2019年2月 4日 (月)

沢田研二70YEAR'S LIVE 『OLD GUYS ROCK』セットリスト&ツアー総括

バタバタしている間に、2月になってしまいました。

ジュリーの古稀ツアーは、さいたまスーパーアリーナの振替公演である7日(丸1日中、「6日」と誤記しておりました。一番やってはイカンことですよね・・・大変申し訳ありません。コメントにてご指摘くださりありがとうございました。当日、お天気に恵まれますように)の大宮ソニックシティーを残すのみとなりましたが、そんな中早くも次のツアーのインフォが届きましたね。相変わらずの超人的スケジュールには感嘆させられるばかりです。

ただ今回のツアー前半申し込み分については見事に首都圏の会場が平日ばかりで・・・サラリーマンの身にはなかなか厳しい(涙)。
僕はどうしてもツアー初日は行きたい派なので(これまで何度も書いている通り、会場の誰もセトリを知らない状態での緊張感に満ちたあの雰囲気が好き)、おそらくメチャクチャ仕事が忙しい時期であろう5月9日の東京国際フォーラムはそれでも無条件で申し込みます。なんとか都合をつけて駆けつけたい!
あとは7月の守山。実はこの守山はカミさんの両親が現在住んでいる街で、会場を検索したらすぐ近所でね~(ちなみに守山駅からは結構遠いですよ。電車で来場のみなさまにはタクシーの利用をお勧めします)。開催は金曜だけど有給をとって、土日と合わせ帰省がてらカミさんと参加したいと思います。

ということで今回僕が申し込んだのはこの2箇所のみ。悩ましいのはツアー後半をどうするか・・・せっかくなのでYOKO君はじめ音楽仲間を誘いたいんだけど、現時点で公になっているスケジュールだと彼等の都合的に到底無理なんですよ。
インフォの感じだとどう見ても追加公演はあり得そうですし、これから大宮とかNHKホールとかフォーラムとか、とにかく休日の首都圏会場開催が発表されると良いのですが、どうなりますか。

さて、元旦のご挨拶記事以来長らく更新が滞ってしまいましたが、その間僕は1月5日の大宮ソニック、20日の武道館とジュリーの古稀ツアーに参加いたしました。
オーラスの大宮は平日開催のため断念しましたので、僕の今ツアー参加はこれにて終了。今日はその1月2公演それぞれの感想を軸に、『OLD GUYS ROCK』ツアーの総括的なレポをupさせて頂きます。
両日とも拙ブログではお馴染みのYOKO君が一緒、加えて大宮にはS君(一昨年の松戸公演に続いて2度目のジュリー。本当はさいたまアリーナを共にするはずだったのですが仕切り直しです。振替に休日開催があって本当に良かった!)武道館にはNさん(こちらはまったく初めてのジュリーLIVEです)と、音楽仲間を誘っての参加でした。いずれも素晴らしいステージとなり、同行した彼等の感想も絶賛モード!
なにより「満員」だったというのが嬉しいじゃないですか。特に武道館3daysについては、一部メディアが事前にしょうもない記事をバラ撒いていただけに、今回の大成功に「見たか!」と言いたい気持ちですよ。

それではいつものように、セトリに沿ってレポを書いてまいります。なんとかオーラス大宮の前に更新成りましたので、当日ご参加のみなさまの行き帰り道中のお供になりますように。よろしくおつき合いくださいませ。
開演!


オープニング「
everyday Joe」(スクリーン上映)

Kitarubeki

新年1発目のジュリーLIVEとなった大宮ソニックは、10月さいたまスーパーアリーナの代替公演。さいたまアリーナに参加予定で現地にいたYOKO君、S君と僕は揃ってこの5日大宮をチケット振替することができました。平日だと「3人揃って」というのは厳しいですから有難い日程でしたね。
さいたまが終わったらS君に手渡ししようと用意していたセトリCDがはからずも彼にとっては今ツアーの予習音源と変わったわけで、S君はその間、特に気に入った「A・C・B」の収録アルバムである『耒タルベキ素敵』までひと通り聴いたらしく、このツアー・オープニング上映で流れる「everyday Joe」も予習済のナンバーとして楽しんだようです。
曰く「歌も演奏も録り直してるよね!」と。
「everyday Joe」のアレンジ・オマージュ元がジミ・ヘンドリックスの「パープル・ヘイズ(紫のけむり)」であり、その「紫」にあやかって「古稀」ツアーのオープニングなのでは、という僕の話にも頷いてくれました。

「紫」以外のモチーフとして重要なのが、故・かまやつひろしさん作曲作品であるということ。ジュリーが語る「鬼籍に入った人達のぶんまで」との決意は、オープニング上映をかまやつさんの曲、エンディングBGMを堯之さんの曲とした構成に表れているでしょう。
先のデビュー50周年ツアー、今回の古稀ツアーと続いたオープニング・スクリーン上映のスタイルは果たして「特別な年のツアー」限定の趣向だったのか、それとも今後もツアー・コンセプトを投影した定番となるのか・・・気が早いようですが、インフォも来たし前半分の申込も済ませ、次のツアーが今から楽しみです。

ちなみにS君からはその後、『第六感』『CROQUEMADAME & HOTCAKES』の2枚を購入した、とのメールが来ました。本格ジュリー堕ちおめでとう!

1曲目「
カサブランカ・ダンディ

Royal

いきなりほとんどのお客さんがスタンディングとなる光景は、いつものことながら圧巻です。
大宮は1階11列目という良席を授かったので僕らもそれに倣いました。一方武道館は1階スタンド席で、それでも視界は良好だったこともあり着席での鑑賞。大きな武道館での会場の熱を俯瞰し受け止める、という見方もなかなか良いものでした。

多くのファンが「ギター1本だと遅く聴こえる」とお話している今回の「カサブランカ・ダンディ」ですけど、僕は事前予習でBPMを頭に叩き込んでいった結果、テンポ自体はほぼ変わっていないと確信できましたよ(ほんの少し遅いかもしれませんが)。
それは他セトリについても同様。冒頭のこの曲はリズムがハーフタイム・シャッフルなので、聴き手のテンポの錯覚が起こり易いのだと思います。

間奏の柴山さんはオリジナルのソロ・フレーズを完コピしているだけでなく、4小節目に「ミミ、ファ#ファ#、ソソ、ソ#ソ#」(音階はオリジナルキー表記)の低音パートまで挿し込むなど縦横無尽の大活躍。改めて、よくぞここまで練りこんだなぁと。
演者2人の凄まじい稽古量が実感できるという1点だけとっても、今回のギター1本体制は尊いです。

2曲目「
彼女はデリケート

Gsiloveyou

ジュリーの新たなる挑戦、ギター1本体制の衝撃。
ツアー終盤では多くのみなさまと同じく、スタイルそのものには僕もすっかり慣れてきたとは言え、「これをギター1本で再現するのか!」と未だに信じ難い思いで聴いている曲もあり、その筆頭格が「彼女はデリケート」。

リフから始まり豪快なダウン・ストロークでコード・バッキングへと移行。そうかと思えば神出鬼没に飛び出す単音オブリガート。加えてコーラス、駆け足も・・・。
66歳のギタリスト・柴山さんもジュリーにヒケをとらない超人。いやもう「人」を超えているからステージ上の2人とも「超獣」と言った方が良いかな。
永遠に続くかと思っていた鉄人バンド期の後に、こんな超獣コンビのステージが待っていたとは・・・。
あ、「超獣コンビ」ってみなさまご存知ですかね?プロレス古今東西、世界最強のタッグ・チームです。
ジュリーが何度かMCで語った通り、このスタイルでは歌とギターが「対等」であることが理想形なんですよ。どちらも必殺技があり、フォールがとれるというね。
2人が荒ぶり猛りながら疾走する今回の「彼女はデリケート」は、さながら最強の超獣コンビが挨拶代わりの合体技を披露したようなもの・・・こうなってくると、この曲同様に過激なBPMを擁する「愛まで待てない」或いは「世界はUp & Fall」がいつセトリ入りするか楽しみ。特に後者は僕がまだ生体感できていない曲ですから、5月からのツアーに採り上げられることを切望する次第です。

3曲目「
お前なら

Julie4

大宮、武道館両日ともこの曲の前の短いMCでジュリーから昨年のさいたまアリーナの件についてお詫びの言葉があり、お客さんが拍手で応えるシーンが。
特に大宮では「ごめんなさい」と頭を下げたジュリーの姿に感動・・・振替チケットで参加したお客さんが多かったこともあり、これまでにない「両想い」な意思疎通、ジュリーとファンの阿吽の呼吸が感じられました。

さて武道館公演が初のジュリーLIVEだったNさんは終演後、「1曲目2曲目まではちょっと声の調子を心配したけど、3曲目以降どんどん良くなっていった」と話してくれましたので、「ジュリーは毎回、後半になるに連れて声が素晴らしくなってゆく」旨伝授しておきました。大宮、武道館ともにその通りの感じでしたね。
個人的には今ツアー・セトリでは「ISONOMIA」でジュリーの喉のギアが加速する印象がありますが、確かに武道館では「お前なら」でグッと声が出てきたようす。
この曲については初日の時点で最高音が少し苦しそうだったのが、ジュリーにしか分からない発声のポイントを徐々に掴んでいったのかな。
柴山さんがここでテレキャスからテレキャスへのチェンジをしているので、2曲目「彼女はデリケート」までは半音或いは1音下げのドロップ・チューニングで歌われ、この「お前なら」から通常チューニング、つまりオリジナル・キーで歌ったと推測できますが、次曲「F.A.P.P.」と合わせ高音がキツくなるここから逆に声が出てくる、というのが凄いです。

大宮の打ち上げでは、S君がこの曲のギター・アレンジについて「ブラック・サバスの影響」を指摘。僕はサバスは詳しくないのでそこまで分かりませんが、70年代常にリアルタイムで最先端の洋楽を自らの血肉としていた堯之さんのことです。可能性は大いにアリ、でしょうか。
リリース時より今のジュリーの方がこの楽曲に合っているのでは、という話も出て、それは声に限らず詞のコンセプトとしてもそうなんだろうとも思いました。

4曲目「
F.A.P.P.

38

以前から柴山さんの演奏スタイルを「セーハの鬼」と書いてきました(ひとさし指1本で6弦すべてを押さえるコード・フォームを「フレット・セーハする」と言います)。
YOKO君も「今回柴山さんが弾くロー・コードはAとDくらい」と言っていましたが(実際にはそれに加えて「E」もあります)、「F.A.P.P」はそんな柴山さんが今セットリストの中でセーハしないロー・コードを魅せてくれる数少ない曲のひとつ。サビでイ長調への豪快な転調があり、最後の着地コードであるトニックの「A」を柴山さんはロー・コードで弾きます。
これすなわち、最高音が高い「ラ」の音にまで到達する「F.A.P.P」(「HAPPINESS LAND♪」の歌詞部冒頭が最高音)を、70歳のジュリーがオリジナル・キーで歌っている証しでもあるわけです。
他セトリではキーを下げるものも数曲あった中で、やはりこの曲はコンセプト的にもメッセージ的にも最高音は譲れない、ということなのでしょう。
しかも「限界ギリギリ」であるはずの「ラ」の音にもジュリーのヴォーカルはまったく澱みがなく・・・改めて、驚異の喉の持ち主なんですねぇ。

柴山さんのこの曲での演奏はソロとバッキングにそれぞれ独立性を持たせたパターン。打ち上げでNさんが「テレキャスって、レスポールとストラトの中間なんだよね」と言っていたように、テレキャスの万能ぶりを示す1曲でもありました。
テレキャスの名手・堯之さんへの追悼の意味合いも当然あるでしょうが、今ツアーでの柴山さんのテレキャスの多用は、ジュリーとの2人体制の第1歩として「はからずも必然」であったかもしれませんね。

5曲目「
あなただけでいい

Acollection

これは今セトリの中でも特に、参加会場を重ねるごとにジュリーの声が素晴らしく良くなっていった、と感じる1曲でした。

僕はこの曲、これまで『ジュリー祭り』東京ドーム公演ただ1度きりしか体感できていなかったので、今回のようなツアー中の「進化」の過程をリアルタイムで追ってゆくのが初めてとなる曲でもありました。
ツアー初日と比較すると最終的には少しテンポを落としてきているかな?
重厚にはなり過ぎず、良い意味での「軽さ」を保ったまま歌と演奏がどっしりしてきた、という感じです。
歌い重ねるに連れて気持ちが入っていくのは当然として、ギター1本体制への加速的な馴染みに驚かされました。さすがは70年代シングルの名曲!
ジュリーはセトリ冒頭の「カサブランカ・ダンディ」についてどこかの会場で「50周年のツアーでは敢えて外し、古稀ツアーのためにとっておいた」シングルなのだと語ったそうですが、「あなただけでいい」も同様でしょう。

柴山さんの演奏も凄いです。ストロークのリズムと随所1拍ごとのフォーム・チェンジでベースのグルーヴを、三連カッティングでピアノの連打とドラムスのハイハットを、そしてもちろんギターの単音フレーズも・・・オリジナル音源でのアレンジの噛みを見事1本のギターで再現してくれましたね。

6曲目「
風は知らない

Tigerssingle

ツアー初日武道館と和光市公演の時点では気づけませんでしたが、柴山さんのアコギはホ長調のフォーム。トニックの「E」をロー・コードで弾きます。
つまりオリジナルのヘ長調から半音下げての演奏で、なるほどアコギの「E」から連なる独特のボレロ調のリムズ・アレンジは、キーを下げることで必然編み出されたアレンジだったのだと納得。
そのリズムは初日から比べるとアタックがかなり柔らかくなりました。シンコペーション部が歌メロとぶつからないようにツアー中に進化させたのですね。
どこの会場でしたか、ステージ上でジュリーとの真剣な打ち合わせがあったそうですが、それもまた納得の完成形を今回堪能できました。

次のツアーではどんなタイガース・ナンバーが聴けるのか・・・大きな楽しみのひとつです。

7曲目「
雨だれの挽歌

Love

大宮に参加のS君は仲間内では一番のギターの名手。その彼を「素晴らしい鳴り」と感嘆させたのがこの曲での柴山さんのゴールドトップ・レスポールでした。
サムピックを使用しない指弾きにも惹かれたようで、「ギター1本体制ならではのアイデア」と(ただ、「雨だれの挽歌」という楽曲タイトルをまだ覚えていなくて、「虫の歌」と言ってましたが笑)。

柴山さんは今セトリのバラード・ナンバーについては表拍複音を指4本同時弾きで通します(ただし「ヤマトより詞をこめて」だけは通常の単音アルペジオ)。
これは親指を鍵盤楽器の左手に、ひとさし指、中指、薬指を同じく右手に模した奏法。もちろん要所にオブリガートも織り交ぜての熱演で、このアイデアは今回からスタートしたジュリーの新たなステージ・スタイルで骨子となってゆくでしょう。
近いうちに披露されるであろう(次ツアーかな?)「いくつかの場面」の歌メロ部もおそらくこの奏法が採用されると僕は予想しておきます。

それにしても、『架空のオペラ』リリース時に語られたという、ジュリー・ヴォーカルと大野さん作曲作品とのメロディーとの相性・・・ヴォーカルがダイレクトに向かってくる今スタイルで改めて実感させられました。
特にバラード系については古稀越えの今なおキーの変更など必要なし。武道館の「雨だれの挽歌」では少し歌詞が入り乱れるシーンがありながらも、高音部から低音部まで「髄までジュリー」の歌声に目を閉じて聴き入ってしまいました。

70年代後半の阿久=大野ナンバー珠玉のバラード群、後追いファンの僕にはまだまだ未体感の隠れた名曲が残されています。
YOKO君も大好物のアルバム『LOVE~愛とは不幸をおそれないこと』から、「赤と黒」とか「薔薇の門」とか歌ってくれないかなぁ。無理かなぁ?
毎年1曲ずつでよいので聴いていきたいものです。

8曲目「
ISONOMIA

Isonomia

オリジナル音源では白井さんはロー・コードを弾いてると思うけど、柴山さんはハイ・ポジション。
ジュリーのドスの効いたヴォーカルとのバランスを考えてのことでしょうか。

この曲は最初のお披露目(2017年お正月『祈り歌LOVE SONG特集』での先行セトリ入り)からどんどん良くなってきています。ジュリーのヴォーカルもそうだし、お客さんの手拍子もそう。泰輝さん、GRACE姉さん、依知川さんがリードしてくれたハンド・クラップはファンに浸透し、武道館が初ジュリーLIVEだったNさんもすぐさまついてゆくことができたようでした。
新たな「定番曲」誕生を予感させる1曲。今後また何度も体感できそうな気がします。

9曲目「
我が窮状

Rocknrollmarch_2

武道館のアンコール前のMCで印象深かったジュリーのひと言があります。
「僕らのような(仕事の)人は反体制であるべきだと思っています」と、チラリと、しかしハッキリとジュリーは言ったんですよね。古稀を迎えての改めての「ロック宣言」と捉えてよいでしょう。
いえ、僕はもう今は「ロック=反体制でなければならん」と決めてかかることはやめました。対象ロッカー(ここではジュリー)への傾倒が、何事も成していない聴き手に過ぎない自分に「ロック」の鎧を着せ、安易なアイデンティティーへと転嫁する危険性をこの数年で学んだからです。僕のような者は特に危ない。
しかし、実際に大事を成し遂げ継続しているジュリー本人のその宣言については本当に頼もしく、信頼とリスペクトの気持ちをかき立ててくれます。

「我が窮状」をはじめ、2002年あたりから顕著となるジュリー自作詞のメッセージ・ソング、さらに近年の『PRAY FOR JAPAN』の名曲群は確かに「反体制」のテーマを堂々と含みます。ただ、そのすべてが素晴らしい「歌」であることの意義。
ジュリーの反体制って、標榜などでは決してなく、ひたすら「弱者の側に立つ」スタンスなのです。
徒党を確認した上で中傷や言圧を弱者へと向ける、というのは結局それをする人の性根なのだろうと僕は思っていますが、ジュリーの創作はそんな輩とは逆。
よくジュリーは「自分は歌うことしかできない」と語ります。これは言い方を変えれば「歌うことによって何でも成しえる」力を持つ、ということではないでしょうか。
受け取る側として肝に銘じたい、と思います。

柴山さんの奏法は先に書いた「雨だれの挽歌」と同じ指弾き。この曲には「F#dim」という経過音コードが登場しますが、柴山さんは5弦を軸にしたレンジの広いフォームで抑えます。これが下山さんの「F#dim」になると1、2フレットのロー・コード(「君をのせて」参照)。
それぞれの指の長さから考えると逆になりそうなものですが、そのあたりがギタリストとしての異なる個性なのでしょうね。
ちなみに僕は下山さんと同じフォーム。柴山さんのフォームで弾こうとすると小指が攣ります・・・(涙)。

10曲目「
屋久島 MAY

Oldguysrock

和光市、大宮は新曲コーナーでステージ後方にスクリーンを降ろしてイメージ映像を流していましたが、全方位開放の武道館では天井が巨大なスクリーンに模されます(ツアー初日はそこまで気づけていませんでした)。
中でも一番のインパクトはやはりこの曲。雄大な自然の光が会場全体に降り注ぐかのようでした。

ジュリーがボレロを踊る間奏部は、柴山さんの「E」の構成音を超えるアレンジが素晴らしい!単純に「ワン・コードの曲」というだけではないんですよね。
新たなスタイルでレコーディングされた昨年の新譜『OLD GUYS ROCK』は、演奏や音色使い、作曲もさることながら、柴山さん渾身のギター1本アレンジにも注目すべきでしょう。「屋久島 MAY」はその魅力が最も伝わり易いトラックではないでしょうか。

11曲目「
ロイヤル・ピーチ

Oldguysrock_2

この歌はもちろんサビの高音も良いけど、僕はBメロでのジュリーの低音ヴォーカルに特に惹かれます。
それは今回はセトリから外れた「FRIDAYS VOICE」のAメロにも同じことが言えて、いずれも柴山さんの作曲作品なのですね。異なる曲想を持つヴァースを合体させる作曲手法は必然メロディー音域が広くなり、歌手・ジュリーの才を引き出します。
「ロイヤル・ピーチ」ではAメロのクリシェ、Bメロに一瞬挿し込まれるディミニッシュ、王道進行のサビ。それぞれにニュアンスを違えながらも統一感のある構成、そしてヴォーカル・・・真に名曲。やっぱり僕は『OLD GUYS ROCK』の中ではこの曲がイチオシだなぁ。

今年もまた新譜で柴山さん渾身の作曲作品が届けられることでしょう。5月からのツアーの前に、大きな楽しみがひとつ待っていますね。

12曲目「
核なき世界

Oldguysrock_3

ツアー中にようやく個人的な歌詞解釈がハッキリしてきた曲です。やっぱりジュリーの生歌を聴いて、「新曲」の中では最も気合迸る発声、「伝えよう」とするジュリーの意思が真っ直ぐに届くのは大きい!
どれだけ嘘で固められようとも、どれだけ逃げる(誤魔化す)ことをされても譲れない、目指すところであり護るものが「核なき世界」。僕の中では「逃げおおせても」のフレーズがツアー前までは漠然としていただけに、今回強く印象づけられた生歌でした。

ジュリーが2008年に「我が窮状」を歌った時、賛否いずれにせよ聴き手はその時点でまだまだそのテーマの現実味を感じとれていなかったかもしれません。
しかし10年が経っての現状はご存知の通り。
「核なき世界」で歌われている内容もそうです。このツアーが進んでいく間に、海の向こうでは核保有国間での中距離核兵器廃棄条約の履行すら風前の灯、という状況が既に襲ってきています。
僕らは今からジュリーのメッセージを、我が問題として自覚しなければならないでしょう。

13曲目「
グショグショ ワッショイ

Oldguysrock_4

武道館ではこの曲から「A・C・B」「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」と、ジュリーが広いステージを縦横無尽に動き回り、東スタンド1階の真横から観る感じだった僕らに接近してくれるシーンがありました。その度に周囲から歓声が上がります。
また、初日と比べるとジュリーのステージ後方席へのアピールも頻繁で、北スタンドのお客さんが喜ぶ様子もヒシヒシと伝わってきました。そんな会場の雰囲気含めて「今ツアーの完成形」を観た気がします。

僕は和光市から大宮までツアー参加の間隔が開いていたのですが、その間にこの曲の「さあ来いやい♪」の歌い方が変わっていたんですね。
「さあ来い」をCDヴァージョンのオクターブ上で歌い、「やい」で低音に落とすという。
ドスの効いたラストの低音はもちろん、「さあ来い」の高音があれだけ太く、ブレないというのが凄い。腕を大きく拡げての発声もカッコ良かったです。

14曲目「
A・C・B

Kitarubeki_2

S君お気に入りの1曲。
ジュリーが演奏前にリードする手拍子は「裏」でした(と言うか柴山さんが裏で合わせて噛んでくるんだけど、目立たないながらこれメチャメチャ難易度高い!)。

オリジナルはニ長調ですが柴山さんのフォームはハ長調で、1音下げのキーでの演奏。「C」「G」を3フレット、「F」を1フレット、いずれもセーハで弾きます。
ハ長調のスリー・コードをわざわざ全部セーハするのが「永遠のエレキ小僧」っぽくて良いですな~。

「2000年でも♪」の歌詞部、大宮でジュリーは「2019年でもくたばってなかった♪」と歌ってくれました。武道館は聴き逃した~(泣)。

15曲目「
マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!

Samosutatto

大宮のS君、武道館のNさんともに、今セトリで「前からよく知っている」有名曲は「カサブランカ・ダンディ」「ヤマトより愛をこめて」の2曲のみ。
僕はそんな2人に各公演前、「マンジャーレ!アモーレ!カンターレ!という曲だけは完璧に予習してきて欲しい」と伝えていました。もちろん、ツアー途中から恒例となった「リフ部の”だだだコーラス”練習」シーンに備えてのことです。
大宮では2階席→1階席のお客さんに分けての練習となりましたが、武道館では待望(?)の「今日は会場にどのくらい男の人がいるのか確かめたい」とのジュリーのリクエストで、まず「男性のみ」の声出しとなりました。
直前にNさんに確認したら「覚えてきたよ」と。
いざ始まると、両隣の2人はアマチュアとはいえさすがに仲間内ではヴォーカルが専門職、それぞれ個性の異なる良い声で歌うんですよ~。肝心の僕自身は歌は全然ダメなんですけど。2人にお任せ状態で遠慮がちに発声していたら、YOKO君が突然「瀬戸口さん3度上3度上!」とハモリを強要(笑)。
やはり会場に男性陣は少なくて、それぞれが勇気を出して大声を出さないと届かない、という状況。YOKO君とNさんは素晴らしい仕事をしましたが僕についてはちょっと・・・。ジュリーに「(出来はともかく)勇気を貰いました」と言って貰えたのが救いです。
引き続いての女性陣による声出しは「さすが」のひと言で、ジュリーも感心しきりでした。

それにしてもいざ本番のコーラス参加、僕はいつも1音上がり転調箇所で構えてしまうんです。みなさんよく自然についていきますね~。

柴山さんのフォームを見る限りこの曲はオリジナル・キーの演奏(変イ長調→変ホ長調)。かなり高い音域ですけどジュリーは余裕です。
さらに言うとそのメロディーを上でハモる柴山さんの超高音コーラスも素晴らしい!高音って思いっきり発声しないといけないので、この曲の柴山さんのハーモニーは他曲と比べると抜きん出て目立っていました。

16曲目「
Don't be afraid to LOVE

Panorama

武道館では、演奏が終わりジュリーが「着替えてくる!」といったん退場した時に、隣のNさんが「今の曲イイねぇ!」と話しかけてきました。もちろんNさんにとって全然知らない曲・・・それでもこんなに感動してくれた、というのがとにかく嬉しい!
Nさんは仲間内ではYOKO君と並んで「ヴォーカル」のツートップで、打ち上げではジュリーのヴォーカルについて「あの声だから、ギター1本体制ができるんだよね。70歳でこのスタイルができるのは限られた本物のヴォーカリストだけ」と絶賛でした。
さいたまアリーナの件もニュースで知っていて曰く
「外野が何を言おうと、ヴォーカリストとして一流、人間として一流、それがすべてでしょう」
とキッパリ。

そうそう、僕らのいたは東スタンド1階からはステージとアリーナを纏めて視界に捉えられたのですが、この曲の照明で観るその景色は圧巻でした。
玉の光が会場一面に浮かび、床が漆黒に隠れているので、お客さんの影から一段上にいるステージの2人がまるで宇宙に浮いているように見えました。
広い武道館ならではの光景、演出だったと思います。

~アンコール~

17曲目「
ROCK'N ROLL MARCH

Rocknrollmarch

武道館では着替えて登場したジュリーがステージ中央まで進み出ると、キルト衣装をヒラリを翻して1回転。会場からは物凄い矯正が(笑)。
ジュリーはすかさず
「(スカートの中が)見えた?」
とおどけてからのMCでした。

MCの内容はこちらでは割愛しますが、毎年「ここはとにかくジュリーの漫談が長い!」と定評のある大宮が割とアッサリ目で。「珍しいなぁ」と思っていたら、翌日になって客席にメディアが潜入していたことが分かり、「ジュリー、さすがに控えたな(笑)」と納得でした。
武道館は結構長い時間お喋りしてくれたけど、僕らの行かなかった両日の方が内容は濃かったみたい。

さて「ROCK'N ROLL MARCH」。ツアー初日は慣れないギター1本のスタイルについてゆくのが精一杯で、「オリジナルと間奏の小節数が違うのでは?」と錯覚もしましたが、大宮、武道館とも実際にはCD通り。きっと最初からそうだったのでしょう。
対して後奏はツアー途中から明らかに長尺となり(と言うよりいったん曲を終わらせてから柴山さんのアドリブ・コーダが続く)、ニ長調というキーを生かした「D」コードのヴァリエーションで展開するラーガ・ロック風の柴山さんのソロが炸裂します。

柴山さんが最後の最後、「レ」の音を特殊な奏法で出していることに気づいた人はいらっしゃるかなぁ?
どういうことか説明しますと・・・おそらく柴山さんはギター1本体制でのこの曲を、キーのトニック音である「レ」で最後の太い音を締めくくりたかったのでしょう。
でも通常のギターのチューニングだと「レ」は4弦開放で弾かねばならず、音がいささか細い。そこで何と、6弦開放音(ギターで演奏可能な最低音)の「ミ」を鳴らしながらそのまま手動でペグを緩めて「レ」までドロップさせる(!)という荒技を採用、重厚なエンディング・トーンを実現させました。
ツアー大トリの大宮にご参加のみなさまには是非このシーンにも注目して頂きたいです。

と、いうことで次曲でのギター・チェンジは必然。

18曲目「
ヤマトより愛をこめて

Konndohakareina

先述の通り、今セトリのバラード群の中で唯一柴山さんがノーマルな単音アルペジオ奏法を魅せてくれるのがこの大トリのナンバー。
指弾きのアルペジオって普通はこうなんです。ただし今回のそれは難易度が恐ろしく高い!
ギター1本ですからキメのフレーズはコード・トーンから逸脱して弾かなければなりませんし、オリジナル音源では他パートが担当する箇所(おもにピアノ)もしっかり再現されています。加えてト短調というセーハ必須のキー・・・僕らは本当に凄いものを観ているのです!
凄いと言えばジュリーのヴォーカルも当然そう。武道館ではNさんが「一番最後の曲が一番声が良いとは・・・」と驚嘆していたほどです。

「ヤマトより愛をこめて」はセトリのオーラス率が高い定番曲。長いファンの先輩方は「そういえば『ジュリーマニア』のラストもこれだったなぁ」と、僕の知らない「武道館ジュリー」を思い出していたかもしれませんね。
その武道館も遂に改修されるとか。
YOKO君曰く「やっぱり音響も変わっちゃうよね。寂しいけど仕方ない」と。
古稀記念という特別なツアーということで「武道館3days」はそれにふさわしい冒険でありましたし見事満員御礼の大成功に終わりましたが、ジュリーの中では今回のスケジュール、「改修前の武道館への感謝」の意味もきっとあったんじゃないかな。
MCでも「初めて武道館に来たのは(自身の)デビュー前に観たビートルズ公演。南西スタンドにいた」という思い出話も飛び出したくらいですからね。

☆    ☆    ☆

エンディングBGM、堯之さんの「JUST A MAN」もゆっくり聴けて、大満足の両日でした。
大宮の満員御礼はもちろん、全方位ビッシリのお客さんでいっぱいの武道館の光景を観ただけで開演前から既に大きな感動がありましたが、いざステージが始まるとこれまで体感したことがないくらいの会場の熱量。これにはYOKO君もNさんも驚いていました。
「休日とはいえ武道館3daysの中日にこの入りは凄い。それ以上に客席の熱が凄まじかった」と。
後で聞けば武道館3daysは全日そんな熱さが続いたとか。そんな大成功が悔しかったのか何なのか、武道館終了後も一部メディアは招待席がどうたらこうたらと、悪意盛り盛りのイチャモンをつけていたようです。
僕らとしては「そういう貴方は実際あのステージ観たのかい?」と言いたくなります。

そりゃあ招待券の配布は確かにあったでしょう。大会場のイベントなら当たり前のことです。
でも核心はそこじゃない。
僕が日頃からジュリー道の師と慕う先輩がいつも個人的にレポを送ってくださるのですが、その中で先輩はこう仰いました。「招待席で観た感想は、その招待席で実際武道館に行かれた人のものです」と。
外野が想像だけでどうのこうのという話じゃないわけで、実際に観た人ならステージと会場の真実の雰囲気が分かる・・・個人の好みを超えて、どれほどジュリーとお客さん双方が熱かったか、というのがね。
意地の悪い記事を目にして憤懣を抱えていたのが、先輩のレポを拝見しスッと溶けてゆくようでした。
あ、この先輩のレポについては、僕と同様に個人的に受け取ったsaba様が感激のあまり「記事にしたい」と要望と言うか懇願を重ねられた(笑)結果、めでたく世界中に発表の運びとなりましたのでsaba様宅でご覧になった方も多いかな?

ジュリーと柴山さんは見事に山を登り切りました。
明後日大宮の振替公演もまだ残されていますが、「これが本来の千秋楽」の気持ちは武道館最終日に参加されたみなさまも、そしてジュリー自身も持っていたことでしょう・・・大成功めでたや!

そして、ジュリーは既に先を駆けています。
これから(きっと)新譜のレコーディングがあり、CD発売があり、初夏にはもう次のツアーが始まります。ボ~ッとしてはいられませんね。
僕は今年からこの先数年にかけて、仕事が本当に大変な時期となりそうです。自分の年齢のことも併せて「勝負」がかかるその初年。年明け早々に、70歳と66歳のOLD GUYSに大いに勇気を注入されました。
僕も素敵な「ヤンチャ」の精神で何事にも取り組みたいものです。「頑張ろう」と思いました。

最後に。
両会場でお声がけくださったみなさま、有難うございました。また次のツアーでお会いしましょう!

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2019年1月 1日 (火)

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

770104

我が家は新年早々カミさんが風邪で寝込むという状況ではありますが(たぶん僕がうつしました・・・)、まずは平穏な元旦を過ごせることに感謝。

今年は久々にジュリーの「新年明けて間もない」LIVEがあります(5日、大宮ソニックシティ)。
昔はよくお正月早々のLIVEのMCで、『新春かくし芸大会』や『日本レコード大賞』の話をしてくれたそうですね。5日はどんな話が聞けるでしょうか。

拙ブログは2019年も相変わらずのマイペースでやっていければ、と思います。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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2018年12月31日 (月)

2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その⑤)

連載第5回
『フィナーレ~アンコール』編


ボヤボヤしている間に大晦日。
色々あった2018年ももう終わりですよ・・・。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

本当に年内ギリギリになってしまいましたが、瞳みのる&二十二世紀バンド・四谷公演レポートの連載第5回、最終回をお届けいたします。
これにて本年の拙ブログの締めくくりです。よろしくお願い申し上げます!


20曲目「蛍の光」~「悲しき叫び」
21曲目「
ラヴ・ラヴ・ラヴ

Funale

タイガース時代からのファンの多くの先輩方はみなさん「蛍の光」から「ラヴ・ラヴ・ラヴ」へのメドレーは纏めてひとつの楽曲、とお話されます。かつてザ・タイガースを「見届けた」選ばれし者共通の感覚でしょうか。

今年は、普段から特に親しくさせて頂いていたタイガース・ファンの先輩とのお別れがあり辛い年でもありましたが、その先輩も同じことを仰っていました。今回の四谷公演、僕はこのセットリスト本割ラストになって、無性にそんなお話が思い出されてなりませんでした。
プライヴェートなことですが、ここではその先輩の思い出を書くことをお許し下さい。

先輩は長い闘病の末に今年7月、ジュリーの古稀ツアー開幕直前に旅立たれました。その時のことは「
君をのせて~『SONGS』ヴァージョン」の記事に書いたのですが、さらに後日談があります。
お通夜がジュリーのツアー初日・武道館公演と重なりましたので、僕は翌日の告別式のみ参列しました。そこでBGMとして繰り返し流れていたのが、先輩が特に好きだったと思われるザ・タイガースの名曲の数々でした。「銀河のロマンス」「青い鳥」そして古稀ツアーでジュリーも採り上げた「風は知らない」等々・・・。
ただ、先輩が確実に愛していたはずのタイガースの代表曲「ラヴ・ラヴ・ラヴ」が流れません。

僕はこのBGMを「段取りの達人」である先輩が自らご自身の告別式のために用意した選曲だとばかり考えたので、何故?おかしいなぁと思いました。
式の最後、お見送りの準備の前に先輩の娘さんとお話する時間がありました。娘さんによるとこのBGMは先輩が緩和病棟に入る際に、病室で聴くために(娘さんが)ダウンロードを頼まれた曲を、そのまま告別式に用意したのだそうです。
聡明な先輩は、これらの曲達が自分がこの世で最後に楽しむ音楽だと決めていらしたでしょう。そして、お母さんの影響でタイガースにも詳しくなっていた娘さんは、尋ねるまでもなく僕の疑問に答えてくださいました。
「ラヴ・ラヴ・ラヴ」だけは、「悲しいお別れのイメージがあるから」との先輩の希望で、その最後の入院の時敢えて外されたのだ、と・・・。

確かに、1971年にいったんザ・タイガースとお別れしたリアルな体験を持つ先輩方にとって、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」とは圧倒的に愛された曲でありながら、同時に悲しい思い出の曲でもあったのでしょう。
でも僕は今、後追いファンの身で僭越なのだけれどもそのことを「過去形」で書きたい・・・何故なら、ピーさんと二十二世紀バンドがこうして毎年のセットリストの固定した配置で歌い演奏し続けることで、少なくともピーさんのLIVEに参加し続けているファンにとって「ラヴ・ラヴ・ラヴ」はもう悲しいお別れではなく、「来年また会いましょう」という約束の曲に変わっている、と感じるからです。

その先輩はタイガースの中では特にジュリーが好きで、ピーさんについては2011年の最初のトークLIVEに遠征されたのみで、二十二世紀バンドのステージはずっと参加されていませんでした。それを僕が「タイガースが好きなら絶対観るべきです」と力説し、先輩は昨年の四谷公演に初めて参加されました。終演後、「来て良かった。来年も観たい」と仰いましたがそれは叶いませんでした。
もし今年も参加されていたなら、2年連続で聴く「ラヴ・ラヴ・ラヴ」に、従来の悲しいイメージは払拭されていたのではないか、と思うと本当に残念でなりません。

最後のお見舞いでお話した時、先輩はタイガースへの感謝、ジュリーへの感謝、そしてピーさんとピーさんのファンサイトへの感謝を口にされました。
もちろんそれは先輩の個人的な格別の深い思い入れがあってのことなのだけど、そのお話はここではよしましょう。ただただ、今年の四谷公演もご一緒したかった、ピーさんが熱唱する「ラヴ・ラヴ・ラヴ」を聴いて頂きたかった・・・僕の思いはその1点です。


今年もピーさんは「ラヴ・ラヴ・ラヴ」冒頭のフィルを叩くとドラムセットを離れ、ヴォーカルに専念。後を受けたマーシーさんのドラムは、優しいタッチに始まり(小節の終わりのオープン・ハイハットが効いています)、激しいエンディングのキック連打まで再現してくれましたが、ここで初めて僕はマーシーさんの少年のような素敵な笑顔に気づき、ひいては「ラヴ・ラヴ・ラヴ」を二十二世紀バンドのメンバー全員が暖かな表情で演奏していることを確認しました。
最後にドラムセットのフロアに駆け上がろうとしたピーさんが、足場の狭さにフラッとよろけてしまうシーンがありましたが(隣の先輩が「毎回無理しないで・・・」と心配されていました)、お茶目なピーさんは照れたような笑顔が満開となり、とても明るいフィナーレ。
やっぱり「ラヴ・ラヴ・ラヴ」はもう、涙まみれのお別れの曲ではないのですね。

退場するメンバーに感謝の拍手を送りつつ、僕らは自然にアンコールを待ったのでした。

~アンコール~

22曲目「三日月

Crescentmoon

「早くステージに戻りたい!」とばかりに笑顔のダッシュで再登場するメンバー。Kenyaさんも一緒です。
アンコール1曲目は、今や二十二世紀バンドの看板ナンバーとなった「三日月」でした。

この曲は毎年、演奏する全員の表情がとても良い!新加入のマーシーさんも笑顔満開で、昨年までIchirohさんが魅せてくれていたハイハット3連グルーヴを完璧に再現してくれます。
生で聴くたびに思うのは、JEFFさんのアレンジの素晴らしさ。歌メロには登場しない間奏進行が究極にポップで、ドラマチックです。
ドミナントを引っ張ってメンバーのコーラス・リレーへと繋ぐあたりはメンバーが(楽器の手元を見ずに)顔を上げて演奏するのが素敵ですね。

ピーさんはヴォーカルに専念し、エンディングの「リンリンリン・・・♪」コーラスをお客さんにリクエスト。
アンコールがこの1曲で大団円、でも満足のセトリですが、間髪入れず最後にもう1曲、降臨したのは・・・。

23曲目「色つきの女でいてくれよ

Tigersgolden

今年の大トリはこのタイガース同窓会ナンバー。
ピーさん不在のため「再結成」ではなく「同窓会」と位置づけられた大ヒット曲が、今はピーさんのLIVEセットリスト定番になったという不思議な縁と巡り合わせ・・・僕もリアルタイムでテレビで観ていた「色つきの女でいてくれよ」を、あの時はいなかったピーさんが歌うことは最早サプライズではありません。
歌詞に合わせて独特のアクションを繰り出すピーさんの姿はとても自然でしっくりきます。

打ち上げの際にも「とうとう大トリにまでなったね」と、この曲も話題に上がりました。先輩が仰るには「やっぱりタローさんの作曲だから、肌が合うのかしらね」と。
もちろんそれは大いにあるでしょうけど、加えて僕はピーさんがこの曲の阿久さんの詞を大層気に入っているのではないか、と想像します。「きりきりまい♪」の箇所を歌うピーさんの楽しそうなこと・・・ピーさんの好きな語感なんだと思いますよ。

オリジナルでのジュリーのパートは昨年同様NELOさんの担当。ピーさんはその度にNELOさんに近づいて「さぁ行け~!」みたいなゼスチャーで盛り上げます。
間奏のソロはKenyaさん。その間NELOさんがKenyaさんに視線を送り続けているのもまた、二十二世紀バンドらしい暖かなシーンでした。


盛りだくさんのセットリスト全23曲のステージも、終わってみればあっという間。
いつものようにメンバー横並びで「バンザイ」からの一礼で退場、最後に残ったピーさんの恒例の投げキッスでステージが締めくくられました。

ピーさんと二十二世紀バンドのLIVE終演後に毎年まず思うのは「楽しかった!」のひと言です。余所行き感がまったく無い、どんな人にもアウェー感を抱かせない、それでいて特別な非日常の素晴らしさ。
僕のまわりには、ジュリーのLIVEは毎回行くけれど、二十二世紀バンドはまだ観たことがない、というジュリーファンが大勢いらっしゃいます。今一度、僕はそんなみなさんに強く勧めたい・・・「タイガースがお好きなら、間違いなく楽しいです!」と。
インフォメーションの送付がありませんから、ピーさんのLIVEについてはオフィシャルサイトを定期的にチェックし、「チケット受付開始」の情報を自力で把握する必要があります。あとは案内に従い申し込むだけ。
チケットはジュリーと比べると少し早めに送られてきます。来年も二十二世紀バンドのツアーがあるなら(ある、と信じていますが)、是非ご参加を!

最後になりましたが、今回のレポは「連載」という形で長々とおつきあい頂くこととなり、読んでくださったみなさまには例年以上に感謝、感謝です。
なんとか年内に書き終えることができました。

来年が良い年でありますように。元号が変わる新しい時代が平和でありますように。
みなさまどうぞよいお年をお迎えください。

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2018年12月28日 (金)

2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その④)

連載第4回
『怒涛のタイガース・レパートリー』編



久々の更新です(汗)。
みなさま想像はついていらしたでしょうが、今年もまた誕生日直後に風邪をひいてしまいました。僕はこの12月、風邪をひかずに過ごせた年が過去に1度でもあっただろうか・・・本当に情けない、としか言えません。

今回は、まず喉をやられる自分恒例のパターンではなくて最初から完全な鼻風邪。連休中ひたすら休養し、なんとか仕事は休まずこうしてブログも書ける状態にまで復活しましたが、まだ鼻水の症状が残っています。
流行り風邪なのでしょうね。
日々のうがい、手洗いは心がけていたのになぁ・・・みなさまは大丈夫でしょうか?

ということで。
遅れましたが今日は『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018』四谷公演レポートの連載第4回、『怒涛のタイガース・レパートリー』編をお届けいたします。
セットリストで言うと12曲目から19曲目まで。厳密にはタイガース・レパートリーはセトリ本割ラスト21曲目まで続くのですが、思うところありこの区切りとさせて頂きました。今回もどうぞよろしくおつき合いくださいませ。


セットリストの半分を終えても前後半の途中休憩はとらず、そのまま一気に駆け抜ける今年のステージ。
はなさんのMCがこのタイミング(11曲目の後)だったかどうか記憶が曖昧なのですが、「ピーさんがお尻を振りながら歌っていたのが可愛かった」という話があり、たぶんそれは「YOUNG MAN」のことかな、と思うのでここで書くことにします。
「私は4年目ですが・・・」と、やはり二十二世紀バンドでの活動を「楽しい!」と笑顔を振り撒くはなさん(JEFFさんとNELOさんは5年目)。
「でも、1人見慣れない人が混じってる・・・」ということで、新メンバーのマーシーさんにMCが引き継がれます。
マーシーさんは今年の二十二世紀バンド加入に感激の様子で、「だって、ピーさんのドラムセットが触れる(叩ける)んですよ!」と。それはそうですよねぇ。あのアタックを見てから実物のセットに着いたら、「おぉ、ピーさんが叩いたスネア!」とか思うはずですから。

次曲をピーさんは「シルヴィー・マイ・ラブ」と英タイトルで紹介。いよいよ怒涛のタイガース・レパートリー・コーナーが始まります!

12曲目「
銀河のロマンス

Tigersred

またまた記憶がハッキリしないのですが、ピーさんはここでもドラムをマーシーさんに託し、引き続きヴォーカルに専念していたと思います。
というのは、昨年同様16ビートのタイトなポップスに仕上げた二十二世紀バンド・アレンジの「銀河のロマンス」・・・歌メロ直前に「ダダッダッダッダダ!」というキメのフレーズがあるんでが、そのドラムスの打点にとても「優しい」感触を覚えていて、たぶんマーシーさんの演奏だったんじゃないかなぁと思い出すからです。

ピーさんとICHIROHさんは、ドラムのプレイ・スタイルについてかなり似た部分もありました。一方マーシーさんはタイプが違い、豪快さよりもシャキシャキの切れ味で魅せる感じ。でもパワーが無いわけではなくて、他メンバーの音や楽曲解釈を重視する、NELOさんのギターに近いスタンスだと感じます。
ピーさんやIchirohさんのドラムとは違った意味で、僕はマーシーさんの演奏を大変気に入りました。来年以降、さらなる見せ場、活躍を期待したいです。

さて、僕はたまたま四谷公演の少し前の12月3日に「銀河のロマンス」の記事を書いていて、そこでリアルタイムのタイガース・ファンの先輩方のこの曲にまつわる思いを色々と想像したんですけど、この日打ち上げでご一緒させて頂いた3人の先輩方も口を揃えて「銀河のロマンスは特別!」なのだと。
お3方それぞれファンとしてのキャリアも違ってきているのに、「出発点がザ・タイガース」「『ジュリー祭り』に参加」という共通点を持ち、全員、『ジュリー祭り』の「銀河のロマンス」のイントロ一瞬で涙が出てきた、と仰るのですから・・・凄いことです。
改めてこの曲の尊さを教わり、後追いファンの僕はただただそんな特別な思いを持つ先輩をうらやましく思い憧れるばかりでした。

13曲目「
花の首飾り

Tigersred_2

この日のMCではないですが、かつてピーさんは「タイガースで一番好きな曲は?」と問われ、「沢田には申し訳ないけど、僕はかつみが歌った「花の首飾り」が好きです」と答えていました。
歌詞的にはどこか文学的、写実的な美しさ。メロディー的には唱歌にも通ずる大衆性と儚さ。
ピーさんの普段の活動や創作を知る今は、なるほどピーさんの好みに叶う曲かなぁと思えます。
ただし、セトリ演奏順はキッチリA面「銀河のロマンス」→B面「花の首飾り」ということ・・・にしておきましょう。

パンフを読み返すと、この曲の紹介で「中国語と日本語で歌います」と書かれていて、もちろん僕も過去のLIVEはそうだったと今も覚えているのに、何故か今回の四谷では日本語部のシーンしか思い出せない・・・。
ピーさん中国語でも歌っていましたっけ・・・50代になりいよいよ僕の記憶力も妖しくなってきたようです。

ちなみに2011~12年のツアーでジュリーはこの曲のキーを1音下げのト短調(Gm)で歌いましたが、ピーさんは毎年オリジナル通りのイ短調(Am)です。
歌メロ部に入ってNELOさんが華麗な響きで魅せる2番目のコードが毎年謎・・・「G」でも「Em」でもない、不思議な4フレットのフォームなんですよね。
分数コードなのかなぁ?

14曲目「ホテル・カリフォルニア」

今日は『怒涛のタイガース・レパートリー』編ということでお届けしていますが、この曲だけは例外。しかし二十二世紀バンドのステージとしてはこれで3年連続のセットリスト入りで、すっかり定番ナンバーとなりました。
先生時代のピーさんには、この曲への何か特別な思い入れがあったのかな、と想像したりして。

定番化の大きな動機として、全公演ではないものの任意の会場でボーナス的に繰り出される「二十二世紀バンド・ギター2本体制」が挙げられるでしょう。
今年はこの四谷公演、イントロが始まるやふと気づくとJEFFさんの隣にいつの間にかフライングVを持ったKenyaさんが登場していて。
JEFFさんが「うわっ!」とその突然の登場に驚いたり、Kenyaさんとマーシーさんが「よろしくね」みたいな感じで握手するシーンもありました(ここからピーさんが再びドラムセットに着き、マーシーさんはパーカッション・スタンドに戻っています)。

さて、セットリストとしては定番でも、ピーさんがこの曲のドラムスを1人で担うのは今年が初めてです。
昨年まではIchirohさんがエイト、ピーさんが16とハイハットの刻みに分担化がありましたが、今回ピーさんは序中盤をエイト、終盤を16と変化をつけてきました。
しかも叩き語りのリード・ヴォーカルですから相当な負担だと思うのですが、見事やり遂げる72歳!

もちろんNELOさんとKenyaさんのツイン・ギターも炸裂し、演奏が終わるとKenyaさんのMCも。曰く
「呼ばれてもいないのに来てしまった」
と。先の横浜公演ではKenyaさんの参加はなかったそうで、「辛抱たまらず」という様子のKenyaさんは
「だって、(新加入の)マーシーがもう5公演目って、おかしいでしょ!」
だそうです(笑)。
Kenyaさんはここでいったん退場しますが、さりげなくJEFFさんがお客さんにも聞こえるように「また後でね!」と声をかけていたのが印象的でした。

15曲目「シー・シー・シー

Tigersred_3

自信はないのですが・・・この曲の前にピーさんのMCがあったんだったかな。
「さぁここからタイガース・ヒット・パレード」な雰囲気の中で始まるお馴染みのベース・ソロのイントロ。このあたりで会場は総立ちとなりました。「シー・シー・シー」ってやっぱり「火つけ」的な配置が似合いますね。
ピーさんはドラムも叩いてくれます(スタンディングでヴォーカルに専念するパターンも過去にはありました)。エンディング一瞬の3連フレーズでのアタックは、スネアの皮が割けるんじゃないかと思うほど強烈でしたね~。

16曲目「君だけに愛を

Tigersred_4

昨年からALICEさんが不在のため、客席側からの「逆指差し」が僕らの大切な役目となりました。
JEFFさんは「D」の開放弦を利用した「タッチしたい♪」のアクションを1度だけ炸裂させていたかな?

この曲は毎年、ギター・ソロが近づいてくるとNELOさんの気魄が動きから伝わってきます。今年のソロは前半部はオリジナルに忠実に、後半はあり余る気合を加速させた独自の速弾きも織り交ぜ魅せてくれました。

17曲目「シーサイド・バウンド

Tigersred_5

息つく間もなくまだまだ続くタイガース・スーパーヒット・コーナー。
フルコーラスなので間奏のステップ・タイムが2回巡ってくるのが僕らとしては嬉しいです。
で、ここで毎回見とれてしまうのがNELOさんとはなさん。2人とも(演奏しながら)手元をまったく見ない!お客さんを見渡しながらステップを踏んでくれるんです。
NELOさんはスラスラと単音を弾き、はなさんは激しい身体の動きの中で指先だけがガッキと鍵盤に吸い付いて離れないという・・・安定にして最高に楽しいパフォーマンス。二十二世紀バンドはメンバー全員が「陽」の雰囲気を持っているのが素晴らしいですね。

エンディングのキメ部でちょっとパート間のタイミングが合わず僕は見ていてヒヤリとしたんですけど、阿吽の呼吸で問題なく進行。
音に乱れが生じることはなかったので、その点気づかなかったお客さんの方が多いんじゃないかな。

18曲目「
怒りの鐘を鳴らせ

Tigersblue

二十二世紀バンドの超・攻撃的型タイガース・レパートリー、今年はこの曲がここまで残されていました。
ピーさんがステージ復帰を遂げた2011年のジュリー・ツアーで、「割れた地球」と共に「ドラマー・瞳みのる、健在!」を万人に知らしめたハードなナンバー。その後ニ十二世紀バンドを結成したピーさんがずっと大切に演じ続けている、と感じる1曲です。
アタックの強さでは「ハートブレイカー」に一歩譲りますが、これはなんと言ってもロール・フィルですね。いつ、どのタイミングで飛び出すか油断ならないので、僕も含めてファンがピーさんのスティックに終始釘付けとなる曲・・・今年もそうでした。

JEFFさんのヴォーカルも、ジュリーとはまた違うギリギリとした怒りの表現が肉感的。その上で、ポップなんです。JEFFさんの声質の強みではないでしょうか。

それにしてもこの楽曲のクオリティ-、斬新な構成には改めてひれ付すばかりです。
なんと70年リリースですよ・・・「ザ・タイガースはこの曲で和製キング・クリムゾンとなった!」みたいな論評が当時残されなかったのが不思議でなりません。
僕は全タイガース・ナンバーの中で「風は知らない」「はだして」「怒りの鐘を鳴らせ」の3曲が特に好きですが、それぞれまったく異なるベクトルからロック的な意義を語り得る不朽の傑作だと思っています。何故か3曲ともシングルB面なんですけどね。
そう言えば僕はまだ「はだしで」を生で聴いたことがないなぁ・・・ピーさん、来年お願いします!

19曲目「ハートブレイカー」

Tigersblue_2

セットリストの流れとしては、14曲目「ホテル・カリフォルニア」からここまでが「ピーさんのドラム大炸裂」コーナーといったところでしょうか。特に激しいドラミングが見どころとなっている「ハートブレイカー」、年々セトリ入りの重要性が増しているようです。NELOさんのリード・ヴォーカルもすっかりお馴染みとなりました。

タイガース・ファンにとってほんの数年前までは「もう二度と体感できないかもしれない」伝説の曲だった「ハートブレイカー」が、二十二世紀バンドの手によって「セトリ鉄板曲」になった意義は本当に大きいでしょう。
元々タイガースが大好きだった、というジュリーファンの先輩が初めて二十二世紀バンドのLIVEに参加された時・・・僕は毎年のようにそんな先輩方とお話する機会を得ていますが、まずLIVEの感想で第一に挙がるのは決まってこの曲なんです。今年もそうでした。
それはもちろん楽曲自体への懐かしさもあるでしょうけど、やはりピーさんのドラムだと思うんです。「凄い、バリバリ現役じゃないか!」ひいては「いつまたメンバーの間でタイガースをやろう!という話になっても、ピーさんは準備万端」という、夢の再々結成を夢想させてくれるほどのパワー、その所以ですね。
ただ、二十二世紀バンドが完成度の高いパフォーマンスを続けていますから、さすがのタイガースも太刀打ちするとなると大変、という状況にはなっていますが。

そして、この後のセトリは恒例の「蛍の光」→「ラヴ・ラヴ・ラヴ」へと引き継がれるのですが・・・それは次回の更新(連載最終回)にとっておきます。
このタイガース・フィナーレをオマージュしたメドレーに今年は個人的に思うところがあり、今日はここで筆を置き、気持ちを改めて次回書きたいと思っています。

体調万全でない中、今週はさすがに年末ということもあって仕事も忙しかった・・・でも今日が仕事納めで、僕は明日から冬休みです。
なんとかレポ最終回の年内更新を目指します。


そうそう、ジュリーは一昨日の東京フォーラム公演で年内ツアー日程を終えました。参加された方のお話では、素晴らしい2018年締めくくりだったそうです。
沖縄でひいていた風邪も治ったようですね。
そんなことまでジュリーに倣わなくても良いのに、僕も結局風邪をひいてしまいましたが、みなさまはくれぐれもお気をつけて・・・元気な年末をお過ごしください。

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2018年12月20日 (木)

沢田研二 「この空を見てたら」

from『耒タルベキ素敵』、2000

Kitarubeki


disc-1
1. A・C・B
2. ねじれた祈り
3. 世紀の片恋
4. アルシオネ
5. ベンチャー・サーフ
6. ブルーバード ブルーバード
7. 月からの秋波
8. 遠い夜明け
9. 猛毒の蜜
10. 確信
11. マッサラ
12. 無事でありますよう
disc-2
1. 君のキレイのために
2. everyday Joe
3. キューバな女
4. 凡庸がいいな
5. あなたでよかった
6. ゼロになれ
7. 孤高のピアニスト
8. 生きてる実感
9. この空を見てたら
10. 海に還るべき・だろう
11. 耒タルベキ素敵

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『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018』四谷公演レポートの連載途中ではありますが、ひとつジュリー・ナンバーお題の記事を挟みます。

私事ながら今日12月20日は僕の52歳の誕生日。毎年この日は「ジュリーが自分と同じ年齢の年にどんな歌を歌っていたか」をテーマに更新すると決めていまして、四谷のレポ連載に全力投球中ですので今年は楽曲考察ではなく、お題曲にあやかって思うところを自分の年齢にも重ねて少しだけ書きとめておくという短い文量の記事となります。
曲は、52歳のジュリーが自らの原点であるザ・タイガースのメンバーをゲストに、作曲にもすぎやま先生を迎えて歌った「この空を見てたら」を選びました。
ジュリーの沖縄公演に思いを馳せながら・・・気軽におつき合いくださいませ。


52歳ねぇ・・・。あの『ジュリー祭り』から10年経っているのですから当たり前のこととは言え、僕もいよいよ「初老」の男になってきましたよ。
ただ、同い年の友人や会社の同僚などが「こんな年になってしまった・・・」と肩を落としている中で、僕はそういうマイナスの思いは全然無いのですな。だって、52歳ってジュリーがアルバム『耒タルベキ素敵』をリリースした年ですよ。バリバリじゃないですか!
もちろん僕も身体のあちこちにガタは来ています。それでも「『耒タルベキ素敵』のジュリーと同じ年」というのは何と励みになることか。

僕は「『耒タルベキ素敵』も後追いで聴きましたから、初聴時には世間一般の額面通り
「2000年というメモリアルイヤーに、ジュリーが過去に縁のある作家陣を集結させて豪華絢爛のミレニアム記念盤を製作した」
というその1点を以ってのみ、すぎやま先生の作曲およびサリー、タローのゲスト参加の動機をなんとか把握するに留まっていました。
その後じゅり勉に励むこと10年。
リアルタイムの先輩方はきっと「この空を見てたら」を、「TEA FOR THREE」の最新曲という意味合いも加味して聴かれたのではないか、そして「作曲・すぎやまこういち」のクレジットに心躍らせ、ザ・タイガース復活への道程もチラリと考えていらしたのではないか・・・今はそんなふうに想像しています。

すぎやま先生が作った「この空を見てたら」のメロディーは、もちろん良い意味での大衆性、娯楽性を突き詰めたかのようなプロフェッショナルな力作。メロディーとリズムだけ抜き出してみると、例えば特撮ヒーローもの、戦隊もの、或いは人気アニメ・ドラマの主題歌としても成立する普遍性を感じます。
そこにジュリーが詞を載せ歌い、サリーとタローがコーラス参加することでTEA FOR THREE色ひいてはザ・タイガース色に仕上げられている、というのが僕の考え方。ただし、最終的に重厚なギター・サウンドに転換しアルバム収録曲としてバランスを整えた白井さんの功績も忘れてはいけませんよね。

2000年のこの曲のリリースから時を経て夢のザ・タイガース完全再結成は実現し、さらにその後のメンバーそれぞれの活躍も続く現在は、熱いエネルギーが再び溜め込まれ雄伏している時期なのかもしれません。
今年古稀を迎えたジュリーは、「大好きなギタリスト」柴山さんと2人だけで今後の歌人生を歩む、という大きな決断をしました。
ジュリーは必ずそれを貫き通すはずです。しかし、ふと「バンドのLIVEが恋しいな」とジュリーが考える瞬間もまた近々に訪れるんじゃないか、と考えたりします。
そんな時、孤高の古稀越えロッカー・ジュリーが唯一、弟キャラで「バンドの音を頼ろう」と考え得る存在はザ・タイガース以外無いでしょう。

同じ志の年長者がいる、というのは本当に有難くて、僕の場合この12月、自分の誕生日の前に18日、19日と敬愛するJ先輩の誕生日が続き、「好きな人の年齢を追いかける」感覚の尊さを毎年実感します。
ジュリーにとってタイガースのメンバーがそんな存在ではないか、と思うのです。
今「この空を見てたら」を聴きながら、僕らはもう一度ザ・タイガースのあの熱いエネルギーを受け止める準備をしておくべきなのでは、と夢想するのですが・・・それは勝手な願望、なのかなぁ?


今日は下書きもしない一気書きの短い記事にて失礼いたしました。オマケ画像もなくて、すみません。
次回更新は再び瞳みのる&二十二世紀バンド四谷公演のレポに戻って、連載第4回『怒涛のタイガース・レパートリー』編をお届けします。
連載はそれも含めてあと2回、なんとか年内に完成させたいと思っていますが・・・。

ともあれ不詳DYNAMITE、52歳の年も気合を入れてジュリーを応援する所存。変わらぬおつき合いの程、よろしくお願い申し上げます!

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2018年12月18日 (火)

2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その③)

連載第3回
『今年は休憩ナシ!疾走するオールド・マン』編



遅れました遅れました!
いやぁ、仕事自体はさほどではないのですが「飲み」の予定がたてこんでおりまして、休日にブログを書く時間が無いという状況下、今日は『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018』連載第3弾をお届けいたします。
セットリスト9~11曲目の3曲です。細かく刻んでいるので短い記事となりますが、早速まいります!


前回書いた『中華・台湾ポップス』コーナーが終わると、NELOさんのMCがありました。
二十二世紀バンド結成5年目、NELOさんはすっかりこのバンドの重鎮的存在となりましたね。ソロを弾きまくれば完全に主役級の腕前を持ちつつも、その「音」をヴォーカリスト或いはバンド全体のアンサンブルに捧げる、という豪朴なスタイルに、僕もすっかり心奪われています。根っからの「バンドマン」なんだろうなぁ。

MCではJEFFさん同様に、国内ツアーがこの日で最後となるのが寂しい、来年も是非やりたい!と。
まだ予定を決めていないピーさんの前で、お客さんを巻き込んでの来年のツアー直訴、といったところでしょうか。僕らはもちろん大きな拍手の賛同で応えます。
そして次曲の紹介は「ピーさんが作った曲を・・・」。
瞳みのる作詞・作曲ナンバーも年々増えてきていますが、さぁどれが来るでしょうか。

9曲目「朧月」

Oborozuki


↑ 帯を合体させてスキャンしたものです

芸能界復帰後のピーさんの「新たなキャリア」には本当に多くの特筆点がありますが、僕が最もリスペクトするのは「作曲」活動です。
元々、どんなベテランになっても「新曲へ向かう」気骨を持ち続けるアーティストの姿勢を好む僕としては、復帰後のピーさんがドラム演奏やリード・ヴォーカルのみに留まらず、「道」に始まる一連の新曲の作詞・作曲に取り組む姿勢・・・これは世間的にももっと高く評価され採り上げられるべきものと考えます。

「朧月」はピーさんの自作曲の中では最も優雅なメロディーで、どちらかと言うと唱歌寄りのアプローチかと思いますが、いやいや二十二世紀バンドをバックに歌うとロック性、オリジナリティーがとても高いんです。
僕はなおこさんとのジョイントLIVEを観ていないので比較はできないんですけど、直前の『中華・台湾ポップス』コーナーからの流れは、バンド・サウンドとしてガッチリ噛み合っている演奏、アレンジだと感じました。

10曲目「
老虎再来

Theroad

間髪入れずに続いたこちらの曲もファンにはお馴染み、ピーさん作詞・作曲のビート・ナンバー。
歌メロ直前のはなさんのクリシェするピアノ連打が個人的には大好物です。マーシーさんのドラムスもオリジナル完全再現でしたね。
またこの曲はピーさんとしては珍しくほとんど歌詞カンペを見ない・・・必然アクションが大きく、「ピー・ダンス」が炸裂する1曲でもあります。

で、僕はいつものジュリー・ツアー初日公演と同じく、演目数をカウントしながらセトリを覚えていました。
この「老虎再来」は10曲目。過去4年の二十二世紀バンドのLIVEは必ず前半・後半の間に着替えの休憩タイムがありましたから、僕はこのアップ・テンポなピーさんのオリジナル曲で盛り上げたタイミングでひとまず前半を締めくくるんだろうな、と考えたのですが、演奏が終わってもそんな気配は無し。
あれっ、前半にもう1曲やるのかな?と思って観ていると、次に始まったイントロは・・・。

11曲目「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」

イントロ一瞬では反応できません。確かに聴き覚えのあるイントロ・・・有名な洋楽のカバーか?と戸惑いました(いや、洋楽カバーには違いないのですが)。
数小節進んだところで「あっ!」と。思わず隣の先輩に「Y.M.C.A.」ですか?」と確認しました。
MCやパンフの解説文では特に言及が無かったのですが、当然これは今年亡くなられた西城秀樹さんへの追悼が込められた選曲でしょう。

子供の頃からよく知っているスーパースターであったり、大人になっていから知った憧れのアーティスト、プレイヤーであったり、もちろん自分の肉親や友人であったり、時にはあの痛ましい震災の犠牲となられた人であったり・・・感性の乏しさを自覚している僕は、そんな人達の思いもかけない訃報に接すると「一生懸命その人のことを考える」ようにまず心を砕きます。そうするといつも心に襲ってくるのは、今生きている自分の存在の傲慢さであり無力感です。
でも二十二世紀バンドのステージには、そんな気持ちをふるい落とす不思議な連帯感があります。
ピーさんがこの数年毎年のように「追悼」の名曲を採り上げてくれることは、故人を思えば寂しさの連続ではあるのだけれど、ピーさんのLIVEスタイルだからこそ毎年それができる・・・僕ら聴き手にとってはとても得難い、有難いことではないでしょうか。
例えば今年のこの曲。僕のような者でも何のためらいもなくスタンディング・ヴォーカルのピーさんに先導されて「Y.M.C.A.」の決めポーズを繰り出せる、そんな雰囲気がピーさんのLIVEには毎年あるのです。

それにしても懐かしい・・・。
西城さんの「YOUNG MAN」は僕が小学6年生の年のスーパー・ヒットです。「洋楽カバー曲はノミネート対象外」という事項が無ければブッちぎりで『日本レコード大賞』を受賞していたはず。振付も含めて、会場誰ひとり知らぬ者はいない曲だったでしょうね。
ちなみにオリジナルの洋楽の方はカミさんがCDを持っていて、帰宅後すぐに聴いてみました。


Villagepeople


サビ直前の和音が独特。ヘ長調ですから普通はドミナントの「C7」を宛てるところ、ここでは「Gm(onC)」なんですね。二十二世紀バンドも忠実に再現していました。
あと、JEFFさんの縦のビートが心地よかった・・・モッズ魂をこの曲で炸裂させるとは・・・さすがです!

エンディングのサビのリフレイン部で、何故かピーさんは「若いうちは♪」の箇所を二度に渡って出遅れて歌い損ね、苦笑い。
音符割りがピーさんの苦手なシンコペーションのパターンなのか、それとも例えば「年をとっても♪」といったふうに咄嗟に「替え歌」にしようとしてうまくいかなかったのか・・・それでもキュートな照れ笑いを正面で観ることができたのは嬉しかったです。

かつて西城さんはこの曲で最後の最後に「ヤングマン!」とシャウトしていましたが、ピーさんそこは「オールドマン!」と。愉快なオチをつけて、皆が西城さんへの追悼を心から楽しい「歌」で共有できたこと、本当に良かったなぁと思います。
まず「楽曲」へのリスペクトありき・・・それが二十二世紀バンドの特性なのだと再確認しました。

僕はここでも「これで前半終わりかな」と考えましたが、結局今年のツアーは途中休憩無し。ジュリーのLIVEと同じ構成になりました。畏るべし、疲れ知らずの疾走するオールド・マン・・・ということで、ここからセットリストは折り返しとなりますが、続きはまた次回。
連載第4回は、『怒涛のタイガース・レパートリー』編です(ただし、内1曲のみタイガースでやっていない曲も含みます)。

明後日の12月20日にひとつジュリー・ナンバーのお題記事を挟みますので更新はその後になります。引き続きよろしくお願い申し上げます。

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2018年12月13日 (木)

2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その②)

連載第2回
『中華・台湾ポップス』編



さぁ、引き続き『瞳みのる&二十二世紀バンドLIVE 2018』四谷公演レポを進めてまいります。
今日はセットリスト4曲目から8曲目、毎年恒例の『中華・台湾ポップス』コーナーで採り上げられた5曲をお届けいたします。よろしくお願い申し上げます!


まずは、冒頭3曲の演奏を終えてのピーさんのMCをもう少し振り返っておきましょう。
当日12月9日は「今年一番の寒さ」との予報が出ていて、ピーさんも「今日は外は寒いですが・・・」と、駆けつけたお客さんに丁寧にお礼を述べた後

でも、舞台に上がると暑い!全部脱いでしまいたいくらいですが、そういうわけにもいきません

と(笑)。
するとJEFFさんがピーさんの方に手をかざして
脱いだら凄いんです!

これにはピーファンのみなさま、思わず妄想を逞しくされたことでしょう(笑)。ピーさんは照れ笑いしつつ

骨と皮だけです・・・

いやいや、骨と皮だけであんなドラムは叩けませんって・・・。脱いだら「謎のイイ身体」説に僕も1票!

『音楽は時代と国境を越える』・・・このツアー・サブタイトルは昨年から続いていて、「世界各国のポップスを紹介してゆく」二十二世紀バンド毎年のコンセプト。
セットリスト4曲目からは、中国語・漢文教師として長年のキャリアを持つピーさんにしかできない「中華・台湾ポップス伝授」のコーナーとなりました。
ピーさんが主眼を置くのは、「どんな内容の歌なのか」をお客さんに伝えること。自身がリード・ヴォーカルをとるだけでなく、原詞から始まり最後は自ら書いた日本語詞を歌うことで選曲の意義を深めています。
「歌詞の意味が分からない人は、最後の日本語詞を聴いてください」とのことで、これは僕はもちろんのこと、ほとんどのお客さんが該当しますね。
正直、このコーナーの曲については二十二世紀バンドで聴くのが初めてなのか、それとも以前に体感済みなのか判別できないものもあるのですが、それ故に毎年新鮮に楽しめている、という面もあるのです。

4曲目「心太軟(君の心優しすぎ)」

パンフに明記してある漢字が変換できず往生しましたが、あれこれ検索していたら別の漢字表記も発見しましたので、ここではそちらのタイトルで載せています。

元々は台湾の曲で、長い下積みで苦労していたリッチー・レンがこの曲でブレイク、中国本土でも大ヒットとなった歌なのだそうです。
メロディアスなバラードですが力強いサウンド。
イントロは新メンバー、マーシーさんのパーカッションからスタートします。マラカスで8分音符を刻み、タンバリンのアクセントが小節内に一打。優しいリズムに「おっ、ピーさんはまた素敵なメンバーを見つけたな」と。
ピーさんのドラムスが噛み込んだあたりで何故か1度仕切り直しがあったので(歌詞のセッティングが遅れたのでしょうか?)、結果このマーシーさんのイントロは2回聴くことができたのでした。

5曲目「女人花(女、花、夢)」

ピーさんがドラムをマーシーさんに託し、スタンドマイクに移動したのがこの曲からだったか、次だったか・・・記憶が曖昧です(汗)。

こちらもメロディアスなナンバーで、ヴォーカルを追いかけるはなさんのピアノがひらひらと舞う花を表現しているように聴こえ印象に残っています。
日本語詞でも「花」のフレーズが効果的でした。

6曲目「一言難盡(悲しみ言い尽くせない)」

二十二世紀バンドのLIVEは毎年、メンバー1人1人にセトリ進行に即したMCが割り当てられています。
ここでJEFFさんのMC。

JEFFさんは、「(国内の)ツアーが今日で終わってしまうのが寂しい」と(JEFFさんの場合はこの後控える台湾公演には不参加ということもあり、尚更でしょう)。
今年も押し迫っているということで、「来年(二十二世紀バンドで)やる予定は?」と尋ねますが、ピーさんは「今のところ空白なんです」と、つれない返答(ジュリーと同じで、発言が誠実正直なのですねぇ)。
それでもJEFFさんは、またこのメンバーでやりたい!みんなと会いたい!と力説。
きっと来年も会える、と僕らファンも信じています。

で、「次の曲は・・・」とJEFFさんはセトリのカンペ(?)に目をやるも「読めない!」と(笑)。
「変換もできなさそうな漢字があって・・・」とのことで、もちろんそれを受けてピーさんが正しく発声してくれたのですが、僕らにもチンプンカンプンでございます。上のタイトル表記は、なんとか検索をかけてコピペしたもの。当然僕にも読めません(泣)。
ただ、曲は素晴らしかったです。
今回の中華・台湾ポップス・コーナーの選曲の中では最も「バンド向き」だと感じました。

7曲目「夜来香」

これはさすがに僕もよく知っている曲です。去年も演奏されていましたしね。
ジュリーファンの間では、アルバム『忘却の天才』収録の「我が心のラ・セーヌ」とのメロディー類似で語られることも多い曲ですが、ピーさんはこのジュリー・ナンバーを知っているかなぁ?

オリジナルはしっとりした感じですが、二十二世紀バンドのアレンジはシャキシャキのビートものに仕上げられ、独特のグルーヴ感があります。
ピーさんはヴォーカルに専念。僕のこの日のチケットは、いつもお世話になっているピーファンの先輩が一緒に申し込んでくださったのですが、7列目のド真ん中という松席でした。ピーさんがスタンドマイクで歌う時、完全に差し向かいになるのです。
ステージ右側(ピーさんから見ると左側)の譜面台にセットした歌詞をチラリ、チラリとしながらも、気持ちの入った瞬間には目を閉じて歌うピーさんの立ち姿・・・バッチリ記憶に刻み込むことができました。

8曲目「愛你一萬年(
時の過ぎゆくままに)」

すっかりセットリスト定番となったこの曲が、
「中華・台湾ポップス」コーナーの大トリに配されました。

「時の過ぎゆくままに」・・・二十二世紀バンドとしては、1年目にジュリー・ヴァージョンのカバーとして初代キーボーディストの稲村なおこさんがヴォーカルを担当。3年目以降は「中華ポップス」の括りで、現地で大ヒットしたヴァージョンを念頭にアレンジを進化させ、序盤のヴォーカルはJEFFさん、中後半はピーさんがドラム叩き語り、というスタイルが定着しました。
僕は現在のヴァージョンを一昨年の横浜公演で初体感しましたが、あの日はちょうどピーさんのLIVE直後にタローさんの古稀記念LIVEがあり、タイガースのメンバーがお祝いに駆けつけることが事前に決まっていたらしく、何と客席にジュリーがいたんですよね(僕は終演後に聞かされるまで気づけなかった・・・オーラを消すことにかけては達人のジュリーとは言え、僕のジュリー・アンテナは相当感度が鈍いようです涙)。
先輩のお話によれば、この曲の演奏時にジュリーはスタンディングで手拍子していたとか。

まるでプログレのように構成の変化に富んだアレンジ。ドラムセットに戻ったピーさんの、後半のアタックの激しさには感嘆するばかりです。右手で対面方向のシンバルを打つ時なんて「殴りつける」と表現したくなるほどの重量感とスピード感で・・・。
ドラムスの打点の強さについて、ピーさんのパフォーマンスは今セットリスト中「ハートブレイカー」と双璧だったのではないでしょうか。


ということで、今日はここまでです。
次回の連載第3回は9曲目から11曲目・・・『今年は休憩ナシ!疾走するオールド・マン』編となります。
細かく区切りますから曲数と文量は少ないですが、そのぶん更新は早いでしょう。どうぞお楽しみに~。

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2018年12月11日 (火)

2018.12.9 四谷区民ホール 『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018~音楽は時代と国境を越える』(その①)

連載第1回
『挨拶代わりのゴキゲン・ナンバー3連発』編



行ってまいりました~!
『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018 音楽は時代と国境を越える』四谷公演(本年のツアー国内最終公演)は、今年も12月の開催となりました。

毎年のピーさんのLIVEはとにかく無条件に楽しくて、今年も充実した1日を過ごすことができました。
今回ももちろん全演目網羅したレポートをお届けしますが・・・今年の師走は僕も例年になく忙しくしていて、そんな中で20日には恒例の「ジュリーが自分と同年齢の年にどんな曲をリリースしていたか」というジュリー・ナンバーのお題記事も書かなきゃいけないし(←完全に個人的な決め事による都合)、素晴らしく濃厚だった二十二世紀バンドのステージ全文纏めてのレポupとなりますと、いつ完成、更新できるか分からない・・・ということで、今年は連載形式のレポとさせて頂きます。
演奏順に書いていき(演目は購入したパンフとメイ様の御記事で復習。関西公演とは演奏順にかなりの変更が見られます)、5分割の更新を予定しています。
連載が年を跨いでしまったらごめんなさい(汗)。全演目執筆まで長々とおつき合い頂くこととなりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは行ってみましょう!
今日はまず序盤、セットリスト1~3曲目までのレポです(連載初回からいきなり曲数が少ない、と思われるでしょうが、二十二世紀バンドのLIVEは毎回セトリの中にコンセプト別によるいくつかの纏まりがありますので、記事もそれに従って区切ろうと思っています)。
今年も僕はツアー・セットリストの情報を完全に遮断してこの四谷公演に臨みました。ただ1点、バンド編成について気になっていたことがあって、それだけ開演前にお会いした先輩にお尋ねしました。
二十二世紀バンドの要とも言うべき存在だったドラマーのIchirohさんが諸事情あり今年はメンバーから外れたことで、「全曲ピーさんがドラムセットから離れないのか?もしそうなら演目の選択肢が相当狭くなってしまうんじゃないか」と考えていたからです。
しかしその先輩曰く「若いドラマーさんが加入して、これまでと変わらずスタンディング・ヴォーカル曲もありますよ」とのこと・・・ならば今年も神出鬼没のサプライズ・セトリが楽しみ!と、ひとまず安堵。
二十二世紀バンドのニューフェイスへの期待も膨らんでの入場となりました。

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↑ 内容充実のパンフ購入も毎年の大きな楽しみのひとつ。表紙のみ、ここに添付します。
向かってピーさんの右隣が新メンバーのマーシーさん!


入場すると僕はまずステージ近くまで出向いてセッティングの確認。ドラムスはお馴染み、ブルーのYAMAHAセットがセンターにひとつだけ。
昨年までのIchirohさんとのツイン・ドラム体制は踏襲されないようで、最下手側にはパーカッション・スタンド(結論から言うとマーシーさんは基本パーカッション・サポートで、ピーさんがヴォーカルに専念する曲でドラムセットに移動する、というスタイルでした)。

着席してから「ん?」と場内BGMに耳が行きました。
次々にタイガース・レパートリーのインストが流れてくるのです。どう聴いてもこれ「手作り」なんですよ。しかも素晴らしく入魂のクオリティー!
ベースのJEFFさん或いはキーボードのはなさんが中心になって二十二世紀バンドでEDM制作したのかなぁ、と想像しましたが実際はどうなのでしょうか(パンフのメンバー・プロフィールを読み返して、Kenyaさん単独製作かもしれない、とも考えました)。

ブザーが鳴ってきっかり5分、定刻に会場の照明が落とされメンバーが入場、スタンバイ。
その雰囲気から、この数年のようにドラム・ソロのオープニングではなく、いきなり曲が始まるパターンだと予感できましたが・・・さぁ、何が来る?
開演です!


1曲目「ジンジン・バンバン

Tigersblue

冒頭の演目にノリノリのビートものを配するのは二十二世紀バンドLIVEの恒例。しかし今年は非常にレア度の高いこのタイガース・ナンバーが選ばれ、ノッケからのサプライズ、お得感満載です。

いやぁ、それにしても久しぶりに生で聴いた~。これは2011~12年の老虎ツアー、2013年の完全再結成時いずれもセットリストから漏れた「隠れた名曲」。僕が体感していたのは、ジュリーの2010年お正月LIVE『歌門来福』でした。
2010年はジュリーwithザ・ワイルドワンズの年、というイメージが強いけど、ジュリーの中では「ザ・タイガースをもう1度」とプランがあった頃のはずで、この『歌門来福』では「ジンジン・バンバン」の他に「スマイル・フォー・ミー」「落葉の物語」も歌われたんですよね。その時以来の「ジンジン・バンバン」でした。

途中の笑い声は割愛され、タイトなビート・ナンバーとして押しまくる二十二世紀バンドの演奏・・・相変わらず素晴らしい!
JEFFさんのキレッキレのベース、NELOさんの的確なリフ&バッキング、はなさん躍動のオルガン。
さらに何と言ってもドラムスです。ピーさんは70歳を越えてからどんどんアタックが強くなっていませんか?
パワフルな進化に年齢は関係無いのだ、と思い知らされ、励まされます。僕は今年、当然ジュリーのLIVEも観ていますし、ポール・マッカートニーも。
元気過ぎる古稀越えロッカー達に大いに刺激を受けた2018年、その師走締めくくりの参加LIVEにふさわしいオープニング・ナンバーでした。

2曲目「ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー」

オリジナルはスモーキー・ロビンソン&ミラクルズ。しかしビートルマニアの僕にとってこれは『ウィズ・ザ・ビートルズ』B面3曲目、のイメージで固定された名曲。

Youreallygotahold


↑ バンドスコア『ウィズ・ザ・ビートルズ』より


そして二十二世紀バンドによるカバーもビートルズ仕様です。アレンジの肝はピアノ。はなさんが完璧に再現してくれて、メチャクチャ嬉しい!
正に二十二世紀バンドの華・・・そのパフォーマンスに今年も早速魅せられました。

ビートルズ・ヴァージョンでは、ジョンのリード・ヴォーカルに最初から最後までジョージがハモリで絡むという(ビートルズとしては)珍しいパターンのこの曲、二十二世紀バンドでは1番をJEFFさん、2番をNELOさん、そして3番をピーさんとリード・ヴォーカルをリレーする構成・・・だったらしいのですが(僕はこの日がツアー初参加でしたからね)、2番と3番の間で突然ドラムスが乱れたので「何だ?」と思って見ると、ピーさんが左手でゴソゴソと譜面台をかき回しています。そしてJEFFさんを呼び寄せて完全に素のキュートな声で「歌って!」と。
慌てて3番を歌い始めるJEFFさん。
このハプニングについては直後のMCで語られました(本来ここでMCは組み込まれていないらしいです)。
ピーさん曰く

3番は私が歌うはずだったのですが、歌詞がどこかに行ってしまって・・・あ、ありました(笑)。お見苦しい場面を見せてしまって申し訳ありません

平謝りのピーさんにお客さんは温かい拍手。
すかさずJEFFさんが、「いきなり「歌って」って言われても、俺(3番の)歌詞分かんねぇし!」とまぜっかえして場内は大爆笑でした。
そこまでは気づけませんでしたが、JEFFさんは1番の歌詞を3番で再度歌ったのかなぁ?

ドラムセットから恐縮して四方に頭を下げるピーさんの様子に、老虎ツアー・ファイナル武道館でのハプニングが思い出されて(タローさんのハーモニカから始まる「モナリザの微笑」のところで、ピーさんは次曲「銀河のロマンス」のカウントを2度に渡って出していた)、僕としては「得をした!」という気分でした。
しかもこのハプニングでお客さんもすっかりリラックス(?)したのか・・・会場全体が何とも言えず良い雰囲気に。これは素晴らしいLIVEになるぞ!と確信しました。

3曲目「ボーイズ」

これ!
僕が今回のステージ・・・いや、これまで生で観てきた二十二世紀バンドのLIVE演目で最も血沸き肉踊ったナンバーとなりました。本当に素晴らしかった!

オリジナルは「シュレルズ」というアメリカの女性バンドの曲ですが、これまたビートルズのカバーが有名で、「ドラマーがリード・ヴォーカルを担当するロックンロール」として世界的な認知を得ています(そのあたりは直後のMCでピーさんからの解説もありました)。

Boys


↑ バンドスコア『プリーズ・プリーズ・ミー』より


とにかく、老虎ツアーや再結成時含め、僕が過去体感したピーさんのヴォーカルの中でこの曲は群を抜いて、もう圧倒的に「上手かった」のです。白状しますと、ピーさんの「ヴォーカル」に忘我の境地に陥るほど引き込まれた、というのは初めてのことでした。

僕は今までのLIVE参加経験からピーさんはどちらかと言うとアップテンポ、特に高音ギリギリでシャウト気味に歌うスタイルの方が音程も定まり曲にフィットするのかな、と思っていました。しかしこの「ボーイズ」はアップテンポながら歌声の低音圧が凄い!
音程もブレスもまったく乱れず完璧で、おそらくリンゴ・スターを意識して「大らかな感じで歌う」ことをしている(ちょっとオペラ風に発声する)と思うのですが、ズバリそれがピーさんのヴォーカル適性に嵌った、と。
もちろんドラム叩き語り・・・もうね、何故この「ボーイズ」が「ドラマーのヴォーカル曲」であるのかを初めて肌で実感できた、理解できたと言いますか。ドラマーにとっては相当に「歌いながら叩き易い」「身体が馴染み易い」作りなんですねぇ。

加えて、これは追っかけコーラスが楽しい曲なのです。
はなさんがニコニコしながら歌っているので僕も思わずつられてコーラス参加。手拍子もキッチリ「2・1」でやりましたが、まぁそれは個人的に「よく知っている」曲だからそうしただけ。他のお客さんは普通に裏拍の手拍子で盛り上げてくれていました。
とにかく、「ボーイズ」なんてタイトルの曲を72歳のドラマーがこれほどカッコ良く叩き語るという奇蹟、素晴らし過ぎます。是非今後も二十二世紀バンドで定期的に披露して欲しいナンバーです。

で、この後に「正式な」ピーさんのMCが入ります。
ここまでの3曲を解説してくれる中でやはり印象深かったのは「ジンジン・バンバン」についての言葉。

タイガースで映画を何本か撮っているのですが、その映画でも使われた曲・・・ただ、やったのがもうウン十年も前のことなので、忘却の彼方!

という、ピーさんにとってはそんなスタンスの曲だったようですよ。今回採り上げるに至ったきっかけは何だったのでしょう。ファン、或いは二十二世紀バンドのメンバーから熱烈なリクエストがあったのかなぁ。
そんなこんなで、最後にこんなひと言も。

タイガースって有り難いなぁ、と思います

後追いファンの僕ですら感動させられた、ピーさんからのこの言葉・・・リアルタイムのファンでいらっしゃる先輩方の感慨はいかばかりだったでしょうか。


ということで、連載第1回はひとまずここまで。
次回更新の第2回は「中華・台湾ポップス編」(4~8曲目まで)です。なるべく早くお届けしたいと思います。
しばしのお待ちを~。

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2018年12月 8日 (土)

スージー鈴木 『イントロの法則 80's』

12月ということで、仕事もプライヴェートも年末に向けて予定が立て込んでおりますが・・・まずその第1弾、先の木曜日の仕事関係の飲み会で不肖DYNAMITE、久々にやらかしてしまいました。
いつもよりペースも量も飛ばし気味だな、という感覚はあったんですけどまぁ大丈夫だろう、と思っていて。さぁお開き、と立ち上がって数歩歩いてトイレを済ませたらいきなり酔いが回り、見事「ドカ~ン!」という感じでね、ブッ倒れて顔から流血。
その後、お店で小1時間ほど休ませて貰ってようやく普通に歩けるようになったという・・・少しの無理も効かなくなってきる年齢なのだ、と痛感した次第です。
みなさまも今月は忘年会のご予定などありましょうが、くれぐれもペースを乱さぬよう気をつけましょう!


さて今日は「本」のレビュー、と言うかこれからお読みになるみなさまのために内容のネタバレは極力控えますので、「オススメ」記事と捉えて頂けたら幸いです。
採り上げますは、いつも的確な表現と熱い研究心でジュリーについても頻繁に発信をしてくださっているスージー鈴木さんの最新著『イントロの法則 80's』。
早速本題へ!

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スージーさんは素晴らしい「言葉遣い師」であり、しかもそのフレーズや言い回しが悉く明快で、ポップです。
楽曲やアーティストの考察において適当な伝聞はまったく無いですし、主観を述べる際にも絶対に「ひとりよがり」にはせず、一般に分かり易い記述を徹底していらっしゃる。あくまでも自らの血肉とされた考察・検証から成る簡潔な言葉と文章こそ究極のプロフェッショナル・・・僕のような素人とはその点大きく違います。

例えば僕は以前このブログで先輩方に「シティ・ポップ」の定義を尋ねられて悪戦苦闘、とても分かりにくい文章をこねくり回した経験があります。
スージーさんはそのシティ・ポップを「田舎、ヤンキーが仮想敵」の音楽と例えられました(『1984年の歌謡曲』より)。これは別に田舎や若者をバカにしているとかそういうことではなくて、緻密なアレンジに飾られた無機質なまでにクールな都会性とアダルト色をムーヴメントの由来から掘り下げ導かれた表現であり、時代背景まで加味した本質の言葉なのです。
そんなスージーさんの「本質を突く」スタイルはジュリーを語る寄稿でも等しく発揮され、それ故多くのジュリーファンからの熱烈な支持を得るのでしょう。

僕が初めてスージーさんを知ったのもやはりジュリー絡みの発信で2010年のことだったと思いますが、その後の2013年にスージーさんが放った強烈なまでに感動的な一文を拝見した瞬間から、僕は完全にスージーさんに惚れ込んでしまいました。
それは、ジュリーのことをロクに知りもしないであろう人が書いた某三文記事をスージーさんが正に「一喝」する内容で、今でも一字一句記憶しています。

「沢田研二はもう、あなた方マスコミが浮き沈みを論ずる地平にいないのだ。勉強して出直して欲しい」

僕も含めて多くのジュリーファンがその三文記事には憤慨しつつも、あまりの低俗さに反応のしようもなく唇を噛みしめていたところに、このスージーさんの見事な一喝があり胸のすく思いがしたものでした。プロのライターの手にかかれば相手のレベルがどうあれこれほど簡潔爽快に一刀両断できるものなんだなぁ、と。

以来スージーさんは僕の憧れの人となりました。
また、その言葉の素晴らしさ以外のところで何故僕がこうもスージーさんの文章やその奥に垣間見える生活感、時代背景に共鳴するのか・・・理由はスージーさんのプロフィールを知った時に氷解しました。僕とは1966年生まれの同い年で、いわゆる「丙午のタメ」。加えて何と大学の同窓。かつて知らず知らずキャンバスですれ違っていたことは確実にあるとして、中古レコード店『タイム』で掘り出し物を漁っていたり、『ムトウ』で弦やピックを買っていたり、終電を逃して喫茶『白ゆり』で仲間と音楽を語らいながら一夜を明かしたりしていた時、すぐ近くに居合わせてまったく同じように過ごしていた見知らぬ青年が実は若き日のスージーさんだった、という可能性は充分にあります。
つまり、テレビから流れてくるヒット曲をどの年齢で、どんな環境で耳にしていたかという「原風景」がスージーさんと僕とでは完全に重なるのですね。
ですから、もちろんスージーさんは僕にとって雲の上の存在ではあるけれど、万一酒席を共にしたら相当盛り上がる自信があります(笑)。

それはさておき、「ジュリー堕ち」以降僕の中では「歌謡曲復権」のマイムーヴが起こり、この数年スージーさんの発信や著作には多くを学ぶこととなりました。
『1979年の歌謡曲』『1984年の歌謡曲』の2冊も名著でしたが、今回ご紹介する最新著『イントロの法則 '80s』についてブログでレビューまで書こうと思い立ったのは、何と言ってもジュリー・ナンバー2曲の考察がとても面白く、ジュリーファンのみなさまにも読んで頂きたい、との気持ちを強く持ったからに他なりません。

採り上げられているのは、まず「80年代」の括りならば万人納得の「TOKIO」。
シングル盤『TOKIO』が80年代の幕開けとする位置づけは当然ですから、スージーさんもこの名著の冒頭を飾る1曲として抜擢。気合が筆から滲み出ているようです。あのイントロをパンクの「キワモノ」性と重ねるスージーさんの考察には目からウロコでした。
そしてもう1曲は、この本のコンセプトが「イントロ」に特化した考察であるからこそ選ばれたであろう「”おまえにチェック・イン”」です。
伝説のコーラス・ワークによるイントロ・インパクト・・・伊藤銀次さんから直接お話を聞いていらっしゃるスージーさんとしては、外すことのできない曲だったのでしょう。考えてみれば、冒頭いきなり擬音コーラス(或いはスキャット)からスタートするヒット曲って邦楽だとなかなか無いんですよね~。
このジュリーの2曲の項だけでも一読の価値あり、と自信を持ってお勧めできます。

収載された他歌手(バンド)の曲もすべて「有名な曲」ばかりが採り上げられています(全40曲)から、世代の異なるみなさまもご存知の曲が多いのではないかと思います(世代的に僕は全曲知っていましたが)。
例えば「時の流れに身をまかせ」(テレサ・テンさん)。もしみなさまの中に今年の人見豊先生の講義を聞いた方がいらっしゃったら、スージーさんの考察に人見先生の歌詞解釈を重ねることができるでしょう。
また、「ルビーの指輪」(寺尾聰さん)のイントロ・リフが曲中で何度登場するか、とカウントしてみる感覚などは、畏れながら他人とは思えなかったりします(笑)。
本のラストを飾る曲は「君は天然色」(大滝詠一さん)。何故この曲がラスト収載なのかは、スージーさんのリスペクト溢れる大滝さんへの思いと追悼の文章を読めば分かります。

などなど、数々の名曲群のイントロにどんな仕掛けや手管が潜んでいるのか・・・スージーさんならではの考察、本当に面白いですよ~。

最後に。
スージーさんには是非今度は80年代の「アルバム」考察本を、と期待しています。
スージーさんならジュリーはまず『S/T/R/I/P/P/E/R』で決まりでしょうが、ここはもう1枚奮発して何か「隠れた名盤」を・・・例えば『NON POLICY』なんてどうでしょう?スージーさんがこのアルバムを語るとすれば、アレンジの井上鑑さんを絡めて「ジュリー流シティ・ポップ」を掘り下げてくださるはず。

他歌手、バンドでは寺尾さんの『Reflections』、大滝さんの『A LONG VACATION』はマスト。
そしてスージーさんが最も得意とするサザンオールスターズからは、『NUDE MAN』を希望します。
「アルバム解説」となれば、世間一般には有名とは言えないシングル・ナンバー以外の収録曲、ヴァージョンなども語られるということ・・・以前スージーさんがラジオで「親鶏」のお話をされていたことがありましたが、僕にとって「夏をあきらめて」は桑田さんが歌う『NUDE MAN』収録のサザン・ヴァージョンが親鶏なのです。
研ナオコさんが歌って大ヒットしたヴァージョンももちろん素晴らしいですけど、もしサザンがこの曲を『NUDE MAN』からのシングルとして切っていたら、記録的なスーパー・ヒットとなっていたんじゃないか、と僕は今でも思っていますが、スージーさんはどのようにお考えなのか・・・とても興味深いです。

それに、僕はどちらかと言うと若い頃は洋楽志向のリスナーでしたから、未だ出逢えていない邦楽の名盤がたくさん残されているはずで、それをスージーさんに教えて頂きたい!との気持ちがあります。

今はちょっと興味を持った対象楽曲を簡単にネット検索できて、簡単に流し聴きできてしまう時代ではありますが、「便利さ」は「脆さ」と紙一重と知るべし、です。この場合の「脆さ」とは、伝え手と受け手の信頼関係に表れてしまう、と自戒すべきでしょう。
それこそ80年代には、僕らは洋楽であれ邦楽であれ「次は誰の何を聴いてみようか」と必死になって自分の嗜好に合う音楽の情報を仕入れたものです。
そんな時頼りになるのは、自分が信頼している人が纏めてくれたディスコグラフィー的な要素を含む本でした。僕もスージーさんと同じく10代で渋谷陽一さんの『ロック・ミュージック進化論』を読んで目覚めた世代・・・スージーさんの感性と考察を信頼していますから。
いずれにしても、スージーさんの次作が楽しみです!

音楽というのは別に理屈など知らずとも楽しめるものです。むしろ知らずに聴く方が良い場合もありましょう。でも、少しだけでもコードやリフの凡例や類似パターンの知識を自分の引き出しに入れてから改めて聴いた時、「よく知っている」つもりだったあんな曲、こんな曲が劇的なまでに新鮮に変化して聴こえる、感じとれるということがあります。
とは言えやみくもに理論を勉強しようなどと考え悩む必要はまったくありません。
気軽に読めて、これまで知らなかったことを分かり易く伝えてくれる格好の1冊がここにあります。

この年末年始少しゆっくりしたいな、という時間のお供に、スージーさんの『イントロの法則 80's』、みなさまも是非一読されてはいかがでしょうか・・・。


それでは、僕は明日いよいよ瞳みのる&二十二世紀バンドの四谷公演に参加します。
一方ジュリーは・・・関西シリーズ、昨年非常に評判の良かった三田の公演ですね。
今年一番の寒さになるということなので、お互い万全の準備で出かけましょう!
レポupまで、しばしお時間くださいね。

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2018年12月 3日 (月)

ザ・タイガース 「銀河のロマンス」

from single、1968
映画『世界はボクらを待っている』主題歌


Sekaihamovie

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今日は12月3日。
『ジュリー祭り』東京ドーム公演10周年です。僕がめでたく本格ジュリー堕ちを果たしたあの素晴らしいステージから、遂に10年目のこの日を(風邪を治して)迎えることができました。
過ぎてみれば速かったような気もするけど、本当に濃密濃厚な10年間で1年1年が長かった、という実感の方が大きいかなぁ。そんな時間がまだまだこの先も続こうとしている・・・「エンドレスで歌う」ジュリーの決意に感謝の気持ちを新たにしております。

さて、拙ブログでは毎年12月3日には『ジュリー祭り』セットリストから記事お題を選んで更新することと決めています。
今年6月25日更新「時の過ぎゆくままに」のお題を以って、ひとまず鉄人バンドのインスト2曲を含む『ジュリー祭り』演目全82曲の記事執筆は成りましたので、これからはそれらのお題記事の中から、知識不足で考察が甘かったり、執筆当時とは僕の解釈が変化した曲(自分では「Long Good-by」や「届かない花々」などがすぐに思い当たります)を、『過去記事懺悔・やり直し伝授!』のカテゴリーにて改めて書いてゆくことになります。
今年はその第1弾、お題はタイガースの「銀河のロマンス」を選びました。と言うのは・・・。

この12月3日は個人的には『ジュリー祭り』記念日であると同時に、結婚記念日でもあります。
もちろん「絶対に忘れない自信がある日付」であり、ジュリーファンとなった自分の大切な思い出の日ということで、満を持して(と言うか、かなり突っ走って笑)『ジュリー祭り』1周年にあやかり2009年12月3日の入籍としたわけですが、僕もカミさんも別に結婚記念日だから贅沢なお祝いをしたいとか、誰かに祝って貰いたいとか考えるタイプではありません。せっかく毎年忘れずに思い出してるんだから、ちょっと一杯やりますか、と基本的にはその程度で済ませます。
ただ、毎年必ずお祝いの言葉をくださっていたJ先輩の真樹さんがジュリーの古稀ツアー開幕直前の7月4日に亡くなられて、今年は12月に入っても真樹さんからの便りが無い・・・そのことを寂しく思い過ごしています。

今日は、多くの敬愛する先輩方と同じくジュリーのデビュー以来のファンで、ザ・タイガースが大好きだった真樹さんにこのお題記事を捧げたいと思います。
「銀河のロマンス」、天に届け~!


①2008年12月3日・仏滅『ジュリー祭り』東京ドーム公演の思い出

「やり直し伝授!」のカテゴリーは、まだ僕がジュリーやタイガースなどのお題曲をとりまく基本的な知識が明らかに不足している状況で書いた過去記事を1から塗り直す、ということを第一の目的として開設しました。
今回の「銀河のロマンス」もその点は同じなのですが、この曲の過去記事は「楽曲考察」ではなく僕自身初のジュリーLIVE参加となった2008年東京ドーム公演での思い出を書いたもので、今も愛着があります。なので今日も(当時の記事内容の繰り返しにはなりますが)、まずはその思い出を少し振り返っておきます。

『ジュリー祭り』参加の時点で僕が「よく知っている」と自覚していたタイガース・ナンバーは、あの東京ドームで歌われた中では「シーサイド・バウンド」「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の僅か2曲(DVD『ジュリーマニア』『Zuzusongs』は所有していたため)でした。
「君だけに愛を」や「青い鳥」ですら、公演直前にサ~ッとYou Tubeで予習して「あぁ、なんか昔聴いたことあるような・・・」と感じた程度。「銀河のロマンス」に至っては「自分の知らないタイガースの曲、予習しておいて良かった」という状態だったのです。
当然「イントロで反応」することなど無理。ですから『ジュリー祭り』で「ザ・タイガースから最初の1曲」として歌われた「銀河のロマンス」のイントロ、本当にコンマ数秒で左隣席のお姉さんが「ビクン!」と大きく反応された時は「なんだなんだ?」と驚きました。

今の想像ですが、そのお姉さんは「中抜け」さんだったのではないかと思っています。
デビュー当時からのジュリーファンで、タイガースが大好きで、でもいつしかジュリーのライヴから離れ、長い年月ののち『ジュリー祭り』で復活された・・・真樹さんと同じようなファン歴の方なのかなぁ、と。ちょっと前までは、毎年ジュリーLIVEに参加し続けてこられた方だと思っていたけど、座席の位置(一般販売枠だと思います)や、タイガース・ナンバーへの特別な反応を改めて考えますとね・・・。
「ジュリーファンにとってザ・タイガースは特別」なのだと僕が最初に教わったのは、あの日の「銀河のロマンス」に素早く反応してくださったその隣席のお姉さまからの、ビシビシと伝わる波動だったのですよ。
以来、後追いファンの僕にとってこの曲は「ザ・タイガースの象徴」のように印象づけられました。

後年、有名な「花の首飾り」は本来この「銀河のロマンス」のシングルB面だったとか、そのA面とB面がひっくり返る事態をジュリーが「永遠に自分のウィークポイント」と自虐的に笑い語っている、とかいった知識を身につけ、なんとも不思議な感慨を持ちました。ジュリー自身がそう言うからには、多くのジュリーファンも「銀河のロマンス」と「花の首飾り」の関係にある種トラウマを抱えているのでしょう。
僕にはその複雑な胸中は分からないのだけれど、そういうトラウマ的な想い出を持つ逸話って、ファンにとっては逆にすごく大切なんだろうなぁと思います。
「自分がジュリーの目線で考えなければ」という「必死」とも言える愛情を、僕も先のさいたまスーパーアリーナの件でズシンと感じたわけですが、ジュリーのデビュー以来のファンの先輩方が「あのシングルは「銀河のロマンス」がA面よ!」と今でもお話ししてくださることがあるのは、そんな愛情の証しなのかなぁと想像するのです。

とにかく、僕が生涯初めて生で聴いたタイガース・ナンバーが「銀河のロマンス」であったことは動かぬ事実にして得がたい経験。
この曲を聴くと僕は必ず、あの東京ドーム『ジュリー祭り』でダーク・グレイの上品なブラウスを着ていらした隣席のお姉さんを思い出します。
間違いなくその道の大先輩・・・ドームでは声をおかけすることすらできなかったけれど、ご縁があれば再会したい、とその後ずっと思い続けています。

②映画主題歌としての「銀河のロマンス」

タイガースの3本の映画の中で、どの作品が特に好きか・・・みなさまも一度はお友達とそんな話をされたことがあるでしょう。
僕の周囲で圧倒的に人気が高いのは、2作目『華やかなる招待』。個人的にもこれは
ジュリーと瀬戸口さんが恋に落ちる
という衝撃のストーリー(笑)に過剰な思い入れがあり、少し前までは僕もこれが一番かなと思っていたんですけど、その後(具体的には、2013年の完全再結成のステージを観て以降)のDVD鑑賞率が一番高いのは『世界はボクらを待っている』なのです。今はこれが一番好きだ、と明言できますね。
以前はよく理解できていなかったタイガースの「動き回る」魅力、そして「オリジナル・メンバー5人だけの音」が繰り出す臨場感。この2点において『世界はボクらを待っている』は他2作を遥かに凌ぎます。
技術的なことで言えば2作目3作目の方が楽曲の挿し込みも緻密になってはいくのですが、10代の少年がスターダムを目指し仲間とともにバンドに賭ける、という青春の特権的パワー、或いはルックス含めたキャラクターの爆発がタイガースの最初の成功要因だったとすれば、その魅力を旬のうちにそのまま描いた1作目は、音楽も「タイガースの本質に忠実」という感じがして僕はとても好きですね~。みなさまはいかがですか?

そこでこのチャプターでは、「観る」だけでなくこの映画作品の音を「聴く」ことを重点的に掘り下げてみたいと思います。題材はもちろん「銀河のロマンス」です!

なんと贅沢な「主題歌」でしょうか。
主題歌であるからには作品内で様々なヴァリエーションがあります。まずは2パターンの歌入りテイク(間違いなく5人のメンバーの演奏です!)を見ていきましょう。

最初は、すぎやま先生と橋本先生が見守る(何故かタンバリンを持ったシルヴィも)中での「新曲」のリハーサル・シーンです。


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映画のストーリー的にここは演奏に「手探り感」が求められるわけですが、良い意味でタイガースの生演奏(このシーンは映像と音の同時録りだと思います)には元々そうした雰囲気はあって、「とりあえず思いっきりやってみる」タイプのジュリーとピー、「慎重に慎重に」というタイプのサリーとタロー、「まぁ、こんなモンでしょ」というタイプのトッポと、メンバーそれぞれの個性が滲み出る・・・「なんでこのテイクがサントラには入ってないの!」と、当時サントラ盤を購入した先輩方が落胆する様子すら想像できてしまうほどの素晴らしい演奏。
『世界はボクらを待っている』を観ないと、このテイクは聴けないんですよね?本当に贅沢です。

次に、映画の大団円とも言うべきステージ演奏シーン。こちらは映像と音は別録りでしょうが、演奏は紛れもないタイガースの5人によるものです。
特筆すべきはピーの演奏で、音色や打点の強弱はもちろん、細かなフレージングや腕を低く交差させるこの曲独特のフォームは、今現在の二十二世紀バンドでのステージでもまったく変わっていません。
映画ストーリーとしても、先のリハーサル・シーンからの進化がしっかり考案され、タローがギターではなくハーモニカに転じたアレンジとなります。

そして・・・圧巻はジュリーのヴォーカルですよ!
生演奏シーンの臨場感を出すために、という映画ならではの理由からでしょうか、ヴォーカル・マイクに人工のリヴァーブがかかっていません。なのに、これほどなめらかな声圧で歌えるものなのか、と(特に「シルヴィ~♪」と突き抜ける箇所が凄い!)。
「素」の声って、歌手の一番根っこのところじゃないですか。タイガース時代のジュリーはさかんに「歌がヘタだ」と言われていたと聞きますけど、じゃあ当時のいわゆる「歌が上手い」と識者(?)のお墨つきを貰っていた歌手達を纏めて連れてきて、この「銀河のロマンス」を歌うジュリーとまったく同じ環境・エフェクト設定の上でそれぞれの持ち歌を歌わせたとしたら、果たしてその中の何人がジュリーと対等に渡り合えますかねぇ。

「よりリアルなシーンに」と心血を注いだ映画スタッフの工夫が、はからずもジュリーの歌の才を根本から引き出してしまった・・・それを満天下に知らしめるためにサントラ発売や~!と思ったら、このテイクがまたサントラ盤には入っていないという謎のオチ。
そう、このステージ・シーンは途中からストリングス入りの別テイクに切り替わり(映画作品としてはアリな手法ですけど)、そちらのヴァージョンの方がサントラ盤収録されているのですな。
ジュリーの圧倒的な「銀河のロマンス」ヴォーカル・テイクも、映画『世界はボクらを待っている』を観ずして聴けないわけで、何とも貴重ではありませんか。
それにしてもこのサントラ盤、ほとんどの収録曲で実際の映画の音源とは乖離があり、リリース時の詳細を知らない後追いファンにとっては謎多き1枚です。ストリングス・ヴァージョンがフルで聴けるというのは価値がありますけど、出だしに映画でのジュリーのMCをそのまま使っているので、いきなりストリングス入りの行儀良いテイクが流れてきて戸惑った、と仰る先輩方も当時多くいらしたのではないでしょうか。

あとは主題歌ヴァリエーションとして、2つのインスト・ヴァージョンにも触れておきましょう。
いずれもタイガースの演奏ではなさそうですが、綿密に練られたアレンジが楽しめます。
原曲とほぼ同じミドル・テンポの方は、ハーモニカの音階がメチャクチャ高度。もうひとつのスローな方はBGMとしてとても豪華な仕上がりで、メロディーの甘さ、切なさが倍増。ジュリーがシルヴィへの思いをふと覗かせるシーンで採用されているのがドンピシャなんですよね。
他4人のメンバーがシルヴィの「星の王女」発言を訝しる中、ジュリーだけが「僕には彼女がデタラメを言ってるとは思えないんだ」とシルヴィの瞳を見つめるシーンと、「バンドのことを考えたら、これ以上シルヴィをここに置いておけない」とサリーに諭されたジュリーが大きく肩を落とすシーンで流れ、効果は抜群です。

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ちなみに、ジュリーを説得するサリーの棒読みセリフにハンパない大物オーラを感じてしまうのは、大俳優として活躍する現在の「岸部一徳」を知っているという後づけの感覚なのかなぁ。
リアルタイムで映画を観た先輩方は、当時サリーの演技をどう思われましたか?

最後に余談ですが、僕が初めてこの映画を観た時からの一番の個人的ツボのシーンは

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病室で遭遇したヘラクレスにファイティング・ポーズをとるピーを制止するトッポ。
「ピーよせ!相手が悪いぜ、見ろよ!」とヘラクレスを指差すのですが、「勝ち目が無い」から止めているのではなく、「コイツどう見ても変態だろ、関わりあうな」という感じに聞こえて、いつも笑ってしまうんですよね~。

③タイガース・ナンバー、今後のセトリ入りを考える

昨年(から今年のお正月)にかけてのジュリー・デビュー50周年ツアーではタイガースの代表的シングルも多く歌われましたが、惜しくも選曲漏れした重要な楽曲もいくつかあって、「銀河のロマンス」がそんな1曲。
現在古稀ツアーで歌われている「カサブランカ・ダンディ」同様、ジュリーとしては「またの機会にとっておこう」という感じなのかなぁ・・・聞くところによれば、ジュリーは古稀ツアーここ最近のMCで、「来年はヒット曲をもう少し増やす」と宣言しているのだそうで、もちろん「ヒット曲」はソロ期だけでなくタイガース期も含まれるはずですから、来年のツアーでは「銀河のロマンス」のセトリ入りを期待して良いかもしれません。

古稀ツアーでジュリーが選んだタイガース・ナンバーは「風は知らない」でした。これは相当前から決めていたんでしょうねぇ。柴山さんとの2人体制という新たなスタイル、新たなスタートに向けてふさわしい選曲だと(ツアーを実際に体感して初めて)思えます。

僕はタイガース再結成への道程に何とかリアルタイムで間に合いましたし、瞳みのる&二十二世紀バンドのLIVEも毎年欠かさず参加していますから、幸せなことに「未だ生体感できていないタイガースの代表作」もずいぶん少なくなりました(白夜の騎士」「都会」などをピーのLIVEで体感済)。
それでもまだ聴けていない、是非聴きたい!という曲もいくつか残っておりまして、筆頭格は「光ある世界」。あと、「素晴しい旅行」も一度は聴いてみたい。
近々に、ということになると、これらのセトリ入りはジュリーよりピーの方が実現味がありそう。
ピー、今年のツアーで採り上げてくれていないかなぁ?(←来週日曜日までネタバレ我慢中)
ジュリーもこの先少しずつタイガースの曲は歌ってくれると確信していますが、やっぱり「ヒット曲を小出しに」という感じになるような気がします。そう考えると、『ジュリー祭り』での「朝に別れのほほえみを」ってメチャメチャ貴重だったんですよね。
先に書いたように、僕は『ジュリー祭り』の時点ではタイガースの「た」の字も知らない状態でいましたから・・・叶うなら今一度体感してみたいものです。


それでは、オマケです!
今日は、以前ピーファンの先輩にお借りした資料で、『ザ・タイガース 第8巻』という・・・これは分類としては「企画盤レコード」ってことになるのかなぁ?
僕は「豪華なフォトブックにレコードが付いてる」という感じがしたものですが、とにかく貴重なお宝です。
その中から、前期タイガース5人のメンバーのプロフィール・ショットを纏めてどうぞ~。


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一部の生年月日についてはまぁ・・・今となってはご愛嬌ですかね。そういうキャクターづけ含めて、特別な世界の、特別なバンドだったということでしょうから。


ということで今日はタイガースのことをたっぷり書きましたが、僕は来たる9日、『瞳みのる&二十二世紀バンド』の四谷公演に参加します。チケット申込の締切間際にギックリ腰を発症、いつも仲良くしてくださるピーファンの先輩にお願いして一緒に申込して頂いたところ、なかなかの良席を授かりました。
ツアーはもう始まっていて、僕は今回もセットリストの情報を遮断してネタバレせずに臨みます。
先述の通り、毎年サプライズ級の選曲を組み込んでくれるピーですから、今年もそれが一番の楽しみ。いつものように公演後にパンフでじっくり演目の復習をしてからレポにとりかかる予定です。
その前に1本、スージーさんの本のレビュー記事を更新できればいいな、と考えていますが・・・公私慌しい中でどうなりますか。

とにかく年内はもう風邪をひかないように気をつけたいものです。みなさまもどうぞお元気で、この師走を過ごせますように。

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