2020年3月 6日 (金)

沢田研二 「透明な孔雀」

from『告白-CONFESSION-』、1987

Kokuhaku

1. 女びいき
2. 般若湯
3. FADE IN
4. STEPPIN' STONES
5. 明星 -Venus-
6. DEAR MY FATHER
7. 青春藪ん中
8. 晴れた日
9. 透明な孔雀
10. 護り給え

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ツアー後半のインフォ&申込用紙が届きましたね。

実は、以前に全体のスケジュールを知った段階で、オーラス渋谷3daysの
いずれかに音楽仲間を大勢誘う予定でいたのです。ところが、まさかの枚数制限!
ジュリー人気
を改めて痛感しますが・・・場合によっては参加者によって日にちを分けるなど何かしらの工夫が要りそう・・・とりあえず仲間に知らせてみます。

さて、そのツアー・タイトル
でもある今年の新譜『Help!Help!Help!Help!』のリリースも近づき日常への気合も入るところ、今日は『既に採譜を終えているジュリー・ナンバー』シリーズ第3弾として更新。
アルバム『告白-CONFESSION』から「透明な孔雀」を採り上げます。
よろしくお願い申し上げます。


『ジュリー祭り』で本格堕ち
した僕は凄まじい勢いで未聴のアルバムを大人買いしました。
廃盤のものも根気よく中古でゲッ
トしたりして猛勉強したわけですが、『架空のオペラ』と、いわゆる「CO-CoLO期3部作」についてはなかなか入手に至らず。音源だけは先輩方のご好意ですぐに聴けたものの、「正規の形で持っていない」引け目もあったのか、CO-CoLOの3枚はリピートする回数が少ない状況が続いていました。

数年前のリマスター再発以降はそんなこともなくなり
ましたが、「あまり頻繁には聴いていない」当時のことを今思えば、3枚の中で特にも好感を持っていたアルバムは『告白-CONFESSION』でした(現在は『TRUE BLUE』がメチャクチャ好きになっています)。
CO-CoLO期で一番聴き易い、とっつき易いイメージ・・・何
故そう感じたのかな?
『ジュリー祭り』で生体感した「明星」が収録されているというのもあった
だろうし、全10曲の収録バランスが好みだったというのもあるでしょう。でもやはり僕の世代にとってこのアルバムの音作りは、80年代中盤の怒涛のMTV時代を連想させてくれる・・・そこが根幹ではないかと思っています。
「後追い聴き」ならではの想いなんですけどね。

CO-CoLO期は洋楽だとAORに例えられることが多いようですが、残念ながら僕はあまりAORは詳しくなくて。
3枚それぞれ特徴がある中で『告白-CONFESSION-』は凄く洋楽MTV時代に近いエッセンスを持つアルバム、という気がしています。音の感触が、ティアーズ・フォー・フィアーズ、カーズといったあたりのシングル・ヒットMV映像を連想させるのです。
もちろんそれはCO-CoLO以外の邦楽バンド、アーティストが影響を受け80年代の音として確立させています。
ジュリーと縁の深い人だと、佐野元春さんや大沢誉志幸さんは僕もリアルタイムで聴くことがありましたから、そのイメージですね。
彼等がジュリーと関わったエキゾティクス期はさほどでもないのに、CO-CoLOになって一気にそれっぽくなった、というのが面白いなぁと思います。
そう言えば「青春藪ん中」のキーボード・フレーズがヴァン・ヘイレン「ジャンプ」(84年)へのオマージュだったりして、『告白-CONFESSION-』の場合は、ニューヨーク録音からくる洋楽テイストという要素は大きかったのかもしれません。

さて、記事お題の「透明な孔雀」。
個人的にはアルバムの中で一番好きな曲です。竹内正彦さんの作曲は正に「アルバム提供、この1曲!」で、入魂度の高いポップなナンバー。

So surprised 君が遠すぎて
A                     Dmaj7

I'm so sad 声も届かない
A                  Dmaj7

この世の悩みは生きがい
A              Dmaj7

昔  話  みたいだね ♪
Bm7   E7      A

76年の「夕なぎ」事件(?)から約10年が経ち、当時は「ロック」とはまだ縁遠く「歌謡曲寄り」のイメージだった「maj7(メジャーセブン)」というコードが、こんなにも尖ったロック・ナンバーと融合するまでになりました。
ロックの進歩は本当に速いですね。

「透明な孔雀」は、ジュリーの詞がさらに素晴らしい。
ただし僕がこの詞の魅力に格別に惹かれたのは、近年のジュリーの『PRAY FOR JAPAN』作品群との比較に気がついてからです。

2012年『3月8日の雲』以後のジュリーの創作姿勢、特に作詞について「CO-CoLO期」と比較されている先輩は僕の周囲にも多いですし、僕自身もそうです。
どうしてそうしてしまうのか・・・ひとつには、ジュリー独特の「彼岸」「此岸」についての考え方、思弁性が挙げられるのではないでしょうか。
もちろん同じ題材でも現在のジュリーのアプローチはCO-CoLO期とは異なりますが、独特のフレーズ選択でメロディーに載せてくる作詞センスは不変です。

「透明な孔雀」でジュリーは、「この世」では遠い存在であり結ばれ得ぬ「マイ・エンジェル」に
「それなら僕を黄泉の国に連れていってくれ」
と歌うわけです。突き抜けていますよね。
何より、ビート・ロックには一見不釣合いな「黄泉の国」「来世」などというフレーズがこうも心地良いとは・・・やはりヴォーカルの実力が為せるところなのかな。

『告白-CONFESSION-』は、そんなジュリーのヴォーカルをとっても異色の1枚と言えます。当時流行した「英語的な日本語」発音を採りいれた曲が目立つのです。
ラ行で舌を巻き、さらには「たちつてと」が「つぁ、つぃ、つ、つぇ、つぉ」に近くなるという。ただ「透明な孔雀」ではそんな発声パターンも極力抑えられ、ジュリーはとても自然に歌っているように聴こえます。
「ウマが合う」メロディーだったのではないでしょうか。

「透明な孔雀」と歌詞中で讃えられる魅惑的女性のモデルについて、僕自身は明快に把握はできていないのですが、山口小夜子さんの『パンドラの箱』パンフレットにジュリーのこの詞の寄稿があったのだとか(keinatumeg様の記事で知りました)。

ずいぶん遅れてきたジュリーファンである僕は、様々なロックのキーパーソンや時代の申し子のような人物が、過去に何らかの形でジュリーと結びついていたことを「そうだったのか!」と驚きをもって知るケースが多く、レコード時代から集めていたスティーリー・ダンのアルバム・ジャケットに登場している山口さん(名盤『Aja~彩(エイジャ)』)も、そんなお1人です。
亡くなられてから、もう10年以上経つのですね・・・。


それでは、オマケです!
87年のジュリーのショットを数枚どうぞ~。

Keeponrunning06 

Keeponrunning10 

Keeponrunning13 

以上、『Keep On Running』パンフレットより


Fukyou603

Fukyou604

Fukyou625

以上、『不協和音 Vol.6』より

Anzuchi03 
Anzuchi08 

以上、『ANZUCHI』パンフレットより

メガネスーパーさんのCMは、「ジュリー」ではなく「沢田さん」と表記しているのがなかなか興味深いです。
ターゲットを働く中高年とする工夫だったのかな。


それでは次回更新から、ジュリーの新譜『Help!Help!Help!Help!』収録2曲の考察記事に取り組みます。
今年はどんな曲で、僕らに何を考えさせてくれるのでしょうか。楽しみです!

そうそう、関東圏では「ジュリーの新譜は毎年銀座山野楽器さんに直接買いに行っている」というファンのみなさまも多いかと思いますが、現在お店が改装中で例年とは様子が変わっており、CD売り場も従来とはフロアが異なります。
そんな状況下ですので、念のため在庫を問い合わせてからお出かけになることをお勧めします。

新型コロナウィルスのニュースが毎日続いています。
僕は「風邪ひいた~!」などと言いながら仕事をするのは日常茶飯事ですが、今そんなことをしたら例えただの風邪だとしても大顰蹙必至。
本当に気をつけなければ・・・。
皆様も充分ご注意ください。そして、5月にはすっかり収束していることを切に願います。

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2020年2月29日 (土)

沢田研二 「ボンヴォワヤージュ」

from 『JULIE SONG CALENDAR』、1983

Juliesongcalender 

1. 裏切り者と朝食を
2. ボンヴォワヤージュ
3. 目抜き通りの6月
4. ウィークエンド・サンバ
5. Sweet Surrender
6. CHI SEI(君は誰)
7. YOU'RE THE ONLY GIRL
8. ラスト・スパーク
9. 一人ぼっちのパーティー
10. SCANDAL !!
11. す・て・き・にかん違い
12. Free Free Night
13. BURNING SEXY SILENT NIGHT

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またまたお久しぶりです。
ようやく風邪が治りました。発症が1月20日頃で、完
治までひと月ほどかかった計算です。
発熱は数日だけでしたが咳だけがいつまでも残っ
て、今世間は新型ウィルスで大変な時期ということもあり、2月に半ばあたりからは周囲への気配りにも神経を尖らせる毎日でした。

僕のはただの風邪でしたが、新型ウィルスのニュース・・・本当に深刻な状況にな
っています。
楽しみにしていた新日本プロレスの旗揚げ記念大会(3月3日)の開催中
止も発表されました。スポーツ、芸能関連のイベントは3月中旬までは中止であったり無観客開催となるなどしています。
仕方のないことですよね。一番無念な
のは舞台に立つ人達です(新日本プロレス・高橋ヒロム選手の写真1枚のメッセージにはグッときました)。
僕らもここはグッと耐え忍び、1日も早い収束を目指しできるこ
とをやってゆくしかありません。
そして、ジュリーのツアーが始まる5月にはすっかり
落ち着いている、と信じています。
有難いことに僕のところにはNHKホール公演の落選
通知は届かず(あと川口公演は抽選自体が回避)、ツアー初日に参加できると思えばなおさらです。

さて、今年は昨年よりは時間ができるかなぁと考えていましたが、2月か
ら公私ともに大忙し。
まぁでも、忙しいというの誰かの役に立てている、必要として貰
えているということですから有難いことなのです。
ブログの方もマイペースながら頑張
っていきます。

今日は、「既に採譜を終えていたジュリー・ナンバーお題」シリーズの
第2回として更新です。
採り上げるのはアルバム『JULIE SONG CALENDER』から「ボンヴ
ォワヤージュ」。
短い記事になりますがどうぞおつき合いください。


アルバムの中では、「裏切り者と朝食を」「BURNING SEXY SILENT NIGHT」と並んで個人的には特に好きな1曲です。
前回「悲しき船乗り」の記事で、『JULIEⅡ』の続きの物語のようだ、ということを書いたんですけど、実は「ボンヴォワヤージュ」にもそんな雰囲気があったりして。

「海の男」として逞しく(色々な意味でね笑)成長した『JULIEⅡ』主人公、もうすっかり船も女もお手のもの・・・のはずが

女とは海だと思ってた
C                         Em7

男とは気ままな船さ
Dm7                  G7

それだけに今はあっけにとられて
F

移る季節に
C          Am(onF)

追いつけないのさ ♪
Dm7    G7        C

浮気な船乗りはお株をとられ、「そりゃないよ!」的なフラれ方をしてしまいます。
『JULIE SONG CALENDER』の女性作詞陣では唯一キャリアあるプロの作詞家・湯川れい子さん、さすが「ジュリーに似合う景色」を描いてきていますね。

僕は福岡の先輩から授かったラジオ音源のおかげで、最近ようやくこのアルバムの製作過程、それぞれの曲が最初はどのように世に発表されてきたのか、ということを実感できていますが、収録曲中のほとんどが「詞先」の作業だったとか。
となるとジュリーの作曲は本当の意味での「書き下ろし」(過去のストック作品で作業を補う、というやり方ができない)だったわけで、当時の大忙しなジュリーをしてコンスタントに新たな自作新曲を積み重ねていくという超人ぶり。81年の糸井重里さんとのラジオ対談でジュリーは「曲作りの作業は早い」と自認しているとは言え、他アーティストへの提供楽曲の多さも加え、やはり80年代前半は「作曲家・ジュリー覚醒の時期」だったのだと驚嘆するほかありません。

詞先の作曲の面白さは、良い意味で「メロディーや構成が文字数に左右される」ことです。
例えば里中満知子さん作詞の「裏切り者と朝食を」のように「詞がこうでなければあり得ない」変拍子の導入であったり、この「ボンヴォワヤージュ」或いは「ラストスパーク」では、ジュリーが苦心して言葉をギュギュッ!と小節内に押し込んだ音符割りが登場したり。
限られた時間の中でジュリーが提示したメロディーを、エキゾティクスのメンバーがアレンジと演奏でどう仕上げているか、というのが『JULIE SONG CALENDER』最大の聴きどころでしょう。
その意味で、歌詞がギュッと押し込められた「ボンヴォワヤージュ」に吉田建さんがレゲエのリズムをあてがったのは、正にズバリ!なアレンジ・センスと言えます。

長いジュリーの歴史の中で、レゲエまたはスカ・ビートといった「後ノリ」カッティングの演奏作品はそう多くはありません。
しかしジュリー史まんべんなく、時代時代で思い出したようにその手の名曲が生まれているのもまた事実。「ボンヴォワヤージュ」以前では、「愛の逃亡者」「メモリーズ」「バタフライ・ムーン」・・・いずれも高度なアレンジでありながら堅苦しくなく、ジュリーのヴォーカルがサラリと楽しげにしていますよね。
数年後にリリースされた「EDEN」もそう。ジュリーはレゲエ適性も素晴らしい、ということなのですよ!

「ボン・ボワヤージュ」とは「よい旅を」という意味らしいですね。
今まで不勉強にて知らなかったのですが、ズバリ同タイトルのシャンソンがあるそうで、色々と検索しますと日本人歌手のカバー・ヴァージョンもいくつか見つかりました。かなり有名な曲のようです。
邦洋含めそれらで共通しているのは、歌の主人公が女性であるということ。愛していた男性が突然自分の元を去ってしまう・・・「顔で笑って、心で泣いて」ではないけれど、主人公は「よい旅を」と彼を見送ります。

湯川さんは当然この歌をご存知だったでしょう。ジュリーの作詞依頼を受けて、男女の立場を逆転させた「よい旅を」の物語を改めての視点で描かれたのです。
83年と言う時期の歌手・ジュリーのキャラクターにピッタリの着想だったのではないでしょうか。
詞曲、ヴォーカル、演奏ともいかにも「隠れた名曲」だと思います。みなさまはどうでしょうか。


それでは、オマケです!
お題曲とは時期の異なる資料ですが、『FM fan』の86年新春特大号(発売は85年12月)から。
ジュリーのインタビュー記事が掲載されていて、インタビュアーが他でもない「ボンヴォワヤージュ」作詞の湯川れい子さんということで、この機にご紹介です。

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この頃はまだジュリーが「李花幻」のペンネームへの神秘性、ミステリーを貫いていたのですね。
ジュリーの口から発せられている「井上陽水説」・・・これに僕はアッと思ったものです。この記事を読むまでまるで気づけていなかったけれど、「灰とダイヤモンド」の作詞・作曲。特に詞についてジュリーは陽水さんを意識していたようですね。
曲中登場する「~なさい」という冷ややかにしてエロティックな命令口調は、「ジュリー流の陽水解釈」だったのかもしれません。


明日から3月です。早いものですね。
今年はイベントの自粛などで春の街の賑わいが目立たない寂しさもありましょうが、三寒四温が身に沁みる、やわらかな季節です。

11日にはジュリーの新譜『Help!Help!Help!Help!』もリリースされます。拙ブログではもちろん今年も新曲の考察記事に取り組みます。
その前にもう1本、何か1曲書いておきたいところ。
頑張りたいと思います。

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2020年2月 8日 (土)

沢田研二 「悲しき船乗り」

from『JULIEⅥ ある青春』、1973

Julie6

1. 朝焼けへの道
2. 胸いっぱいの悲しみ
3. 二人の肖像
4. 居酒屋ブルース
5. 悲しき船乗り
6. 船はインドへ
7. 気になるお前
8. 夕映えの海
9. よみがえる愛
10. 夜の翼
11. ある青春
12. ララバイ・フォー・ユー

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少しご無沙汰してしまいました。
短い記事でもよいから間を置かずすぐに更新を!と考えていたのですが、前回更新後に酷い風邪をひきましてね・・・思い通りにはいかないものです。

発症は先月20日過ぎでした。
まず喉が痛くなって熱が出て、それは数日で治まったもののその後もずっと咳だけが残って、いまだに眠れないほどゴホンゴホンしている夜もあります。
実はこの風邪、カミさんの方が先にかかってそれを貰ってしまったみたいで。
病院では2人ともインフルエンザ陰性で風邪の診断、まったく同じ薬を処方されました。カミさんの方もまだ咳が多少残っていて、本当にしつこい風邪です。
聞けば、この場合の咳は身体が温まると出やすくなるのだとか。それで就寝中に苦しむのですな・・・。


ひとまず気をとり直しまして。
相変わらず忙しくしており新たな採譜の時間がとれませんので、しばらくの間は「過去に採譜済み」のジュリー・ナンバーの中からまだ記事にしていない曲をお題に選び、さまざまな時代の名曲を駆け巡っていきます。
既に採譜しているということは、「自分でも弾いてみたい」と思った曲であり、すなわち個人的に大好きな曲ということ。今日はアルバム『JULIE Ⅵ -ある青春』から、「悲しき船乗り」を採り上げたいと思います。

僕がこの名盤を購入したのは『ジュリー祭り』よりさらに前の、2006年だったかな。
LIVEには行かず、おもにポリドール時代の再発アルバムを大人買いしていた、いわゆる”第一次ジュリー堕ち期”でした。
コンセプト・アルバム『JULIE Ⅱ』がフェイバリットだった僕は、『JULIE Ⅵ -ある青春』をその「続きの物語」を描いたアルバムとして聴いたものです。『JULIE Ⅱ』主人公の少年が成長し、いっぱしの「男の船乗り」として世界中の港を渡り歩いている・・・そんなふうに感じさせてくれる曲がいくつかあるんですよね。
「悲しき船乗り」もそのひとつで、ジュリーファンの間であまり語られることの少ない印象の曲ですが、個人的には大好きな1曲なんです。

『JULIE Ⅵ -ある青春』は、山上路夫さん=森田公一さんコンビとZUZU=KASEコンビが楽曲クレジットを分け合う構成。それぞれのコンビの作品が、似通ったテーマの曲同士で個性を違えながら不思議に対を成し、共鳴し合っているという奇跡の名盤です。

例えば「壮大なスケールで描く海洋物語」のテーマで「朝焼けへの道」VS「船はインドへ」。
「若き日の愛の痛みを美しく歌う」テーマだと「ある青春」VS「二人の肖像」。
そして「ゴキゲンな長調ビート・ロック」ならば「気になるお前」VS「悲しき船乗り」となります。

実は”第一次ジュリー堕ち期”の僕は、後に「LIVEの定番曲でありロックなジュリーの代名詞」だと知る「気になるお前」よりも、「悲しき船乗り」の方が好きでした。
言うまでもなく現在それは逆転しているのですが、何故当時の僕がアルバム収録曲中の貴重なビートものとして「悲しき船乗り」の方を高く評価していたのか。それは、LIVEに参加せずCDのみでジュリーを楽しんでいた者として、ジュリーの「作りこまれたピースに歌を嵌め込む」才能にまず惹かれていたから・・・でしょうか。

『JULIE Ⅵ -ある青春』で言うと、「悲しき船乗り」はじめ山上路夫さん=森田公一さんコンビ作品はレコーディング音源自体「これで完成形」という仕上がりです。
ジュリーはその完成形に「最後のピース」としてヴォーカルを組み込むことで楽曲に貢献している、というのが僕の考えで、これは『JULIE Ⅱ』収録曲にも同じことが言えましょう。

一方「気になるお前」はじめZUZU=KASEコンビの作品は、「その気になればまだまだ変化する」余地が残された「発展途上」の状態でトラック収録されています。つまり、小節割りやメロディーが、主役である歌い手・ジュリーの意思でいくらでも自由に成長し得る、その途上でのアルバム収録です。
それらZUZU=KASEコンビの作品がいつ「完成形」を迎えるかと言うと、スバリLIVEステージなのですな~。
ですから完成形はひとつではなく、LIVEの瞬間瞬間で多様に渡り現在もなお僕らはそんな場面に出逢えてしまうという・・・ジュリーの本質、第一の魅力が正にそちらであることを、『ジュリー祭り』以降の”第二次ジュリー堕ち期”で僕は思い知らされました。

しかしみなさま。
ジュリーが「最後の1ピースであるヴォーカル・テイクを、完成形として提示された楽曲トラックに吹き込む」・・・言わば「歌わされている」(言葉が悪いですけど、そうとしか言いようがない)時に発揮する天賦の才というのは世界トップレベルに凄まじいのですよ、と僕はここで訴えておきたいのです。

加えて思うのは、「悲しき船乗り」ってジュリーがいかにも好きそうな曲でもあるんですよ。
ロック・ナンバー独特のオーティス・レディング風にせり上がるコード進行は、ジュリー本人作の「処女航海」(ザ・タイガース)や「熱愛台風」(ジュリーwithザ・ワイルドワンズ)でもよく似たパターンで採用されています。
間奏のギターはまるでクリーム期のエリック・クラプトンのようで、これもジュリーの好みでしょう。
それにこの曲は、「許されない愛」シングル・リリース時にジュリーが「自分に合ってる」と語った「ブラス・ロック」として仕上げられていますからね。

「気になるお前」のように、LIVEにおけるロック・バンド・スタイルの自由度の高いヴォーカルと演奏はもちろん最高ですけど、腕利きのミュージシャンが「スコア通り」に演奏し、そこにジュリー天性の才で歌入れされたレコーディング音源の説得力というのもまた素晴らしいものです。
その意味で「悲しき船乗り」の出来映えは、『JULIE Ⅵ -ある青春』収録曲中でも屈指と僕は思っています。
是非みなさまに再評価されて欲しい、隠れた名曲・・・この機にじっくり聴き返してみて!


それでは、久々の・・・オマケです!
福岡の先輩からお預かりしている『ヤング』バックナンバーで、73年7月号掲載のジュリーの話題をどうぞ。

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730703

あと、この73年7月号の「スター・アンケート」のコーナーには堯之さんと岸部兄弟が登場しているので、そちらも貼っておきましょう。

730705 



さて、みなさまも5月からのジュリー全国ツアー、前半のチケット申し込みを終えられたことと思います。
今回のスケジュールは、序盤に限って言うと関西のファン泣かせな感じですね。関西限定で考えると、6月の京都までだいぶ間があります。「辛抱たまらん!」と遠征を決意された関西のかたも多いのではないですか?
すなわち、ツアー初日NHKホールの競争率がハンパない状態なのではないかと。

「初日には絶対参加したい派」の僕ももちろんNHKホールは申し込みましたが、第2希望は書けませんでした。
ただただ抽選に引っかかってくれることを祈るばかりです。席はどんな後方でもよいのですから(と言うか、僕のジュリーLIVE席運は50周年ツアーで完全に使い果たしたのだ、とこの2年で実感させられています笑)。

あと、YOKO君はじめバンド仲間を誘って申し込んだのが6月の川口リリア。
今回は男4人での参加ですが、こちらはメンバーと相談して第2希望を武蔵野として記入しました。
でも、やはり川口と言えばYOKO君がもう30年住み続けている街ということで、彼の「地元枠」として当選を期待したいところです。

ともあれ本当に楽しみな全国ツアー、みなさまの良席ゲットをお祈り申し上げます。
コロナウィルスにインフルエンザ、何かと騒がしい冬。
お互い充分気をつけて、暖かい春を待ちましょう!

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2020年1月19日 (日)

沢田研二 「PEARL HARBOR LOVE STORY」

from『サーモスタットな夏』、1997

Samosutatto

1. サーモスタットな夏
2. オリーヴ・オイル
3. 言葉にできない僕の気持ち
4. 僕がせめぎあう
5. PEARL HARBOR LOVE STORY
6. 愛は痛い
7. ミネラル・ランチ
8. ダメ
9. 恋なんて呼ばない
10. マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!

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『名福東阪阪東・寡黙なROCKER』NHKホール公演に参加のみなさま、千秋楽のジュリーはいかがでしたか?

僕は残念ながら参加できずお留守番組でしたが、今日はみなさまのお帰りのタイミングに合わせ、僕が今ツアー唯一観ることができた10日の東京フォーラム公演を振り返りつつ、セットリスト中「この1曲」のお題にて更新させて頂きます。

今回のセトリは、拙ブログで既に記事を書いている歌で占められていました。
その中から「2度目の執筆記事お題」として選んだのは「PEARL HARBOR LOVE STORY」。僕の中で「日替わり・ジュリー・ナンバーで一番好きな曲」常連の名曲ですが、前に記事を書いたのは『ジュリー祭り』直後でした。このブログを「じゅり風呂」へと変貌させた最初の記事と言ってよいでしょう。

当時僕は『ジュリー祭り』の感動のままに、まだ持っていなかった90年代以降のアルバムを猛烈な勢いで「大人買い」し始めた頃。
あの東京ドームで歌われた「サーモスタットな夏」「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」の2曲を収録しているということで期待して購入したアルバム『サーモスタットな夏』・・・その中で圧倒的に感嘆し、驚愕し、打ち抜かれたのが「PEARL HARBOR LOVE STORY」でした。この曲を知ったことが、僕のジュリーファンとしての歩みに拍車をかけたのは間違いありません。
ただ、当時の僕はまだまだ僕はジュリーについて無知でした。自作詞のメッセージ・ソングが他アルバムにも多々存在することすら知らず・・・まぁ、だからこそこの曲に驚かされた、感動させられたとも言えるのですが。

その後ジュリーのLIVEツアーに通うようになり、「PEARL HARBOR LOVE STORY」も鉄人バンドの演奏で何度か生体感することができました。
もちろんその度に狂喜しました。
しかし・・・正直に言うとこれは「LIVEで聴けて嬉しかったけど、レコーディング音源への愛情や感動を結局超えられない」というイメージの名曲でもありました(そうした曲は他に僅か数曲しかありません)。
オリジナル音源が僕の好みにドンピシャ過ぎるのです。

それをジュリーは10日フォーラムで超えてきました。
そもそも僕は未だに「ジュリーのLIVEはできればバンド・サウンドで聴きたい」と考えてしまう方で、まさかギター1本体制で塗り替えられるとは驚きです。
その意味で、『SHOUT!』ツアー初日の「そっとくちづけを」に並ぶ衝撃でした。

さらに言うと今回の「PEARL HARBOR LOVE STORY」、その伴奏を一手に担った柴山さんのギターがまず素晴らし過ぎました。
個人的にはこの体制以後のレパートリーで最高最強の演奏だと思っていて、なにせ曲が曲ですし、僕の安易な「想定」を軽々と飛び越えた柴山さんには「やられた!」という感じです。
緻密にして大胆、それでいてオリジナルのイメージも崩さず、ジュリーのヴォーカルを最大限引き立たせる・・・世に名ギタリスト多しと言えど、このパフォーマンスは柴山さん以外成し得ないでしょう。
今セトリは(おそらく偶然でしょうが)曲中にクリシェ進行が登場するナンバーがズラリと並んでいます。
ギター1本で表現するにはもってこい!の進行であり、「PEARL HARBOR LOVE STORY」もズバリその通りの名演となりました。

そして何より、ジュリーのヴォーカル。
凄かったです。

僕はこの大作の歌詞を完璧に覚えています(そのくらい好き)。これまで生のLIVEで何度か体感した際、日によってはジュリーが歌詞に詰まり僕は必死に口パクで歌ってステージに念を送ったりしたこともあったのに・・・今回ジュリーはスラスラと、それこそ吟遊詩人の語りのような澱みない滑舌で眩しく「PEARL HARBOR LOVE STORY」を歌いました。声が「眩しい」って変な表現だけど、本当にキラキラだったんだよなぁ。
最後の「愛」が二たび「恋」になったりとか細かな変更はあったと思うけど、ジュリーはストーリーとしても揺るぎない歌を聴かせてくれました。

歌が始まってすぐに僕は、自分が覚え込んでいる歌詞を前もって思い出すようなことはやめ、ジュリーの紡ぐ物語をそのまま受け入れてマッサラ純粋な「聴き手」となっていきました。ジュリーの歌で歌詞の物語を追体験するようなこの感覚は、ここ数年の「祈り歌」を歌うジュリーに対峙する時によく起こること。
今回の「PEARL HARBOR LOVE STORY」にはそれ以上のリアリティーがありました。
そしてこの歌は・・・と言うかジュリーのどの歌も本来はそう聴くべきものなのだ、とも思い知りました。

「物語」で片付けるにはあまりにシリアスな詞です。
しかし僕は敢えてこの日の「PEARL HARBOR LOVE STORY」を、「驚くほど美しい歌だった」と書いておきたい・・・こんな不穏な世界情勢の今だからこそ。

2012年以降の「祈り歌」はじめ、ジュリー自作詞のメッセージ・ソングには「聴き手の知識と想像力に解釈を任せる」という面が強いように思います。
いや、知識と言ってもそんなに大層なことではありません。例えば「PEARL HARBOR LOVE STORY」冒頭の「12月8日」とは、「歴史の渦」においてどういう日付なのか・・・基本的なことですよね(一方でジュリーは現在、そんな「基本的なこと」を僕らが知ることすら危うくなっている、という思いも胸に近年歌っているわけですが)。

「PEARL HARBOR LOVE STORY」でジュリーは「戦争」というフレーズに直接触れることはしていません。それを聴き手がいくつかのキーワードで受け止め想像する・・・さらに「戦争」のみならずここでは「格差」ひいては「差別」のテーマも登場しますが、それも直接的な歌詞で言及してはいません。僕らはハワイアン・タウマとジャパニーズ・マコトの(社会的には)結ばれ得ぬそれぞれの身の上の違いをジュリーに歌われることで、そうしたテーマに辿り着くのです。

10日フォーラムではそんなテーマや想像を本当にリアルタイムに、ジュリーの歌で次々と思い起こされられるということが僕の身に起こりました。
その上で「素晴らしく美しかった」「素晴らしい曲だった」「素晴らしい演奏だった」と感じました。

「普段何気なく口ずさんでいるポップ・ソングが、実はとんでもないメッセージ・ソングだった」・・・そんな曲を作ることがロックの役割のひとつである、と言ったのは、ブームタウン・ラッツのリーダー、ボブ・ゲルドフ(ライヴ・エイドの提唱者でもあります)でした。
今世界中のロッカーの中で、ステージ上でそれを最も体現している歌手がジュリーではないでしょうか。
いや、ジュリーの場合はボブ・ゲルドフとは少し違うかな。「これはとんでもないメッセージ・ソングだ・・・しかし、それにしても何て美しい曲なんだ!」という順番になりますから。

歌、演奏ともに最初から最後まで素晴らしかった中で、特に突き刺さった箇所を挙げておきましょう。
タウマとマコトが海に消えた後、大人達の後悔を受けて改めて2人の容姿が歌われるところがありますよね。

「たおやかな黒髪」。
「端正な胸」。

この箇所を歌うジュリーは声も仕草も美しさを超えて、エロティックですらあったのですよ・・・。

強者が弱者の立場に無頓着となった時、悲しい出来事は起こります。大国の身勝手、大人の身勝手。戦争も差別もそうでしょう。
「PEARL HARBOR LOVE STORY」をそんなふうに聴ける、そしてジュリーが歌い終えると、物語の深刻さが吹き飛ぶほどの「名曲」への感動がある・・・10日フォーラムでの「PEARL HARBOR LOVE STORY」は本当に素敵でした。
きっと今ツアー各会場そうだったのでしょう。
凄いぞ、ジュリー。凄いぞ、柴山さん。

最後に、アルバム『サーモスタットな夏』収録のレコーディング音源についても少し書いておきましょう。

作曲は朝本浩文さん(ジュリーの今回の選曲には、朝本さんへの思いもあったかもしれませんね)。
朝本さんが作ったジュリー・ナンバーはどれも好きですが、メロディーの尊さ、構成の巧みさ、志の高さはやっぱりこの曲が一番手だと個人的には思っています。
そして白井さんのアレンジとギター演奏、これがもう僕の好みとしては完璧なんです。
間奏のソロは「これぞジョージ・ハリスン直系」とも言いたくなる至高のスローハンド。この歌で間奏が超絶テクニックの早弾きだったとしたら却って興ざめのはずで、そのセンスは「さすが」としか言いようがありません。

楽曲全体を通してのアレンジの雰囲気には、ある洋楽曲へのオマージュが考えられます。たぶんこれです。

レッド・ツェッペリン「カシミール」

独特の緊迫感からか、テレビのバラエティー番組などでBGMとして使用されてることもあるので、ツェッペリンを知らなくても「なんとなく聴き覚えがある」という方も多いのではないでしょうか。
白井さんは詞曲吟味の上で「カシミール」の持つ緊迫感、或いは大作感をアレンジ・コンセプトとしたんじゃないかな。

アルバムの収録位置も凄くいい。
もしLPだったら「PEARL HARBOR LOVE STORY」はA面ラストということになりますよね。大トリ収録「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」とのS.E.合わせ技も白井さんのアイデアでしょう。僕はこうした「コンセプト・アルバム」的仕掛けが大好物。

新しいジュリーファンのみなさまには是非、アルバム『サーモスタットな夏』購入をお勧めしたいです。

『名福東阪阪東・寡黙なROCKER』LIVE全体のレポは多くのじゅり風呂さんが熱い記事を書いていらっしゃるのでこちらでは割愛させて頂きます。
ただし、僕も発信者のはしくれとして絶対にこのひと言だけは書いておかねばなりません。

ジュリー、すんげぇ着物着てたよ!

と。
ジュリー本人から「そうクチコミしといて」なんて言われたら、そんなん命令ですよ・・・(笑)。

それではまた、できるだけ近いうちに!

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2020年1月 8日 (水)

沢田研二 「お前は魔法使い」

from『Jewel Julie -追憶-』、1974

Jeweljulie 

1. お前は魔法使い
2. 書きかけのメロディー
3. 親父のように
4. ママとドキドキ
5. 四月の雪
6. ジュリアン
7. 衣裳
8. ヘイ・デイヴ
9. 悲しい戦い
10. バイ・バイ・バイ
11. 追憶

--------------------

こんばんは、ジュリーのお正月LIVE・絶賛ネタバレ我慢中のDYNAMITEです。

2020
年、「平穏な1年であれ」と願ったのもつかの間、危うい世界情勢に不安を募らせるばかりの年明けとなってしまいました。
そんな中、ジュリーのステージを楽しみにするという幸せを持つ自分が後
ろめたくも、やっぱり身近な現状の平和平穏を噛み締めています。

さて、お正月ツアー初日と
なった名古屋公演の5日以降、僕はいつも訪問させて頂いているお気に入りのブログ様巡りも我慢し、仕事の残業を頑張りながらなんとか情報をシャットアウトできているという状況。
自分のブログだけ見ていればネタバレはないだろう、と思っていたら、昨日うっかり管理
ページのアクセス解析を開いて「人気記事一覧」をチラ見してしまいました!

最近この
ブログはあまり繁盛しておらず(昨年は休止期間もありましたからね汗)アクセス解析も閑散状態が続いていたので、本当に油断してた・・・ジュリーLIVEの初日後数日に限っては、セトリの楽曲タイトルで検索された方がそのお題記事を読んでくださるという特殊なアクセス集中の時期なのですな~。
「やば!」と思いすぐに目を逸らせたのですが、
1曲のタイトルだけバッチリ視界に捉えてしまった・・・。

いや、もちろんその曲がセト
リ入りしているのかどうかは実際参加してみないと分かりません。でも、かなり昔に書いたそのお題記事がいきなり現在の「人気記事」の上位ランクインって・・・しかも一般的にはまったく知られていない、アルバムの1収録曲ですからね。普通の時期ならあり得ません。
どうやらこの1曲、ネタバレしたかな?
まぁ大
好きな曲なので、生で聴けるとすればメチャクチャ嬉しいんですけどね。
セトリ
をご存知のみなさま、どの曲か当ててみて!
ヒントは、「一瞬のチラ見だけでも目に
飛び込んできやすい字面のタイトル」の曲であること。僕は今日から10日夜まで頂いたコメントも覗かないようにするので、思う存分ネタバレしてコメントにて当ててくださってよいですよ~(あ、僕と同じくネタバレ我慢中の方々は、それぞれの参加日まで本文のみ読んでくださいませ)。


で、今日は遅まきまがら”『SHOUT』ツアー・セットリストを振り返る”シ
リーズということで、短い文量ではありますが更新させて頂きます。
昨年全国ツアーセ
トリの中で唯一まだ記事を書いていなかった曲(厳密には「吉いらんか」も書いていませんが、そちらはまだ正規音源が出ていないということで除外)・・・「お前は魔法使い」。
長いジュリーファンの先輩方なら「セトリ入り率高め」と認識されている1曲でしょうが
、『ジュリー祭り』デビューの僕にとってこれは、ようやく初の生体感が叶った「ダイブ曲」だったのです。

名盤『Jewel Julie -追憶-』冒頭1曲目にしてジュリーの自作曲。
74年リリースのその音源からは
「よ~し、井上バンドと一緒にロックを極めるぞ!」
という若きジュリーの漲る気合が感じられます。

洋楽も聴いていらした先輩の中には「ジュリー、まるでミック・ジャガーみたい!」と思った人もいらしたのではないですか?
そう、これはリアルタイムでジュリーや井上バンドがローリング・ストーンズの影響を受けた1曲ではないかと僕は思っています。
当時のストーンズはミック・テイラー在籍時。「お前は魔法使い」で聴ける速水さんのトリル奏法は、ミック・テイラーのおハコでした。ジュリーが「無人島に持っていきたい1枚」として挙げた『スティッキー・フィンガース』収録の「スウェイ」でのプレイを彷彿させます。

ただ、アレンジ全体の主導権はジュリーの作曲そのものが握っていたのでは、というのが個人的な推測。
70年代にキース・リチャーズが開眼確立し、のちに邦洋問わず幾多のバンドが踏襲していった「クリシェ・コード・リフ」の手法は、ギター・アレンジの域を超えた「作曲と一体」なるセッション想定が肝で、ジュリーも作曲段階から「お前は魔法使い」のコード・リフを考案していたのではないでしょうか。

オリジナル音源のようにバンドの演奏となればそこから様々な味付けが成されますが、サイド・ギターのトラックのみを拾い上げると分かり易い。例えばギター1本スタイルの『SHOUT!』ツアーで柴山さんはこの曲のリフを
「じゃ~、じゃっ、ちゃっ、ちゃ、じゃ~♪」
と弾いていたかと思いますが、これは「じゃ♪」の箇所をトニック、「ちゃ♪」の部分を「sus4」で組み合わせたクリシェです。つまり冒頭から
「E→Esus4→E」「F#→F#sus4→F#」「A→Asus4→A」
これで、「お前は魔法使い」のサウンドになります。
作曲時の根っこの姿を重視してくれたような柴山さんの音は、ジュリーも歌っていて心地良かったでしょうね。

一方でこの曲には、ストーンズへのオマージュ以外の魅力も盛りだくさんです。
以前に採譜する機会がありコード進行も頭に入っている曲ですが、サビに向けて曲調が一転する箇所は調号の変化も無く一見オーソドックスな並行移調。でも音符割り、小節割りが独特で。
ジュリーの粘り強い作曲手法がよく表れていて、最後の着地点「あやつり人形みたい♪」は、後の「夜の河を渡る前に」での驚異的なジュリー・オリジナリティーに繋がる進行です。

また演奏面でも、ミック・テイラー在籍時のストーンズはこうしたギター・サウンドに鍵盤を絡める際、ロック・ビート系はピアノ、バラード系がオルガンとしていたのに対し、井上バンドの場合はビート系にオルガンを採用するんですよね。
大野さんのプログレ志向でしょうか。
幼少時から『太陽にほえろ!』サントラ好きの僕にとっては嬉しいアレンジです。

『SHOUT!』ツアーでの生体感や、90年代以降のLIVE-DVDももちろん素晴らしいですが、やはりこの曲への思い入れは、井上バンド時代を知っている先輩方には敵わないんだろうなぁと思います。初期井上バンド流のロックとして集大成的な1曲ではないでしょうか。
それがジュリー自身の作詞・作曲作品であったことに、今さらながら驚嘆させられるばかりです。


ということで。
いよいよ明後日の東京国際フォーラム公演が僕の『名福東阪阪東・寡黙なROCKER』ツアー初日です。
今回授かった席は、1階後方。しょあ様命名されたところの「あさきゆめみし席」というやつで、しかも「みし」のあたりです(笑)。
ジュリーの表情や柴山さんのフォームまでは肉眼で見えないけれど、「お正月LIVEならではのセットリスト」に期待は高まるばかり。
先述の通り今日からLIVE当日までは、頂いたコメントを拝見するのも控えますので、みなさま思い切りネタバレ全開で「あの曲が良かった」「この曲はサプライズだった」など、存分にそれぞれの感想を教えてくださいね。
フォーラムから帰宅後楽しみに拝見したいと思います。

なかなか時間が無いので僕の感想はLIVE全体のレポではなく、セットリストから「この1曲」を選んでの楽曲お題にて記事更新するつもりです。
ちょうどツアー千秋楽くらいに書けるタイミングになるんじゃないかな。

それでは10日フォーラム、行ってまいります!

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2020年1月 1日 (水)

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

77nhk12 
↑ 1977年NHKホール公演パンフレットより

ジュリーファンとしてはこの2020年、明けてすぐにお正月LIVEというスケジュールが久々のことで、ワクワクの元旦ですね~。
全国ツアーが年をまたぐパターンと違い、まったく新しいセットリストが新年早々やってくるのですから。

ただ僕はツアー初日には不参加、10日の東京国際フォーラム公演までお預け。
僕自身がセットリストのネタバレを我慢することになるため、今回はside-Bも開設しません(10日の感想を「この1曲」のお題記事で書くのがちょうどツアー千穐楽くらいになると思います)。

今年もそれなりに忙しい日常となりそうですが、ブログも更新はマメにやっていきたい・・・本当にささやかながら、それを2020年の目標としたいです。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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2019年12月28日 (土)

沢田研二 「ZOKKON」

from『A WONDERFUL TIME.』、1982

Wonderfultime 

1. ”おまえにチェック・イン”
2. PAPER DREAM
3. STOP WEDDING BELL
4. WHY OH WHY
5. A WONDERFUL TIME
6. WE BEGAN TO START
7. 氷づめのHONEY
8. ZOKKON
9. パフューム
10. 素肌に星を散りばめて

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2019年、ラスト更新です。

まずはお知らせから。
ザ・タイガースのファンのみなさまならご存知、あの1・24の重要登場人物でもいらっしゃる坂田さんが、ブログを開設されました。
坂田さんは、2012年のピーさんとタローさん(&スーパースター)のジョイント・コンサート中野公演で何と僕のお隣の席にいらして、その時まず僕の顔を覚えてくださり(本当に僥倖でした。一緒にいらしていた綺麗な奥様が、少し離れた席に来場していたサリーさんとお話するのを目の前で拝見したりとか)、その後坂田さんの青山でのLIVE(ゲストでタローさんも参加)で色々とお話させて頂いて以来、望外のご縁を賜りました。
ブログの開設もメールで知らせてくださって(熱で寝込んでいる僕に、「ウィルスなんかダイナマイトでふっとばせ!」とエールもくださいました)、これは僕としても微力ながら広く皆様に案内しなければ・・・と、ここでご紹介させて頂く次第です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて本題です。
2019年も残り僅か・・・ということはすなわち、ジュリーの2020年お正月LIVE『名福東阪阪東・寡黙なROCKER』開幕がもうすぐにまで迫っているという。
僕は今回残念ながら初日名古屋公演には参加せず、10日の東京国際フォーラム公演までセットリストのネタバレ我慢を敢行しますが、「ジュリー自身の作詞・作曲作品がかなりの比重を占める」と予想しているのは前回「AZAYAKANI」の記事中で書いた通り。
今日は”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズ第2弾として、これもやはりジュリー作詞・作曲のナンバー「ZOKKON」を採り上げ、賑やかな名曲にあやかって今年を締めくくりたいと思います。

僕にとって2019年は仕事が忙しかった1年でした。
中でも大変だったのは、本社ビルの移転に伴う資料本スコアの取捨・整理を一手に任されたことです。
勤務先の会社は昭和42年創業、しかも「とにかく新刊を矢継ぎ早に出す」ことが宿命づけられている楽譜業界の出版社ですから、地下資料室に残されている50数年ぶんの資料本の単体冊数たるや・・・眩暈がするほどでした。
90年代に入社した僕がこれまで目にしたことの無かったスコアもたくさんありまして、それを早急なスキャン化が必要なもの、今後その可能性があるもの、不要廃棄処分のものと自分の判断で選別のうえ保管作業までしていかねばならず、責任重大にして労力も莫大(本って纏めるととても重いですからね)。
ただ僕は元来スコアフェチですから、未知の資料を吟味する作業というのは大変ではありましたがさほど苦ではなかったです。

ジュリーのギター・スコアやピアノ・スコアも点数は少ないながらすべて発掘。最終版は82年ながら、当然「今後の可能性」アリとして大切な保管組としました。
で、ジュリー単体のスコアではないけれど、言わば「関連商品」と呼ぶべきもの・・・混載のオムニバス以外に、こんなスコアも発掘したのです。

Zokkon1

ジュリーファンの先輩方ならばピンと来たはず。
そう、ジュリーはシブがき隊のファースト・アルバムに2曲の楽曲を提供しているんですよね。

1982年と言えば、ジュリーが「作曲家」として完全覚醒した時期。僕もジュリーの彼等への楽曲提供したこと自体は数年前に知っていましたが、こうしてスコアを見て曲調を把握する機会は初めてでした。
そしてまず驚愕。
これまで僕は、てっきりジュリーは作曲のみの提供で作詞は森雪之丞さんなのだろう、と勝手に思い込んでいたのです。ところがジュリーは提供2曲いずれも作詞・作曲まで1人で担っていたのですねぇ。
先輩方としては「何をいまさら」と仰りたいところでしょう。これは完全に僕の勉強不足でした。

でこうなると、音符やコードだけでなく歌詞についてもじっくり吟味しつつスコアを読み解きたくなるのは必然。すると

Zokkon2

Zokkon3

こ、これは・・・!
2曲とも明快に「ZOKKON」系ではないですか!

オラオラ・モードな口調でイキがって迫っているけれど、内心目の前の彼女にはメロメロにしてお手上げ。そんな主人公がすっかり舞い上がってすったもんだしている、という「バカ・ロック」(←念のため書きますが、この表現は最上級の褒め言葉ですからね!)な仕上がり。
その上で詞曲には時代にジャストな「流行歌」エッセンスがあります。正に「ZOKKON」系列なんですよ。
もちろん各曲それぞれバラエティーに富みキーも違います。「Weather Girl」は短調の進行ですし、「ハートでCOME ON!」の詞には「ZOKKON」以上に「氷づめのHONEY」を連想させるフレーズが登場。
ただ、ジュリー渾身の「バカ・ロック」はやはり「ZOKKON」に集約されまると思いますから、この曲がボス的位置なんですよね。

同い年の男性ジュリーファンの友人が、かつてヤマハさんから出版されていた『A WOUDERFUL TIME.』のマッチング・エレクトーン・スコアを持っていて見せて貰えているので、「ZOKKON」とシブがき隊2曲はスコア比較としても非常に興味深い類似を楽しめました。

シブがき隊のファースト・アルバム『ボーイズ&ガールズ』は82年7月リリース、一方「ZOKKON」がシングル「”おまえにチェック・イン”」のB面としてリリースされたのは同年5月(アルバム『A WOUDERFUL TIME.』は6月)。とすれば「ZOKKON」とシブがき隊への提供2曲はほぼ同時期に作詞・作曲されたと考えられます。
ここで、拙ブログ得意の「勝手な推測」(妄想、邪推とも言う笑)が炸裂。

「ZOKKON」は元々、ジュリーがシブがき隊アルバムのオファーを受けて作った曲のひとつではなかったか?

という。
シブがき隊には翌83年の「ZOKKON 命(LOVE)」というヒット・シングルがありましたし(こちらの作詞が森さん)、そもそも「ZOKKON」なるタイトル・フレーズがデビュー時の彼等のイメージにピッタリ、という後づけ要因もあります(ちなみに上記スコアは彼等のサード・アルバム『夏・ZOKKON』までの全曲を収載)。

ところがジュリーはシブがき隊のために作った曲の中で「ZOKKON」の出来を大いに気に入り、自らの次シングル曲としてプリプロにかけたのではないでしょうか。
福岡の先輩から授かった80年代のラジオ音源でジュリーは「シングルのA面とB面は、最初はどちらもA面のつもりで作って、その上で皆で話し合っていずれをA面にするか決めている」と語っていました。結果的には彗星のごとく登場した大沢誉志幸さん作曲の「”おまえにチェック・イン”」にA面の座を譲りましたが、当時ジュリー・シングルの流れは「ス・ト・リ・ッ・パ・-」「麗人」と自作曲が続いており、そこで今度は作曲のみならず作詞も自ら手がけた「ZOKKON」で勝負!とジュリーが考えた、というのはあながち無理な推測でもないような気がするのですが・・・深読みですかねぇ。

ともあれ「ZOKKON」は、元気で脳天気で愛すべき名曲です。長いファンの先輩方にとっては「セトリ率高め」のイメージもあるかもしれません。
しかし『ジュリー祭り』堕ちの僕は、この曲をまだ生で聴けていないんです(と言うかアルバム『A WONDERFUL TIME.』の中では「”おまえにチェック・イン”」しか生で聴いたことがありません)。
お正月、期待したいです!


さて、来年も今年ほどではないにせよ忙しそうなので、ライトな文量&内容の記事が続くと思いますが、更新はなるべくマメにやっていこうと思っています。
今年はとにかく約半年間のブログ放置状態がありましたから・・・いつも読んでくださっているみなさまには本当に申し訳なかったです。
2020年はそんなことがないよう頑張ります。

春に発症した五十肩ともつきあいながらバッタバタで駆けた2019年も、もうあと少しで終ります。
今日からは9日間の冬休みに入りました。実感する連休のありがたみ・・・ひさしぶりにゆっくり過ごしたいです。

それではみなさま、風邪、インフルエンザ等に気をつけて、よいお年をお迎えください。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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2019年12月20日 (金)

沢田研二 「AZAYAKANI」

from『新しい想い出2001』、2001

Atarasiiomoide 
1. 大切な普通
2. 愛だけが世界基準
3. 心の宇宙(ソラ)
4. あの日は雨
5. 「C」
6. AZAYAKANI
7. ハートの青さなら 空にさえ負けない
8. バラード491
9. Good good day

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一昨日に瞳みのる&二十二世紀バンド四谷公演の記事を書いたばかりですが・・・本日12月20日は毎年の更新日と決めていますので、本当に短い記事ですがupいたします(実は38℃の発熱で今日は仕事を休ませて貰ったのです汗)。

不肖DYNAMITE、
今日で53歳となりました。
毎年書いていますが、同年代の友人や同僚達は今や誕生日を
迎える度に「こんな歳になってしまったのか・・・」と表情も沈みがち。僕もジュリーファンになっていなかったら同じだったでしょう。
でも、「今の自分と同い年だったジ
ュリー」の活動は幾つであっても現役バリバリ。毎年勇気づけられています。

あと、
「53歳」というのはプロレスファンとしても特別な数字で、今は引退されましたが、あの天龍源一郎さんが今の僕と同じ年齢で開発した必殺技の名前がズバリ「53歳」。
変形の
脳天砕きなんですけど、とにかく53歳の天龍さんは、才能豊かな若い選手やリヴィング・レジェンドを向こうにまわしバッタバッタとこの「53歳」で試合に勝ちまくっていました。53歳なんて、全然老け込む歳ではないのだと教えてくれました。

僕は凡人ですからジュリーや天龍さんのようにはいかないけれど、リスペクトする人生の先達に少しでもあやかりたいものです。

さて、ジュリーが今の僕と同い年・53歳の年にリリースしたア
ルバムは『新しい想い出2001』。
収録曲の少なさ(全9曲)や、この作品からジャケッ
トにジュリーの写真が載らなくなるなど一見地味な印象のアルバムですが、これはジュリーファンならば心から愛すべき名盤!
今日は、まだ記事を書き終えていなかった収録曲の中から「AZ
AYAKANI」をお題としました。

「AZAYAKANI」・・・ジュリー自身の作詞・作曲。これは
お正月LIVEに向けての『恒例・全然当たらないセットリスト予想』シリーズも兼ねた楽曲お題です。
僕は参加できませんでしたが、『SHOUT!』ツアー大千秋楽、東京国際フ
ォーラム公演でジュリーが少しだけお正月LIVEの告知MCをしてくれたのだそうですね。
曰く、「(セットリストは)1曲以外総入れ替えする」と。
いやぁワクワクします。ど
んな曲が選ばれるのでしょうか。ジュリーは「出来の悪い子(曲)ほど可愛い」とも言っていたそうですから、アッと驚くサプライズ選曲が期待できそう。
もちろん僕らファン
からすれば、ジュリー・ナンバーで「出来の悪い」ものなど皆無です。ただ、ジュリーがそうした表現をする時、どんな歌を頭に思い描いているか・・・それを僕は「ジュリー自ら作詞・作曲した歌」ではないかと想像しています。
今度のお正月にはジュリー作詞・作
曲の名曲が多くの比重を占める、というのが僕の予想。「明日は晴れる」なんて、個人的には鉄板だと思いますよ!

『新しい想い出2001』からまず僕がセトリ入りを切望するのは、
未だ生体感が叶っていない「Good good day」(これもジュリー自作)ですが、「当てに行く」予想をするならば「AZAYAKANI」に軍配が上がるでしょう。
2009年の『Pleasur
e Pleasure』ツアーで採り上げられたように(GRACE姉さんの「ダバダバダ~♪」コーラスが懐かしい!)、ジュリーが「さぁ、この先10年また行くぞ!」とギアを入れ直すステージにふさわしい選曲ではないかと思うからです。
また、「彼岸と此岸」についてのジュリーの考
え方が初めて作詞にハッキリ表れた、という意味でも重要な1曲。つまり、近年の詩人・ジュリーの創作ととても近しい名曲と言えます。
個人的には「君の記憶に残りたい、僕の記憶
に残したい」なるメッセージは「たとえ(此岸で)君が僕のことを誰だか分からなくなっても、僕は君と一緒にいる」という決意をも併せ持つ、と考えます。
みなさまはいか
がでしょうか。

ともあれ、53歳当時のジュリーを見習い、しっかり地に足をつけてこれ
から先の道を見出す・・・そんな1年にしたいものです。

それでは、なんとか年内にも
う1本セトリ予想の記事を書いて2019年を締めくくるべく、頑張りたいと思います。

寒暖の差が激し
い年末となり、インフルエンザも流行しているようです。僕は既にやられてしまいましたが、みなさまは充分お気をつけて!

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2019年12月18日 (水)

瞳みのる・稲村なおこ 「GS陽気なロックンロール」「君は僕のすべて」

from『GS陽気なロックンロール』、2019

Gsrocknroll

1. GS陽気なロックンロール
2. 微笑の彼方へ
3. あの日の小道
4. 君は僕のすべて

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あっという間にもう10日ほど過ぎてしまいましたが・・・去る12月8日、瞳みのる&二十二世紀バンドLIVE2019『音音楽楽、人種・国境・時代を越えて!』四谷区民ホール公演に行ってまいりました~!

生のLIVEは9月のジュリーの『SHOUT!』ツアー八王子公演以来、さらにバンド・スタイルのステージとなると昨年の瞳みのる&二十二世紀バンド、四谷公演以来。
個人的には仕事のバタバタからある程度解放されたタイミングでもあり、本当に「無」の気持ちで純粋に音楽に身を委ねることができました。
開演前にはピーファンの先輩方とお茶を同席させて頂き、11月六本木でのタローさんのLIVEで実現した「ほぼタイガース」の様子を伺ったり、本当に楽しい1日となったのでした。

ブログの下書き時間がとれない今年は、例年のような全曲網羅のLIVEレポートではなく、セットリストから「この1曲!」をお題に選んでの簡単な振り返り記事とする・・・前回更新でそのように書いたのですが、結果「この2曲!」になってしまいました(笑)。
もちろん、四谷公演セトリの中で強く印象に残ったという意味でこれらが甲乙つけ難い2曲だったからです。

「GS陽気なロックンロール」
「君は僕のすべて」

いずれもピーさんが稲村なおこさん(二十二世紀バンドの初代キーボード)と共に今年リリースした新曲で、それぞれ新譜CDの1曲目と4曲目に配されたピーさんのオリジナル・ナンバー。
実は、今年ピーさんのこの新譜が出たことは知っていたのですが、買おう買おうと思っているうちに怒涛の日々に突入。いざCDを購入したのは他でもない、四谷公演当日の開演直前、グッズ売り場でのゲットでした(そうそう、毎年楽しみにしているパンフを一緒に買おうとしたら並んでない!すわ、売り切れてしまったか?と思いスタッフさんに尋ねると、「今年は出来てないんですよ」とのことで、とても残念です・・・)。

つまり僕はジュリーの『Pleasure Pleasure』の初日と同じく、LIVE会場で新曲を初体感してから帰宅後改めてCD音源で復習する、ということをやったわけで、こういうのもまた良いものですな~。
記事お題2曲のうち「君は僕のすべて」についてはLIVEとCDではまったくイメージが違って。それぞれの魅力を1日のうちに堪能することができました。

それでは、簡単にではありますがお題2曲についての僕の感想を書いていきましょう。

まず「GS陽気なロックンロール」。
新譜の収録4曲のうち唯一、作詞・作曲ともピーさん単独で担ったCDタイトルチューンです。
オフィシャルサイトで発売情報が解禁され楽曲タイトルを知った時、僕は「陽気なロックンロール」なる部分のみのイメージから、チャック・ベリーやバディ・ホリーに代表される、長調スリー・コード主体のいわゆる「オールディーズ」系ロックンロールの曲調、進行を漠然と思い描いていました。
ところがいざLIVEセットリスト1曲目、バ~ン!と始まったビート・ロック(イントロのドラム・フィルの瞬間に限ると、
「危険なふたり」が始まったのかと思ってしまったことをここで白状でしおきます笑)は意外や短調のメロディーと進行。
哀愁の泣きメロをして、ロックンロールだと歌うのです。
「あれっ、タイトルのイメージとは違うな」などと考えたのは僕の浅はかさ・・・NELOさんがゴキゲンなクロマチック・グリスをカマした時、ようやく「そうか!」と。

世代的に僕にはなかなか気づけないことなのですが、「陽気なロックンロール」の前に「GS」がついている意味・・・日本のGSはまず空前のエレキ・ギター・ブームから産まれたという歴史的事実。
つまりベンチャーズなんですね、この曲は(もちろんそれだけではないけれど)。

この日のMCでピーさんは
「エレキギターを持っていたらそれだけで不良と言われる、そういう時代でした」
とファニーズの頃を思い返していました。
ピーさんやリアルタイムGS世代の皆様にとって「ロックンロール」の原点、原風景は、ベンチャーズ流のエレキギターであり、短調のアフター・ビートなのですねぇ。

思えばピーさんは不在だったけど、80年代の同窓会期に「ザ・タイガースのシングル」を掲げてジュリーが作曲した「十年ロマンス」、タローさんが作曲した「色つきの女でいてくれよ」、いずれも短調のビート系でした。それすなわち「GSに立ち返る」作曲ということなのでしょう。
ベンチャーズがロック黎明期の日本であれほどの人気を博したのは、哀愁感のある短調の旋律、進行を擁した代表曲が多く、当時の日本人の歌謡気質にも合ったからじゃないのかな。
「陽気な」の意味を僕は自分の尺でしか量れていなかった、とLIVEステージ1曲目から僕はしみじみと思い知らされたのでした。

その「GS陽気なロックンロール」は帰宅してから「そうそう、こういう曲だった!」とステージを振り返りつつCD音源を聴いたのですが、一方「うわ、LIVEとCDでは全然違う!」と感じたのが、「君は僕のすべて」です。

LIVEヴァージョンの方を今回の四谷公演で先に聴いて、「君は僕のすべて」に僕は「畳みかけるポップ・ロック・ナンバー」という印象を持ちました。
マーシーさんの跳ねるドラムスやJEFFさんの表拍の4つ弾きから、モータウン・ビートに近いノリも感じました。
しかしCD音源の方を聴くとこれが落ち着いたハート・ウォームなポップスで。
もちろんテンポ自体はLIVEと同じはずなのに、じっくりとメロディーを聴き入るタイプの歌、作曲者のKAZUさんの繊細な魅力が強く出たテイクだと思いました。

ここまで印象が違うのは何故か・・・アレンジや演奏面もあるけれど、一番はピーさんのヴォーカルではないでしょうか。
CDでのピーさんは、優しいメロディーを丁寧に歌っている印象。それが四谷のLIVEでは、アンコール1曲目ということでピーさんのテンションが相当上がっていたことも含まれるのでしょうが、とにかく「我を忘れ、身を猛り、すべてを晒す」ような歌いっぷりに圧倒されたのです。
既にCDで曲を知っていたお客さんも、「えっ、こんなに激しい歌だったっけ?」と驚かれたのではないですか?

ピーさんはステージでこの曲を歌いながら、あんなにも無心に、懸命に、何を伝えたかったのでしょう・・・。
ここからは僕の勝手な推測です。

この日のMCと他セトリ選曲でピーさんからいくつかのヒントが示されていたように思います。
まずは、某国会議員を穏やかな口調ながらも一喝したシーンが思い出されます。

「ロシアと戦争?おじいさんの時だけでもうたくさんだ」

とピーさんは言いました。
ピーさんのおじいさんはロシア出征を経験し、すんでのところで一命をとりとめたのだそうです。
「その時命を落としていたら、(ピーさんの)親父は生まれていない」
と。
またそのお父さんも先の大戦に出征、被弾して除隊となっていなければ南方にやられておそらく戦死していたであろう、そうなっていたらピーさん自身この世にはいないと。
そして
「子供を戦争に行かせるようなことはしたくない」
とピーさんは静かに言ったのです。

また今回のセットリストは「タイガース多め」で、久々に生体感となるいくつかの名曲が披露されました。
「落葉の物語」「割れた地球」「誓いの明日」などと共に「生命のカンタータ」が採り上げられたのはファンにとって嬉しいサプライズでしたが、では何故ピーさんは今、この曲を歌おうと思ったのか・・・。

今年の3月11日、ピーさんの息子さんが誕生されているんですよね。

ステージで躍動するピーさんは、もちろんお客さんに向けて「君は僕のすべて」だと歌ってくれているのだけど、表現者として、演者として「世の子供達」にそのシャウト、メッセージを捧げようと歌っているんじゃないかと僕は感じました。

子に捧げる親の思い・・・作詞の時点でそんなコンセプトがあったかどうかは分かりません(もしあったとしても、リリース時期から考えて息子さんが産まれる前の時点での作詞ではあったでしょう)。
ただ、歌詞カードに添えられたピーさんの解説によれば(ピーさんのCDにはいつも簡単な解説が記してあるのが嬉しい!)、「君は僕のすべて」はピーさんとしては初めての「曲先」の作詞作業だったそうです。
ピーさんはLIVEで選曲した中華ポップスに新たな日本語詞を載せる、ということをずっと続けていますから、オリジナル曲での初めての曲先作詞も違和感は無かったでしょうが、ジュリーが数年前に語ったように「メロディーが先にあった方がシリアスな詞のテーマを載せやすい」と言われますし、ピーさんが「生命の誕生」を曲先の作詞題材として採り上げた、と考えるのはタイミング的にも不思議ではありません。

そのコンセプトがステージで一気に開放された・・・僕はそんなふうに想像していますが、いかがでしょうか。

最後に、8日のステージについて少しだけ。

12.8 四谷区民ホール セットリスト

1. GS陽気なロックンロール

2. シー・シー・シー
3. シーサイド・バウンド
4. 勝手にしやがれ
5. エメラルドの伝説
6. YOUNG MAN(Y.M.C.A.)
7. 吻別(キスして別れた夜)
8. 心太軟(君の心優しすぎ)
9. スタンド・バイ・ミー
10. サマータイム
11. マイ・ウェイ
12. 都会
13. 生命のカンタータ
14. 誓いの明日
15. 落葉の物語
16. 君だけに愛を
17. Sylvie My Love(銀河のロマンス)
18. 割れた地球
19. 美しき愛の掟
20. 怒りの鐘を鳴らせ
21. Auld Lang Syne~蛍の光
22. ラヴ・ラヴ・ラヴ
~アンコール~
23. 君は僕のすべて
24. 色つきの女でいてくれよ

(今年はパンフが無いので、僕の自力では中華ポップスのタイトルが分からずセットリスト全曲の明記は厳しかったと思います。纏めてメールにて教えてくださったピーファンの先輩に感謝!)

例年よりタイガース・ナンバー多めの構成。
昨年に引き続き同窓会期のヒット曲「色つきの女でいてくれよ」が大トリで、ピーさんオリジナルの振付もすっかり定着しました。
4曲目の「勝手にしやがれ」は、あの「勝手にしやがれ」です(笑)。ピーさんドラム叩き語り!

今年もヴァラエティーに富んだ楽しいステージでした。
各メンバーのパフォーマンスで特に印象に残ったのは

・ピーさん
ヴォーカルについては先述の「君は僕のすべて」。これに尽きます。
ドラムスはやはり「割れた地球」。元々そういうアレンジとは知っていても、あのスネアのスリリングな変則打点は生で聴いてこその迫力。オリジナルとは違う1拍目の頭打ちも時折飛び出しました。
あと・・・この曲は特にドラムの音それ自体がデカい!
ちなみにバンド仲間の友人の話では「ドラマーにとって、音がデカいというのは最高の褒め言葉」なのだそうですよ。
もう1曲挙げるなら「誓いの明日」。
こちらは激しさよりも「細やかでテクニカルなドラムス」という印象でした。曲後半のソロの安定感は、71年タイガース・ヴァージョンでの狂おしい乱打と比較すると感慨深いものがあります。いずれもピーさんの本質で、どちらが優れているとは言えませんが、楽曲コンセプトに合っているのは現在の演奏ではないでしょうか。

・JEFFさん
「美しき愛の掟」と迷いますが、今回は選曲のサプライズ感も併せ「生命のカンタータ」を挙げたいです。
この曲のベースは「生き物のように動き回る」と言われたビートルズ「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンド」でのポール・マッカートニーのプレイへのオマージュ・アレンジで、僕の大好物。
JEFFさんは見事再現してくれただけでなく、サリーさんの低音コーラス・パートまで担当する見せ場の1曲となりました。

・NELOさん
今や「タイガース・ナンバーのギターを弾かせたらこの世代で右に出る者なし!」というくらいNELOさんのギターはタイガース・サウンドに馴染んだ感があります。
ギターはどの曲も素晴らしかったのですが、加えて特記したいのが「怒りの鐘を鳴らせ」でのリード・ヴォーカル。昨年まではこの曲、ずっとJEFFさんが歌っていたんじゃなかったでしたっけ?
NELOさんの持ち歌としてセットリスト常連だった二十二世紀バンド版「ハートブレイカー」が今年の四谷公演では無く、「短調のハードなナンバー」繋がりということで、改めてNELOさんにこの曲が託されたのでしょうか。

・はなさん
笑顔のオールラウンダーとして今年も大活躍。僕が強く惹かれたのは「サマータイム」のオルガンです。
この曲って、普通ならジャズの雰囲気を残してカバーされるところ、二十二世紀バンドのヴァージョンは70年代ロック・テイストで、まずアレンジが新鮮。
その中でもまるでキース・エマーソンのような音色とフレーズで縦横無尽に走り回るはなさんのソロ・・・個人的にはこの日の二十二世紀バンドの演奏で最も感動させられたプレイです。

・マーシーさん
今回僕は2列目の良席を授かりましたが(ピーファンの先輩が一緒に申し込んでくださいました)、ピーさんがドラムスを叩く曲ではマーシーさんの立ち位置が死角となりました。昨年も披露されとても気に入った「心太軟」でのイントロのマラカスも、音だけ聴こえている状況。
ドラムセットに座っての演奏では、レスリー・ヴァージョンの「銀河のロマンス」が素敵でした。昨年以上に素晴らしかったと思います。

・Kenyaさん
後半のタイガース・コーナーから登場し、ギター・プレイ以外でもお客さんのスタンディングをリードするなど、今年の四谷も「飛び入りゲスト」ながら重要な役割を果たしてくれました。
大トリ「色つきの女でいてくれよ」のソロは今年もNELOさんではなくKenyaさん。ゴキゲンな演奏でした。


MCでは、来年の公演も約束してくれたピーさん。
僕にとって二十二世紀バンドのLIVE参加はすっかり年の瀬恒例の行事となっていますから嬉しい告知です。
あと、来年は「明月荘ブルース」(だったかな?)という新曲のリリースがあるそうです。もう音は出来上がっていてこれから歌入れなのだとか。
こちらも楽しみ・・・今度は音源をゲットしてからLIVEに臨みたいと思っています。

昨年も書いたように、二十二世紀バンドのLIVEはタイガース・ファンの皆様に自信を持ってお勧めできる楽しいステージです。
まだ参加されたことの無い方、来年は是非会場でお会いしましょう!

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2019年12月 3日 (火)

沢田研二 「君をのせて」

『JULIE SINGLE COLLECTION BOX~Polydor Yeas』収録
original released on 1971


Myboatforyou 

1. 君をのせて

2. 恋から愛へ

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大変ご無沙汰しております。
長い間コメントのお返事も遅れてしまい、
本当に申し訳ありませんでした。

その間ジュリーは全国ツアー
『SHOUT!』を見事完走。オーラスのフォーラムではお客さんも参加して楽しいレコーディングも催されたとか?
立ち会えたみなさまが羨ましい限りです。

さて不肖DYNAMITE
、勤務先の本社移転が無事終わったとは言えまだまだ忙しい日々ではあるのですが、ブログに向かう余裕はどうにか戻ってまいりました。
僕にとっては(きっと多くのジュリーフ
ァンにとっても)大切な日付である本日、12月3日の『ジュリー祭り』記念日(早いものでもう11周年ですか~。ちなみに個人的に今年は結婚10周年の記念日だったりもします)にブログ復帰したいと思います!

毎年この日は、常々宝物のように思っている『ジュリー祭り』
セットリストの中から記事お題を選ぶことにしていて、鉄人バンドのインスト2曲も含めたセットリスト82曲についてはジュリー70歳の誕生日に全曲の記事を書き終えることができましたので、昨年からは「改めて2度目の記事を書く」ということをやっています。

今回は「君をのせて」を選びました。
と言うのは、なにせ今年の目まぐるしかった
日々・・・ブログも長期に渡り放置状態となり、初日の東京国際フォーラム、7月の守山、9月の八王子と『SHOUT!』ツアーに3度参加するも結局LIVEレポは書けずじまい。この機に今年のツアーを振り返りたいという思いもあって、『SHOUT!』ツアー・セットリスト本割トリで歌われたこの名曲に再び挑ませて頂こうというわけです。
これまでの
拙ブログお馴染みの大長文とはいかず短めの記事となりますが、どうぞよろしくおつき合いください。

僕は『ジュリー祭り』で本格ジュリー堕ちを果たした
後、裕也さんとのジョイント『きめてやる今夜』を除くすべてのツアーに参加してきました。その中で、ツアー途中にこれほど大きく演奏スタイルが変化した楽曲は他に記憶が無い・・・それが今年の「君をのせて」。
しかもギター1本体制での出来事です
からね。今日は是非その点を文章記録として残しておきたいです。

まず初日フォーラム。
柴山さん
の伴奏は指弾きでした。間奏ソロは親指で低音部を、高音部はひとさし指、中指、薬指を駆使し、掌で弦を包むような奏法で「1人ツイン・リード」を披露してくれたのです
この奏法は、下山さん不在となった後に「いくつかの場面」のソロでも採用されたこと
があって、「そこまで1人でやってしまうのか!」と驚かされたものでした。それが今年の「君をのせて」で再現されたのですね。

ところが次参加の守山公演ではガラリ一変

ピック弾きで、ソロについては単音。これはバンド時代スタイルのギター、ピアノ、
ストリングスの各パートを網羅したヴァリエーションです。
それだけでも凄まじいのに
、さらに驚嘆したのは歌メロ部のバッキングでした。
コード・アルペジオと言うより「
フレーズ・アルペジオ」とでも表現すればよいのでしょうか・・・ギター・アルペジオというのは普通縦の動きですが、ここでは左右の横移動が肝。
柴山さんはこの短期間で、ジュリ
ーが歌うメロディーとは別の裏メロを考案していました。1小節1拍ごとに「3連・4分音符・3連・4分音符」が基本スタイルで、「君をのせて」のシンコペーション・メロディーとガッチリ噛み合っています。
冒頭で言うと、「風に~♪」の「に」が小節の頭です
からそこで3連。「むかい~♪」の「むか」でジュリーのヴォーカルとぶつからないように4分音符で音を伸ばし、「い」で再び3連という・・・素晴らしいアレンジ構成力!

初日から7月の守山までの間、いつこのように演奏を変化させたのかはまだ
分かっていませんが、ピック弾きへの変更は「伴奏の輪郭をハッキリさせた方が歌っていてしっくりくる」というジュリーのサジェスチョンかなぁと僕などは想像しています。
そこで
単に弾き方だけでなく構成までガラリと変えてきた柴山さん、「さすが!」のひと言ですね。

・・・と、ここまで演奏のことばかり書いてきましたが、今回『SHOUT』ツアー・セットリストから個人的に「この1曲」ということで「君をのせて」を採り上げたのは、やっぱり(初日の段階から)昨年亡くなられた先輩のことが思い出されてならない歌だったから。
旅立たれる3ケ月ほど前に緩和病棟にお見舞いに行った時「私を『songs』ヴァージョンの「君をのせて」で送ってね」と仰られたあの日のことを今でも鮮明に覚えていますし、その曲をいざジュリーの生歌で体感すると、悲しみだったり暖かみだったり、いろんな感情が押し寄せてくるのです。
ジュリーが先輩を送ってくれている気がしてね・・・。

思えば、「君をのせて」がジュリーにとってもファンにとってもこれほど大切な1曲となったのは、一体いつ頃からなのでしょうか?
僕は後追いのファンですから、油断すると「君をのせて」を「誰もが知るジュリーの大ヒット・シングル」と書いてしまいそうになります。でも実際はヒットと言うほどヒットしていなくて。『ROYAL STRAIGHT FLUSH』の選からも漏れているくらいですし。
しかも、かつてジュリー自身が「あまり好きな曲じゃない」というようなことも言っていたらしいですね。
シングル盤のB面に配されたジュリー自作の「恋から愛へ」がコード進行やリズム展開細部に至るまで凝りに凝った作品であることを考えると、ジュリーはその頃「自分の歌は自分で作りたい」との希望があり、そんな思いからの発言だったかもしれません。

一方で「君をのせて」をリリース当時から絶賛派だったのが加瀬さん。
「ああああ~♪」というところが実に沢田らしくてイイ!」
とは我等が加瀬さん、さすがの慧眼ですが
「それ以来私は、あ~あ♪と歌う曲が増えました」
と、ジュリーが面白おかしくMCで語ってくれたのは、いつのツアーだったかな。

とにかく今では「君をのせて」はジュリーもファンも双方が大事にしている「知る人ぞ知るソロ・デビュー・シングルにして不朽の名曲」となりました。

以前書いている通り、この歌には普遍性があります。
誰の胸にも覚えがある青春の情愛。それを久世さんのように「男同士の歌」と見るのももちろんアリです。
男女限らず、心通った同姓の友人と実際に遠慮なく「肩と肩をぶつけながら」歩くというのは、まぁ20代まででしょう。大人になってしまえば、そうした気持ちはあってもやっかいな「分別」が邪魔をしますからね。
ジュリーの「君をのせて」はその分別を取っ払ってくれます。だから、「大人になってから」の方がよりこの歌への愛情が増すんじゃないのかなぁ。ジュリー自身にとってもそうじゃないのかなぁ?

ジュリーはもしかしたら今年「君をのせて」を歌いながら、ショーケンと一緒に仕事をしていた頃を思い出すことがあったかもしれませんね。


さて、ひとまずブログ復帰は果たしましたが、この1年で勤務先の人員がかなり減ったこともあり・・・今までのように毎日帰宅後じっくり下書きを積み重ねていったり、耳だけでは採譜しきれない箇所を楽器と合わせて検証したり、お題に合ったオマケ画像をあれこれ探して選別するなどの時間がありません。
今週末に迫った瞳みのる&二十二世紀バンドのLIVEや、チケット到着が待ち遠しい年明けのジュリー正月LIVE『名福東阪阪東・寡黙なROCKER』についても、全セトリ網羅の長文レポではなく、今日のような「この1曲」がお題の簡単な振り返り記事にするつもりです。
あらかじめ、よろしくお願い申し上げます。

そうそう、ジュリーの正月LIVE参加会場は珍しく締切ギリギリまで悩んだ末に、どうにか早退できそうな金曜日の東京国際フォーラムに決めました。
オーラスのNHKホールは休日だけど用事ありで断念。日帰りで初日名古屋参加を最後の最後まで考えたんですけど、僕はこの日が正月休みのラスト日で、やはり翌日仕事初めというのがね・・・絶対休めないし万一のことがあってはいけませんから。
2011年『BALLAD AND ROCK'N ROLL』以来となるツアー初日不参加、ネタバレ我慢決定です。
忙しいぶん、我慢はできるかな~。

それでは次回は瞳みのる&二十二世紀バンドLIVE後の更新です。
僕は今年ここまでジュリー以外のLIVEには一切行けていないので、「バンドサウンドのステージ」を体感すること自体が昨年の四谷公演以来。
楽曲お題はもちろんセトリを体感してから決めます。
ピーファンの先輩方とお会いするのも本当に久しぶり・・・楽しみです!

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