2018年12月18日 (火)

2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その③)

連載第3回
『今年は休憩ナシ!疾走するオールド・マン』編



遅れました遅れました!
いやぁ、仕事自体はさほどではないのですが「飲み」の予定がたてこんでおりまして、休日にブログを書く時間が無いという状況下、今日は『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018』連載第3弾をお届けいたします。
セットリスト9~11曲目の3曲です。細かく刻んでいるので短い記事となりますが、早速まいります!


前回書いた『中華・台湾ポップス』コーナーが終わると、NELOさんのMCがありました。
二十二世紀バンド結成5年目、NELOさんはすっかりこのバンドの重鎮的存在となりましたね。ソロを弾きまくれば完全に主役級の腕前を持ちつつも、その「音」をヴォーカリスト或いはバンド全体のアンサンブルに捧げる、という豪朴なスタイルに、僕もすっかり心奪われています。根っからの「バンドマン」なんだろうなぁ。

MCではJEFFさん同様に、国内ツアーがこの日で最後となるのが寂しい、来年も是非やりたい!と。
まだ予定を決めていないピーさんの前で、お客さんを巻き込んでの来年のツアー直訴、といったところでしょうか。僕らはもちろん大きな拍手の賛同で応えます。
そして次曲の紹介は「ピーさんが作った曲を・・・」。
瞳みのる作詞・作曲ナンバーも年々増えてきていますが、さぁどれが来るでしょうか。

9曲目「朧月」

Oborozuki


↑ 帯を合体させてスキャンしたものです

芸能界復帰後のピーさんの「新たなキャリア」には本当に多くの特筆点がありますが、僕が最もリスペクトするのは「作曲」活動です。
元々、どんなベテランになっても「新曲へ向かう」気骨を持ち続けるアーティストの姿勢を好む僕としては、復帰後のピーさんがドラム演奏やリード・ヴォーカルのみに留まらず、「道」に始まる一連の新曲の作詞・作曲に取り組む姿勢・・・これは世間的にももっと高く評価され採り上げられるべきものと考えます。

「朧月」はピーさんの自作曲の中では最も優雅なメロディーで、どちらかと言うと唱歌寄りのアプローチかと思いますが、いやいや二十二世紀バンドをバックに歌うとロック性、オリジナリティーがとても高いんです。
僕はなおこさんとのジョイントLIVEを観ていないので比較はできないんですけど、直前の『中華・台湾ポップス』コーナーからの流れは、バンド・サウンドとしてガッチリ噛み合っている演奏、アレンジだと感じました。

10曲目「
老虎再来

Theroad

間髪入れずに続いたこちらの曲もファンにはお馴染み、ピーさん作詞・作曲のビート・ナンバー。
歌メロ直前のはなさんのクリシェするピアノ連打が個人的には大好物です。マーシーさんのドラムスもオリジナル完全再現でしたね。
またこの曲はピーさんとしては珍しくほとんど歌詞カンペを見ない・・・必然アクションが大きく、「ピー・ダンス」が炸裂する1曲でもあります。

で、僕はいつものジュリー・ツアー初日公演と同じく、演目数をカウントしながらセトリを覚えていました。
この「老虎再来」は10曲目。過去4年の二十二世紀バンドのLIVEは必ず前半・後半の間に着替えの休憩タイムがありましたから、僕はこのアップ・テンポなピーさんのオリジナル曲で盛り上げたタイミングでひとまず前半を締めくくるんだろうな、と考えたのですが、演奏が終わってもそんな気配は無し。
あれっ、前半にもう1曲やるのかな?と思って観ていると、次に始まったイントロは・・・。

11曲目「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」

イントロ一瞬では反応できません。確かに聴き覚えのあるイントロ・・・有名な洋楽のカバーか?と戸惑いました(いや、洋楽カバーには違いないのですが)。
数小節進んだところで「あっ!」と。思わず隣の先輩に「Y.M.C.A.」ですか?」と確認しました。
MCやパンフの解説文では特に言及が無かったのですが、当然これは今年亡くなられた西城秀樹さんへの追悼が込められた選曲でしょう。

子供の頃からよく知っているスーパースターであったり、大人になっていから知った憧れのアーティスト、プレイヤーであったり、もちろん自分の肉親や友人であったり、時にはあの痛ましい震災の犠牲となられた人であったり・・・感性の乏しさを自覚している僕は、そんな人達の思いもかけない訃報に接すると「一生懸命その人のことを考える」ようにまず心を砕きます。そうするといつも心に襲ってくるのは、今生きている自分の存在の傲慢さであり無力感です。
でも二十二世紀バンドのステージには、そんな気持ちをふるい落とす不思議な連帯感があります。
ピーさんがこの数年毎年のように「追悼」の名曲を採り上げてくれることは、故人を思えば寂しさの連続ではあるのだけれど、ピーさんのLIVEスタイルだからこそ毎年それができる・・・僕ら聴き手にとってはとても得難い、有難いことではないでしょうか。
例えば今年のこの曲。僕のような者でも何のためらいもなくスタンディング・ヴォーカルのピーさんに先導されて「Y.M.C.A.」の決めポーズを繰り出せる、そんな雰囲気がピーさんのLIVEには毎年あるのです。

それにしても懐かしい・・・。
西城さんの「YOUNG MAN」は僕が小学6年生の年のスーパー・ヒットです。「洋楽カバー曲はノミネート対象外」という事項が無ければブッちぎりで『日本レコード大賞』を受賞していたはず。振付も含めて、会場誰ひとり知らぬ者はいない曲だったでしょうね。
ちなみにオリジナルの洋楽の方はカミさんがCDを持っていて、帰宅後すぐに聴いてみました。


Villagepeople


サビ直前の和音が独特。ヘ長調ですから普通はドミナントの「C7」を宛てるところ、ここでは「Gm(onC)」なんですね。二十二世紀バンドも忠実に再現していました。
あと、JEFFさんの縦のビートが心地よかった・・・モッズ魂をこの曲で炸裂させるとは・・・さすがです!

エンディングのサビのリフレイン部で、何故かピーさんは「若いうちは♪」の箇所を二度に渡って出遅れて歌い損ね、苦笑い。
音符割りがピーさんの苦手なシンコペーションのパターンなのか、それとも例えば「年をとっても♪」といったふうに咄嗟に「替え歌」にしようとしてうまくいかなかったのか・・・それでもキュートな照れ笑いを正面で観ることができたのは嬉しかったです。

かつて西城さんはこの曲で最後の最後に「ヤングマン!」とシャウトしていましたが、ピーさんそこは「オールドマン!」と。愉快なオチをつけて、皆が西城さんへの追悼を心から楽しい「歌」で共有できたこと、本当に良かったなぁと思います。
まず「楽曲」へのリスペクトありき・・・それが二十二世紀バンドの特性なのだと再確認しました。

僕はここでも「これで前半終わりかな」と考えましたが、結局今年のツアーは途中休憩無し。ジュリーのLIVEと同じ構成になりました。畏るべし、疲れ知らずの疾走するオールド・マン・・・ということで、ここからセットリストは折り返しとなりますが、続きはまた次回。
連載第4回は、『怒涛のタイガース・レパートリー』編です(ただし、内1曲のみタイガースでやっていない曲も含みます)。

明後日の12月20日にひとつジュリー・ナンバーのお題記事を挟みますので更新はその後になります。引き続きよろしくお願い申し上げます。

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2018年12月13日 (木)

2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その②)

連載第2回
『中華・台湾ポップス』編



さぁ、引き続き『瞳みのる&二十二世紀バンドLIVE 2018』四谷公演レポを進めてまいります。
今日はセットリスト4曲目から8曲目、毎年恒例の『中華・台湾ポップス』コーナーで採り上げられた5曲をお届けいたします。よろしくお願い申し上げます!


まずは、冒頭3曲の演奏を終えてのピーさんのMCをもう少し振り返っておきましょう。
当日12月9日は「今年一番の寒さ」との予報が出ていて、ピーさんも「今日は外は寒いですが・・・」と、駆けつけたお客さんに丁寧にお礼を述べた後

でも、舞台に上がると暑い!全部脱いでしまいたいくらいですが、そういうわけにもいきません

と(笑)。
するとJEFFさんがピーさんの方に手をかざして
脱いだら凄いんです!

これにはピーファンのみなさま、思わず妄想を逞しくされたことでしょう(笑)。ピーさんは照れ笑いしつつ

骨と皮だけです・・・

いやいや、骨と皮だけであんなドラムは叩けませんって・・・。脱いだら「謎のイイ身体」説に僕も1票!

『音楽は時代と国境を越える』・・・このツアー・サブタイトルは昨年から続いていて、「世界各国のポップスを紹介してゆく」二十二世紀バンド毎年のコンセプト。
セットリスト4曲目からは、中国語・漢文教師として長年のキャリアを持つピーさんにしかできない「中華・台湾ポップス伝授」のコーナーとなりました。
ピーさんが主眼を置くのは、「どんな内容の歌なのか」をお客さんに伝えること。自身がリード・ヴォーカルをとるだけでなく、原詞から始まり最後は自ら書いた日本語詞を歌うことで選曲の意義を深めています。
「歌詞の意味が分からない人は、最後の日本語詞を聴いてください」とのことで、これは僕はもちろんのこと、ほとんどのお客さんが該当しますね。
正直、このコーナーの曲については二十二世紀バンドで聴くのが初めてなのか、それとも以前に体感済みなのか判別できないものもあるのですが、それ故に毎年新鮮に楽しめている、という面もあるのです。

4曲目「心太軟(君の心優しすぎ)」

パンフに明記してある漢字が変換できず往生しましたが、あれこれ検索していたら別の漢字表記も発見しましたので、ここではそちらのタイトルで載せています。

元々は台湾の曲で、長い下積みで苦労していたリッチー・レンがこの曲でブレイク、中国本土でも大ヒットとなった歌なのだそうです。
メロディアスなバラードですが力強いサウンド。
イントロは新メンバー、マーシーさんのパーカッションからスタートします。マラカスで8分音符を刻み、タンバリンのアクセントが小節内に一打。優しいリズムに「おっ、ピーさんはまた素敵なメンバーを見つけたな」と。
ピーさんのドラムスが噛み込んだあたりで何故か1度仕切り直しがあったので(歌詞のセッティングが遅れたのでしょうか?)、結果このマーシーさんのイントロは2回聴くことができたのでした。

5曲目「女人花(女、花、夢)」

ピーさんがドラムをマーシーさんに託し、スタンドマイクに移動したのがこの曲からだったか、次だったか・・・記憶が曖昧です(汗)。

こちらもメロディアスなナンバーで、ヴォーカルを追いかけるはなさんのピアノがひらひらと舞う花を表現しているように聴こえ印象に残っています。
日本語詞でも「花」のフレーズが効果的でした。

6曲目「一言難盡(悲しみ言い尽くせない)」

二十二世紀バンドのLIVEは毎年、メンバー1人1人にセトリ進行に即したMCが割り当てられています。
ここでJEFFさんのMC。

JEFFさんは、「(国内の)ツアーが今日で終わってしまうのが寂しい」と(JEFFさんの場合はこの後控える台湾公演には不参加ということもあり、尚更でしょう)。
今年も押し迫っているということで、「来年(二十二世紀バンドで)やる予定は?」と尋ねますが、ピーさんは「今のところ空白なんです」と、つれない返答(ジュリーと同じで、発言が誠実正直なのですねぇ)。
それでもJEFFさんは、またこのメンバーでやりたい!みんなと会いたい!と力説。
きっと来年も会える、と僕らファンも信じています。

で、「次の曲は・・・」とJEFFさんはセトリのカンペ(?)に目をやるも「読めない!」と(笑)。
「変換もできなさそうな漢字があって・・・」とのことで、もちろんそれを受けてピーさんが正しく発声してくれたのですが、僕らにもチンプンカンプンでございます。上のタイトル表記は、なんとか検索をかけてコピペしたもの。当然僕にも読めません(泣)。
ただ、曲は素晴らしかったです。
今回の中華・台湾ポップス・コーナーの選曲の中では最も「バンド向き」だと感じました。

7曲目「夜来香」

これはさすがに僕もよく知っている曲です。去年も演奏されていましたしね。
ジュリーファンの間では、アルバム『忘却の天才』収録の「我が心のラ・セーヌ」とのメロディー類似で語られることも多い曲ですが、ピーさんはこのジュリー・ナンバーを知っているかなぁ?

オリジナルはしっとりした感じですが、二十二世紀バンドのアレンジはシャキシャキのビートものに仕上げられ、独特のグルーヴ感があります。
ピーさんはヴォーカルに専念。僕のこの日のチケットは、いつもお世話になっているピーファンの先輩が一緒に申し込んでくださったのですが、7列目のド真ん中という松席でした。ピーさんがスタンドマイクで歌う時、完全に差し向かいになるのです。
ステージ右側(ピーさんから見ると左側)の譜面台にセットした歌詞をチラリ、チラリとしながらも、気持ちの入った瞬間には目を閉じて歌うピーさんの立ち姿・・・バッチリ記憶に刻み込むことができました。

8曲目「愛你一萬年(
時の過ぎゆくままに)」

すっかりセットリスト定番となったこの曲が、
「中華・台湾ポップス」コーナーの大トリに配されました。

「時の過ぎゆくままに」・・・二十二世紀バンドとしては、1年目にジュリー・ヴァージョンのカバーとして初代キーボーディストの稲村なおこさんがヴォーカルを担当。3年目以降は「中華ポップス」の括りで、現地で大ヒットしたヴァージョンを念頭にアレンジを進化させ、序盤のヴォーカルはJEFFさん、中後半はピーさんがドラム叩き語り、というスタイルが定着しました。
僕は現在のヴァージョンを一昨年の横浜公演で初体感しましたが、あの日はちょうどピーさんのLIVE直後にタローさんの古稀記念LIVEがあり、タイガースのメンバーがお祝いに駆けつけることが事前に決まっていたらしく、何と客席にジュリーがいたんですよね(僕は終演後に聞かされるまで気づけなかった・・・オーラを消すことにかけては達人のジュリーとは言え、僕のジュリー・アンテナは相当感度が鈍いようです涙)。
先輩のお話によれば、この曲の演奏時にジュリーはスタンディングで手拍子していたとか。

まるでプログレのように構成の変化に富んだアレンジ。ドラムセットに戻ったピーさんの、後半のアタックの激しさには感嘆するばかりです。右手で対面方向のシンバルを打つ時なんて「殴りつける」と表現したくなるほどの重量感とスピード感で・・・。
ドラムスの打点の強さについて、ピーさんのパフォーマンスは今セットリスト中「ハートブレイカー」と双璧だったのではないでしょうか。


ということで、今日はここまでです。
次回の連載第3回は9曲目から11曲目・・・『今年は休憩ナシ!疾走するオールド・マン』編となります。
細かく区切りますから曲数と文量は少ないですが、そのぶん更新は早いでしょう。どうぞお楽しみに~。

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2018年12月11日 (火)

2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その①)

連載第1回
『挨拶代わりのゴキゲン・ナンバー3連発』編



行ってまいりました~!
『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018 音楽は時代と国境を越える』四谷公演(本年のツアー国内最終公演)は、今年も12月の開催となりました。

毎年のピーさんのLIVEはとにかく無条件に楽しくて、今年も充実した1日を過ごすことができました。
今回ももちろん全演目網羅したレポートをお届けしますが・・・今年の師走は僕も例年になく忙しくしていて、そんな中で20日には恒例の「ジュリーが自分と同年齢の年にどんな曲をリリースしていたか」というジュリー・ナンバーのお題記事も書かなきゃいけないし(←完全に個人的な決め事による都合)、素晴らしく濃厚だった二十二世紀バンドのステージ全文纏めてのレポupとなりますと、いつ完成、更新できるか分からない・・・ということで、今年は連載形式のレポとさせて頂きます。
演奏順に書いていき(演目は購入したパンフとメイ様の御記事で復習。関西公演とは演奏順にかなりの変更が見られます)、5分割の更新を予定しています。
連載が年を跨いでしまったらごめんなさい(汗)。全演目執筆まで長々とおつき合い頂くこととなりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは行ってみましょう!
今日はまず序盤、セットリスト1~3曲目までのレポです(連載初回からいきなり曲数が少ない、と思われるでしょうが、二十二世紀バンドのLIVEは毎回セトリの中にコンセプト別によるいくつかの纏まりがありますので、記事もそれに従って区切ろうと思っています)。
今年も僕はツアー・セットリストの情報を完全に遮断してこの四谷公演に臨みました。ただ1点、バンド編成について気になっていたことがあって、それだけ開演前にお会いした先輩にお尋ねしました。
二十二世紀バンドの要とも言うべき存在だったドラマーのIchirohさんが諸事情あり今年はメンバーから外れたことで、「全曲ピーさんがドラムセットから離れないのか?もしそうなら演目の選択肢が相当狭くなってしまうんじゃないか」と考えていたからです。
しかしその先輩曰く「若いドラマーさんが加入して、これまでと変わらずスタンディング・ヴォーカル曲もありますよ」とのこと・・・ならば今年も神出鬼没のサプライズ・セトリが楽しみ!と、ひとまず安堵。
二十二世紀バンドのニューフェイスへの期待も膨らんでの入場となりました。

Pee20181209


↑ 内容充実のパンフ購入も毎年の大きな楽しみのひとつ。表紙のみ、ここに添付します。
向かってピーさんの右隣が新メンバーのマーシーさん!


入場すると僕はまずステージ近くまで出向いてセッティングの確認。ドラムスはお馴染み、ブルーのYAMAHAセットがセンターにひとつだけ。
昨年までのIchirohさんとのツイン・ドラム体制は踏襲されないようで、最下手側にはパーカッション・スタンド(結論から言うとマーシーさんは基本パーカッション・サポートで、ピーさんがヴォーカルに専念する曲でドラムセットに移動する、というスタイルでした)。

着席してから「ん?」と場内BGMに耳が行きました。
次々にタイガース・レパートリーのインストが流れてくるのです。どう聴いてもこれ「手作り」なんですよ。しかも素晴らしく入魂のクオリティー!
ベースのJEFFさん或いはキーボードのはなさんが中心になって二十二世紀バンドでEDM制作したのかなぁ、と想像しましたが実際はどうなのでしょうか(パンフのメンバー・プロフィールを読み返して、Kenyaさん単独製作かもしれない、とも考えました)。

ブザーが鳴ってきっかり5分、定刻に会場の照明が落とされメンバーが入場、スタンバイ。
その雰囲気から、この数年のようにドラム・ソロのオープニングではなく、いきなり曲が始まるパターンだと予感できましたが・・・さぁ、何が来る?
開演です!


1曲目「ジンジン・バンバン

Tigersblue

冒頭の演目にノリノリのビートものを配するのは二十二世紀バンドLIVEの恒例。しかし今年は非常にレア度の高いこのタイガース・ナンバーが選ばれ、ノッケからのサプライズ、お得感満載です。

いやぁ、それにしても久しぶりに生で聴いた~。これは2011~12年の老虎ツアー、2013年の完全再結成時いずれもセットリストから漏れた「隠れた名曲」。僕が体感していたのは、ジュリーの2010年お正月LIVE『歌門来福』でした。
2010年はジュリーwithザ・ワイルドワンズの年、というイメージが強いけど、ジュリーの中では「ザ・タイガースをもう1度」とプランがあった頃のはずで、この『歌門来福』では「ジンジン・バンバン」の他に「スマイル・フォー・ミー」「落葉の物語」も歌われたんですよね。その時以来の「ジンジン・バンバン」でした。

途中の笑い声は割愛され、タイトなビート・ナンバーとして押しまくる二十二世紀バンドの演奏・・・相変わらず素晴らしい!
JEFFさんのキレッキレのベース、NELOさんの的確なリフ&バッキング、はなさん躍動のオルガン。
さらに何と言ってもドラムスです。ピーさんは70歳を越えてからどんどんアタックが強くなっていませんか?
パワフルな進化に年齢は関係無いのだ、と思い知らされ、励まされます。僕は今年、当然ジュリーのLIVEも観ていますし、ポール・マッカートニーも。
元気過ぎる古稀越えロッカー達に大いに刺激を受けた2018年、その師走締めくくりの参加LIVEにふさわしいオープニング・ナンバーでした。

2曲目「ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー」

オリジナルはスモーキー・ロビンソン&ミラクルズ。しかしビートルマニアの僕にとってこれは『ウィズ・ザ・ビートルズ』B面3曲目、のイメージで固定された名曲。

Youreallygotahold


↑ バンドスコア『ウィズ・ザ・ビートルズ』より


そして二十二世紀バンドによるカバーもビートルズ仕様です。アレンジの肝はピアノ。はなさんが完璧に再現してくれて、メチャクチャ嬉しい!
正に二十二世紀バンドの華・・・そのパフォーマンスに今年も早速魅せられました。

ビートルズ・ヴァージョンでは、ジョンのリード・ヴォーカルに最初から最後までジョージがハモリで絡むという(ビートルズとしては)珍しいパターンのこの曲、二十二世紀バンドでは1番をJEFFさん、2番をNELOさん、そして3番をピーさんとリード・ヴォーカルをリレーする構成・・・だったらしいのですが(僕はこの日がツアー初参加でしたからね)、2番と3番の間で突然ドラムスが乱れたので「何だ?」と思って見ると、ピーさんが左手でゴソゴソと譜面台をかき回しています。そしてJEFFさんを呼び寄せて完全に素のキュートな声で「歌って!」と。
慌てて3番を歌い始めるJEFFさん。
このハプニングについては直後のMCで語られました(本来ここでMCは組み込まれていないらしいです)。
ピーさん曰く

3番は私が歌うはずだったのですが、歌詞がどこかに行ってしまって・・・あ、ありました(笑)。お見苦しい場面を見せてしまって申し訳ありません

平謝りのピーさんにお客さんは温かい拍手。
すかさずJEFFさんが、「いきなり「歌って」って言われても、俺(3番の)歌詞分かんねぇし!」とまぜっかえして場内は大爆笑でした。
そこまでは気づけませんでしたが、JEFFさんは1番の歌詞を3番で再度歌ったのかなぁ?

ドラムセットから恐縮して四方に頭を下げるピーさんの様子に、老虎ツアー・ファイナル武道館でのハプニングが思い出されて(タローさんのハーモニカから始まる「モナリザの微笑」のところで、ピーさんは次曲「銀河のロマンス」のカウントを2度に渡って出していた)、僕としては「得をした!」という気分でした。
しかもこのハプニングでお客さんもすっかりリラックス(?)したのか・・・会場全体が何とも言えず良い雰囲気に。これは素晴らしいLIVEになるぞ!と確信しました。

3曲目「ボーイズ」

これ!
僕が今回のステージ・・・いや、これまで生で観てきた二十二世紀バンドのLIVE演目で最も血沸き肉踊ったナンバーとなりました。本当に素晴らしかった!

オリジナルは「シュレルズ」というアメリカの女性バンドの曲ですが、これまたビートルズのカバーが有名で、「ドラマーがリード・ヴォーカルを担当するロックンロール」として世界的な認知を得ています(そのあたりは直後のMCでピーからの解説もありました)。

Boys


↑ バンドスコア『プリーズ・プリーズ・ミー』より


とにかく、老虎ツアーや再結成時含め、僕が過去体感したピーさんのヴォーカルの中でこの曲は群を抜いて、もう圧倒的に「上手かった」のです。白状しますと、ピーさんの「ヴォーカル」に忘我の境地に陥るほど引き込まれた、というのは初めてのことでした。

僕は今までのLIVE参加経験からピーさんはどちらかと言うとアップテンポ、特に高音ギリギリでシャウト気味に歌うスタイルの方が音程も定まり曲にフィットするのかな、と思っていました。しかしこの「ボーイズ」はアップテンポながら歌声の低音圧が凄い!
音程もブレスもまったく乱れず完璧で、おそらくリンゴ・スターを意識して「大らかな感じで歌う」ことをしている(ちょっとオペラ風に発声する)と思うのですが、ズバリそれがピーさんのヴォーカル適性に嵌った、と。
もちろんドラム叩き語り・・・もうね、何故この「ボーイズ」が「ドラマーのヴォーカル曲」であるのかを初めて肌で実感できた、理解できたと言いますか。ドラマーにとっては相当に「歌いながら叩き易い」「身体が馴染み易い」作りなんですねぇ。

加えて、これは追っかけコーラスが楽しい曲なのです。
はなさんがニコニコしながら歌っているので僕も思わずつられてコーラス参加。手拍子もキッチリ「2・1」でやりましたが、まぁそれは個人的に「よく知っている」曲だからそうしただけ。他のお客さんは普通に裏拍の手拍子で盛り上げてくれていました。
とにかく、「ボーイズ」なんてタイトルの曲を72歳のドラマーがこれほどカッコ良く叩き語るという奇蹟、素晴らし過ぎます。是非今後も二十二世紀バンドで定期的に披露して欲しいナンバーです。

で、この後に「正式な」ピーさんのMCが入ります。
ここまでの3曲を解説してくれる中でやはり印象深かったのは「ジンジン・バンバン」についての言葉。

タイガースで映画を何本か撮っているのですが、その映画でも使われた曲・・・ただ、やったのがもうウン十年も前のことなので、忘却の彼方!

という、ピーさんにとってはそんなスタンスの曲だったようですよ。今回採り上げるに至ったきっかけは何だったのでしょう。ファン、或いは二十二世紀バンドのメンバーから熱烈なリクエストがあったのかなぁ。
そんなこんなで、最後にこんなひと言も。

タイガースって有り難いなぁ、と思います

後追いファンの僕ですら感動させられた、ピーさんからのこの言葉・・・リアルタイムのファンでいらっしゃる先輩方の感慨はいかばかりだったでしょうか。


ということで、連載第1回はひとまずここまで。
次回更新の第2回は「中華・台湾ポップス編」(4~8曲目まで)です。なるべく早くお届けしたいと思います。
しばしのお待ちを~。

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2018年12月 8日 (土)

スージー鈴木 『イントロの法則 80's』

12月ということで、仕事もプライヴェートも年末に向けて予定が立て込んでおりますが・・・まずその第1弾、先の木曜日の仕事関係の飲み会で不肖DYNAMITE、久々にやらかしてしまいました。
いつもよりペースも量も飛ばし気味だな、という感覚はあったんですけどまぁ大丈夫だろう、と思っていて。さぁお開き、と立ち上がって数歩歩いてトイレを済ませたらいきなり酔いが回り、見事「ドカ~ン!」という感じでね、ブッ倒れて顔から流血。
その後、お店で小1時間ほど休ませて貰ってようやく普通に歩けるようになったという・・・少しの無理も効かなくなってきる年齢なのだ、と痛感した次第です。
みなさまも今月は忘年会のご予定などありましょうが、くれぐれもペースを乱さぬよう気をつけましょう!


さて今日は「本」のレビュー、と言うかこれからお読みになるみなさまのために内容のネタバレは極力控えますので、「オススメ」記事と捉えて頂けたら幸いです。
採り上げますは、いつも的確な表現と熱い研究心でジュリーについても頻繁に発信をしてくださっているスージー鈴木さんの最新著『イントロの法則 80's』。
早速本題へ!

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スージーさんは素晴らしい「言葉遣い師」であり、しかもそのフレーズや言い回しが悉く明快で、ポップです。
楽曲やアーティストの考察において適当な伝聞はまったく無いですし、主観を述べる際にも絶対に「ひとりよがり」にはせず、一般に分かり易い記述を徹底していらっしゃる。あくまでも自らの血肉とされた考察・検証から成る簡潔な言葉と文章こそ究極のプロフェッショナル・・・僕のような素人とはその点大きく違います。

例えば僕は以前このブログで先輩方に「シティ・ポップ」の定義を尋ねられて悪戦苦闘、とても分かりにくい文章をこねくり回した経験があります。
スージーさんはそのシティ・ポップを「田舎、ヤンキーが仮想敵」の音楽と例えられました(『1984年の歌謡曲』より)。これは別に田舎や若者をバカにしているとかそういうことではなくて、緻密なアレンジに飾られた無機質なまでにクールな都会性とアダルト色をムーヴメントの由来から掘り下げ導かれた表現であり、時代背景まで加味した本質の言葉なのです。
そんなスージーさんの「本質を突く」スタイルはジュリーを語る寄稿でも等しく発揮され、それ故多くのジュリーファンからの熱烈な支持を得るのでしょう。

僕が初めてスージーさんを知ったのもやはりジュリー絡みの発信で2010年のことだったと思いますが、その後の2013年にスージーさんが放った強烈なまでに感動的な一文を拝見した瞬間から、僕は完全にスージーさんに惚れ込んでしまいました。
それは、ジュリーのことをロクに知りもしないであろう人が書いた某三文記事をスージーさんが正に「一喝」する内容で、今でも一字一句記憶しています。

「沢田研二はもう、あなた方マスコミが浮き沈みを論ずる地平にいないのだ。勉強して出直して欲しい」

僕も含めて多くのジュリーファンがその三文記事には憤慨しつつも、あまりの低俗さに反応のしようもなく唇を噛みしめていたところに、このスージーさんの見事な一喝があり胸のすく思いがしたものでした。プロのライターの手にかかれば相手のレベルがどうあれこれほど簡潔爽快に一刀両断できるものなんだなぁ、と。

以来スージーさんは僕の憧れの人となりました。
また、その言葉の素晴らしさ以外のところで何故僕がこうもスージーさんの文章やその奥に垣間見える生活感、時代背景に共鳴するのか・・・理由はスージーさんのプロフィールを知った時に氷解しました。僕とは1966年生まれの同い年で、いわゆる「丙午のタメ」。加えて何と大学の同窓。かつて知らず知らずキャンバスですれ違っていたことは確実にあるとして、中古レコード店『タイム』で掘り出し物を漁っていたり、『ムトウ』で弦やピックを買っていたり、終電を逃して喫茶『白ゆり』で仲間と音楽を語らいながら一夜を明かしたりしていた時、すぐ近くに居合わせてまったく同じように過ごしていた見知らぬ青年が実は若き日のスージーさんだった、という可能性は充分にあります。
つまり、テレビから流れてくるヒット曲をどの年齢で、どんな環境で耳にしていたかという「原風景」がスージーさんと僕とでは完全に重なるのですね。
ですから、もちろんスージーさんは僕にとって雲の上の存在ではあるけれど、万一酒席を共にしたら相当盛り上がる自信があります(笑)。

それはさておき、「ジュリー堕ち」以降僕の中では「歌謡曲復権」のマイムーヴが起こり、この数年スージーさんの発信や著作には多くを学ぶこととなりました。
『1979年の歌謡曲』『1984年の歌謡曲』の2冊も名著でしたが、今回ご紹介する最新著『イントロの法則 '80s』についてブログでレビューまで書こうと思い立ったのは、何と言ってもジュリー・ナンバー2曲の考察がとても面白く、ジュリーファンのみなさまにも読んで頂きたい、との気持ちを強く持ったからに他なりません。

採り上げられているのは、まず「80年代」の括りならば万人納得の「TOKIO」。
シングル盤『TOKIO』が80年代の幕開けとする位置づけは当然ですから、スージーさんもこの名著の冒頭を飾る1曲として抜擢。気合が筆から滲み出ているようです。あのイントロをパンクの「キワモノ」性と重ねるスージーさんの考察には目からウロコでした。
そしてもう1曲は、この本のコンセプトが「イントロ」に特化した考察であるからこそ選ばれたであろう「”おまえにチェック・イン”」です。
伝説のコーラス・ワークによるイントロ・インパクト・・・伊藤銀次さんから直接お話を聞いていらっしゃるスージーさんとしては、外すことのできない曲だったのでしょう。考えてみれば、冒頭いきなり擬音コーラス(或いはスキャット)からスタートするヒット曲って邦楽だとなかなか無いんですよね~。
このジュリーの2曲の項だけでも一読の価値あり、と自信を持ってお勧めできます。

収載された他歌手(バンド)の曲もすべて「有名な曲」ばかりが採り上げられています(全40曲)から、世代の異なるみなさまもご存知の曲が多いのではないかと思います(世代的に僕は全曲知っていましたが)。
例えば「時の流れに身をまかせ」(テレサ・テンさん)。もしみなさまの中に今年の人見豊先生の講義を聞いた方がいらっしゃったら、スージーさんの考察に人見先生の歌詞解釈を重ねることができるでしょう。
また、「ルビーの指輪」(寺尾聰さん)のイントロ・リフが曲中で何度登場するか、とカウントしてみる感覚などは、畏れながら他人とは思えなかったりします(笑)。
本のラストを飾る曲は「君は天然色」(大滝詠一さん)。何故この曲がラスト収載なのかは、スージーさんのリスペクト溢れる大滝さんへの思いと追悼の文章を読めば分かります。

などなど、数々の名曲群のイントロにどんな仕掛けや手管が潜んでいるのか・・・スージーさんならではの考察、本当に面白いですよ~。

最後に。
スージーさんには是非今度は80年代の「アルバム」考察本を、と期待しています。
スージーさんならジュリーはまず『S/T/R/I/P/P/E/R』で決まりでしょうが、ここはもう1枚奮発して何か「隠れた名盤」を・・・例えば『NON POLICY』なんてどうでしょう?スージーさんがこのアルバムを語るとすれば、アレンジの井上鑑さんを絡めて「ジュリー流シティ・ポップ」を掘り下げてくださるはず。

他歌手、バンドでは寺尾さんの『Reflections』、大滝さんの『A LONG VACATION』はマスト。
そしてスージーさんが最も得意とするサザンオールスターズからは、『NUDE MAN』を希望します。
「アルバム解説」となれば、世間一般には有名とは言えないシングル・ナンバー以外の収録曲、ヴァージョンなども語られるということ・・・以前スージーさんがラジオで「親鶏」のお話をされていたことがありましたが、僕にとって「夏をあきらめて」は桑田さんが歌う『NUDE MAN』収録のサザン・ヴァージョンが親鶏なのです。
研ナオコさんが歌って大ヒットしたヴァージョンももちろん素晴らしいですけど、もしサザンがこの曲を『NUDE MAN』からのシングルとして切っていたら、記録的なスーパー・ヒットとなっていたんじゃないか、と僕は今でも思っていますが、スージーさんはどのようにお考えなのか・・・とても興味深いです。

それに、僕はどちらかと言うと若い頃は洋楽志向のリスナーでしたから、未だ出逢えていない邦楽の名盤がたくさん残されているはずで、それをスージーさんに教えて頂きたい!との気持ちがあります。

今はちょっと興味を持った対象楽曲を簡単にネット検索できて、簡単に流し聴きできてしまう時代ではありますが、「便利さ」は「脆さ」と紙一重と知るべし、です。この場合の「脆さ」とは、伝え手と受け手の信頼関係に表れてしまう、と自戒すべきでしょう。
それこそ80年代には、僕らは洋楽であれ邦楽であれ「次は誰の何を聴いてみようか」と必死になって自分の嗜好に合う音楽の情報を仕入れたものです。
そんな時頼りになるのは、自分が信頼している人が纏めてくれたディスコグラフィー的な要素を含む本でした。僕もスージーさんと同じく10代で渋谷陽一さんの『ロック・ミュージック進化論』を読んで目覚めた世代・・・スージーさんの感性と考察を信頼していますから。
いずれにしても、スージーさんの次作が楽しみです!

音楽というのは別に理屈など知らずとも楽しめるものです。むしろ知らずに聴く方が良い場合もありましょう。でも、少しだけでもコードやリフの凡例や類似パターンの知識を自分の引き出しに入れてから改めて聴いた時、「よく知っている」つもりだったあんな曲、こんな曲が劇的なまでに新鮮に変化して聴こえる、感じとれるということがあります。
とは言えやみくもに理論を勉強しようなどと考え悩む必要はまったくありません。
気軽に読めて、これまで知らなかったことを分かり易く伝えてくれる格好の1冊がここにあります。

この年末年始少しゆっくりしたいな、という時間のお供に、スージーさんの『イントロの法則 80's』、みなさまも是非一読されてはいかがでしょうか・・・。


それでは、僕は明日いよいよ瞳みのる&二十二世紀バンドの四谷公演に参加します。
一方ジュリーは・・・関西シリーズ、昨年非常に評判の良かった三田の公演ですね。
今年一番の寒さになるということなので、お互い万全の準備で出かけましょう!
レポupまで、しばしお時間くださいね。

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2018年12月 3日 (月)

ザ・タイガース 「銀河のロマンス」

from single、1968
映画『世界はボクらを待っている』主題歌


Sekaihamovie

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今日は12月3日。
『ジュリー祭り』東京ドーム公演10周年です。僕がめでたく本格ジュリー堕ちを果たしたあの素晴らしいステージから、遂に10年目のこの日を(風邪を治して)迎えることができました。
過ぎてみれば速かったような気もするけど、本当に濃密濃厚な10年間で1年1年が長かった、という実感の方が大きいかなぁ。そんな時間がまだまだこの先も続こうとしている・・・「エンドレスで歌う」ジュリーの決意に感謝の気持ちを新たにしております。

さて、拙ブログでは毎年12月3日には『ジュリー祭り』セットリストから記事お題を選んで更新することと決めています。
今年6月25日更新「時の過ぎゆくままに」のお題を以って、ひとまず鉄人バンドのインスト2曲を含む『ジュリー祭り』演目全82曲の記事執筆は成りましたので、これからはそれらのお題記事の中から、知識不足で考察が甘かったり、執筆当時とは僕の解釈が変化した曲(自分では「Long Good-by」や「届かない花々」などがすぐに思い当たります)を、『過去記事懺悔・やり直し伝授!』のカテゴリーにて改めて書いてゆくことになります。
今年はその第1弾、お題はタイガースの「銀河のロマンス」を選びました。と言うのは・・・。

この12月3日は個人的には『ジュリー祭り』記念日であると同時に、結婚記念日でもあります。
もちろん「絶対に忘れない自信がある日付」であり、ジュリーファンとなった自分の大切な思い出の日ということで、満を持して(と言うか、かなり突っ走って笑)『ジュリー祭り』1周年にあやかり2009年12月3日の入籍としたわけですが、僕もカミさんも別に結婚記念日だから贅沢なお祝いをしたいとか、誰かに祝って貰いたいとか考えるタイプではありません。せっかく毎年忘れずに思い出してるんだから、ちょっと一杯やりますか、と基本的にはその程度で済ませます。
ただ、毎年必ずお祝いの言葉をくださっていたJ先輩の真樹さんがジュリーの古稀ツアー開幕直前の7月4日に亡くなられて、今年は12月に入っても真樹さんからの便りが無い・・・そのことを寂しく思い過ごしています。

今日は、多くの敬愛する先輩方と同じくジュリーのデビュー以来のファンで、ザ・タイガースが大好きだった真樹さんにこのお題記事を捧げたいと思います。
「銀河のロマンス」、天に届け~!


①2008年12月3日・仏滅『ジュリー祭り』東京ドーム公演の思い出

「やり直し伝授!」のカテゴリーは、まだ僕がジュリーやタイガースなどのお題曲をとりまく基本的な知識が明らかに不足している状況で書いた過去記事を1から塗り直す、ということを第一の目的として開設しました。
今回の「銀河のロマンス」もその点は同じなのですが、この曲の過去記事は「楽曲考察」ではなく僕自身初のジュリーLIVE参加となった2008年東京ドーム公演での思い出を書いたもので、今も愛着があります。なので今日も(当時の記事内容の繰り返しにはなりますが)、まずはその思い出を少し振り返っておきます。

『ジュリー祭り』参加の時点で僕が「よく知っている」と自覚していたタイガース・ナンバーは、あの東京ドームで歌われた中では「シーサイド・バウンド」「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の僅か2曲(DVD『ジュリーマニア』『Zuzusongs』は所有していたため)でした。
「君だけに愛を」や「青い鳥」ですら、公演直前にサ~ッとYou Tubeで予習して「あぁ、なんか昔聴いたことあるような・・・」と感じた程度。「銀河のロマンス」に至っては「自分の知らないタイガースの曲、予習しておいて良かった」という状態だったのです。
当然「イントロで反応」することなど無理。ですから『ジュリー祭り』で「ザ・タイガースから最初の1曲」として歌われた「銀河のロマンス」のイントロ、本当にコンマ数秒で左隣席のお姉さんが「ビクン!」と大きく反応された時は「なんだなんだ?」と驚きました。

今の想像ですが、そのお姉さんは「中抜け」さんだったのではないかと思っています。
デビュー当時からのジュリーファンで、タイガースが大好きで、でもいつしかジュリーのライヴから離れ、長い年月ののち『ジュリー祭り』で復活された・・・真樹さんと同じようなファン歴の方なのかなぁ、と。ちょっと前までは、毎年ジュリーLIVEに参加し続けてこられた方だと思っていたけど、座席の位置(一般販売枠だと思います)や、タイガース・ナンバーへの特別な反応を改めて考えますとね・・・。
「ジュリーファンにとってザ・タイガースは特別」なのだと僕が最初に教わったのは、あの日の「銀河のロマンス」に素早く反応してくださったその隣席のお姉さまからの、ビシビシと伝わる波動だったのですよ。
以来、後追いファンの僕にとってこの曲は「ザ・タイガースの象徴」のように印象づけられました。

後年、有名な「花の首飾り」は本来この「銀河のロマンス」のシングルB面だったとか、そのA面とB面がひっくり返る事態をジュリーが「永遠に自分のウィークポイント」と自虐的に笑い語っている、とかいった知識を身につけ、なんとも不思議な感慨を持ちました。ジュリー自身がそう言うからには、多くのジュリーファンも「銀河のロマンス」と「花の首飾り」の関係にある種トラウマを抱えているのでしょう。
僕にはその複雑な胸中は分からないのだけれど、そういうトラウマ的な想い出を持つ逸話って、ファンにとっては逆にすごく大切なんだろうなぁと思います。
「自分がジュリーの目線で考えなければ」という「必死」とも言える愛情を、僕も先のさいたまスーパーアリーナの件でズシンと感じたわけですが、ジュリーのデビュー以来のファンの先輩方が「あのシングルは「銀河のロマンス」がA面よ!」と今でもお話ししてくださることがあるのは、そんな愛情の証しなのかなぁと想像するのです。

とにかく、僕が生涯初めて生で聴いたタイガース・ナンバーが「銀河のロマンス」であったことは動かぬ事実にして得がたい経験。
この曲を聴くと僕は必ず、あの東京ドーム『ジュリー祭り』でダーク・グレイの上品なブラウスを着ていらした隣席のお姉さんを思い出します。
間違いなくその道の大先輩・・・ドームでは声をおかけすることすらできなかったけれど、ご縁があれば再会したい、とその後ずっと思い続けています。

②映画主題歌としての「銀河のロマンス」

タイガースの3本の映画の中で、どの作品が特に好きか・・・みなさまも一度はお友達とそんな話をされたことがあるでしょう。
僕の周囲で圧倒的に人気が高いのは、2作目『華やかなる招待』。個人的にもこれは
ジュリーと瀬戸口さんが恋に落ちる
という衝撃のストーリー(笑)に過剰な思い入れがあり、少し前までは僕もこれが一番かなと思っていたんですけど、その後(具体的には、2013年の完全再結成のステージを観て以降)のDVD鑑賞率が一番高いのは『世界はボクらを待っている』なのです。今はこれが一番好きだ、と明言できますね。
以前はよく理解できていなかったタイガースの「動き回る」魅力、そして「オリジナル・メンバー5人だけの音」が繰り出す臨場感。この2点において『世界はボクらを待っている』は他2作を遥かに凌ぎます。
技術的なことで言えば2作目3作目の方が楽曲の挿し込みも緻密になってはいくのですが、10代の少年がスターダムを目指し仲間とともにバンドに賭ける、という青春の特権的パワー、或いはルックス含めたキャラクターの爆発がタイガースの最初の成功要因だったとすれば、その魅力を旬のうちにそのまま描いた1作目は、音楽も「タイガースの本質に忠実」という感じがして僕はとても好きですね~。みなさまはいかがですか?

そこでこのチャプターでは、「観る」だけでなくこの映画作品の音を「聴く」ことを重点的に掘り下げてみたいと思います。題材はもちろん「銀河のロマンス」です!

なんと贅沢な「主題歌」でしょうか。
主題歌であるからには作品内で様々なヴァリエーションがあります。まずは2パターンの歌入りテイク(間違いなく5人のメンバーの演奏です!)を見ていきましょう。

最初は、すぎやま先生と橋本先生が見守る(何故かタンバリンを持ったシルヴィも)中での「新曲」のリハーサル・シーンです。


Tigersmovie2

映画のストーリー的にここは演奏に「手探り感」が求められるわけですが、良い意味でタイガースの生演奏(このシーンは映像と音の同時録りだと思います)には元々そうした雰囲気はあって、「とりあえず思いっきりやってみる」タイプのジュリーとピー、「慎重に慎重に」というタイプのサリーとタロー、「まぁ、こんなモンでしょ」というタイプのトッポと、メンバーそれぞれの個性が滲み出る・・・「なんでこのテイクがサントラには入ってないの!」と、当時サントラ盤を購入した先輩方が落胆する様子すら想像できてしまうほどの素晴らしい演奏。
『世界はボクらを待っている』を観ないと、このテイクは聴けないんですよね?本当に贅沢です。

次に、映画の大団円とも言うべきステージ演奏シーン。こちらは映像と音は別録りでしょうが、演奏は紛れもないタイガースの5人によるものです。
特筆すべきはピーの演奏で、音色や打点の強弱はもちろん、細かなフレージングや腕を低く交差させるこの曲独特のフォームは、今現在の二十二世紀バンドでのステージでもまったく変わっていません。
映画ストーリーとしても、先のリハーサル・シーンからの進化がしっかり考案され、タローがギターではなくハーモニカに転じたアレンジとなります。

そして・・・圧巻はジュリーのヴォーカルですよ!
生演奏シーンの臨場感を出すために、という映画ならではの理由からでしょうか、ヴォーカル・マイクに人工のリヴァーブがかかっていません。なのに、これほどなめらかな声圧で歌えるものなのか、と(特に「シルヴィ~♪」と突き抜ける箇所が凄い!)。
「素」の声って、歌手の一番根っこのところじゃないですか。タイガース時代のジュリーはさかんに「歌がヘタだ」と言われていたと聞きますけど、じゃあ当時のいわゆる「歌が上手い」と識者(?)のお墨つきを貰っていた歌手達を纏めて連れてきて、この「銀河のロマンス」を歌うジュリーとまったく同じ環境・エフェクト設定の上でそれぞれの持ち歌を歌わせたとしたら、果たしてその中の何人がジュリーと対等に渡り合えますかねぇ。

「よりリアルなシーンに」と心血を注いだ映画スタッフの工夫が、はからずもジュリーの歌の才を根本から引き出してしまった・・・それを満天下に知らしめるためにサントラ発売や~!と思ったら、このテイクがまたサントラ盤には入っていないという謎のオチ。
そう、このステージ・シーンは途中からストリングス入りの別テイクに切り替わり(映画作品としてはアリな手法ですけど)、そちらのヴァージョンの方がサントラ盤収録されているのですな。
ジュリーの圧倒的な「銀河のロマンス」ヴォーカル・テイクも、映画『世界はボクらを待っている』を観ずして聴けないわけで、何とも貴重ではありませんか。
それにしてもこのサントラ盤、ほとんどの収録曲で実際の映画の音源とは乖離があり、リリース時の詳細を知らない後追いファンにとっては謎多き1枚です。ストリングス・ヴァージョンがフルで聴けるというのは価値がありますけど、出だしに映画でのジュリーのMCをそのまま使っているので、いきなりストリングス入りの行儀良いテイクが流れてきて戸惑った、と仰る先輩方も当時多くいらしたのではないでしょうか。

あとは主題歌ヴァリエーションとして、2つのインスト・ヴァージョンにも触れておきましょう。
いずれもタイガースの演奏ではなさそうですが、綿密に練られたアレンジが楽しめます。
原曲とほぼ同じミドル・テンポの方は、ハーモニカの音階がメチャクチャ高度。もうひとつのスローな方はBGMとしてとても豪華な仕上がりで、メロディーの甘さ、切なさが倍増。ジュリーがシルヴィへの思いをふと覗かせるシーンで採用されているのがドンピシャなんですよね。
他4人のメンバーがシルヴィの「星の王女」発言を訝しる中、ジュリーだけが「僕には彼女がデタラメを言ってるとは思えないんだ」とシルヴィの瞳を見つめるシーンと、「バンドのことを考えたら、これ以上シルヴィをここに置いておけない」とサリーに諭されたジュリーが大きく肩を落とすシーンで流れ、効果は抜群です。

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ちなみに、ジュリーを説得するサリーの棒読みセリフにハンパない大物オーラを感じてしまうのは、大俳優として活躍する現在の「岸部一徳」を知っているという後づけの感覚なのかなぁ。
リアルタイムで映画を観た先輩方は、当時サリーの演技をどう思われましたか?

最後に余談ですが、僕が初めてこの映画を観た時からの一番の個人的ツボのシーンは

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病室で遭遇したヘラクレスにファイティング・ポーズをとるピーを制止するトッポ。
「ピーよせ!相手が悪いぜ、見ろよ!」とヘラクレスを指差すのですが、「勝ち目が無い」から止めているのではなく、「コイツどう見ても変態だろ、関わりあうな」という感じに聞こえて、いつも笑ってしまうんですよね~。

③タイガース・ナンバー、今後のセトリ入りを考える

昨年(から今年のお正月)にかけてのジュリー・デビュー50周年ツアーではタイガースの代表的シングルも多く歌われましたが、惜しくも選曲漏れした重要な楽曲もいくつかあって、「銀河のロマンス」がそんな1曲。
現在古稀ツアーで歌われている「カサブランカ・ダンディ」同様、ジュリーとしては「またの機会にとっておこう」という感じなのかなぁ・・・聞くところによれば、ジュリーは古稀ツアーここ最近のMCで、「来年はヒット曲をもう少し増やす」と宣言しているのだそうで、もちろん「ヒット曲」はソロ期だけでなくタイガース期も含まれるはずですから、来年のツアーでは「銀河のロマンス」のセトリ入りを期待して良いかもしれません。

古稀ツアーでジュリーが選んだタイガース・ナンバーは「風は知らない」でした。これは相当前から決めていたんでしょうねぇ。柴山さんとの2人体制という新たなスタイル、新たなスタートに向けてふさわしい選曲だと(ツアーを実際に体感して初めて)思えます。

僕はタイガース再結成への道程に何とかリアルタイムで間に合いましたし、瞳みのる&二十二世紀バンドのLIVEも毎年欠かさず参加していますから、幸せなことに「未だ生体感できていないタイガースの代表作」もずいぶん少なくなりました(白夜の騎士」「都会」などをピーのLIVEで体感済)。
それでもまだ聴けていない、是非聴きたい!という曲もいくつか残っておりまして、筆頭格は「光ある世界」。あと、「素晴しい旅行」も一度は聴いてみたい。
近々に、ということになると、これらのセトリ入りはジュリーよりピーの方が実現味がありそう。
ピー、今年のツアーで採り上げてくれていないかなぁ?(←来週日曜日までネタバレ我慢中)
ジュリーもこの先少しずつタイガースの曲は歌ってくれると確信していますが、やっぱり「ヒット曲を小出しに」という感じになるような気がします。そう考えると、『ジュリー祭り』での「朝に別れのほほえみを」ってメチャメチャ貴重だったんですよね。
先に書いたように、僕は『ジュリー祭り』の時点ではタイガースの「た」の字も知らない状態でいましたから・・・叶うなら今一度体感してみたいものです。


それでは、オマケです!
今日は、以前ピーファンの先輩にお借りした資料で、『ザ・タイガース 第8巻』という・・・これは分類としては「企画盤レコード」ってことになるのかなぁ?
僕は「豪華なフォトブックにレコードが付いてる」という感じがしたものですが、とにかく貴重なお宝です。
その中から、前期タイガース5人のメンバーのプロフィール・ショットを纏めてどうぞ~。


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一部の生年月日についてはまぁ・・・今となってはご愛嬌ですかね。そういうキャクターづけ含めて、特別な世界の、特別なバンドだったということでしょうから。


ということで今日はタイガースのことをたっぷり書きましたが、僕は来たる9日、『瞳みのる&二十二世紀バンド』の四谷公演に参加します。チケット申込の締切間際にギックリ腰を発症、いつも仲良くしてくださるピーファンの先輩にお願いして一緒に申込して頂いたところ、なかなかの良席を授かりました。
ツアーはもう始まっていて、僕は今回もセットリストの情報を遮断してネタバレせずに臨みます。
先述の通り、毎年サプライズ級の選曲を組み込んでくれるピーですから、今年もそれが一番の楽しみ。いつものように公演後にパンフでじっくり演目の復習をしてからレポにとりかかる予定です。
その前に1本、スージーさんの本のレビュー記事を更新できればいいな、と考えていますが・・・公私慌しい中でどうなりますか。

とにかく年内はもう風邪をひかないように気をつけたいものです。みなさまもどうぞお元気で、この師走を過ごせますように。

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2018年11月25日 (日)

沢田研二 「十代のロックンロール」

from『愛の逃亡者 THE FUGITIVE』

Fugitive

1. 愛の逃亡者/THE FUGITIVE
2. ゴー・スージー・ゴー/GO SUSY GO
3. ウォーキング・イン・ザ・シティ/WALKING IN THE CITY
4. サタデー・ナイト/SATURDAY NIGHT
5. 悪夢の銀行強盗/RUN WITH THE DEVIL
6. マンデー・モーニング/MONDAY MORNING
7. 恋のジューク・ボックス/JUKE BOX JIVE
8. 十代のロックンロール/WAY BACK IN THE FIFTIES
9. 傷心の日々/NOTHING BUT A HEARTACHE
10. アイ・ウォズ・ボーン・ト・ラヴ・ユー/I WAS BORN TO LOVE YOU
11. L.A. ウーマン/L. A. WOMAN
12. キャンディー/CANDY

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いやはや、更新遅れました。
実は先週、『聖の青春』という映画を観ましてな~。

僕は将棋ファンですから、故村山聖八段(のち追悼九段)の生涯を描いた大崎善生さんの原作小説も発行時に読んでいましたし、この映画化作品も絶対に観るつもりではいました。ただ劇場上映期間は機会を逃し、いずれDVDを購入と思っていたのがそのままになっていて。
それをたまたまアマゾンプライムで見つけてしまい、「こんなお手軽に観ていいのか?」と一瞬躊躇するも抑えきれず全篇鑑賞。観終わったらもう、脳から身体から溢れ出るテンションのやり場が無い!
「自分は何をやってるんだ?」とかそんなことまで考えたり、とにかく興奮状態がずっと続いて、村山さん生前の棋譜ばかり見て過ごしておりました。

映画『聖の青春』、大変な傑作だと思います。
主演の松山ケンイチさんや、村山さんの師匠である森信雄七段(引退)役のリリー・フランキーさんの素晴らしさは言うまでもなく、個人的には羽生善治(現竜王)役の東出昌大さんの演技に驚愕。予告編を見ていた段階で僕は「羽生さんってこんなに背高くないからなぁ」と違和感を持っていたのが、いざ観たら・・・対局シーンでの優勢、劣勢それぞれを意識した時の仕草や表情は正に羽生さんそのものです。また、村山さんから意外な時におずおずとサシ飲みを誘われた羽生さんが「行きましょう行きましょう」と応えるシーンも、東出さんが本当に羽生さんにしか見えませんでした。

この映画が、将棋をよく知らない人にどのくらい評価されるのか僕には分かりません。
例えば村山さんと弟弟子が殴り合いに至るまでのストーリー展開は、奨励会のシステムに詳しくないとうまく飲み込めないかもしれない(この点については、現在公開中の映画『泣き虫しょったんの奇跡』を観ればよく理解できます)。しかし、将棋に興味の無い人達にもストーリーが分かり易いように原作(=現実のドキュメント)とは対象人物や設定を変える(登場人物を絞り込む)工夫は見事成功しています。
多くの一般ピープルにこの映画を観て欲しい、と強く思いました。アマゾンプライム会員の方であれば、今すぐに鑑賞できます。是非!


さて本題。
今日もまた11月1日のポール・マッカートニー東京ドーム公演の話から入ります。
3人体制のホーン・セクションの出番はセトリ全曲ではなく、ブラス・アレンジの曲の時だけステージ下手側に登場するというスタイルでしたが、セットリスト中、いわゆる「ブラス・ロック」としてファンが普段から当たり前のように認識していた「ワインカラーの少女」「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」「幸せのノック」「レディ・マドンナ」「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」「007/死ぬのは奴らだ」といったナンバーのインパクトは当然として、敢えて言えばホーンの存在が決して「目立たない」曲、下手すると遠い席のお客さんはブラスが入っていることすら気づけなかったかもしれない曲・・・具体的には「レット・イット・ビー」「ヘイ・ジュード」「キャリー・ザット・ウェイト」「ジ・エンド」のブラスにも僕としては大いに感銘を受けたのでした。
「レット・イット・ビー」のサビで「ラ~ソ~ファ~ミ~♪」と優しく噛んできたり、「ジ・エンド」で「ラ」の音をシャキシャキと吹き続けているだけで、同じセトリ定番曲でも昨年までとは音全体の聴こえ方が全然違うのです。

今日はそんな「気をつて聴かないとスルーしてしまう、でも実はあるのと無いのとでは大違い!」という、ある意味究極のプロフェッショナル・ブラス・アレンジが施されたジュリー・ナンバーのお話です。
このテーマを語るにふさわしいアルバムこそ、74年の『愛の逃亡者 THE FUGITIVE』。その中から「十代のロックンロール」をお題に採り上げことにしました。
よろしくお願い申し上げます!


①まったく意識していなかったサックス・ソロ(汗)

アルバム『THE FUGITIVE 愛の逃亡者』収録全12曲のうち、ホーンが入っている曲は「愛の逃亡者」「ウォークング・イン・ザ・シティ」「十代のロックンロール」「傷心の日々」「L.A. ウーマン」「キャンディー」の計6曲。
この中で「愛の逃亡者」「ウォーキング・イン・ザ・シティ」「キャンディー」と既に考察記事を書き終えている3曲以外の収録曲については、ブラスが入っていたか否かを今回改めて確認作業しなければなりませんでした。大好きなアルバムで相当回数聴いていて、しかも日頃から「自分はアレンジ・フェチ」と自認していると言うのに・・・。それほど、このアルバムのホーン・セクションは目立ちません。
だからこそ、「もし入っていなかったら?」と脳内でシミュレーションしながら聴き返すとその素晴らしさ、的確さ、黒子の徹底ぶりに改めて打たれる思いです。
先述した今年のポールの公演でも、「レット・イット・ビー」が始まってホーン・セクションがスタンバイした瞬間「あれっ、この曲ホーン入ってたっけ?ストリングスは絶対入ってるけど・・・」と迷いました。そしていざその重厚なブラスを体感する・・・これは『THE FUGITIVE 愛の逃亡者』収録のナンバーにも同じことが言えて、特に「十代のロックンロール」はアルバムの中でも個人的にはベスト3に入るほどお気に入りの曲だっただけに、「こんなに聴き込んでいる曲でも、まだ新鮮な驚きと感動は隠されているものなのか!」ということで、今回お題に選んだ次第です。

まず、「十代のロックンロール」はこのアルバムで唯一サックス・ソロが聴ける曲なのです。
そのサックス・ソロに今までまったく意識が行っていなかったという・・・絶対耳では聴いてはいるし、その度に音も追いかけていたはずなのに。
「あまりに完璧なアレンジで、その素晴らしさ故埋没していたのだ!」などと言うのは言い訳で、所詮僕のリスニング能力がその程度ということ(泣)。
でもそんな凡人基準はすなわち大衆の平均でもあって、やっぱり『THE FUGITIVE 愛の逃亡者』で施されたホーン・セクションって、アレンジとしては「隠し味」なんじゃないかと思います。あるのと無いのとでは大違いだけど、それに気づかず全体の音を楽しんでいる聴き手が少なからずいる、という。
その意味でもこのアルバムはいかにも「職人的」。ジュリーの出演した過去のラジオ音源を一昨年から勉強し始めて、「巴里にひとり」のフランス・レコーディング苦労秘話、逸話の数々に大いに感動させられる中、「それに比べてイギリスはずいぶんあっさりと、短期間で12曲も録っちゃったんだなぁ」なんて思ってはいたけれど、これは映像監督に例えるなら
「演者は余計な色をつけなくていい。素材(ここでは歌い手であるジュリーの「声」ということになりましょう)のままでやってくれ。色は後で俺がつけるよ」
とでも言うようなピッカートン先生の偉大さ、引き出しの多さを証明するのが「十代のロックンロール」のブラス・アレンジでもあるわけです。

決して大げさではない、ひけらかさないプロデュースやアレンジの手管は、さすが74年のロンドン・レコーディング、という気がしています。
ちなみに「十代のロックンロール」のキーは「B♭」(変ホ長調)ですから、ホーンセクションは楽々、ウキウキだったと思いますよ~。

②ジュリー流「ポップンロール」の決定版?

え~と、最後に「?」をつけたのは何故かと言うと、この記事を書く段になって今さらのように「ポップンロール」の定義が曖昧であることに気づいたからです。
用語としてはウィキにも記載が無いので、誰かが「言いえて妙」な造語として使い始めたのでしょうが、僕がこの言葉を覚えたのは間違いなく杉真理さん絡み。でも僕の解釈が杉さんのそれと合っているのかどうかは分からない、という状態で。
僕のよく知らないジャンル・カテゴライズに「バブルガム・ポップ」というのもあって、それはたぶん僕の中の「ポップンロール」と近いのかなとは思うけど、実際のところはどうなのか・・・。
なのでここではポップンロール自己流定義を書き出してみますと

・おもにティーンエイジャーをターゲットとした明るい曲調のビート・ポップス(これはウィキによると「バブルガム・ポップ」とほぼ同じ)
・曲調は明るいんだけど、コードはメジャー一辺倒ではなくマイナーも多用し、バラードばりの泣きメロが随所に登場する
・演奏はギターよりもピアノの方が目立つ

これが「十代のロックンロール」にピタリ当て嵌まります。
僕は初めてこの曲を聴いた時、エルトン・ジョンの「クロコダイル・ロック」を想い出しました。「ポップンロール」ということで言えばエルトン・ジョンは僕が真っ先に挙げたいアーティストで、「クロコダイル・ロック」はその代名詞のような名曲。ギター(これがブラス以上に目立たない!)のミュート奏法をはじめ、アレンジ全体の雰囲気は「十代のロックンロール」とよく似ている、とは今でも思っていますが、今回採譜してみますと、「十代のロックンロール」は土台のメロディー、コード進行が「ダニエル」という曲(「クロコダイル・ロック」と同じくエルトン・ジョンのアルバム『ピアニストを撃つな!』の収録曲)との共通点が多いことが分かりました(こちら)。
0’23”~0’30”あたりは「十代のロックンロール」の

Watching all those movie stars
Cm7                    F7

upon the silver screens ♪
D7                 Gm

の箇所とそっくりです(王道ですけどね)。
ピッカートン先生はその作風からしてエルトン・ジョンの曲作りに大いに共鳴していたでしょうから、「ダニエル」をテンポアップさせてロック調にしたら?と意識しつつ「十代のロックンロール」を作曲したかもしれません。

いずれにしても、こういうポップンロールをテレビ企画番組などのちょっとしたカバーではなく自身のオリジナル・ナンバーとして英語詞で歌って自然に受け止められる(ポップ・スターの空気を纏い得る)日本人歌手は、当時ジュリーをおいて他に無かったでしょう。
その意味で『愛の逃亡者 THE FUGITIVE』収録曲中最も「ジュリー」が迸っているのはこの曲ではないでしょうか。複雑なコード展開でステージ映えする「キャンディー」と、ストレートなポップンロールにして王道進行の「十代のロックンロール」は、この名盤の表裏二枚看板だと僕は思っています。

③来年ツアーで「キャンディー」を切望!

今日も最後のチャプターではお題曲収録アルバムから今後のセトリ入りの可能性を考えていきます。
僕の場合は何と言っても、完全にジュリー堕ちした直後だったにも関わらず、裕也さんとのジョイント『きめてやる今夜』に参加できなかったということで、「キャンディー」をいつか生体感できなければおさまりがつかん!という心境ですな~。
裏を返せばセトリ入りの可能性は充分、ということ。『ジュリーマニア』でも採り上げられていますしね。
これはギター1本体制だと「セーハの鬼」柴山さんのフォーム・チェンジが最大の見どころでしょう。エレキで弾くために生まれてきたようなコード進行の曲です。

アルバム『愛の逃亡者 THE FUGITIVE』から現時点で僕が生体感できているのは、昨50周年ツアーでの「愛の逃亡者」1曲のみ。
大変な名盤ですが、リリースから時が経ってからは「愛の逃亡者」と「キャンディー」、この2曲以外のセトリ入りはなかなか叶えられていない状況のようです。
でも「もし歌ってくれたら」と想像できるナンバーもいくつかあって、まず「アルバムのスタジオ・ヴァージョンよりライヴ・ヴァージョンの音源の方が好き」と常日頃から感じている「ゴー・スージー・ゴー」。
さらにジュリーファン以外にもよく知られているらしい「恋のジューク・ボックス」・・・いや、僕はジュリー・ヴァージョンを聴くまで全然知らなかったんだけど、手元の歌本資料の中にこんなページがあるので。


Jukeboxjive1

『YOUNG SONG』洋楽コーナーに載ってるってことは、当時話題のヒットチューンであることは確実!

この2曲は今後突然のセトリ入りがあっても不思議は無さそう。その代わり、僕がこのアルバム中格別に好きな3曲「ウォーキング・イン・ザ・シティ」「マンデー・モーニング」そして今日のお題「十代のロックンロール」については、厳しいかなぁ。
とにかく、実現味も考え合わせ来年のツアーで「キャンディー」が聴きたい!どうか叶いますように。

そうそう、古稀ツアーでは開演前のBGMが「ジュリーの外国語ナンバー」特集という感じで、当然アルバム『愛の逃亡者 THE FUGITIVE』収録曲も流れますが、その(BGM用の)曲順が謎過ぎます!
どなたか、僕の思いつかないような特別な根拠で謎解きされていないものでしょうか・・・?


それでは。オマケです!
今日もMママ様所有の切り抜き資料から、映画『炎の肖像』関連の記事をどうぞ~。


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公開日は74年の暮れで、アルバム『愛の逃亡者 THE FUGITIVE』リリースのすぐ後だったんですね。


さて。
この記事の下書きを始めた時は全然なんともなかったのですが、どうも風邪をひいてしまったようです。何故こうも弱いのか・・・情けない、としか言えません。
片方の喉が腫れるいつものパターンに加えて、今回は頭痛があり、関節も痛むし寒気もします。
12月に入ると忙しくなるしプライヴェートの予定も立て込んでいるので、早く治さなければ・・・。

ということで、『ホーンが入ってるジュリー・ナンバー』シリーズは今回はここまでとし(本当はもう1曲「muda」を考えていたのですが)、次回更新はちょっと間をあけて12月3日とさせて下さい。
その日は早いもので『ジュリー祭り』10周年。毎年この日は『ジュリー祭り』セットリストから記事お題を選んでいましたが、鉄人バンドのインスト含めた演目全82曲を今年の6月25日をもってすべて書き終えています。
ですから今年からは、過去に書いた『ジュリー祭り』セトリ記事の中から「やり直し伝授!」をしてゆくことになりますな~。
お題はこれから決めます。

とにかく、みなさまは僕のようにタチの悪い風邪に捕まらないように・・・充分お気をつけください。

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2018年11月14日 (水)

沢田研二 「alone」

from『Beautiful World』、1992

Beautifulworld

1. alone
2. SOMEBODY'S CRYIN’
3. 太陽のひとりごと
4. 坂道
5. a long good-bye
6. Beautiful World
7. 懲りないスクリプト
8. SAYONARA
9. 月明かりなら眩しすぎない
10. 約束の地
11. Courage

---------------------

先週末までは暖かかったのですが、今週は月曜から急に寒くなりました。
ジュリーも最近風邪をひいてしまったそうで、喉も本調子でない中、それでも九州シリーズ(長崎→熊本)は大盛況の素晴らしいステージだったと聞いています。
みなさまは大丈夫ですか?
これから冬本番、僕もなんとか風邪をひかずに年末を乗り切りたいところですが・・・毎年12月にやられちゃうんですよねぇ。気をつけたいと思います。

さて今日は前回の「誰もとめはしない」に引き続き、超神席で観たポール・マッカートニーのホーン・セクション入り新編成バンドにあやかった「ホーンが入ってるジュリー・ナンバー」シリーズの第2弾として更新。「サックス・ソロ」に焦点を当てます。
ポールのLIVEでは「レディ・マドンナ」で生サックス・ソロがありまして、セトリ定番曲にバリバリの新鮮味が加わり大変感動したのですが、考えてみるとビートルズが60年代に確立した、ロックやポップス・ナンバーにおける「サックス・ソロ」のアレンジも、いつしか王道の手管としてすっかり定着しているんですよねぇ。
僕の世代だと、「サックス」がその意味での市民権を得ていると普通に実感したのはやっぱりチェッカーズが登場した時からかな。でも実はビリー・ジョエルの「さよならハリウッド」「ニューヨークの想い」「素顔のままで」であったり、日本では特に佐野元春さん・・・僕が高校生になってようやく聴くようになった音楽の中にそうしたアレンジの名曲が既に巷には溢れていました。
もちろんジュリー・ナンバーにも。

そこで今日はアルバム『Beautiful World』から井上大輔さん作曲の「alone」をお題に採り上げ、サックスの話をあれやこれやと書いていこうと思っています。
よろしくお願い申し上げます。


①井上大輔さん「哀 戦士」の思い出

僕は一応ブラスバンド部出身で、担当楽器は小学生時代から愛聴していた『太陽にほえろ!』のサントラで憧れていたドラムスを志願。
音楽的下地があったわけではないので、当初は他部員の担当楽器についてそれぞれの音の特性を深く知ろうともせず、太鼓にばかり集中していました。そもそも『太陽にほえろ!』のサントラにしても、メインテーマがサックスで「青春のテーマ」がトランペットで、といったことすら意識していなかったのです(恥)。
ただ、部員達が持っている楽器の形状だけは知らず知らずのうちに覚えていた、というちょうどそんな頃・・・「サックスってこんなにカッコ良いのか!」と教えられたのが他でもない、本日お題「alone」の作曲者である井上大輔さんが出演された『ザ・ベストテン』放映回でした(「今週のスポットライト」のコーナー)。
披露された曲は「哀 戦士」。

僕はSF好きでしたから当時『機動戦士ガンダム』にも興味があって、モビルスーツのプラモデルなんかを集めていた世代。「へぇ、ガンダムの曲か」くらいの軽い気持ちでその時井上さんの歌を聴き始めて・・・最初は(井上さんがフリーハンドで歌っている間は)気づかなかったんですが、歌が進み井上さんがサッ!と横に置いてあったサックスを構えましてね。「あれっサックスだ」と気づいてからはもう目からウロコの大感動。
『ザ・ベストテン』でもギターを弾きながら歌う人はカッコ良いなぁと思ってそれまでも色々な歌手、バンドを観ていたけれど、サックスを構えて歌う姿というのがこれほどカッコ良いとは!と。
しかもその音の響き・・・「間奏ソロ」としての説得力抜群ではないですか。

それからですよ、自分の知っている音楽にホーンが入っていると、この音はサックス、この音はトランペット・・・と注意して聴く習慣ができたのは。ビートルズの曲だってそうだったんですから。
ブラスバンドでも他部員の出す音が聴こえてくるようになって、そのせいだか何なんだか、テナーサックス吹いてた1コ年下のT子ちゃんに片思いの恋をする、というワケ分からないオチもつきました(笑)。
まぁそんな話はさておき、あの時の井上さん出演の『ザ・ベストテン』映像がupされてないかなぁ、とYou Tubeを探してみたら、ありました!

こちら

な、懐かしい・・・(感涙)。
そうかぁ、ちょうど岩崎宏美さんが「すみれ色の涙」を大ヒットさせていたのと同じ時期だったんですね。僕はあの頃ブルー・コメッツも知らなかったから・・・。

それでは次チャプターにて、偉大な作曲家にして最高にカッコ良いサックス・プレイヤー、井上大輔さんが91年のジュリーに提供した『Beautiful World』のトップを飾る名曲「alone」について色々と書いていきましょう。

②サックスの導入は井上さんへのリスペクト?

今ちょうど通勤時間にスージー鈴木さん渾身の名著『イントロの法則80's』を読んでいるところ。世代が同じ(と言うか同い年です)こともあり共感しまくりの内容なんですが、寺尾聰さん「ルビーの指輪」の項で


「(この曲がヒットした時)自分はもうギターを弾いていたけど、キーが「Gm」(ト短調)ってのに敷居の高さを感じてた」

と書いていらして。
これ、僕もリアルタイムでまったく同じことを考えたんですね。クラスで誰かが持ってきた歌本広げて皆でワイワイと歌ったりする時、一応僕がギターで伴奏役を受け持つんだけど、「ルビーの指輪?ちょっと待ってそれGm?え~とえ~と・・・」みたいな。
ギターから楽器演奏を覚えると初心者の頃はどうしても「Gm」とか「Cm」、「B♭」や「E♭」がキーの曲は「面倒くせぇ!」となってしまいます。
ところがホーンを覚えると劇的にそれが変わります。
僕の場合は40歳くらいに独学でトランペットでしたが、それまで敬遠しがちだったフラット系のキーの方が、慣れ親しんできたシャープ系より遥かに演奏し易くなるという・・・これは衝撃的な経験でしたね。

もちろんプロのミュージシャンならどんなキーであろうが難なくスラスラと演奏できるものなのでしょうが(例外は、アルバム『S/T/R/I/P/P/E/R』のロンドン・レコーディングで「バタフライ・ムーン」のために急遽呼ばれて来たイギリス人のペット奏者くらいか?笑)、それでもフラット系のキーの方が自由度が高くて吹き易い、って感覚はプロにもあるんじゃないかなぁ。

そんな想像をしながら「alone」のサックス・ソロを聴くと、噛み込んでくる瞬間のうねるような音がとても楽しそうでね~。「alone」のキーは「G」(ト長調)ですけど、サックス・ソロ部はいったん「B♭」(変ホ長調)に転調させて始まるんですよ。
これはおそらくアレンジの小林信吾さんのアイデア。でも伏線は井上さんの作曲段階から既にあって、この曲で井上さんは同主音による近親移調を採用し、Bメロのキーは「Gm」(ト短調)に転じています。

眠れぬ夜ばかり いくつも数えた  よ
Gm7   Cm7    F7            B♭maj7  E♭maj7

吐息で部屋がかすんだ
         Cm7        Fsus4  F  Fadd9  F

どうしてこんなに 君でなきゃならない
Gm7    Cm7        F7      B♭maj7  E♭maj7

おかしいほどに ♪
A7         D7

このト短調が、サックス・ソロ部の変ホ長調とは並行調の関係。だから1番、2番と歌われてきたメロディーを引き継いでの間奏でサックスの導入は「これしかない!」というくらいに自然で、インパクトも強いです。
小林さんは、大先輩である井上さんの作曲への敬意をもって「alone」の間奏にフラット系のキーでサックス・アレンジを捧げたのではないでしょうか。
ちなみに先述した「哀 戦士」での井上さんの作曲も、歌メロのキーは「C」ですがサックス・ソロ部は転調して「E♭」→「F」→「A♭」と進行します。

それにしてもこの曲のBメロ部後半、ジュリーの「セルフ字ハモコーラス」のキレの良さよ!
本当に語られることが少ないのですが、ジュリーの「自分のヴォーカルに重ねてハモる」才能は超一級です。音についての俯瞰力の高さ、なのでしょうか。
またいつか、新曲でその類稀なる才を魅せてくれる日を期待しています。

あと、覚さんの詞についても少し。
「alone」というタイトルは、普通だと寂しいイメージの単語です(ギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン」とか)。でもこの歌は違うんですよね。
「君」に逢うために今までずっと1人、或いは「君」に触れるために今この時は1人、という主人公。超未来志向の「意思」を感じさせるラブ・ソング。こうした覚さんの「男らしい」面(かつてジュリーは、男性よりも女性の詞の方がむしろ男らしい、と語っていますね)がジュリーは大好きなんだろうなぁ、と。
その点で「alone」はアルバム収録曲の中でも最強で、オープニング・クレジットにふさわしい名曲です。この詞のコンセプトが後の「銀の骨」や「グランドクロス」あたりに引き継がれていったのではないでしょうか。

ジュリー史において覚さんとの出逢いはその後の創作活動の方向性を決定づけるほどの運命的なもので、95年から始まるセルフ・プロデュース期への後押しにもなったんじゃないかなぁ、と後追いファンの僕は考えています。
自らの意志を以って「alone」である限り、道を選ぶのは自分自身でしかない、良いこともそうでないこともすべて自分に還ってくる、帰結できる、というのがジュリーにとっての「セルフ・プロデュース」の動機であり志ではないか、と僕は想像していますが・・・いかがでしょうか。

③恒例(?)アルバムから今後のセトリ入り予想

これはね、『Beautiful World』は収録全曲油断ならん!というのが個人的な考えです。

まず僕がこのアルバムからこれまで生のLIVEで体感できているのは、セトリ常連の「約束の地」と『歌門来福』(2010年お正月)での「SOMEBODY'S CRYIN'」。僅か2曲ではあるんですけど、本格ジュリー堕ち以降大人買いしたツアーDVDのセットリストを改めて見ると、結構渋めの他収録曲もこの20年ほどの間にちょこちょこ歌われてきていることが分かります。
それに、「約束の地」は言うに及ばず、シングル・カットされた「太陽のひとりごと」や「坂道」「月明かりなら眩しすぎない」「Courage」のバラード群は、柴山さんとの2人体制がとても似合いそうだと思いませんか?

『Beautiful World』は、建さんプロデュース期の5作品の中では決して目立つ方ではないけれど、ジュリー自身の志の高さを反映するような楽曲がズラリと並ぶタイプの名盤だと思うんです。覚さんの詞で統一されているのが大きいんですよね。
ジュリー本来の「歌心」が存分に引き出されている1枚。同年のact『SALBADOR DALI』も合わせ、情熱的でありながらも「ちょっと離れたところから自らを見おろしている」ようなジュリー・ヴォーカルが素敵な時期です。

加えて、贅沢な作家陣に負けじと書き下ろされたジュリー自作の3曲、「SOMEBODY'S CRYIN'」「懲りないスクリプト」「Courage」は作曲家・ジュリーとしてもかなりの自信作なんじゃないかな。80年代入ってから「意識した」と語っていた「リズムから入る曲作り」を、それぞれ違うパターンで成就させた3曲だと想像していますから。
まぁでも、来年のツアー・セトリ入り候補1番手はやっぱり「約束の地」でしょう。その後機を見て他収録曲が少しずつ体感できていければ良いな、と期待します。


それでは、オマケです!
今日は1992年リリースの「alone」がお題ということで、act『SALBADOR DALI』パンフレットから過去記事で未添付のショットを数枚どうぞ~。


Dali06

Dali11

Dali17

Dali21



それでは次回更新は、また時代を遡って70年代のナンバーを採り上げる予定です。
「このアルバムから!」というのは決めていますが、どの曲にするかは思案中。
もちろん引き続き「ホーンが入ってるジュリー・ナンバー」シリーズとしてのお題ですよ~。

この記事を下書きしている数日の間に、カミさんが風邪をひいてしまいました。僕も本当に気をつけなくては・・・夜更かしなどしないよう心がけたいと思います。
みなさまも充分お気をつけください。




記事をupしようとしてココログさんのサイドバーをふと見たら、佐山雅弘さんの訃報が・・・絶句。まだまだお若いのに!
ご冥福をお祈り申し上げます。

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2018年11月 8日 (木)

沢田研二 「誰もとめはしない」

from『JULIE』、1969

Julie1

1. 君を許す
2. ビロードの風
3. 誰もとめはしない
4. 愛のプレリュード
5. 光と花の思い出
6. バラを捨てて
7. 君をさがして
8. 未知の友へ
9. ひとりぼっちのバラード
10. 雨の日の出来事
11. マイ・ラヴ
12. 愛の世界のために

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from『THE TIGERS CD-BOX』
disc-5『Legend of THE TIGERS』


Tigersbox

1. タイガースのテーマ
2. スキニー・ミニー
3. 白いブーツの女の子
4. 愛するアニタ
5. 南の国のカーニバル
6. 涙のシャポー
7. 涙のシャポー(別テイク)
8. 傷だらけの心
9. 730日目の朝
10. 坊や祈っておくれ
11. Lovin' Life
12. 誰もとめはしない
13. 夢のファンタジア
14. ハーフ&ハーフ
15. 遠い旅人
16. タイガースの子守唄
17. あなたの世界
18. ヘイ・ジュード~レット・イット・ビー
19. 明治チョコレートのテーマ
20. あわて者のサンタ
21. 聖夜
22. デイ・トリッパー
23. アイム・ダウン
24. 雨のレクイエム
25. ギミー・シェルター

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11月に入り、名古屋そして仙台と大会場を満員御礼で成功させたジュリー。参加されたみなさまの感動のお言葉がとても嬉しい留守番組のDYNAMITEです。

そんな中、先の月曜日にさいたまスーパーアリーナのチケット振替申込用紙も無事到着し、YOKO君、S君とも相談の上、僕らは3人揃って年明け1月5日の大宮ソニック公演に振り替えることにしました。
ジュリーの元気な「あけましておめでとうございます!」が聞けることでしょう。色々あったけれど、今は「楽しみ!」の気持ちに満ちています。

さて僕は11月1日のポール・マッカートニー東京ドーム公演をアリーナド真ん中11列目という超神席で観てまいりまして、未だ夢見心地の日々でもあります。
ごく普通の一般先行発売で奇跡的に(カミさんが)引き当てたこの特等席・・・すぐ近くの斜め前に矢沢永吉さんがいらっしゃるという、そんな席ですよ!
そのもっと前にはYOSHIKIさん(最前列)、さらには藤田朋子さん(2列目か3列目。開演前のBGMからノリノリ!ビートルズファンでいらっしゃったんですねぇ)のお姿も。着席するまでに3度も係員さんにチケット提示しないと進入できないというそんな選ばれし者だけの神席エリアで、ポールの3時間ブッ通し(!)の熱演を肉眼で体感できたこと、一生の宝物となりました。

で、今回のポールはお馴染みのバンドメンバーに加えて、3人体制のホーン・セクション(編成はサックス、トランペット、トロンボーン)を引き連れての来日公演だったのです。僕は一切のネタバレを我慢しての参加でしたのでこれは衝撃的でした。
当然その編成は選曲にも反映され、日本のポールファン全員が「いつの日か」とセットリスト入りを待ち続けていたであろう「幸せのノック」のイントロ(チャイム音)が流れた瞬間は狂喜乱舞。他、「ワインカラーの少女」「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」「007/死ぬのは奴らだ」等の大好きなブラス・ナンバーはもちろん、「さすがに耳タコになってきたなぁ」と感じていたセトリ鉄板の「レディ・マドンナ」「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」なども生のホーンが入るととても新鮮で、本当に素晴らしいライヴでした。次回来日ではこの編成で「心のラブ・ソング」「カミング・アップ」あたりも期待できるかもしれないなぁ、と夢が広がっています。
それにしてもポールのLIVEで「イエスタディ」無しのセットリストって、さすがに僕も初めてだったなぁ。個人的にそれは何ら問題ありませんが。

ポール・マッカートニー76歳、健在。となれば古稀になったばかりのジュリーもまだまだ行けますよ~。
そこで!
拙ブログでは今回からしばらくの間、ポールのホーン・セクション入りバンド新体制にあやかりまして、「ホーンが入っているジュリー・ナンバー」シリーズを開催し、楽曲お題を選んでいきたいと思います。
豪快なブラス・ロックは言うに及ばず、サックスやトランペットのソロを採用したナンバー等、ジュリー史にあって該当する名曲は数えきれないほど存在しますが、その中からこの機に3、4曲を採り上げていければ・・・可能な限りどしどし更新したいと思っています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

まず今日は、ファースト・アルバム『JULIE』およびタイガースのレア音源集『Legend of THE TIGERS』収録と、2つのヴァージョンが残されているブラス・ロック・ナンバー、「誰もとめはしない」をお届けいたします。
確信と妄想が入り乱れての伝授です!


Nobodycanmakeyoustop


①2つのヴァージョン聴きくらべ

まず、みなさまにお尋ねしましょう。
『JULIE』ヴァージョンとタイガース・ヴァージョン、どちらの「誰もとめはしない」がお好きですか?

この質問にはおそらく多くの先輩方が「タイガースの方!」と答えると思います。
シローのコーラスが入ってて、「うわぁ、タイガースこの曲レコーディングしてたんだ~!」という、先輩方でもリアルタイムでは知り得なかった貴重なヴァージョンの後年の公式リリースの衝撃、感動・・・そうした思いが大きいのではないでしょうか?

でも、ちょっと待って!
僕もこの曲大好きですけど、「どちらか」と言われれば『JULIE』ヴァージョンの方が「推し」なんですね。
もちろんそれは「後追い」のファンの少数派感覚でもありましょう。しかしながら、楽曲全体の仕上がりが優れているのは確実に『JULIE』ヴァージョンの方です。
これにはみなさま、こう仰るでしょう。「でもでも~、タイガースが演奏してる、ってことが重要でしょ!」
まったくその通りです・・・ただし、タイガース・ヴァージョンが実際に「タイガースの演奏」ならば。

かなりの自信を持って書きますと、「誰もとめはしない」の2つのヴァージョンは、いずれも同一の演奏者によるもので、タイガース・ヴァージョンに参加しているタイガースのメンバーはヴォーカルのジュリーとコーラスのシローだけ、というのが僕の結論です。

まず、数年前の僕なら「タイガース名義の音源であればドラムスは絶対ピーが叩いてるはず」と頭から決めてかかっていました。でも、その後僕はピーのドラミングを実際にこの耳で、ロックな曲もバラードも、スネアの音や叩き方、もちろんシンバルもタムもキックも毎年必ず生のLIVEで聴き続けているわけです。僕はレベルの低いアマチュア演奏者ではあるけれど、ピーのドラムスについて「プレイヤーの個性」はもう把握しました。
それでも判別つかないタイガース・ナンバー(あくまでレコーディング音源に限ります)は残っていますが、「これはピーじゃないなぁ」と最近ハッキリ分かってきた曲もいくつかあって、「誰もとめはしない」のタイガース・ヴァージョンもその中のひとつ。
ピーならサビでキックが突っ込むでしょうし、シンバルも「バッシャ~ン!」と豪快に行くでしょう。フロアタムの打点ももっと強い。そもそも『JULIE』ヴァージョンがスタジオ・ミュージシャンのドラマーでタイガース・ヴァージョンがピーだったならば、ここまでフレージングやフィルが同じにはならないはずです。

次にベース。タイガース・ヴァージョンはベースの音量設定が大きくフレージングの聴き取りは容易です。
サリーが特にロックなナンバーで得意とするオクターブ・フィルがまったく登場しません。逆に、コードトーンからフレーズを組み立てるタイプのサリーの演奏では聴いたことがない、半音移動の経過音奏法が登場。
69年当時でこの奏法を採用するのは、ジャズの心得があるプレイヤーでしょう。サリーがこの曲だけわざわざ慣れない弾き方をした、とは考えにくいのです。

最後にギター。こちらは自信は持てません。でもサリー、ピー不参加でタローだけ参加するものかなぁ?
それに、2つのヴァージョンでフレージングは異なりますが間奏の音色設定が同じで、演奏者が違う人とは思えないんですよ。

以上「同一演奏者による2つのヴァージョン」聴き比べを前提として、次チャプターでは僕が『JULIE』ヴァージョンの方を推す理由を書いていきましょう。

②静かなるアルバムに投入されたブラス・ロック!

ここからは、個人的な推測が大いに混ざりますが・・・僕はこの「誰もとめはしない」は「タイガース→ジュリーのソロ」とプリプロがシフトしていく過程と結果によって2つのヴァージョンが偶発的に存在していると考えます。
アルバム『JULIE』以前にまずザ・タイガースの新曲として進行していた製作途中のテイクが後日「未発表音源」リリースの陽の目を見た、という考え方ですね。

最大の根拠はホーン・トラックの進化。先述した「音源の仕上がりとして『JULIE』ヴァージョンの方が優れている」所以もこの1点に尽きます。
みなさま、試しに「ホーン・セクションの音」だけに集中してまずはタイガース・ヴァージョンの方からじっくり聴いてみて下さい。
あれっ、ホーンはなかなか登場しませんね。サビに入ってようやく噛んできますが、高い音が目立つばかりで何となくぎこちなく、寂しく感じませんか?
そこで続いてジュリーのソロの方を聴いてみましょう。いきなり「パパパ~♪」とイントロ・リフからガツン!と耳に入ってきますよね。
歌が始まっても

忘れるために ひとりきた
G7                 C7       G7

     見知らぬ街は 陽もくれる ♪
F7 F#7 G7                  C7       G7

ジュリーのヴォーカルの合間をすぐに追いかけて、「パラララパ~ラ~、パラッパッ!」と。
この低音パートの歯切れの良さ。これこそがブラス・ロックですよ!ミックスも完璧で、左サイドが高音、右サイドでは低音部隊がしっかり鳴っています。
そう、タイガース・ヴァージョンではホーン・セクション低音の肝であるトロンボーンが不在なのです。

これは、まずタイガースの新曲としてジュリーのヴォーカル、シローのコーラスを録り終えてから、「ちょっとパンチが足りないな。ブラスを入れたらどうなる?」とのアイデアが出た・・・そこでまず急場試しに吹いて貰った。つまり、アレンジを固める前の「リハ」作業です。
正にその「未完成」テイクを今僕らはタイガースの未発表音源として聴いている・・・それが僕の推測です。

アルバム『JULIE』製作の話がどの時点で持ち上がっていたかは分かりませんが、「誰もとめはしない」レコーディング中にスタッフの間でふと
「これ、ジュリーのソロ・アルバムに入れたらどうかな?」「確かに・・・1曲くらいこんな感じのロック・ナンバーが入ってて良いかもね」
な~んて話になって(もちろん会話は僕の妄想です)、東海林先生にアレンジを依頼、仕上げまで至らなかったタイガース・ヴァージョンのトラックを再利用する形で、「誰もとめはしない」はアルバム『JULIE』収録曲へとシフトされ、リリースされた、と。
もしかするとこの経緯がきっかけで、安井かずみさん=村井邦彦さんコンビで固めたジュリー・ソロデビュー案が出てきた・・・そんな順序も考えられなくはありません(さすがにそこまで行くと妄想が過ぎるかな汗)。

確かに、シローのコーラスの効果もあってタイガース・ヴァージョンのジュリー・ヴォーカルはパッと聴きだと「うん、バンドしているよね!」という感じがしてしまうのですが、しっかり比較するとヴォーカル・トラックに差異はなく(と言うか、『JULIE』ヴァージョンの0’30”あたりではシローの生き霊の声をジュリーのトラックが拾っちゃってるのが分かる笑)、その上でブラス・アレンジの素晴らしさを加味すれば、『JULIE』ヴァージョンの方が楽曲全体として「ロック」だと僕は思うのです。

アルバム『JULIE』は、後期タイガース・シングルですら散見される「ジュリーを前面に押し出して歌謡色を強め大衆性を持たせる」というプロモート戦略が徹底されたようなソロ・デビュー作品ですが(だからこそ、その対極と言える『サリー&シロー/トラ70619』のクオリティーも大いに評価されるべきなんですけどね)、そんな中に突如挿し込まれたブラス・ロック「誰もとめはしない」の存在はひと際光っています。
ファンの間でも語られることは少ないながら、ジュリー史を彩る重要な1曲ではないでしょうか。

③記念すべきファーストから今後のセトリ入りは?

僕がアルバム『ジュリー』収録曲で生のLIVEを体感できているのは、「ひとりぼっちのバラード」ただ1曲。それ以外の曲は、僕の初ジュリーLIVE『ジュリー祭り』以前を遡ってもなかなかセトリ入りが見られません。
やはりオーケストラ・サウンドのアレンジで、歌謡曲に寄せている曲想
が多いからなのかな。

ただ、古稀ツアーでの柴山さんとの2人体制を観た今となっては、今後のジュリーLIVEで「原曲のアレンジに左右されない選曲」が可能であることは確信しました。今年の「お前なら」級のサプライズを僕らはこの先毎年のように体感できるかもしれないわけで、ならばこのファースト・アルバムなら個人的には「光と花の思い出」に▲印を打っておきたいです。

「光と花の思い出」は「ひとりぼっちのバラード」「雨の日の出来事」と並び『ジュリー』収録曲の中で僕が格別に好きな曲。候補に挙げる理由はそれに加えて安井かずみさんの詞ですね。ジュリーがふとこの詞に思いを託せるような出来事があるかもしれない、と。
どちらかと言うと悲しい内容の詞ですが、爽やかなメロディーに載せて歌われるシンプルな言葉並びはとても清潔で美しい・・・「ひとりぼっちのバラード」がそうだったように、今現在のジュリーが歌ってしっくりくる詞でありメロディーではないでしょうか。

一方で今日お題の「誰もとめはしない」をはじめ他の曲はなかなかセトリ入りの想像がつきにくいです。
「マイ・ラブ」や「愛の世界のために」あたりは現在のジュリー好みかなとは思うけど、同じテーマならジュリーは近年の自作詞ナンバーの方を選ぶでしょう。
と言いながら、こちらがビックリ仰天するような今後のラインナップをジュリーは既に練っているかもしれませんし、とにかく「あと10年は頑張る、その先はエンドレス」という頼もし過ぎるジュリーの言葉が僕らには本当に嬉しく、楽しみですよね。
70代のジュリーにもますます期待しましょう!


それでは、オマケです!
今日はタイガース時代にリリースされたファーストのナンバーがお題記事ということで、若虎ジュリーのショットを数枚どうぞ。すべてMママ様所有の資料です!

Img101

Img200

Img128

Img320


本日11月8日、ジュリーは長崎、ポールは名古屋。どちらも素晴らしいステージだったことでしょう。

では次回更新も『ホーンが入っているジュリー・ナンバー』シリーズ、この勢いで続けてまいります。
どの時代の曲にしようかな・・・お楽しみに!

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2018年10月31日 (水)

沢田研二 「お前なら」

from『JULIE Ⅳ 今 僕は倖せです』、1972

Julie4

1. 今、僕は倖せです
2. 被害妄想
3. 不良時代
4. 湯屋さん
5. 悲しくなると
6. 古い巣
7. 
8. 怒りの捨て場
9. 一人ベッドで
10. 誕生日
11. ラヴ ソング
12. 気がかりな奴
13. お前なら

--------------------

世間の騒がしさも僕自身の忙しさもどうやら落ち着いてきまして、久しぶりの更新です。

今日は恒例の『ツアー・セットリストを振り返る』シリーズ。今年は「この1曲!」(セトリ全18曲のうち、過去に記事にしていなかったのがこの曲のみ)ということで、アルバム『JULIE Ⅳ 今 僕は倖せです』から「お前なら」をお届けいたします。
おそらくジュリーが何年も前から「カズさんと2人でやる最初のツアーで歌いたい」と用意してくれていたであろう1曲だったのでしょうね。
枕もそこそこに、まいります!


①古稀ツアー・セットリストを改めて考える

ツアー初日の武道館公演を観た時、ギター1本体制のインパクトや大会場が随所にひしめく圧巻のスケジュールなども併せ、僕は「ツアー途中のセトリ変更があるかもしれない」と考えたものでした。
しかし長いツアーも折り返しに入った今もジュリーにそんな気配はなく、「古稀ツアーはこのラインナップで!」とのジュリーの強い意志を感じます。

僕は直接は聞けていませんが、今回のセトリについてジュリーがMCで
「柴山さんとのギター1本体制を決めた時に(選曲を)だいたい考えていた」
と語ったのだそうですね。
僕としてはこれはなかなかにジュリー愛に火の点く類の言葉でありまして(ジュリーが自分の「想定」を越えていった時にしばしばそんな気持ちになります)、改めて古稀ツアーのセトリを考えるきっかけになりました。

もちろん、「50周年で敢えてやらなかった」と言う「カサブランカ・ダンディ」等、ここ1、2年の間に決められた選曲も混ざってはいるでしょうが、ジュリーがずいぶん前から「この時」のために密かに用意してくれていた曲とはどの曲なのか・・・それを想像し考えると、ジュリーの決意や思いが色々と見えてきます。
レアなナンバーであればあるほど、ジュリー自身が明快に意図するところがあるのでしょう。
例えば「雨だれの挽歌」は音楽劇のメンバー、スタッフへの感謝かなぁ、と思いますし、「風は知らない」はこの先ジュリー自身がまだ見果てぬ地平へ臨もうとする心境を代弁するかのようです(ちなみに「風は知らない」については『からすの落墨ブログ』様が素晴らしい
御記事を書いてくださっています。既にお読みになったファンも多いでしょうが、この方の着想や文章表現力はジュリーについての著名なプロライターの人達が発信されているそれと比較したとしても、ちょっと頭抜けていますね)。
そして、永遠の相方としてジュリーが選んだギタリスト・柴山さんへの信頼を以って「これから2人で行く道を歌っている」ように聴こえてしまうのが、「あなただけでいい」であり「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」であり「Don't be afraid to LOVE」であり、そして何をおいても「お前なら」であると僕は受けとめています。
今回に限っては「お前」=柴山さんである、と。

敬愛するJ先輩のブログで、ジュリーがこの曲の歌詞「歌の力を♪」の箇所を「ギターの力を♪」と替えて歌っているようだった、との地方公演についての記事を拝読した時は「我が意を得たり」と嬉しく思いました。
ただ、先日のさいたまスーパーアリーナの1件があり、その後の騒がしい世間、ジュリーとファン双方の気持ちを考えた今となっては、ファンはこの先の会場で「お前なら」の「お前」をジュリー自身のことだ、と思って聴くことになるでしょう。
リリースから時が経ったいつの時代も、その時その時を予言暗示しているような名曲を多く持つジュリーですが、今度の「お前なら」は相当運命的ですよね。

では、そもそも今から46年前の1972年、「お前なら」を作詞作曲したジュリーが、当時誰のことを「お前」と呼び歌に投影していたのか・・・今度はその点について次のチャプターで書いていきたいと思います。

②「お前」って誰のこと?

リリース当時からジュリーファンでいらした先輩方の多くは、「お前なら」という歌をジュリーがジュリー自身に宛てたエールと受け取っていらっしゃるようです。
リアルタイムの感覚は「本物」だと思いますから、おそらくそれが正解。まぁ、40年以上経ってジュリーが古稀を迎えた時、その歌詞解釈がこれほど重要になってくる、というところまでは誰ひとりとして予想はできなかったでしょうけれど。
でもここでは、後追いファンの僕が短期間の「ジュリー史」猛勉強の過程で勝手に想像していた1案を書きとめておきましょう。
ズバリ「お前」=ショーケン説です。

僕がアルバム『JULIE Ⅳ 今 僕は倖せです』を初めて聴いたのは『ジュリー祭り』より少し前の2005年か2006年。その時は「セルフ・プロデュースで好きに作った等身大の名盤」くらいの感想だったんですけど、本格的にジュリー堕ち後色々と勉強するうち、「当時のジュリーの音楽(歌手)活動は何よりまず身近な仲間達とともにあった」ことが分かってきました。もちろん家族、恋人、友人も含まれます。
「題材がハッキリしていた方が書きやすい」と当時のインタビューでもジュリーが語っていたように、このアルバムの詞の内容は具体的なんじゃないか、と。
収録曲のうち「今、僕は倖せです」「誕生日」はそんな仲間達が総登場という歌ですし、「不良時代」は京都の旧友達のこと、「湯屋さん」は言うまでもなく裕也さんに捧げられたもの。さらに「気がかりな奴」はトッポじゃないかなぁと僕には思えたり。

で、「仲間」と言えばその頃のジュリーとすればまず井上バンド(当時の呼称は「井上堯之グループ」)で間違いないですが、裏ジャケット表記にもある通りジュリーの中ではそこにショーケンも加えた「PYG」継続への強い拘りがあったことが分かります。
バンドの仲間であり、歌手、芸能人としてのライバルでもあり盟友でもあるショーケンの存在を抜きにこのアルバム・コンセプトは成立しないような気がします。

アルバム制作の直前だったのでしょうか、72年にジュリーはショーケンと一緒にギリシャのエーゲ海に写真撮影の仕事に行っているんですよね。


Aegean84

↑ 『JULIE in AEGEAN』より

この頃は『女学生の友』連載などジュリーに「作詞」動機が盛んだったと思われる時期。忙しかったでしょうから現地でバリバリ作詞、というほどではなかったにせよ、帰国してから異国での仕事を思い返して曲作りのネタにしていた例はあるんじゃないかなぁ。
例えば「一人ベッドで」は、1日の終わりのホテルの部屋の心象だったりとか。
彼の地では少ないプライヴェート・タイムにショーケンとそれぞれの野心と言うか、今後の活動について語り合う機会もあったんじゃないか、その時の思いや共感が「お前なら」に反映されているんじゃないか・・・僕はそんなふうに考えてみたわけです。

そばにはいつも俺がいるよ
Cm                    A♭

恐れていないでやってみろ ♪
Cm                       D7   G7

この一人称の「俺」が強烈に「ジュリー」だと思うんですよ。ならば二人称の「お前」はジュリー以外に、ほぼジュリーと同格という感じで当時存在していたんじゃないか・・・それはショーケンしか考えられない、と。

これはたぶん間違った解釈ではあるんだけど、いつもお世話になっている「ジュリーひと筋」の先輩をして「彼も素敵だったわよ」と言わしめるほどのショーケン。
何度もそうしてタイガース直後のジュリーとPYGのお話を聞かせて頂いているうち、僕の中で「ジュリーと並び立つ」若いショーケンのイメージができあがり、あのジュリーが「俺」「お前」と呼び合う存在としてピッタリ当て嵌まるようになったのだと思います。
僕は『太陽にほえろ!』のマカロニ刑事も後追いですが、72年のショーケンは本当にカッコ良い!
その活躍に、ジュリーはきっと「よし俺も!」と仕事への気魄を燃やしていたのではないでしょうか。

③「お前なら」と「ISONOMIA」

中止となったさいたまアリーナに、僕はYOKO君ともう1人音楽仲間の友人S君を誘っていました。
S君は昨年の50周年ツアー松戸公演も共にしましたが、ジュリーのLIVEで昨年と大きく異なるのは、演奏体制はもちろん、彼の知っているであろう曲がとても少ないというセットリストです。そこで僕は当日の帰りに「復習用」としてセトリ全曲を収録したCDを彼のために用意していました。
しかし公演は中止となり、「こうなったら俺も武道館に行く!」と言ってくれたS君(振替の大宮になる可能性も出てきましたが)にとってそのCDは結果「予習用」となったわけですが、後日CDの感想メールが届き、「特に気に入った曲」としてS君が挙げたのが

「カサブランカ・ダンディ」
「彼女はデリケート」
「お前なら」
「F.A.P.P.」
「ISONOMIA」
「核なき世界」
「A・C・B」
「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」

の8曲。
「A・C・B」あたりは絶対彼の好みだろうな、と予想していた中で、「お前なら」「ISONOMIA」については少し意外に感じました。特にジュリーファンでない人にとってはさほど強い印象が残る曲ではないんじゃないかな、と思っていたからです。
でもすぐに「そうか、S君はギタリストだもんな!」と納得(ギター演奏の技量は仲間内で彼が抜きん出ています)。あくまで僕がCDに収めたレコーディング音源の話として、今回のセットリスト中「ギター・アレンジ」に特化した演奏の魅力は、「お前なら」「ISONOMIA」・・・この2曲に尽きるのです。

2曲の共通点は、歌のメロディーとコード・バッキングがユニゾンしていること。
ただし、最初から「ギター1本のアレンジ」を念頭に白井さんが作曲、演奏した「ISONOMIA」(古稀ツアーのスタイルを見越してジュリーからアレンジ・アイデアのリクエストがあったのでしょうね。今にしてそれが分かります)が、「トニック」→「add9」→「sus4」のクリシェ音移動をそのままメロディーに採用しているのに対し、「お前なら」はジュリーが作ったメロディーに堯之さんが音節ごとにコードを当ててゆく、という土台からの綿密地道なアレンジ作業です。

俺    は 信   じ  る
G F# F  C    C# C  B♭  G  F  G

お前  の 未 来   を ♪
G F# F C   C#  C B♭ G  F  G

歌詞も含めて徹底した武骨なナンバーに堯之さんから渾身の「応え」が返ってきて、ジュリーはとても嬉しかったのではないでしょうか。
普通のギタリストやアレンジャーなら、もっと別の対位的な手管やフレージングを使って「ギタリストの主張」を振りかざしそうなものですが、「楽曲ありき」「歌ありき」のアレンジに堯之さんのジュリーへの親愛を感じます。
まるで、ジュリーの詞の内容がそのまま堯之さんの気持ちにリンクしたかのような・・・堯之さんにとってこの曲の「俺」が堯之さん自身で、「お前」とはジュリーを指す、というわけですね。
堯之さんだったら「ISONOMIA」をどんなふうに弾くかなぁ、と僕は今そんなことを考えています。

そして、長いファンの先輩方も「激レア」と驚いた「お前なら」の古稀ツアー・セットリストへの抜擢。
堯之さんが考案力なら、柴山さんは超一流の再現力・・・「お前なら」のオリジナル音源で堯之さんは3つのギター・トラックを重ねているのですが(ピアノ、ベースと共に歌メロとユニゾンするコード・バッキング・トラックに加えて単音のトラックが2つ)、柴山さんは今回のステージでそのすべてを一手に弾きます。
ジュリーが柴山さんを信頼するのは、人柄ととともにこの優れた再現力でしょう。

本当に見どころ、聴きどころ満載の貴重なセットリスト入り。S君が生でこの曲を体感して、一体どんな感想を持つか・・・今から楽しみにしているのです。


それでは、オマケです!
今日はMママ様からお預かりしている資料で、アルバム『JULIE Ⅳ 今 僕は倖せです』からのお題記事では恒例、『女学生の友』連載のフォトポエムをどうぞ~。


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Photo71

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さぁ、色々あった10月も今日で終わり。
明日11月1日、僕はポール・マッカートニーの東京ドーム公演に行ってまいります。
「ポールのLIVEの一般販売でこんな席が来ることあるの?」とビックリ仰天の神席に恵まれ、自分史上最短距離までポールに接近してきますよ~。

ちなみに先日中将タカノリさんが断固ジュリー支持のネット記事を書いてくださいましたが、文中のポール・マッカートニーについての記述は大変な誤りです。
ポールが既にチケット発売された状態で日本公演をキャンセルしたのは、ウィングスとして来日した80年、大麻不法所持による入国拒否の時と、2014年5月の腸捻転発症によるツアー直前の公演中止(この時は僕も現場の国立競技場にいました)の2回のみです。それを「日本公演だけで約20回のドタキャン」とは中将さん、いくらなんでも盛り過ぎですよ!
当然、「2日酔いのためにキャンセルしたと思われる」日本公演などは存在しません。ジュリーファンのみなさまが、あの記事でポールについて誤った情報を身につけてしまわれないよう、切に願います・・・。

さて、ポールのパフォーマンスとセトリ次第では、僕はしばらく現実に戻ってこれなくなるやもしれません。よって、次回更新は何を書くか決めずにおきます。

とにかく寒暖の変化が厳しい季節です。
ま~た風邪をひいてしまわぬよう気をつけます。みなさまもどうぞご自愛を・・・。
次更新までの間、ジュリー古稀ツアー各会場のご感想などもコメントにてお待ちしております!

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2018年10月18日 (木)

今日からまた日常を・・・明日は晴れる

みなさまご存知の通り、さいたまスーパーアリーナ公演が中止となってしまいました(YOKO君は同日の飲み会で泣く泣くセトリのネタバレを解禁しました)。

中止の知らせに僕はまず、呆然とするしかありませんでした。そんな中で遠方からお越しの顔馴染みのみなさまとお会いしたり緊急のメールを頂いたりして、そのショックの大きさを思うに連れ実感が沸いてきた、というのが正直なところです。
それとともに、またこんな時だけジュリーのことを何も知らない人達に、テレビで面白おかしく採り上げられてしまうのだろうか・・・と胸が痛くなりました。

昨夜はなかなか眠れませんでした。
昨年YOKO君と2人、神席で観た大宮公演のMCでジュリーが「来年はここ(大宮ソニックシティ)ではやりません。(古稀ツアーの埼玉公演に)エエ会場があったんですよ~」と楽しそうに「大会場公演」をプチ予告してくれたこと、今回のさいたまスーパーアリーナに誘っていたもう1人の友人S君が、突然の中止にも文句ひとつ言わず「こうなったら俺も武道館に行くぞ!」と言ってくれたこと、開演前にお会いした遠征のみなさまのウキウキした様子など、あれやこれやのことを思い出していました。

今朝、「日常」の通勤電車の中で改めて考えました。
昨日のライヴ、遠方から駆けつけたみなさまには本当におかけする言葉もありません。
そして、昨夜からのこの件についての報道を目にするにつけ、普段からメディアを鵜呑みに信用する習慣がいかに危ういか、というところまでを考えました。


今はただただ、この先のジュリーの古稀ツアー各公演の無事の開催と成功を祈るばかりです。
僕などが言うまでもなくこの次の公演、SAYAKAホールに参加されるお客さんは、いつも以上に熱い拍手と声援でジュリーと柴山さんを迎えてくれるはずです。僕も当日は、こちらから念を送ります。
SAYAKA組のみなさま、どうか託しましたよ!


実は明日から3日間、楽器業界・楽譜業界にとって2年に1度の大イベント『楽器フェア2018』が、東京ビッグサイトで開催されます。僕も休日返上で全日程、楽譜出版協会のブースでスタッフを務めます。
こちらのブースの目玉は、すっかり恒例となった、各メーカー選りすぐりの『謝恩価格本』コーナー。簡単に言えば絶版本スコアのお蔵出しです。プレミアもののスコアをユーザーが安価で購入できる、ということで毎回大変にぎわいます。

『楽器フェア』はとても楽しいイベントですが、仕事として関わる僕らはそれでも最終日はクタクタに疲れます。
広い広いさいたまスーパーアリーナに響くジュリーの歌声に力を貰ってから「いざ出陣!」というつもりでいましたが、残念ながら叶いませんでした。
でも、頑張ります。
ジュリーが大変な時こそ、日常生活で手は抜けません。ある先輩の「明日は晴れる」とのSNSでのお言葉にも励まされました。

開催初日の明日はあいにく降雨確率60%の予報なんですが、僕も「明日は晴れる」の志をしっかり持って、全力で働いて参ります。
楽器やスコアに興味のある関東圏のみなさまは、東京ビッグサイトまで是非遊びにいらしてくださいね!

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