ちゅく、ちゅく、ってやつね)を押し出したストロークが目立つこと。また右サイドでは、緒小額の「そのキスが欲しい」「サムライ」で魅せてくれた高見さんの「キュッ」とダウン・ピッキングで押さえ込むようなカッティングが聴けることです。
センターの間奏ソロはまったくお手上げで、渋谷初日の大きな楽しみにとっておきたいと思います。

当日は、僕の音楽仲間の中でも抜きん出てギターに精通している佐藤君が一所ですから、この曲のみならず各所奏法について終演後に色々と薫陶を受けられるでしょう。
本当に楽しみです!


③「一所懸命」と「一生懸命」

最後に、「”一生懸命”って僕らはよく使うけれど、実は凄くスケールの大きい言葉で、僅か限られた人しかそれはできないんだよ」というお話を。

僕の高校時代(国分高等学校・鹿児島県霧島市)の恩師は、地元では著名な歌人でもある末増省吾先生(現代文・古文・漢文)。
『源氏物語』に並々ならぬ愛情をお持ちだったということで、拙ブログではおもにアルバム『女たちよ』収録曲の記事で先生のことを書いています。

先生に教わった様々な事柄は今でも多く覚えているのですが、その中に「一所懸命」なる言葉があります。
現代頻繁に使われる「一生懸命」は元々「一所懸命」を誤用した熟語がいつの間にか定着したのだ、と。

「懸命」は文字通り「命を懸ける」ということ。
では「一所」は何かと言うとこれは「所領」なのですな。
戦国時代の武将が恩賞等で授かった土地。一武将はその「一所=所領)を護り司るために命を賭し精進した、それが言葉の由来です。

「今では転じて物事に必死に取り組むことを”一生懸命”と使うけれど、”一生”はあまりに手びろ過ぎる。我々凡人は”一生懸命”と大風呂敷を広げる才覚は持たない。だからお前たちも身の丈に沿って”一所懸命”に頑張りなさい」
と、末増先生はだいたいそんなふうに教えてくれました。
今思えば大学受験に向けての心構えの話だったのかな。そのあたりの記憶はもう曖昧なんですけど、高校生の僕が先生の教えを都合よく解釈し数学と理科を捨てて国語・英語・日本史しか勉強しなくなったことはは確かです(笑)。
まぁ普通の人ができることなんて限られているわけですし、欲張らずに「一所」に集中して努力すれば、そこそこの成果は得られる・・・僕も受験についてはそれを身を持って体験しました。

ただ、世の中には凡人には及ばぬ凄い人が稀にいて、「一所」に留まらない「一生懸命」を堂々と掲げることができるのです。
具体的に挙げるなら、これはもうジュリーですよ。

ジュリー自身は自分のことを特別な存在と思っていないのかもしれませんが、その年齢、経験、実績、矜持は「一生懸命」を掲げるにふさわしい。
ジュリーの歌人生は悠々そのレベルです。

Ohイーヤーエー SoイーヤーOh
               D                      D7

一生懸命 ♪
G        D

一生懸命(分の)LUCKY。
ジュリーはおそらく「一所懸命→一生懸命」の由来は知っているでしょう。でも自分は「一所」ではなく「一生懸命」をやるのだ、と。
現状に甘んじることなく高みを見る。
自分にハードルを課す。
例えば「平和」を必死に考える時に「一所」では足りないのだと・・・そういうことじゃないのかなぁ?

僕自身はと言えば、「一生懸命」を実行するには器量が足らず、難しい。
終息の見えないコロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻、物価上昇、凶悪な暴力犯罪、今年も世の中では色々なことがあって、先の参院選の際にはあれこれ懸命に考えたけれど、「一生懸命」には辿り着けなかったように思います。
しかし正解が判らなくとも思考を止めることはするまい、とジュリーの新曲から力を貰えているような気がする・・・僕もいよいよジジイな年齢ですが、未来を信じもう少しだけ「生きて生きたい」ものです。


それでは次回更新、ツアー開幕前までにもう1本、セトリ予想(と言うか、佐藤君のために作った予習用CDの曲目紹介笑)記事を書きます。
みなさまの予想とどのくらい重複しているか、または、かけ離れているか(汗)・・・どうぞお楽しみに!

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2022年7月10日 (日)

投票を終えて

未曽有の凶悪事件から2日、参院選は予定通り行われ、夫婦で投票を済ませてきた。

僕は護憲派である。
だから、特に2010年代中盤の安全保障、武器輸出等の法解釈変更や改正にあたり、当時首相の安倍さんに反発する文章をこのブログでも時折書いてきた。中でも「un democratic love」の考察記事では相当突っ込んだことも書いた。

読む人が読めば、そのような僕の文章は「左」に見えているのだろう。そうならそれでも構わない、と思っていた。

しかし。
2日前の銃撃により亡くなった安倍さんについて、とても人が凶悪な事件で命を落としてしまった時に発信する類のものとは思えない、信じられない酷い発言をする人達が少なからずいた。
不条理な暴力の犠牲となった安倍さんと、ご家族や周囲の人達のやり場のない悲憤を何と心得るのか。人の痛みが分からないのか。
僕は、そのような輩と一緒にされたくはない。

最も愕然とさせられたのは、立憲民主党の重鎮、小沢一郎氏の発言である。
今回の事件についてコメントを求められた小沢さんは、こんな時であるのに、まるで自業自得とばかりに故人を批判し、「安倍さんの災難は、参院選で自民党有利に働く」という下衆な「票読み」まで口にした。
たとえ理念は違っても、同じ政治家ではないのか。
志半ばで凶弾に斃れた憂国の士の最期に際して、言わなければならない言葉であったのか、それは。

実は僕は経世会時代から小沢さんを応援していた。自民党を割って新生党を作った時も支持した。
その後、大下英治さん一連のノンフィクション小説を読み、登場する政治家達の中で特に小沢さんの剛腕に改めて惹かれ、リスペクトを持った。所属の党は次々に変わっていったが、政治家個人としてずっと応援してきた。

だが、今現在の小沢さんには「人の苦しみ、悲しみに寄り添う」政治を掲げる器を持ち得ないことが、この発言により露呈した。
即刻、政界から身を退いて頂きたい。

そんな小沢さんに対して「注意」などという対応しかできない党に、僕は今回投票するわけにはいかなくなった。
生涯僅か2度目となる、党名の記入をし帰宅した。

安倍さんのご冥福をお祈り申し上げます。

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2022年7月 4日 (月)

ザ・タイガース 「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」

from『ザ・タイガース/サウンズ・イン・コロシアム』

Soundsincolosseum_20220702115201

disc-1
1. ホンキー・トンク・ウィメン
2. サティスファクション
3. スージーQ
4. アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー
5. ルート66!
6. ドッグ・オヴ・ザ・ベイ
7. ザ・ビージーズ・メドレー
8. ルーキー・ルーキー
9. コットン・フィールズ
10. 監獄ロック
11. トラベリン・バンド
12. ラレーニア
13. ホワッド・アイ・セイ
disc-2
1. 都会
2. ザ・タイガース・オリジナル・メドレー
3. スマイル・フォー・ミー
4. 散りゆく青春
5. 美しき愛の掟
6. 想い出を胸に
7. ヘイ・ジュテーム
8. エニーバディズ・アンサー
9. ハートブレイカー
10. 素晴しい旅行
11. 怒りの鐘を鳴らせ
12. ラヴ・ラヴ・ラヴ

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ジュリーの新曲考察の前に、今日はタイガースです。

7月4日は、敬愛するタイガースファンにしてジュリーファンの先輩である真樹さんの命日。
4年が経ちました。あっという間と言えばそうなんですけど、そのあっという間の期間に、真樹さんとお話したいことが溜まりまくっているという・・・、
すなわちジュリーの活躍いまなお留まるところを知らず、ということなのですね。

毎年この日はタイガースのお題記事を真樹さんに捧げていますが、昨年同様に『PEEが奏でる「四谷左門町LIVE」』にセトリ入りした、タイガースの代表的な洋楽カバーの中で『サウンズ・イン・コロシアム』にも収められている曲をお題に選びました。
田コロで「CCRの曲をお届けしました」と熱唱を終えた後に「水もしたたるなんとやら」とのジュリーのMCでお客さんが「キャ~!」となっている「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」です。

タイガース・リアル世代の先輩方にとっては懐かしい1曲なのではないでしょうか。
今日もよろしくおつき合いください。


①ザ・タイガースとCCR

僕がCCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)のオリジナル・アルバム7枚すべてを聴いたのは、ここ数年でのことです。
気にはなっていたバンドでしたが何故か長年、しっかり聴く機会を逸していたんですよねぇ。

聴き始めたきっかけのひとつというのが他でもない、「瞳みのる&二十二世紀バンド」のLIVEで「グッド・ゴリー・ミス・モーリー」を生体感したから。
タイガースファンの先輩方の多くがずっと以前に経験されたであろう「タイガースの演奏を聴いて、カバー元の洋楽曲に興味を持つ」パターンを、40数年後に僕も違った形で追体験したわけです。
聴いてみるとCCRは僕にとってとても波長の合うバンドで、気に入ったいくつかの名曲は今ではコード進行まで頭に叩きこんでいます。

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さてこのCCR、左門町LIVEに向けてのスタジオ・リハにてピーさん曰く
「有名な曲は意外とカバー(CCRのオリジナル・ナンバーではない)が多いんだよね」
と。
言われてみれば確かに。
タイガースがカバーしたものでも(つまり、「カバーのカバー」ということになりますか)「スージーQ」「コットン・フィールズ」「グッド・ゴリー・ミス・モーリー」そして記事お題の「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」がそうです。
もちろんジョン・フォガティが書いたCCRオリジナルも、有名な「雨をみたかい」や個人的に彼等のナンバーで最も好きな「ローダイ」、タイガースが『サウンズ・イン・コロシアム』で披露している「トラベリン・バンド」
等素晴らしい名曲ばかりですが、カバーのヒット曲、有名曲が多いことは事実。
でもタイガースはそれらの曲を「CCRのカバー」としてそステージで採り上げていたようです。

CCRは、決して演奏力が特に秀でたバンドというわけではありません。
「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」を同じ短調3連の「ハートブレイカー」(グランド・ファンク・レイルロード)とそれぞれ原曲比較すると、GFRの方は超絶に上手い。リズムも安定していますし各パートの手数も多いです。
ただ、どちらのグルーヴが好みかと言われれば僕は明快にCCRの3連符の方が好きなんですね。曲想は近くても、そのくらい原曲の感覚は違います。

ところがこの2曲、タイガースがカバーすると驚くほど似ていてグルーヴの統一感が出てきます。やはりこれはピーさんとサリーさんのリズム隊の個性なのでしょうか。
ドラムスについては、CCRの奏法をピーさんがGFRにも応用させた感じ。「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」のドラムはCCR音源の段階で既にピーさんの得意技でもある「神出鬼没な鬼神ロール」が炸裂していますから。

タイガースも決して当時から「上手い」と表現されるバンドではなかったそうです。
ピーさんとサリーさんのリズム隊が後年の再評価を待たなければならなかっらことは意外な気もしますが、CCRとの演奏観がよく似ていたことは特に『サウンズ・イン・コロシアム』での「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」を聴けば明らかで、やはりこのLIVE盤は名演オンパレードなのですねぇ。

リアル世代のファンにとって「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」は、「ホワッド・アイ・セイ」と並び、LP1枚目(disc-1)の目玉曲だったのではないでしょうか。


②PYGヴァージョンとの比較

先の左門町LIVEで主催のYOUさんがこの曲のセトリ入りを決めた際、ピーさんはじめバンドメンバーに配布した参考音源は『FREE with PYG』のヴァージョンでした。
間奏ギター・ソロをPYGでの堯之さんのフレージングで再現したい、との狙いがあったそうです。
YOUさん曰く「堯之さんが弾いたソロの中でこれが一番長いんだよね」と。
ただし小節割りはCCRのオリジナルもタイガースも同じですから、「一番長いギター・ソロ」は3つのバンドすべてについて言えそうですけど。

僕の印象では、タイガース・ヴァージョンとPYGヴァージョンで大きく違うのはまずドラムのフィル、そして何と言ってもジュリーのヴォーカルなのですね。

タイガース(田コロ)でのジュリーは、CCRの音源を忠実に再現しようと丁寧に歌っています。
歌詞フレーズや歌の抑揚を間違えないようにと腐心する、なぞるような歌い方・・・「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」のメロディーは、業界用語で言う「講釈」(いわばトーキング・スタイル。ボブ・ディランや吉田拓郎さんの歌をイメージして頂ければ分かり易いと思います)に近いものがありますので、ジュリーもその点稽古を重ねたのでしょう。

これがPYGになると突然ソウルフルなジュリー・ヴォーカルへと変わります。
講釈のスタイルを歌い慣れてきた以上に「こう歌うのが自分の解釈」という主張が出てきています。フレーズも部分部分で端折ったり、溜めを効かせてシャウトに繋げたりと、これは明らかに「ロック」であらんと意識して歌っていますね。
PYGというバンド自体に、ジュリーをしてそうさせる雰囲気があったのでしょう。

然るに、技巧的または情熱的と表現できるのはPYGのヴァージョンなのですが、じゃあ僕が個人的にどちらのジュリー・ヴォーカルが好きかと問われれば、これがタイガースの方なのです。

僕はよく『JULIE Ⅱ』(一番好きなジュリー・アルバム)収録曲についてある意味ジュリーは「歌わされている」状態のヴォーカルだと書きます。
それは若きジュリーの場合悪い意味では決してなくて、「これを歌って」と提示された時、「自分は歌が上手い歌手ではない」という自覚(そんなことは全然ないのにね)から、その素材を素直になぞる、楽曲に対して無垢なまでに対峙するという姿勢が、素晴らしい「ジュリーの歌」を目覚めさせるわけで、田コロの「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」でも同じことが起こっているんですよね。

LIVEではそれが起こり易いのかな。ソロになってからも「ウィザウト・ユー」なんかはそうですから。

もちろん、PYGヴァージョンも素晴らしいんです。「どちらも生で観たよ」という先輩方が「わたしはPYGの方が好き」と仰ることも充分考えられると思っています。
僕の好みや考察は結局「後追いで、音源だけで聴いている」絶対的なハンデがあることを自覚した上で、個人的にはタイガース・ヴァージョンを推す、ということです。さてみなさまはいかがでしょうか。


③左門町LIVEの「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」

せっかくですから最後は、5月に開催された『PEEが奏でる「四谷左門町LIVE」2022』でのこの曲のピーさんの熱演について書いておきましょう。

主催のYOUさんが今年のセットリストを決め、それを受けたピーさんが自宅での稽古を開始する中「一番厳しい。もしかしたらドラム叩き語りは無理かも」とも当初言っていたのが実はこの曲。
ピーさんがドラムに専念し、YOUさんがリード・ヴォーカルをとる案も出ていました。
しかしそこはピーさん、「無理難題に直面すると燃えてくる」という負けじ魂を滾らせて稽古を重ね、LIVEにご参加のみなさまならば御存知の通り、見事この難曲を仕上げてきました。

難しかったのはヴォーカルの抑揚だそうで、オリジナル音源を何度も聴いて語感を頭に叩きこんだそうです。
「(タイガース)当時は考えたことなかったけど、今にしてLIVE音源を聴くと沢田も早口に苦労していたのがよく分かる」と。

ピーさんの場合は加えてドラム演奏があります。
「ハートブレイカー」とよく似た重厚な3連符パターン。ピーさんとしては特に打点が強くなるリズムです。
結果、今年の左門町セットリストでは「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」→「エニーバディズ・アンサー」→「ハートブレイカー」という怒涛のコーナーが生まれ、ドラマー・ピーさんのステージ真骨頂となったのでした。

スタジオ・リハでも「しんどい、しんどい」と言いつつ自ら「もう1回!」と闘志むき出しの3曲(おかげで「ホンキー・トンク・ウィメン」の演奏が楽に感じる、とも)。
あまりに強い打点を誤ってリムに打ちつけた際には思わぬ指流血シーンも。それでも「出血大サービス!」とギャグを飛ばし心配する僕らを笑わせてくれるという。
そして本番ステージでは、稽古の苦労や当日3ステージの疲労をものともせずに「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」の詞の内容について
「お前に魔法をかけてやる。お前は俺のものだ!っていう歌です」
とサラリとカッコイイことを言ってお客さんを喜ばせるピーさん、やはりスターですな~。

不思議なもので、こうして何度も近い距離でピーさんの演奏を体感した上で改めて『サウンジ・イン・コロシアム』を聴くと、今までは(当時のミックス技術の関係で)よく聴きとれていなかった「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」での細かいキックが耳に入ってくるんですよね。
ピーさんのドラムスは豪快なフィルがまず明快な魅力ですが、通常箇所での独特なスネアとキックのコンビネーション、これが一番の持ち味なんだなぁと再認識した次第です。


それでは次回更新は、ジュリーの新曲「LUCKY/一生懸命」を書きます。
カップリングの「TOKIO2022」はツアーが始まってからにする予定(柴山さんのカッティングが昨年のツアーの演奏と同じかどうか確認したい)。

気合を入れて「LUCKY/一生懸命」を考察してから、満を持して『まだまだ一生懸命』ツアー渋谷初日を迎える所存・・・頑張りたいと思います!

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2022年6月25日 (土)

沢田研二 「人生は一場の夢 Ⅳ」

from『act#5 SHAKESPERE』、1993

Shakes1

1. 人生は一場の夢 Ⅰ
2. 人生は一場の夢 Ⅱ
3. 丘の上の馬鹿
4. 人生は一場の夢 Ⅲ
5. Sailing
6. 人生は一場の夢 Ⅳ
7. Lucy in the sky with Diamonds
8. 愛しの妻と子供たち
9. タヴァン
10. 悲しみのアダージョ
11. アンジー
12. レディー・ジェーン
13. 私は言葉だ
14. I am the champion 孤独な

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6月25日です。
今年は、新譜『LICKY/一生懸命』を聴きながら、或いはタケジさんの作品集を手にとりながら祝杯を上げるジュリーファンが多いでしょう。
(27日註:タケジさんの作品集、発売延期になったんですね。昨日知りました。徹底的な修正のため発売時期がずれこむパターンは、小さな出版社に勤務する身としてはよく分かります。陰ながら応援しています!)

ジュリー、74歳のお誕生日おめでとうございます!

Paper31

↑ 毎年恒例、「ありがとう」と言ってそうなジュリーのショット。
 これ本当はあとひとまわり大きいサイズのポスターなんですけど、我が家でのスキャンはA4が限界・・・(泣)。

僕は先週3度目のワクチン接種を受けまして、昨年の1、2回目ほどではないものの今回もなかなかの副反応に往生しているところ。
やはり体質なんですかね・・・周囲ではまったく平気な人も多いのに。

そうでなくても関東圏は昨日からやたらと暑いし、ヘロヘロの状況の中、それでも6月25日の更新は外せない!ということで、短い文量で恐縮ですが今年のこの日もactシリーズから1曲、お題を借りて書いていきます。
よろしくおつき合いください。


選んだお題曲はact5作目『SHAKESPERE』から「人生は一場の夢 Ⅳ」。

作詞・加藤直さん、作曲・cobaさんのact黄金コンビのアレンジを異にした連作は「Ⅰ」から「Ⅳ」までありますけど(少なくとも『CD大全集』だと4曲。僕は未だに映像を観ていません汗)、個人的には「Ⅳ」が一番好きです。
4作の中では唯一のロック調で、豪華なカバー曲との共鳴が高いアレンジ、そして歌詞(「1」~「Ⅳ」それぞれ微妙に違いますよね)が気に入っています。

メロディー部とは独立した「テーマ」のような形で
「C→E♭→F→G」
という尖った進行があり、あとひと月に迫った全国ツアーで個人的にセトリ入りを要チェックしている「希望」に同じ理屈の進行が登場がします(あと「処女航海」(タイガース)「悲しき船乗り」「恋のバッド・チューニング」「KI・MA・GU・RE」「熱愛台風」等にも似た進行あり)。
これぞ「ロックなコード・リフ」なんですよねぇ。

特にジュリーが歌い終わってから、この進行部に載せて大暴れするゲタ夫さん→cobaさん狂乱のソロ・リレーが素晴らしい!


『CD大全集』で初めて楽曲タイトルを見た時すぐに連想したのは、有名な司馬遼太郎さんの『龍馬がいく』で知っていた、坂本龍馬の名言でした。
僕のような凡人にはなかなか合点し難いながら、崇高な真理ではありましょう。

act『SHAKESPERE』で加藤さんは「人生は一場の夢」であるとし(そもそもが「芝居」の作中歌なのですからね)、舞台のトータル・コンセプトとなりました。
映像を観ていない僕でも歌詞の違いに着目すれば、「Ⅰ」から「Ⅳ」までがそれぞれ時の流れを辿っていて、「Ⅳ」になると「お前の舟を七つの海を我がもの顔で」というように、主人公(シェイクスピア)が名声を成し自らの舟(龍馬のいう「舞台」と同義でしょう)は大きく威容のものとなり、そのぶん背負う(積んでいる)ものも増えて、さらに広い世界へ打って出ていこうとしている・・・そんなふうに歌詞解釈できます。

シェイクスピアやジュリーのように特別な人生とは格の差があるにせよ、凡庸たる身にも「歳月を重ねて自分の舟がグレードアップしてゆく」「我がもの顔、とは行かないまでも自分の旗を自然に掲げて世を闊歩し始める」感覚というのは年齢とともに出てくるわけで。なるほどなぁ、と改めて今回「Ⅳ」をしみじみと聴いた次第です。

ジュリーの歌人生はこの「Ⅳ」の時期が驚異的に長い。
いつから『Ⅳ』の段階に入ったかと言えば、世間的には歌謡大賞をとった時とかレコード大賞をとった時とか、それは70年代から既に、ということになり得ますが、ジュリー本人の感覚だとやっぱり独立した時なのかなぁ。
いや、それこそ新曲の詞にある「あきらめた時」なのかも。それがいつかなのかはジュリー自身にしか分からないけれど、そんなに若い時じゃなさそうですよね。

いずれにしても今74歳、ジュリーの舟は他に類を見ない独自の動力と研ぎ澄まされた積荷とともに、七つの海どころかその遥か果てへの航海途上、というのがファンとしては嬉しい。

正しく「まだまだ一生懸命」なジュリーが全国ツアーでどんな歌を歌ってくれるのか・・・。
7月からの各公演に期待しましょう!

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2022年6月16日 (木)

瞳みのる 「久しき昔」

from『久しき昔』、2021

Lomglomgago

1. Game Over
2. 三都物語
3. 東下り物語
4. 何時か何処かで(旅立ちの歌)
5. 久しき昔

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首を長くして待っていた新譜、さらには重量3.5kgにも及ぶというタケジさんの作品集の発売情報の解禁と、今年の6月25日に向けてジュリーファンのテンションが上がりまくっている今日この頃です。
うっとおしい梅雨の季節を吹き飛ばすような、嬉しいジュリー誕生月となっていますね。

さてそんな中、拙ブログでは今日はピーさんのLIVEレポをお届けいたします。

去る5月15日、年長のタイガースファンの友人・YOUさんが主催する『PEEが奏でる「四谷左門町LIVE」2022』が、四谷のライヴハウス『LOTUS』さんにて開催されました。

タイガースゆかりの地、左門町。
3年目となるこの企画LIVE、今年も僕は引き続きスタッフとしてお手伝いさせて頂き、おもにバンドメンバー用スコアの手配、ピーさんが使用する歌詞カンペの作成、当日のコーラス・エフェクト操作の重責を担いました。

2~3月の尿管結石騒動があり、過去2年と比べて僕の準備作業は日程ギリギリまで遅れてしまったのですが、今年のセットリストはカバー曲が市販のスコアで揃う曲ばかりだったので採譜の負担が軽減したことも幸いし、なんとか任務をまっとうすることができました。

今年も盛り上がりましたよ~!

レポ本題に入る前に、まずは今日の記事お題とした名曲「久しき昔」について少し書いておきます。

昨年リリースされたピーさんのミニ・アルバム『久しき昔』のタイトルチューン。
アルバム全体がテーマ性の高い名盤でしたが、僕は特に「久しき昔」という曲が大好きになりました。個人的には過去のピーさんのソロ作品の中で1番です。

夜天(よぞら)一杯 星屑を
G                                D

喜び一杯 幸せを
Em                Bm

悲しさ 寂しさ 切なさ 虚しさ
   C         G          Am      Em

乗り越えて ♪
C         D     Am7  D7

初めて聴いた時、無性に旧い友人と酒を酌み交わしたくなりました。
そういえばYOKO君達音楽仲間ともコロナ以来、大勢で集まって飲むという機会がありません。それまでは少なくとも年に1度は皆で集まっていたのに・・・と、そんな感慨もあって、「久しき昔」でピーさんが何度も繰り返す「一杯♪」のフレーズが心に沁みたのでした。

では、ピーさん御本人はどのような思いでこの詞を書かれたのでしょうか。

僕がまず想像したのは、中井さんの尽力もあり、ピーさんが30数年ぶりにタイガースのメンバーと再会を果たした酒席の情景でした。
これはおそらくタイガースファン、ピーファンのみなさま同様に頭に浮かぶのではないかと思います。
数々の想い出が一瞬で現在へと繋がり、メンバーそれぞれが抱えていたかもしれないわだかまりすら瞬時に溶けてゆく、そんな「一杯」です。

この解釈が合っているのかどうか・・・YOUさんとも事前にそんな話をしていました。

秋の大空 一杯の爽やかさ
 Em    Bm     C            G

君が戻ってきたから
Am

君 君 君だけに ♪
 C                 D7

「君だけに♪」のフレーズから、僕らはどうしたってタイガースを連想してしまいますよね。

そこで、さすがはYOUさんです。
LIVEに向けての初回スタジオ・リハを終えた後、それこそ一杯やりながらズバリ「久しき昔」の詞についてピーさんにこう尋ねました。
「”君”って誰のことですか?」

ピーさんの答えは
「聴く人によって色々な解釈をしてくれればいい」

例えば、聴き手が実際に長年離れていた誰か特別な人と再会した経験があるのなら、”君”はその人のことになるのだ、と仰るのです。

「僕がお客さんの前で歌ったら”、君”は聴いてくれているファンのことになるし、タイガースのメンバーからすると、”君”が僕(ピーさん)のことになるだろうしね」
と。

元々この歌の制作は、有名なスタンダード唱歌として知られる「Long Long Ago」(邦題「久しき昔」、ベイリー作)にピーさんが新たな詞を書いてみよう、と考えたところからスタートしたのだそうです。

Longlongago
『世界抒情歌全集/第一巻』より

しかしこのテーマに取り組むとなるとやはりピーさん、特別過ぎるご自身の体験があるわけですから・・・。
どんどんアイデアが膨らんでいって、詞は完全にオリジナルとなり、KAZUさんがまったく違う曲をつける、という流れとなりました。

個人的には、ピーさんの作詞コンセプト、KAZUさんのメロディーいずれも同窓会期のアルバム『THE TIGERS 1982』ラスト収録の大好きなバラード「朝焼けのカンタータ」(タローさんの作曲作品では1番好き!)と不思議によく似ていることにも感動させられます。
「朝焼けのカンタータ」で描かれた「君」との再会は10年ぶりですが、タイガースの目線ならこちらはその3倍以上もの歳月。
正に「久しき昔」です。

よって僕らタイガースファンは「これはピーさんとメンバー再会の歌だ!」と考えることこそ自然。

ピーさん自身が「大好きな歌」と語っていますし、生のLIVEでのヴォーカルは特に気持ちが入っています。
『PEEが奏でる「四谷左門町LIVE」2022』においても、この曲がセットリストの(配置的にも)目玉であったことは間違いありません。


さぁ、それではいよいよセトリに沿ってLIVEレポートを書いていきたいと思います。

今年もピーさんは(YOUさんとバンドメンバーも)超人的な活躍で1日3ステージを完走しました。
分かり易いように、10;00~からの公開リハーサルを「朝の部」、14:00~からの本番第1ステージを「昼の部」、18:00~からの本番第2ステージを「夜の部」と明記することとします。
「夜の部」については今年もアーカイブ映像を販売中です(今年の11月が購入&視聴期限となりますのでどうぞお早めに。詳しくはこちら!)。
アーカイブを鑑賞しながら読んで頂ければなお嬉しいです。よろしくお願い申し上げます!


1曲目「花・雨・夢」
(PYG「花・太陽・雨」)

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シングル・ヴァージョンのカバー。
これはタイガースファンのお客さんもよくご存知の曲・・・なのですが、「朝の部」でしたか、MCでYOUさん曰く「あれっ、と思ったでしょ?」と。
そう、今回のセトリ入りにあたってピーさんがかなり歌詞を変えて歌ったのです。

ただ「少し詞を替えるよ」とピーさんから事前に聞いていたというYOUさんも、さすがに楽曲タイトルまで変わるとは思っていなかったようで、初回スタジオリハ直前に全容を知り驚いていました。
箇所によっては文字数も増えたり減ったりしているので、一緒にヴォーカルをとるYOUさんは(ショーケンのパートを歌います)、ピーさんと抑揚をキッチリ合わせるまでにはかなり稽古の時間を費やしたようです。

詞を変えたことについてピーさんはまず
「単語を連呼する箇所なんかは、どうしても韻を踏みたくなる」
と、漢詩の専門家としての血が騒いだ(?)ことがきっかけだったそうです。
LIVE当日のMCでは
「岸部の詞だから容赦なく変えさせて貰いました(笑)。阿久悠だったらそうはいかない」
とお客さんを笑わせてくれましたが、僕がカンペ作成のためにピーさんから頂いたワードのデータでは、きちんとオリジナルの詞も全篇明記した上で「改稿」という形で下座にご自身の新たな詞を併記していらっしゃいました。
盟友・サリーさんへのピーさんのリスペクトがさりげなく垣間見え、改変ヴァージョンの詞をいち早く目にできた僕は本当に役得だったと思います。

結果どのように詞が変わったか・・・気になるみなさまは是非アーカイブを購入し確認してみてください。


2曲目「遠い渚」
(ザ・シャープ・ホークス)

Tooinagisa

3年前にこのLIVEをお手伝いさせて頂くようになった時から、ピーさんがタイガース以外のGS名曲群のお話をされるたびに「この詞はイイんだよ~」と推してくださっていた曲、満を持して今年はセトリ入りです。
ところが初回スタジオリハ、通しで叩き語りしてみたピーさんは
「エンディングの繰り返しが長いね・・・どれだけ未練があるんだ!(笑)」
ということで、ゆうさんバンドの演奏ではリフレインを短めに、サクッと潔く終わることになりました。

YOUさんは「この曲のピーさんのヴォーカルは、オリジナルに近い雰囲気がある」と、選曲の手応えを感じていたご様子。
GS世代のお客さんにとって、懐かしい1曲だったのではないでしょうか。


3曲目「朝まで待てない」
(ザ・モップス)

Asamadematenai

オリジナルと比べ、ピーさんが演奏するとドラムもヴォーカルも若干テンポ速めのハードなビートに変貌するのが面白いです。

リアル世代ではない僕は、この歌が阿久悠さんの作詞デビュー曲であることも今回YOUさんから教わって初めて知ったという(恥)。
ただ、タイトルだけではピンと来なかったのに音源を聴いたら「ああ、この歌か!」と。
不朽の有名曲であることは間違いないですね。

コーラス・エフェクトは高低3度を採用。
字ハモのパートだけではなく「hoo♪」と2番以降のAメロを包む箇所が重要なのです。

おーちゃんのソロは音階がサイケっぽくてカッコ良かったなぁ。


4曲目「夢見る少女じゃいられない」
(相川七瀬)

Aikawa

YOUさんがブログで今年の左門町LIVEについて「みなさんがあっと驚くようなカバー曲もある」とアナウンスされていたのは、たぶんこの曲のことかな。
なにせ僕も今年始めにセットリストを知らされた時、これには「え~っ?」と驚きましたから。

YOUさんによれば「何気ない時にこの歌が流れているのを聴いて、ハード・ロック調で良いかもと思った」とのことなのですが、ピーさんは選曲の理由を深読みされたそうで、「色つきの女でいてくれよ」で描かれた「乙女」が成長し「少女」となったというコンセプトでしょ?とYOUさんに尋ねられたそうです。YOUさん、逆にビックリ(笑)。
僕はこのピーさんの深読みと言うか、自身が何事かに取り組もうとする際に明確な動機づけを持とうとする姿勢にメチャクチャ共感します。

オリジナルは嬰ハ短調で、スタジオリハは当初そのままのキーでやっていたのですが、さすがのピーさんも女声のキーに合わせるのは大変(しかもピーさんのアイデアでエンディングにドラム・ソロ・パートが導入され演奏も相当ハードに)ということで、最終リハで嬰ヘ短調に移調してのカバーです。

本番は「昼の部」は完璧、「夜の部」はピーさんが2番を端折った(後に控える渾身のドラム・ソロ・フレーズの組み立てに集中されていたのでしょう)ものですから超ショート・ヴァージョンに。
バンドメンバーは即座に対応し、見事ピーさんに合わせきりました。


5曲目「ホンキー・トンク・ウィメン」
(ザ・ローリング・ストーンズ)

Honkytonkwomen

今回のセトリはタイガース・オリジナルは「ラヴ・ラヴ・ラヴ」1曲のみでしたが、「タイガースファンお馴染みで、まだ披露していない洋楽カバーを」とのYOUさんの狙いがあり、これはストーンズファンの僕としても貴重な体験となった1曲。
せいこさんが楽曲通しての肝であるカウベルを担当し、イントロの数打だけでこの曲と分かったファンも多かったでしょう。

シンプルなブルース進行ながら面白いアレンジ構成の名曲で、Aメロまでは待機するかまちゃんのベースが噛んでからのサビの盛り上がりが独特です。

ピーさんのヴォーカルは、「divorcee」「rosese」の語尾の粘りがカッコイイです。
「夜の部」では前曲ほどではなかったのですが若干のショート・ヴァージョンに。
おーちゃん(「野生のカン」を持つ男笑)が咄嗟にソロを弾きまくってリカバーしたので、その点気づかなかったお客さんもいらしたかもしれません。


6曲目「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」
(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)

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引き続きタイガースファンお馴染みの洋楽カバーですが、こちらはスタジオリハ段階からPYGのカバー・ヴァージョンでゆうさんバンドが取り組みました。
YOUさん曰く「堯之さんが弾いたソロの中でこのヴァージョンが一番長い」という。
実は今回、2年前の左門町LIVEに参加した堯之さんと縁深いギタリスト、タイラーさんがゆうさんバンドに復帰予定で、YOUさんがPYGヴァージョンを採り上げたのもその点があったと思うのですが、残念ながらタイラーさんはどたん場でスケジュール都合により不参加となり、ギタリストはおーちゃんに交代。
残すところスタジオリハ1回、というギリギリになって代役を快諾したおーちゃんも凄いですが、急遽この「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」のソロを買って出たYOUさんも凄い!
この曲はピーさんも「叩き語りは今回これが一番大変」と語っていただけに、YOUさんは「俺がなんとかせねば」との思いだったでしょう。
当日YOUさんにはこのソロで「ピーさんとシンクロした感覚」があったのだそうです。

容赦のない3連符強打を繰り出すピーさんのドラムス・インパクトは「ハートブレイカー」にも匹敵。しかもこちらは「歌いながら」ですから。
みなさまにおかれましては、アーカイブでピーさんの熱演を再確認しつつ、コロシアムでのドラム演奏と聴き比べるみるのも面白いでしょう。


7曲目「エニーバディズ・アンサー
(グランド・ファンク・レイルロード)

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ここから2曲、ピーさんはドラムに専念。
「エニーバディズ・アンサー」は昨年好評につき今年もセトリ入り、今回はギター2本体制に戻ったこともあり、ヴォーカルはYOUさんが担当します。

個人的にはコーラス・エフェクターの操作が一番忙しかった曲。下3度、オクターブと箇所によってハーモニー設定を切り替えていくのです。
「sun...♪」と歌うメロディー最高音部のオクターブ設定については、3度のスタジオリハいずれもYOUさんが普通のメロディー音階を歌い、エフェクターでオクターブ上の声を作って重ねていたのですが、どたん場でYOUさんから連絡があり
「やっぱり俺、高い方で歌う!エフェクトはオクターブ下にして」
と。
「え~っ、大丈夫?」と思いましたが当日は見事歌いきったYOUさん、よくあの高い声が出せるものです。
常々「ヴォーカルには自信が無い」と言いながら、YOUさんは相当広い声域をお持ちのようですね。

ピーさんのドラムの迫力は言わずもがな、そしてここからの2曲はベースのかまちゃんの奮闘にも注目です。
これすなわち、GFRのリズム隊の凄さ、ひいてはそれをほぼリアルタイムでカバーしていたタイガースのリズム隊(ピーさん&サリーさん)の魅力が遡って分かろうというもの。
ピーさん曰く「当時の機材環境では、他のメンバーの音なんてほとんど聴こえていなかった」のだそうですから、なおさらです。


8曲目「ハートブレイカー」
(グランド・ファンク・レイルロード)

Soundsincolosseum_20220610200701 

左門町LIVEではもう定番。昨年同様、「エニーバディズ・アンサー」から間髪入れずメドレー形式です。ヴォーカルは引き続きYOUさんが担当。
今年は「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」も合わせ、特に「夜の部」ではピーさんのドラム「今年の左門町総決算」と言うべき怒涛のコーナーとなりました。

「ハートブレイカー」ではピーさんは特にドラマーの血が騒ぐのか、スタジオリハの段階から強打を繰り出し勢いあまってリムに指を打ちつけて流血するという一幕も。
それでも「出血大サービス!」と言って心配するメンバーを笑わせてくれるピーさんなのです。
これ以上の絶賛は今さら野暮というもの・・・「ハートブレイカー」へと結実するハードな3曲の流れ、ドラマー・ピーさんに思い入れのあるファンのみなさまにはアーカイブで今一度堪能して頂きたいです。


~トークコーナー~

ドラム演奏で全力を出し切ったピーさんにここでひと息、というYOUさんの配慮もあって毎年「ハートブレイカー」後に設けられている、お馴染みの友情漫才コーナー(笑)。

「去年は配信のことを忘れて、ちょっと脱線し過ぎてマズイことも言っちゃった」
と事前に反省していたピーさんですが、今年も脱線はとどまるところを知らず・・・貴重なお話の数々に加えYOUさんのツッコミも炸裂していますので、こちらも是非アーカイブにてご確認を!


9曲目「ムーン・リバー」
(アンディ・ウィリアムス)

Moonriver

ここからピーさんはヴォーカルに専念。ドラムスには左門町LIVE3年連続参加のけんさんが入ります。
毎年、自身の出番でない時もずっとドラムセット背後にスタンバイしピーさんを完璧にサポートするけんさん、常連のピーファンのみなさまからの支持が爆上がりしているようで、声援が飛びます(笑)。

トークコーナーの後は、ピーさんならではの訳詞がついた誰もが知るスタンダード・ナンバー・・・これまた左門町LIVEで確立したセットリスト配置。
一昨年の「ダニー・ボーイ」、昨年の「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」に続き、今年は「ムーン・リバー」。これら3曲すべて、ピーさんはオリジナルより高いキーで歌っているんですよ~。

スタジオ・リハでは「ロック畑」のメンバーが苦労する1曲となりましたが、シンセのせいこさんがリハの都度アイデアを加えてゆき、ゆうさんバンドとしての完成形を本番で迎えることができました。

ピーさんの的確かつ抒情味ある訳詞のフレーズ・センスは、今年の「ムーン・リバー」でも発揮されました。
1番を英語、2番を日本語で歌い進む中、ラストに登場する「素敵なひと/おさななじみ/あなたとわたし」というピーさんのフレーズがとても素敵です。


10曲目「東下り物語」
(瞳みのる)

Lomglomgago_20220611094301

昨年の左門町LIVEのレポで僕は「ピーさんは今、アルバム・リリースもできるくらい続々と新曲を作っている」と書きました。
当時製作中の曲の詞を見せて頂いたり、コンセプトを教えてくださったりしていたのでそう書いたのですが、やはり5曲入りミニ・アルバム『久しき昔』をはじめ、昨年後半のピーさんは新譜ラッシュとなりましたね。

「東下り物語」はその昨年のスタジオリハの際に詞を見せて頂いていた曲のひとつ。
「三都物語」と並び、明快に「虎の道のり」をコンセプトとしています。
リアルタイムのタイガースファンには特に響くであろう詞の内容について先輩方に教えて頂きたいことも多々あるのですが、アルバム『久しき昔』は素晴らしい名盤で、機会あらば各曲お題記事に取り組むことを考えていますので、「東下り物語」についてここでは左門町LIVEに絞って書いておきます。

本番までわすか2週間、スタジオリハは残すところ1回というギリギリの日程でギタリストの代役を引き受けたおーちゃんは、長年のキャリア、豊富な引き出しで悠々と難題をクリアしましたが、彼が参加することでそれまでのリハと雰囲気をガラリ変えたのが、この「東下り物語」でした。
おーちゃん曰く「俺の中ではこの曲はマイケル・シェンカー!」と。

なるほど、ハイ・ビートのシャッフル解釈ですか~。リハ初日からピーさんは自ら速めのカウント出しで歌おうとしていましたし、おーちゃんの演奏アプローチには「我が意を得たり」だったのではないでしょうか。


11曲目「明月荘ブルース
(瞳みのる)

Meigetusoublues_20220611094401

リリース時から「ずっと歌い続けていきたい」と語っているピーさんの言葉通り、左門町LIVEでも3年連続セトリ入りです。
YOUさんもスタジオリハで「これは名曲!」と毎年のように新メンバーに紹介していますし、自らが担当する間奏ギター・ソロにも気合が漲っています。

そうそう、ピーさんは
「明月荘のメンバー部屋割りは覚えているけど、四谷は誰と同部屋だったか記憶がハッキリしない」
のだそうです。
そのくらい大忙しの日々だった、ということなのでしょう。
「岸部か太郎のどちらかと一緒だと思うんだけど・・・ファンで誰か知ってる人はいないかなぁ?」と。

当時メンバー4人が暮らしていた四谷左門町のアパートはピーさん曰く
「セキュリティーなんてあったもんじゃないよ~」
とのことで、当時はファンにお風呂まで覗かれていたくらいだと言いますし、それももう時効ですから、部屋割りをよくご存知のかたはこの機に潔く手を挙げましょう!(笑)


12曲目「My Way ~いつも心のあるがままに」

Myway

こちらも3年連続セトリ入り。
原曲はフランク・シナトラのヴァージョンですが、カバー曲ながらこれは最早ピーさんオリジナルのような存在感がある名篇。ピーさんの人生を歌う大長編、セトリの配置もずっと変わりません。
おーちゃんが最後のリハで合流した際、「(詞が)13番まである」と知り唖然としていたっけ(笑)。

昨年までと変わった点は、まずキーを1音上げたこと(ハ長調からニ長調)。
さらにせいこさんのアイデアにより1番、2番は完全にピーさんの「語り」となりました。アレンジのバランスが良くなり、「語り」直後に導入するピアノがより生きるのです。

あと、おーちゃんは分数コードの利便性を考え2カポで演奏、YOUさんは「自分のギターで最も美しいクリア・トーンを採用」されたそうです。


13曲目「ラヴ・ラヴ・ラヴ
(ザ・タイガース)

Tigersblue

これまた3年連続、セトリには欠かせません。
「My Way」が終わってすぐに、けんさんがフィル・インを炸裂させる構成もこれまで通りです。

丸1日のステージを通し、最後まで声が持続するピーさんの喉は凄い・・・この曲の転調後の最高音を「夜の部」になっても難なく歌いますからね。

ちなみにメンバー紹介でせいこさんの担当楽器を「キーボード」ではなく「シンセサイザー」と紹介するのは、せいこさん御本人の拘り。
楽器業界では今は「キーボード=鍵盤楽器の総称」で、シンセもキーボードの1種になるんだけど、やはり本格的に鍵盤をやってる人からすると「キーボード」って言葉だと安価なもの限定のイメージがあるのかな。せいこさんのKORGは高そうだ~。

今年からライヴハウスのコロナ感染対策ガイドラインが変わり、人数制限をクリアしていればスタンディング&声出しOK(もちろんマスクは着用の上で)だったので、お客さん皆立ち上がって「PEE~!」と声援を送ってのセトリ本割フィナーレとなりました。


~アンコール~

14曲目「久しき昔」
(瞳みのる)

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一昨年、昨年とアンコールは1曲「Lock Down」のみでしたが今年は曲も変わって計2曲。いずれもミニ・アルバム『久しき昔』からの選曲です。
まずはタイトルチューンの「久しき昔」。
冒頭の繰り返しになりますが、僕はこの曲が大好きで、YOUさんとも”「明月荘ブルース」と並び、ピーさんがこの先長く歌い続けていくであろう大名曲”との考えで一致しています。

YOUさんは今回のセトリを決めた際、この曲を「今年の勝負曲」とバンドメンバーに伝えたのだそうです。
印象的なのはまずピーさんの熱唱。CD音源よりもさらにこのLIVEの歌の方が素晴らしいです。これ、本当にそうなんです。
スタッフとしての手前味噌ではありませんよ~。

さらにはイントロのベース・ソロ。かまちゃんは初回スタジオ・リハから完璧に仕上げてきていました。
ギター2本体制ならではのツイン・リードのハーモニーも見事再現。

そしてサビのコーラス。
YOUさんはユニゾンで歌っているのですが、エフェクター設定ではYOUさんの地声を消去した上でオクターブ上の声を作りセンド・リターンしています。
CD音源でのなおこさんのコーラス・パートを再現する狙いでしたが、いかがだったでしょうか。


15曲目「Game Over」
(瞳みのる)

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YOUさんはこの左門町LIVEを第1回(2020年)から継続して「対コロナ」の重要なコンセプトとしています。
それもあり昨年までの大トリ曲が「Lock Down」だったのですが、今年は新たに「Game Over」がその配置に選ばれとって代わりました。

これはおそらくアルバム『久しき昔』収録5曲のうち最も新しく作られたナンバー。
と言うのは、昨年の左門町LIVEの段階で僕は他4曲の歌詞は見せて貰っていて、その後国内でコロナのさらなる感染拡大が危ぶまれていた時期、ピーさんから「もういい加減にしてくれ!という思いで”Game Over”という曲を作っています」とメールを頂いたのです。
その時点で楽曲タイトルだけを知った僕は「沈痛な内容なんだろうなぁ」と想像したわけですが、いざアルバムがリリースされ聴いてみると意外や楽しい雰囲気の曲。歌詞も前向きで。なるほどこれはいかにもピーさんらしい、「Lock Down」と同じ系統だな、と思った次第です。

ゴキゲンなスカ・ビートはセットリストを締めくくるにふさわしく、「夜の部」ではピーさんが最後の力を振り絞り「陽気に羽目を外してしまえ!」と言わんばかりに2番からは表拍と裏拍をひっくり返しての大暴れ。
ピーさんの全力疾走に食らいつくけんさん、かまちゃん、せいこさん。
演奏自由度の高いギターの2人、YOUさんとおーちゃんはニッコニコで皆に合わせていきます。

先の「夢見る少女じゃいられない」もそうですが、このように今年は「何が起こるか分からないステージ」が、アーカイブ配信のあった「夜の部」に集中しました。
完璧にキッチリ纏ったのは「昼の部」でしたが、今年の「夜の部」はその意味で「1日3ステージを駆けるピーさんの魅力」を象徴する名演だったかと思います。



最後に。
毎年そうなのですが、僕にとって左門町LIVEは準備期間含め実際にピーさんにお会いして色々なお話を伺う機会、ということで夢のような時間を過ごせます。
お話は色々とある中で、じゃあ堂々とブログに書ける内容のものとなると・・・そうだ、今年はピーさん先生時代の「教え子」話の中で印象に残ったエピソードを、この場を借りご紹介しておくことにしましょう。

ピーさんはあの伝説のGSムーヴメント全体に深い愛着をお持ちで、タイガースに限らず様々なGSバンドについてよく話をしてくださいます。
確か初回スタジオリハ後の食事の際、どういう流れだったか「ズー・ニー・ブー」のお話になりました。
「辛うじてバンド名を知っている」程度の知識しか無かった僕が戸惑っていると、YOUさんが「ヴォーカルは町田義人さん」と助け舟を出してくれて、僕は「あぁ、『野性の証明』ですね!」と(町田さんのヒット曲である主題歌「戦士の休息」なら、僕はリアル世代です)。

そうしたら今度はピーさんの方が、『野性の証明』をよく知らないと。
YOUさんが「薬師丸ひろ子さんの出世作で・・・」と言うと「あぁ!」とピーさん、すかさず話を脱線(ピーさんの話術は脱線してからが真骨頂!)して
「僕の教え子に高柳ってのがいて、薬師丸ひろ子の映画の相手役として俳優デビューしたんだよ」
と。

『ねらわれた学園』の高柳良一さんですね。
これまた僕はリアル世代ですから、高柳さんが当時人気絶頂の薬師丸さんの相手役として一般オーディションで選ばれた、とのニュースはよく覚えています。
人見先生の生徒さんだったのか!

合格の報を受けた高柳さんは「まさか自分が」という心境だったらしく、「やるべきかどうか」とピーさんに相談されたのだそうで、ピーさんはしっかり背中を押してあげたのだとか。

時系列を整理すると驚くのは、そんな出来事のすぐ後にあのタイガースの「同窓会」があったわけで。
僕としては、いつもながらひょんなところでピーさんの人脈や稀有な人生に驚かされるパターンのお話なんですけど、ピーさんにとっては普通の思い出話、というのがまた不思議な感覚です。

さらにピーさんは
「そうしたら、高柳がその後出演した映画で高校生役をやったんだけど、先生役で岸部が出てたんだよ!しかもあろうことか漢文の先生!」
と、いかにも「遺憾」の表情を作って僕らを笑わせてくれました。

「もしかしたら、プロデューサーか誰かが僕のことを知ってたんじゃないかな」とピーさん。

調べたら、有名な『時をかける少女』がそれでした(残念ながら僕は観ていません)。
83年公開の映画ということですから、当時のピーさんとサリーさんの距離を考えると、タイガースファンとしてはなんとも言えない感慨があります。
「教え子の活躍を拝見」と映画を観たピーさんが、スクリーン越しとはいえ何とサリーさんと再会。しかも自分と同じ先生の役どころ、というね。
今となっては「ほのぼの」な逸話ですが。

そうそう、「教え子」話と言えば『夜の部』のトークコーナーでは「石原4兄弟」の話題が飛び出しました(兄弟全員がピーさんの教え子ではありませんけど)。
LIVEに来れなかったみなさまも、この話についてはアーカイブで視聴できますよ~。


ピーさんは本当に、僕のような者にも気さくにお話をしてくださいます。
それだけでも有り難いのに、僕はスタジオリハでは超特等席でピーさんのドラムを聴けていますから・・・身にあまる光栄としか言えません。

またピーさんには気さくさだけでなく、「この人のためなら」と思わせるオーラがあります(おそらくタイガースのメンバー全員が持つオーラでしょう)。
YOUさんを見ていれば、それが僕だけの感覚ではないことは歴然。左門町LIVEに関してYOUさんは御自身の体力的、精神的、時間的、経済的な負担まったく度外視で、万事ピーさんに尽くされていますから。

そんなYOUさんですが、来たる8月21日には同じ『四谷LOTUS』さんで、今度は自身が主役のLIVEを開催されます(詳しくはこちら)。
『ゆうちゃん三昧』という4年に1度の企画LIVEで、トークコーナーのゲストとしてピーさんも駆けつけます。
このLIVEも僕は毎回微力ながらお手伝いさせて頂いています。お時間のあるみなさまは是非!


というわけで、改めて。
ピーさん、YOUさん、ゆうさんバンドのみなさん、スタッフのみなさん、そして来場してくださったお客さん、当日は本当にお疲れさまでした。

僕自身も毎年貴重な経験を積ませて頂いています。
感謝、感謝です。またみなさまと左門町で再会できる日を待ち望んでいます!


それでは次回更新は、当然の6月25日。
お題を当日発売の新曲にして考察記事にできればカッコイイけど、僕の力量ではさすがに無理(汗)。
新曲はいずれじっくりということで、25日は近年恒例、actシリーズからのお題でジュリーの誕生日をお祝いしたいと思います。

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