2017年11月18日 (土)

2017.11.3松戸森のホール21 沢田研二『50周年記念LIVE2017-2018』簡易レポ(前編)

大変ご無沙汰しております(汗)。

慌しい「年末」が早くも始まってしまいまして、ブログの下書き時間もゆっくりとれず、という状態です。
こんな調子ではいつまでたっても更新できませんので、とりあえず11月3日に参加した松戸公演の簡易レポを小出しで2回に分けて書くことにしました。
公演から2週間経ってしまいましたが記憶は鮮明。実は、忙しいということもありますが、松戸とほぼ同時期にスタートした瞳みのる&二十二世紀バンドのツアーのセトリのネタバレを避けるため、じゅり風呂さん巡りもチラ見程度で我慢しておりまして、僕はその後のジュリーのツアー各会場の情報をほとんど仕入れていないんですよ。そのぶん松戸の余韻に浸りきっているわけです。

松戸公演は初日NHKホール、大宮に勝るとも劣らぬ素晴らしいステージでした。
YOKO君や初めてのジュリーLIVEとなる友人達と総勢7名での参加となったお席は、1階センターブロックの程好い列で視界も絶好、何よりこの位置だと音がすごく良いんです。YOKO君も「音は大宮より上だった」と終演後に言っていまして、これはホール自体の素晴らしさもありましょうが座席の位置が大きかったと思います。

「一般ピープル」として参加の友人5名の終演後の感想も上々で、「また来年も観たい」と・・・彼等にそう言わしめたジュリー入魂のステージは圧巻のひと言!
今日のレポ前編はまず、僕が新たに気づいたジュリー、バンドの素晴らしさ、改めて感動したポイントなどを、曲ごとに書いていきます(全曲ではありませんが)。
よろしくおつきあいの程を・・・それでは、参ります!

☆    ☆    ☆

2曲目「
君だけに愛を

Tigersred

ジュリーの指差しは、メロディーで言うと「君♪」の瞬間よりも「だけに~♪」に載せて繰り出されるパターンの方が多いようです。
「次、何処行こうかな?」とか考えるのでしょうかね~。
ちなみに1番最初の指差しが僕らの席あたりに来ました。前席のお2人連れのお姉さんが「きゃ~!」と手を振って応えていらっしゃいました。

5曲目「
greenboy

Greenboy
後奏ソロでカッ飛んできた柴山さん、トレモロ部で「くあ~っ!」って言ってました。絶好調の証!

6曲目「
あなたへの愛

Royal3

ギターはエフェクトの切り替えはなく、単音もコード弾き(カッティングと言うより撫でるようなダウン・ストローク。本当にこの曲はツアーの度にギター・アレンジが細かく変化します)も全編フランジャーをかけています。

9曲目「
サムライ

Omoikirikiza

まだジャケットは脱がず。今ツアーは、「暑くなってきたら脱ぐ」というスタイルで臨んでいるようですね。
しかしこのジュリーのヴォーカル・・・まったく押しつけがましくない自然な歌声なのに、ほとばしる圧が凄い!

10曲目「
君を真実に愛せなくては他の何も続けられない

Teaforthree

柴山さん、「青い鳥」だけでなくこの曲も完全に横移動だけでリフを弾きます。
なるほどなぁ・・・タローさんの作曲が「GS」回帰であることを踏まえ、改めてレコーディング音源を聴くと確かにリフで弦の上下移動は無く、単音のトーンが最後まで変わらないのです。今回柴山さんはそれをキッチリ再現しているわけですね。
1本の弦を滑る指圧がビシビシ伝わる名演です。

12曲目「
ヤマトより愛をこめて

Konndohakareina_2

長いツアーで喉にも疲れがある時期でしょう。そういう時は逆にバラードの方が負担がかかるのかな。ちょっとかすれそうになる声を「別の喉」を使って美しく昇華させるヴォーカルの素晴らしさで、瞬時に調子を取り戻すジュリーです。
大宮のレポで、「今回はショート・ヴァージョンなので個人的に大好物なこの曲でのGRACE姉さんのエイトが聴けない」などと書きましたが、ジュリーの歌が終わってから(短い後奏のみではありますが)ドラム、ベースも噛んできますね。

15曲目「
コバルトの季節の中で

Tyakoruglay

松戸公演の日は本当に気持ちのよい秋晴れで、この曲が似合うお天気でした。
Aメロでの依知川さんの「柴山さんの手元ガン見」演奏も再確認。BARAKAのステージで大作の中に時折美しい変化をつけていたような、依知川さん独特の柔らかいフレット・スライドが堪能できる1曲です。

18曲目「時の過ぎゆくままに」

Ikutuka

Aメロ、依知川さんのベース伴奏に刻みをつけてくるGRACE姉さんのライド・シンバルにこの日初めて気がつきました。デリカシーに満ちた名演!

19曲目「
勝手にしやがれ

Omoikirikiza_2

これでもか、これでもかと「思い出を鞄に詰め込む気配」を再現したジュリーの仕草にクスリとしてしまいました。「気配」どころじゃないけど(笑)。

20曲目「
愛の逃亡者

Fugitive

相変わらず素晴らしい泰輝さんのキーボード。最近考察記事を書くために聴いたオリジナル音源、正にそのままの忠実な再現です。泰輝さんはその上で「うっ!」「はっ!」も担当しているわけですからね。
そのかけ声は、前半は泰輝さん1人で、GRACE姉さんが途中から加わる感じだったと思います。

21曲目「
アリフ・ライラ・ウィ・ライラ

Royal80

イントロのドラム・ソロの間、満面の笑みで腕を大きく振り上げ、ひとさし指を立ててリズムをとる依知川さん。必然、お客さんはそれに合わせて手拍子を始めます。
むむ、この曲で手拍子ってのは珍しいんじゃないかな、依知川さん?
とこの時は思いましたが、どうやらその後の曲の演奏を観ていますと、ビートものの曲のイントロ、自身のパートがお休みの時、依知川さんはすべて同じようにしていましたね。
BARAKAの20周年記念LIVEを前日に終えたばかりの依知川さん、大舞台の緊張から解放された充実感でしょうか、とても楽しそうなステージに見えました。

22曲目「
STEPPIN' STONES

Kokuhaku

3度目の参加で初めて気づく・・・今ツアーのこの曲、イントロだけキーが違います。
まるで白井さんのアレンジような隠し味的仕掛けにして斬新な「50周年記念特別仕様」。転調させて瞬時の歌メロ冒頭、スッとメロディーが出てくるジュリーの力量あらばこそのアイデアです。

23曲目「
CHANCE

Royal80_2

サビ直前の「ぱんぱんぱんぱん!」をお客さんがキレイにジュリーと合わせてる!
これ、初日からですか?
僕は初日も大宮も席が前過ぎて(←コラコラコラ)まったく気づいていませんでしたが・・・。

25曲目「
灰とダイヤモンド

Kakuu

一番最後のリフレイン部でジュリーが「おまえのすべて~♪」と先に歌ってしまって、「ああっ、どうするんだろう?」と焦る小心者DYNAMITE。しかしジュリーは何事もなかったかのように、続けて「許して~あげる~♪」と歌詞を入れ替えてきました。さすがです。
ちなみに、大胆に変わったイントロのアレンジにオリジナル音階のアナグラムは一切無し、というのは大宮レポで書きましたが、逆に歌メロに入った後もバンドはイントロに採用されたリズム割り、ビート、音階をそのまま踏襲しつつコードに載せています(歌メロ部のコード進行自体はオリジナルと同じ)。
新たなアレンジに耳も慣れてきて、いやぁカッコイイです。先輩方はこれまでに、CO-CoLO期のステージでLIVE定番曲のアレンジが大きく変わることを体験されていますよね。僕も今回の「灰とダイヤモンド」で、その感覚をほんの少し追体験できたように思い、喜んでいるところです。

26曲目「
LOVE(抱きしめたい)

Love

イントロで割愛されているぶん、歌メロ後の泰輝さんの正調・ハモンドの旋律が強烈。エンディングの余韻の中で演奏が終わり、佇むジュリーに当てられたスポットがパッと消えるのを待ってからの大きな拍手・・・気持ちの良い緊張感、空間です。

27曲目「
TOKIO

Tokio

「ときお・・・ありがとう!ときお・・・ありがとうね!」を初体感。話には聞いていましたが、大宮の時点ではまだやっていませんでしたからね。
依知川さんの指弾きベース、歌メロ直前の4小節が相変わらず凄まじいです。

28曲目「
ウィンクでさよなら

Royal2

サビ2回し目の「I Love You♪」が少しタイミングが外れるも、キッチリ「ここでやる!」と決めていたらしい場所に到達してから、遅ればせながら、という感じで膝を折って求愛ポーズのジュリー。律儀だなぁ。

30曲目「
ダーリング

Konndohakareina

ジュリーの髪はすっかり伸びて、「かきあげてくれ♪」では耳の上あたりの髪を両手で触ってサラ、サラと撫でていました。
開演前、初ジュリーLIVEの友人達に「坊主頭で全国周ってるんだって?」と言われ、「ツアー直前のお芝居の役作りで坊主にしていただけで、その後は伸ばしてるよ」と説明。ツアー初日の様子を伝える新聞か何かで、「この頭で全国まわらなアカン」というジュリーのMCが切り取られて報道されていたらしく、「もう沢田研二に髪は無い」と思い込んでいる一般ピープルも多い、ということみたい。
ジュリーのステージについての(全国版の)報道って、「ツアー開幕」に偏り過ぎているように思うのですが・・・仕方ないのでしょうかね。

32曲目「
SPLEEN~六月の風にゆれて

Panorama

初ジュリーLIVEの友人と打ち上げで話題に上った、「一般的には有名ではないシングル曲」のひとつ。「エリナー・リグビー(ビートルズ)みたいな曲」と。
洋楽へのアレンジ・オマージュがハッキリしていると、「知らない曲」の中でも彼等は入っていきやすかったんじゃないかな。他にも、「ROCK'N ROLL MARCH」がクイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」とか、話せば「あぁ!」と反応がありますからね。

35曲目「
忘却の天才

Boukyaku

先の「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」同様、イントロのドラム・ソロでひとさし指を高々と掲げリズムをとる依知川さん。この曲もベースが入ると芯が通る感じですね。
オリジナル音源には入っていない、泰輝さんのキーボード(オルガンの音色)もカッコイイです。

36曲目「
ポラロイドGIRL

Karehanemurenai

凄まじい盛り上がり。初ジュリーの友人のひとりが「お客さんのフリが全部決まってるんだね。ポラロイドGIRLカッコ良かったな~」と言うので「えっあの曲知ってたの?」と聞くと「ベストテンでやってたじゃん」と。
まぁそれは明らかな記憶違いですが、たぶん彼は「夜ヒット」を観たのでしょうな。僕はこの曲をリアルタイムでは知らずにいたので・・・ちょっと悔しい(笑)。

38曲目「
un democratic love

Undemocraticlove

僕とYOKO君はここ数年、ジュリーの新譜をそれぞれ採譜のち答え合わせ、というのが恒例パターンとなっていますが、YOKO君の方はこの日松戸に参加したベーシスト(兼ドラマー)の友人にヘルプを仰いでいるらしく。昨年はこの「un democratic love」で力を貸して貰ったそうですが、曲(と言うかジュリーの詞)を聴いたその友人は「こんな曲出して大丈夫なの?」と心配していたとか。
いずれにしてもこれは「自主レーベルでなければリリースできなかった曲」の代表格。僕らジュリーファンは「普通では聴けない曲」を普通に聴けているわけで、改めてその点をジュリーに感謝したいと思いました。
美しいバラード、入魂のヴォーカル。しかしそこにとどまらない特性の魅力。個人的には、来年以降のツアーでも、いつでも聴きたいと考える曲のひとつです。

40曲目「
ISONOMIA

Isonomia

柴山さんのコード・リフはやはりハイ・ポジション。CDとは響きが違うように思いますがまだ断定できません。白井さんはローで弾いてると思うんだけどなぁ。
ちなみにYOKO君の採譜を手伝った先述の友人はこの曲について「ライヴの方がイイ!」と感動していたそうな。

41曲目「
シーサイド・バウンド

Tigersred

噂には聞いていましたが、エンディング・リフレインのシャウト・コーナーで最近定着しているという「お客さんにジュリー・コールをおねだり」のシーン・・・会場の絶叫が凄くて圧倒されました。
ジュリーが自分の身体を差し示してからの「ジュリー!」の大コール(ジュリー本人は発声しません)は、「愛まで待てない」「そのキスが欲しい」と共に、すっかりセトリ終盤のお客さんの大絶叫コーナーとして定着してきたようですね。

42曲目「
”おまえにチェック・イン”

Wonderfultime

ジュリーは最後の「ソ~、ダ~リン♪」をステージ中央でやる、と決めているのかな。
この日は走り回っている途中、上手側の位置でその箇所が来てしまい、演奏が止まった無音の中を「サッ・サッ・サッ・サッ・サッ!」と歩幅に合わせて声に出し(曲のリズムを崩さないあたりがジュリーならでは)、センターに戻ってから満を持しての「ソ~、ダ~リン♪」でした。このパターンは初めて体験しました!

43曲目「
サーモスタットな夏

Samosutatto

三たびイントロでひとさし指を突き上げリズムを刻む依知川さん。お客さんもそれに合わせて裏拍のシンプルな手拍子を繰り出すのですが、僕はこの曲についてはどうしても「2・1」のサーフ・スタイルで手拍子したい派です(「うん・たた!うん・た!」ってヤツね)。
前席のお姉さんお2人のノリが素晴らしい!完璧に歌詞に合わせて繰り出すポーズ・・・「L&P」は当然として、「アイス!」を挿し込むタイミング、お見事でした。おかげでそのお2人の隣席にいた友人も(絶対知らない曲のはずなのに)ノリノリになってましたね~。

45曲目「
6番目のユ・ウ・ウ・ツ

Royal3

事前の予想通り、初ジュリーLIVEの友人達全員がサビで何の躊躇いもなく拳振り上げに(最初から)参加。やっぱり僕らの世代にとってこの曲のリアルタイムでのインパクトって、たとえ特別にジュリーファンでなくてもずっと身体に染み付いているんですねぇ。
それでも、エンディングの「ハイ!」をジュリーと合わせられるのは仲間内では僕とYOKO君だけ。気持ち良かったです(笑)。

46曲目「愛まで待てない」

Aimadematenai

イントロ、「依知川さんの通せんぼ→ジュリーその場駆け足→ヘドバン」の流れはすっかり恒例に。
この日はJ友さんお2人が最前列センターブロックにいらしたのですが、後から聞くとジュリーの水噴き降ってきたって。僕とYOKO君は大宮どセンター2列目で体感していますが、これはもう一生に一度あるかないか、の貴重な体験ですからね。当然ながらお2人、終演後も物凄いテンションでした。

47曲目「
ROCK'N ROLL MARCH

Rocknrollmarch

今回総勢7名で参加したチケットは、センターブロック下手側通路沿いで16列に3人、17列に4人と前後に分かれました。
YOKO君は僕の真後ろがいい、と言っていましたが僕は全力でその配置は逃れ(だって、「鈴木式チョーク・スリーパーを用意してる」とか物騒なこと言うんだもの笑)、17列に通路側からYOKO君、友人ご夫妻、僕と4人並びで着席。YOKO君の隣が若い友人の奥様(今回のメンバー中最も若い)で、彼は「俺についてきて!」とLIVE中常に彼女をリードしてくれていたらしいのですが・・・後で聞くと「1曲、間違ったタイミングで拳振り上げて、彼女もつられちゃってさ」と反省していました。たぶんこの曲の「HEY!HEY!HEY!」のことだったんじゃないかな。

48曲目「
そのキスが欲しい

Reallyloveya

3度目の参加にして、「間奏の謎」が氷解。順を追って説明しますと・・・。
初日は間奏部で依知川さんだけがステージ前方に進み出てきて、「あれえっ?」という感じで定位置でソロを弾く柴山さんをチラ見していました。
大宮では柴山さん、依知川さん2人とも前方に進出。初日に柴山さんがそうしなかったのは「うっかり」だったのか、と僕はこの時点で考えました。
そして松戸では・・・ジュリーが「飾りはいらない~♪」と歌うあたりで柴山さんが元気に進み出てきまして、ふと気づくとローディーさんがススス、とステージに入ってくるではありませんか。で、最前方でスタンバイした柴山さんがソロ単音に切り替える瞬間、ローディーさんはガシッ!とエフェクターを踏んだのですよ。
なるほど・・・よく考えればこの曲、バッキング部とソロ部では明らかにギターの設定音が違います。初日の柴山さんはエフェクトを踏む作業で定位置に留まらざるを得なかった→大宮では、事前に依知川さんとも打ち合わせがあったのか、定位置でエフェクトを踏んだのちに歩いてソロを弾きながら進み出てきた→松戸では、依知川さんと同時にソロの頭から弦楽器隊横並びとなるべく、ローディーさんにエフェクト操作を依頼し早いタイミングで前方に陣取った・・・僕の参加会場で見た限り、ツアー途上での変遷はどうやらそういう流れです。
いやぁ、こういう細かい点ひとつとっても、ジュリーのみならずバンドにも色々な進化があるのですな~。
逆に、今ツアーでの「”おまえにチェック・イン”なんかはエフェクターの切り替えはせず、ソロ部もバッキングと同じ音色で弾き続けて「とにかく動き回る」ことに重点を置く方向で固まったようですし、柴山さんのパフォーマンスも曲によって、ツアーによって様々なヴァリエーションがあるんだなぁと。改めて「ギタリスト1人体制」での柴山さんの工夫に感じ入りました。
ということで、この日のバンド演奏で最も僕の心に残ったシーンは、色々な要素含めて「そのキスが欲しい」での柴山さんの間奏ソロでしたね。

50曲目「
いくつかの場面

Ikutuka

ようやく、みなさまが仰っているこの曲の照明の素晴らしさを実感できました。
ミラーボールに切り替わるのは最後のサビからだったでしょうか。感動的です。
あろ、柴山さんはどうやら間奏ソロを指弾きで通しているっぽいです。視覚的にはまだ確認できていませんが、音でね(この日の音響は本当に最高でした)。
もちろんエフェクターはかかっていますが、ナチュラルトーンが籠ったような響き・・・指弾き独特の鳴りだ、と思いました。

☆    ☆    ☆

といったところで・・・駆け足で書いてまいりましたが、今日のレポ前編はここまでとします。

長い全国ツアーも折り返しをとうに過ぎ、ジュリーとバンドのパフォーマンス、そしてお客さんのレスポンスも進化しています。毎年そうですよね。
YOKO君は「この日特に感動した」曲として「愛まで待てない」「そのキスが欲しい」の2曲を挙げました。曰く「いや~~スゲぇよね!」と。
僕は一瞬、彼にしてはずいぶん王道な線を突いてきたなと思ったのですが、よく考えたら、毎年彼と参加している大宮公演って、だいたいツアーが始まって1ケ月くらいのスケジュールなんですよ。
で、みなさまご存知の通り「愛まで待てない」「そのキスが欲しい」がセトリ入りした全国ツアーって、公演が中盤にさしかかるあたりからこの2曲はジュリーもお客さんも加速度的に熱く激しくなっていくじゃないですか。YOKO君はその雰囲気を今年になってようやく初体感したというわけですな。

さて次回更新のレポ後編では、友人達のビビッドな感想、そしてジュリーのMCについて感じたことなどを簡単に書きたいと考えています。
僕やYOKO君とほぼ同世代の「初ジュリー」体感となった友人達がどのような感想を持ったか、についてはみなさまも興味のあるところかと思います。結論から言えば全員が「大絶賛」だったのですが、それぞれの個性派な面々が具体的にどの曲のイントロで「おおっ!」と反応し、どんな音に惹かれたのか・・・思い出せる限りを書いていきますよ~。
またまた更新間隔が開いてしまうかもしれませんが、気長にお待ち頂ければと思います。
どうぞお楽しみに!

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2017年11月 1日 (水)

沢田研二 「STEPPIN' STONES」

from『告白 -CONFESSION-』、1987

Kokuhaku

1. 女びいき
2. 般若湯
3. FADE IN
4. STEPPIN' STONES
5. 明星 -Venus-
6. DEAR MY FATHER
7. 青春藪ん中
8. 晴れた日
9. 透明な孔雀
10. 護り給え

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ジュリーの全国ツアーも進化しながら順調に進んでいるようで、いよいよ明後日が松戸公演!というところまで来ました。
秋も深まり(と言うかもう冬なのか?)朝晩冷え込んできましたが、みなさま風邪などひいていないでしょうか。僕は先週完全にこじらせてしまいましたが、なんとか松戸公演の前に体調を戻すことができました。

で、松戸公演の前日・・・つまり明日には、以前からお知らせしているBARAKA・20周年記念LIVEもございます。残念ながら僕は仕事で参加できませんが、カミさんが応援に駆けつけますし、ジュリーファンの先輩の中にも何人か参加される方を知っています。

Baraka3

依知川さんはBARAKAのフォーラム、翌日がジュリーの松戸と連日のステージとなりますね。
いずれの会場も大成功、大盛況となりますように。


さて今日は、ジュリー50周年記念LIVE”セットリストを振り返る”シリーズ第4弾として、前回に引き続いてのCO-CoLO期、ジュリー作詞・作曲による名シングル「STEPPIN' STONES」をお題に採り上げます。
「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」同様、僕としては特に「勉強途上」を自覚している時期の作品です。無知故の至らぬ点も多々あるかと思いますが、今のベストを尽くして考察記事を書いてまいります。
枕もそこそこに、伝授!


①山あり谷あり・・・されど「光」あり!

30代の後半って、ジュリーのような特別な人に限らず僕らのような一般ピープルにとっても、それまで続けてきた仕事で「正念場」「過渡期」「踏ん張りどころ」を迎え、もがき悩むと同時に、自分自身の才覚と行動を以ってそれを乗り越えようとガムシャラに頑張る・・・多くの「仕事を持つ人間」の人生においてそんな時期なのではないでしょうか。

ジュリーとは比較にならないくらいの低いレベルだけど、僕も40才になる直前はそうだったなぁ。
色々な選択肢が見える中で、僕の場合は「なんとかしてスキルを上げてこのまま同じ仕事を続ける」ことを頑張って乗り越えたわけだけど、人によっては変化と可能性を求めて違う世界の仕事に飛び立つパターンもあるし、「ガムシャラ」の方向性は人それぞれ。30代後半のこの時期にどれほどガムシャラになれたか、は後々の人生に大きく影響してきます。
まぁそんなふうに振り返るようになったのは、つい最近なんですけどね。

ジュリーはいつの時代も全力、入魂の姿勢を変えませんが、「乗り越えよう」とするガムシャラがハッキリ見えるのは、やはり30代後半のCO-CoLO期。
それがそのまま自作曲として反映されたシングルこそ「STEPPIN' STONES」だと僕は考えます。

今ツアーのMCではこれまでの歌人生を振り返って「山あり谷ありだった」と語ることも多いジュリー。
僕などは後追いの新規ファンなので、ジュリーの「正直過ぎる」(と感じる)MCにはいまだに驚いたりドキドキしたり、ということもあるんですけど・・・。

ジュリー自身の「谷」の想い出のひとつ、なのでしょうか、先の広島公演で「バンドメンバーの意を汲んで一度小さな会場でやってみたけど・・・」と話をしてくれたそうです。ジュリーは大きな会場で、自分のファン以外のお客さんも混ざっている中で歌うのが好きなんだ、と続けて今後の決意を語ってくれた、と
僕は詳しいことは分からないのですが、その「小さな会場」って正に今日のお題「STEPPIN' STONES」を歌ったという、このステージのことなのでしょうか?


Fukyou610

Fukyou611

Fukyou612

Fukyou613

Fukyou614

Fukyou615

Fukyou616

Fukyou617

『不協和音 Vol.6』より。今日の記事は文脈に沿う形で、これがそのままオマケ画像コーナーとなっております~。


実際のステージがどんな感じだったのか・・・想像すら難しいのですが、僕は『INKSTICK』を観ている先輩方を心底羨ましいと思います。たとえジュリーが「小さな会場」に気乗りしていなかったとしても、それは素晴らしい「LIVE」だったんだろうなぁ。
そして、そこでのジュリーの歌、ステージの素晴らしさを「STEPPIN' STONES」というシングル曲の考察を以って後追いすることは可能ではないでしょうか。

めざす道にかすか見える光 虹色
D                                  C       D

夜の奥で拳かざす 髪を清めて
D                             C       G

祈る言葉も響かない 静かな日々に別れ告げ ♪
A                            G                           A7

苦境の中でベストを尽くす・・・本当に難しいことだけれど、そこでガムシャラに頑張るだけなら僕らにもなんとかできなくはない。でもジュリーが凄いのは、しっかり「虹色のかすかな光」を見据えていたこと。
誰にでもできることではありません。
その「光」を遂にジュリーが手にしたのが還暦の『ジュリー祭り』だったのだ、という少し前までの僕の考えは、単に自分のファン歴に無理矢理こじつけていたんだなぁ、と反省し畏れ入ったのが今年の50周年ツアー。
とにかく僕は今回初めて「STEPPIN' STONES」を生で聴きましたのでね。やはり生歌を聴くと、楽曲の解釈もずいぶん変わるものです。

ヒシヒシと感じたのは、ジュリーの「継続する(Keep on running)」力の尊さでした。
「夜の奥で拳かざす」ような時期は、人生を振り返れば誰しも(特に男性は)覚えがあるはず。
ではそこでどうするか。祈るだけでなく行動しよう、自分の力で何かやろう、と。
ジュリーにとってそれが歌を作り歌うことだったわけで、今もずっとそれは継続していて。
ゴールを決めない、妥協しない、迎合もしない、というのは本当に強い人にしかできないことで、ましてやそれをひたすら続けるなんてねぇ。何度も書きますが、あれだけの才と実績を誇る人が「地道に一生懸命努力し続ける」ことを大切にしている・・・僕はそんなジュリーにどうしようもなく惹かれます。
普通の人は、いつもぬくぬくとしたお湯に浸かっていたいと思うものですよね。でもジュリーはそういう道は選ばない、と。

実は、僕が「STEPPIN' STONES」のジュリーの詞の素晴らしさを実感できるようになったのは、ほんのここ数年のことでして(恥)。
最近はそういうことも少なくなりましたが、僕の場合はまず「自分の持つ引き出しと照らし合わせる」聴き方をしてしまう傾向があり、「STEPPIN' STONES」についてはその点で詞よりも強烈なインパクトがあったものですから、却って曲全体の本質を把握できなかったのだと思います。
数年前までの僕はこの曲をどのように解釈し聴いていたのか・・・甘い考察だったとは言え「間違い」でもなさそうなので、次チャプターではおもにジュリーの「作曲」の面からそのあたりのお話をしてみましょう。

②「ローリング・ストーン」と「ステッピン・ストーン」


Fukyou6242

今日の参考スコアは当然『不協和音 Vol.6』。残念ながら五線譜ではなくコード付歌詞の表記ですが、貴重な資料です。


僕が「STEPPIN' STONES」を初めて知ったのは、前回お題「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」と同時です。
ただし、聴いた瞬間にジュリーの自作詞に魅せられた「アリフ~」と違い、当初「STEPPIN' STONES」の詞については軽視していた・・・これは先述の通り。
僕が真っ先に見つけた「STEPPIN' STONES」の魅力とは、「この曲のジュリー、ミック・ジャガーにそっくり!」という洋楽フェチならでは、そして「映像から先に曲を知った」という後追いファンならではのものでした。

CD音源だけで明快にミック・ジャガーを見出すことのできる「お前は魔法使い」に対し、「STEPPIN' STONES」はレコーディング音源についてはさほどミック・ジャガーの影響、ローリング・ストーンズへのアレンジ・オマージュは強く感じません(個人的に石間さんのギターはストーンズ脱退後のミック・テイラーという印象)。
スタジオLIVEでせり上がるようにして熱唱するジュリー、そのアクションがミックっぽいわけですね。

とは言え、ジュリーが作曲段階で相当ストーンズを意識していたことは間違いないでしょう。
サビでトニックから連なるロックンロール王道のスリーコードにトーキング・スタイルを織り交ぜた抑揚のメロディーを載せるあたりは、「ひとりぼっちの世界」で確立したストーンズ独特のグルーヴ・パターンですし、なにせタイトルが「STEPPIN' STONES」。
CO-CoLO時代のインタビューではストーンズに言及していることの多いジュリーです。前回書いた「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」では「どんなメロディーが自分の声に合っているのか」を突き詰めていたのが、翌年のこの自作曲では「自分はどんな曲が本当に好きなのか」を突き詰めたのではないでしょうか。
「大好きなストーンズみたいな曲」をとっかかりのコンセプトとして生まれたシングルが「STEPPIN' STONES」だったと僕は推測します。

重要なのは「ローリング・ストーンズ」転じて「ステッピン・ストーンズ」の発想。
以前何かの記事でも書いたことがある通り、「ローリング・ストーン=転がる石」なるフレーズには「とるに足らない存在」という意味合いがあります。
かつて栄華を極めた人物が奈落の底に転落し、誰からもその存在を気にもとめられなくなる・・・「どんな気分だ、転がる石のような今のそのザマは?」と歌ったのはボブ・ディランですが(「ライク・ア・ローリング・ストーン」)、ジュリーは「いや、それは傍から見てる奴の言い草だろう」と言わんばかりに、「ステッピン・ストーン」なるフレーズを考案。このタイトル・フレーズがジュリー自らの行く様、歌人生を表現していることについては、先輩方も異論の無いところでしょう。
(ちなみにこの曲、ジュリーはストーンズだけどCO-CoLOはディラン、というのがレコーディング音源初聴時の僕のイメージ。ゴスペルっぽいコーラスも、70年代末から80年代にかけてのディランを想起します。以前も書きましたが、僕がジュリーの曲にディランを重ねるのはCO-CoLO期のみです)

ここからは最近の考察となりますが・・・ジュリーは何を置いても歌う、どんな状況でも歌う、例え世間からは谷底へ転がり落ちる石のように見える状況(三流紙お得意の「浮き沈みを論ずる」対象となることもそのうちのひとつでしょう)であろうとも、ジュリー自身の感覚は「Keep on runninng」なステッピン・ストーン。
歌い続ける限りはそうであると。

不思議なことに、今ツアーで生体感した「STEPPIN' STONES」を歌うジュリーに、僕はまったくミック・ジャガーの影を見なかったという・・・髄までジュリー、ジュリー以外の何者でもない歌だなぁ、と思ったわけです。

さあ我を忘れて さあ肌を立たせて
G           D        G             D

さあ遥か見つける HALLELUJA ♪
G             D                   A7

1番のみのショート・ヴァージョンなので今ツアーではこの2番の歌詞までは聴けないんだけど、歌詞その通りのジュリーが今確かにそこにいます。
虹色の光はもう「かすか」ではなくハッキリ見えていて、ジュリーの身を纏っていますね。

「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」「CHANCE」ともども、ジュリーは今回のステージでCO-CoLO期の名シングル群でのお客さんの盛り上がりをひときわ嬉しく思っているように見えます。
これを機に、来年以降CO-CoLOナンバーのセットリスト入り率が上がっていくことを期待したいです。

③『NISSAN ミッドナイト・ステーション』より ジュリーA面ベストテン(後半部)

ここでは前回記事の続き・・・「シングルA面」ということだけにあやかりまして、82年放送のラジオ音源『NISSAN ミッドナイト・ステーション』から特別企画『ジュリーA面ベストテン』の後半部をお届けいたします。
まずは第4位から2位までの発表。


4位「コバルトの季節の中で」(168通)
3位「勝手にしやがれ」(190通)
2位「時の過ぎゆくままに(221通)

「コバルト」、これが4位ってのは予想外でございましたね、うん。まぁひょっとしてベストテンの中に入るかなとは思っておりましたが、こんなに上位に食い込むとは。大健闘でございますね。
今年は秋になってからも暖かい日が続いたりなんかして、やっと今「秋」という感じでね。ちょうどこの曲が合うのかな、とそんなことを思ったりなんかしたんですけれども。
まぁ「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」というのは順当なところではなかろうかと思いますが、しかしこうなると1位は何でございましょうか。


と勿体つけるジュリーですが、その第1位の発表の前にここで少しの間、僕としてはかなり興味深い、なるほどなぁという話をしてくれています。

しかし、(シングルを出す時に)A面を選ぶっていうのもね~、本当に難しい作業なんですよね。
まぁ、割とここんところ(最近)は、「シングルだから」というような、いわゆる「大衆にウケなければいけない!」ということでもって、ある種の迎合と言いますかね、そういうものはとんと無くなってきまして。どんどんどんどん突っ走れと。新しいのがイイんだ、というようなね、沢田研二のA面に関しては、そういう具合になってきました。
だから、「こんなのが大衆に受け入れられるのか?」というようなね、今の「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」みたいなああいうサウンドが、大衆の中にこう、すんなり入っていくっていうのは凄いことだ、と言ってくれた評論家の人達もいたくらいで。
やっぱり、大ヒットするような曲を見ますと、サウンド的には「新しいと売れない」みたいな、逆にね、そういうところもあるでしょ。あみんの「待つわ」にしても別に「新しさ」っていうものは(サウンドについては)無いんだけど、歌詞の中にはそういうね、女心のね、あんたがフラレるまで待つわ、というような、(大衆に)引っかかるところがあるわけで、あれは歌詞で売れたんじゃないかな、と僕は分析してるんですが(笑)。

とにかく僕の場合はサウンド面、バンドを従えてのサウンドということもあったりなんかして、必ずこう、大きなヒットになるっていうのは過去見てまぁ、例えばレコードの売上が1等賞になったのが「危険なふたり」「追憶」「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」「カサブランカ・ダンディ」と、こういう具合に、この1等賞になった(5曲の)中には「重なったパターン」ってのが無いわけね。
だから、独自のパターン、5つのパターンっつうのがあるもんかと。この5つ以外のもの(パターン)でヒットを出さなきゃいけないっていうことで、その後ず~っとやっとるわけだよね~。
でも、まぁしかしねぇ・・・ほんっとに最近は、ヒットを生むというのは・・・え~~~・・・・痛みを感じますなぁ、うん(笑)。
何度も何度も言うようではございますが、これだけヒット曲があるっていうのは本当に嬉しいことでございますね。

で、ここでね、1曲聴いて頂きたい曲があるんですけれども・・・ソロになってからの最初のヒットなんですよ。
レコード大賞の方でもね、歌唱賞に初めて選ばれて、昔は歌唱賞ってのは5人選ばれたんですよ。その中から最優秀歌唱賞ってのがまた選ばれてたんですけれども、今は「金賞」って言って10人選ばれる。倍になって値打ちが薄なった、って感じがするんですけど、まぁそんなことで、初めての歌唱賞受賞曲でもございました、「許されない愛」。これを聴いて下さい。


「許されない愛」オンエア

これは、1972年。ロンドンで録音して、LPの中に入ってた曲なんですけれども、まぁ、周りの、正論を仰る人達の反対を押し切って出したら、当たったというやつなんですね(笑)。
だから僕はやっぱり、結局は「冒険をしないとイカン」ということなんやね、最後まで。うん、そう思っております。


ジュリーのアルバムの中で『JULIEⅡ』が一番好き、という僕にとって「許されない愛」は格別に思い入れのあるシングル曲(リアルタイムで知っていたわけではないのですが)。でもなんとなく「アルバムの中の1曲」としての評価の方が高くて。
ジュリーの話を聞き、やっぱりそうかと思いました。
シングル・カットの話が最初からあったのではないのですね。会社の上層部の難色を、おそらくジュリー本人や加瀬さん、池田さんあたりが押し切ってシングルとして出して、それが大当たりしたと。
それで、以前から知っていた「会社が”許されない愛”大ヒットのご褒美としてジュリーのセルフ・プロデュース・アルバム製作(『JULIE Ⅳ 今、僕は倖せです』にGOを出した」という話にも繋がります。
いやぁ、勉強になりました!


さて!残る1曲(第1位)は何でございましょうか。
大好きなのに(まだ)かかってないという、あの曲でございますよ。あなたの予想とピッタシ行きますかどうか。

第1位「ス・ト・リ・ッ・パ・-」(253通)


というわけで1等賞は「ス・ト・リ・ッ・パ・-」ということでございましてね、うん。そうか~。自分で作った曲でございますからね、嬉しいんですが・・・何が(良くて)1位だったのかなぁと色々分析しておるんですがね。割と最近(の曲)である、ということと、エキゾティクスとの最初の仕事でもあったし、それから、テレビなんかの出方が結構派手に、「ヒラヒラ巻物」が印象的でもあっただろうし、というね。色んなことが考えられるわけでございますけれども。
エキゾティクスのファンの人達の票も入ってる(笑)、という、そんな分析もしておりますね。


82年という時期を考えますと、ファン投票の1位が「ス・ト・リ・ッ・パ・-」というのは当然に感じます。
ジュリーも「そうかそうか~」と満足げですが、最後にひと言だけボソリと


「ス・ト・リ・ッ・パ・-」・・・なんでもっと売れなかったのかなぁ?なんて思ったりもするんですが。

と。
「ス・ト・リ・ッ・パ・-」は実際のセールス・ランキングでは「1等賞」に届かなかったのですね。少年時代の僕の記憶では「すごく売れている」印象なのですが。


さて、このリスナー投票のA面ベストテン企画、今実現したらどうなるんだろう、とどうしても夢想してしまいますが・・・順位は大きく変動するでしょうね。第1位の本命は「そのキスが欲しい」ではないでしょうか。
そんな中、この当時と変わらず「コバルトの季節の中で」は上位に食い込んでくるはずです。

ちなみに先輩方の多くは覚えていらっしゃるのでしょうが、この『ジュリーA面ベストテン』の前回放送では『B面ベストテン』も開催されています。
これがまた面白い!
いずれシングルB面曲のお題記事の際に書きたいと思っておりますので、気長にお待ちくださいませ。


では次回更新は、松戸公演のレポートです。8月の大宮以来のジュリー・・・待ち遠しかったです。

今回はYOKO君も含め音楽仲間(&その奥様2名)を誘い、総勢7名での参加。
この人数だとどんなふうにチケットが来るんだろう、と思っていたのですが、前後2列に3名、4名ずつで固まるパターンでした。
YOKO君が「DYNAMITEの真後ろ希望」と言っておりまして、どうやら彼は今セットリスト中で熱烈推しの「STEPPIN' STONES」のイントロで後ろから僕の首を絞めようと企んでいるらしい・・・なんとかその着席配置だけは避けたいです(笑)。
1階の、前過ぎず後ろ過ぎないセンターブロックということで、初めてのジュリーLIVEとなる面々を引き連れて参加するには絶好の席を頂けたと思います。
皆のビビッドな反応、感想が楽しみです。

50曲すべてのレポを書くとひと月かかってしまうことが分かっているので、何か別のスタイルで、とは考えていますがまだ具体的なことは決めていません。
こればかりは、実際終わってみないとね~。
何はともあれ、気合入れて行ってまいります!

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2017年10月27日 (金)

沢田研二 「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ ~千夜一夜物語~」

from『ROYAL STRAIGHT FLUSH 1980-1996』
original released on 1986、single


Royal80

disc-1
1. TOKIO
2. 恋のバッド・チューニング
3. 酒場でDABADA
4. おまえがパラダイス
5. 渚のラブレター
6. ス・ト・リ・ッ・パ・-
7. 麗人
8. ”おまえにチェック・イン”
9. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
10. 背中まで45分
11. 晴れのちBLUE BOY
12. きめてやる今夜
13. どん底
14. 渡り鳥 はぐれ鳥
15. AMAPOLA
16. 灰とダイヤモンド
17. アリフ・ライラ・ウィ・ライラ~千夜一夜物語~
disc-2
1. 女神
2. きわどい季節
3. STEPPIN' STONES
4. CHANCE
5. TRUE BLUE
6. Stranger -Only Tonight-
7. Muda
8. ポラロイドGIRL
9. DOWN
10. 世界はUp & Fall
11. SPLEEN ~六月の風にゆれて~
12. 太陽のひとりごと
13. そのキスが欲しい
14. HELLO
15. YOKOHAMA BAY BLUES
16. あんじょうやりや
17. 愛まで待てない

---------------------

見事に風邪をこじらせてしまいました。
先週から喉の調子が悪く、日曜に雨風の中衆院選の投票に行って、帰宅してそのままの格好でいたのが悪化の原因だったのかな~。
発熱による悪寒と関節痛・・・個人的には王道の症状で、仕事も2日休んでしまいました。
幸い昨日からずいぶん楽になり、この記事も先週に半分ほどの下書きを終えていたので、なんとか今日の更新にこぎつけました。来週は松戸公演も控えていますし、この週末はおとなしくしていようと思います。

さて、今日はちょっと枕で書いておきたいことが。
前回更新「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」の記事を読んでくださった福岡の先輩が、『そこが知りたい』(82年8月31日放映)の映像を送ってくださいました。
長い先輩方はよくご存知の映像なのかもしれませんが、僕は初めての鑑賞・・・とても面白かったです。
レコーディング・フェチの僕としては、何と言っても「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」歌録りの現場を密着取材してるっていうのがね~。ジュリーの歌をスタッフ皆で聴いて、歌詞やメロディーをどんどん変更していくんですね。おもに三浦さん、西平さん、木崎さんの3人がアイデアを出し合い纏めていく感じだったことも分かりました。


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歌録り最初期の仮タイトルは「氷のユウウツ」!

レコーディング密着以外のシーンも素晴らしくて


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「口をほんの少し開ける感じかな・・・そうそう、きれいだ」と、カメラマンさんも絶賛の妖艶ジュリー

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『A WONDERFUL TIME.』ツアーのステージ風景

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LIVEを観た宇崎竜童さんにMCのオチャメぶりを話題にされ、思わずはにかむジュリー

本当に充実の内容でした。僕は『そこが知りたい』という番組自体はまったく覚えていないのですが・・・調べてみますと結構な長寿番組だったみたいですね。


それでは本題です。
50周年記念の全国ツアー”セットリストを振り返る”シリーズ”第3弾として今日は、以前よりお2人の先輩からお題リクエストも頂いております名曲「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」を採り上げたいと思います。

とにかく今回のセトリでは、この曲から「STEPPIN' STONES」「CHANCE」と繋ぐCO-CoLO期シングル3連発に多くのファンが魅了されていますね。
CO-CoLOの曲は僕自身まだまだ勉強が追いついておらず、みなさまからこの機に教えて頂くことも多いかと思いますが、ひとまずベストを尽くしてこの名曲の考察記事を書いてまいります。僭越ながら伝授!


①ジュリーのアラビアン・ナイト

僕がこの曲を初めて知ったのは、『ジュリー祭り』の少し前、2006年のことでした。
2005年のリマスターCD再発を機に、ポリドール期のオリジナル・アルバムをYOKO君と競い合うようにしてすべて聴き終えた後、何故かそれ以降のアルバムを購入するには至らず(まぁ、特にCO-CoLO期のアルバムについては店頭を探しても見つからない、という事情もありましたが)、YOKO君も巻き込んで「今度は映像作品に手を出してみよう」という流れになりました。
僕は『Zuzusongs』『REALLY LOVE YA !!』の2枚を購入することになるのですが、その前に、既にYOKO君が購入済だった『快傑ジュリーの冒険』『ジュリーマニア』の2枚を借り、そこで『快傑ジュリーの冒険』収録の「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」と出逢ったのでした。

恥ずべきことですが、僕はそれまで(ポリドールのアルバムを全部聴いていても)ジュリーの自作詞を軽視していました。
ジュリーの詞を面白いな、とは感じても「これは凄い!」とは思えていなかった僕に、「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」はまず歌詞フレーズのインパクトをド~ン!と突きつけて来て、調べてみるとこれがジュリーの作詞・作曲なのだと。衝撃でしたね。
ですから僕にとってこの曲は、初めて「作詞家・沢田研二」を意識させられた1曲です。

千夜一夜物語・・・僕は世代のせいなのでしょうか、「魔法のランプ」とか「ペルシャの絨毯」という言葉から『アラビアン・ナイト』よりも先に『ハクション大魔王』を連想してしまうような奴ではありますが、さすがに「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」が『アラビアン・ナイト』をモチーフとした作詞作品であることはすぐに分かりました。
『アラビアン・ナイト』にさほど詳しくないぶん、この曲でジュリーが語りかけるように繰り出す耳慣れぬフレーズの響きに惹かれ、Bメロからサビに向かうシュールな描写の連続技に痺れました。「沢田研二ってこんなに凄い詞を書ける人だったのか!」という・・・ヒヨッコならではの感想ですな~。
この感想、衝撃は『ジュリー祭り』直に購入した『サーモスタットな夏』の「PEARL HARBOR LOVE STORY」を聴いた瞬間に「絶対」の確信へと変わりますが、2006年の時点では「きっとこの時、冴えまくっていたんだなぁ」程度の恥ずかしい認識しか持てていなかったことを、ここで懺悔しておかなければなりません。

「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」の制作については、絶好の参考資料として、『不協和音 Vol.2』に掲載されたジュリー自身の言葉があります。


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なるほど・・・最初に出来た究極にスケベな詞を、制作段階で適度にシメていった、と(笑)。
まぁ、『アラビアン・ナイト』自体がある意味「夜ごと男をじらし続ける物語」とも言えますから、それをモチーフとした「歌」も色っぽくなるのは必然ですか。

元々ジュリーは20代の頃に「何か明快なテーマがあった方が良いものができる」といった感じで、自らの作詞作業を分析しています。
それは現在『祈り歌』の確固たる証明が成されていますが、なるほど『アラビアン・ナイト』のテーマを得た「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」の作詞においても、ジュリーの才が存分に発揮されているようです。

野性を呼び起こせ 満ちた月の日に
F                                         Gm

野性を呼び醒ませ 満ちた蒼い夜 ♪
F                                         Gm

「大人の詞」ですよねぇ。千夜一夜めぐり来る本能(性衝動)の解放」みたいなニュアンスもあって。
「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」のリリース時、僕は19才ですが、リアルタイムで聴いてこの詞に感動できたかどうかは、僕自身の資質不足を考えると甚だ怪しい・・・。
『快傑ジュリーの冒険』初鑑賞が40才。さすがに「野性」や「蒼い夜」を理解し得る年齢です。後追いとは言え、僕がこの曲と出逢うタイミングとしてはそれでちょうど良かったのかな、と今は思っています。

ただ、単に詞が色っぽい、カッコイイというだけでは名曲たりえません。
次項では、ジュリーとCO-CoLOがその詞を素材にどう仕上げていったのか、を紐解いてみましょう。

②楽曲全体の考察

言うまでもなく「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」はCO-CoLO期の第1弾シングル。
「自分達のオリジナル曲を、バンドのヴォーカリストとして歌う」ことはジュリーのかねてからの切望でもあり理想でもあり・・・タイガース時代から幾度か近づいたその理念をいよいよ本格化させようという、新たな出発点として意義深いシングル曲だったのですね。

自作詞・作曲のシングルは前作「灰とダイヤモンド」に続いて2曲目。それを自らのバンドで、ということになるとこの曲が初ですか。
それを実現させた新たなバンド、CO-COLO最大の特性はやはりツイン・ドラムの編成でしょう。ただしCO-CoLOのツイン・ドラムは世の同編成のバンドとは一線を画し、双方が技量や見せ場を競い合うと言うよりは緻密な音作り、アレンジ志向に特化した非常に珍しいスタイルと言えます。
ドラムス、パーカッションのパートで楽曲中多くの音種を司るCO-CoLOのサウンド。しかしそれら多彩な音は打点を要所要所のみに配します。やみくもに厚みだけを持たせるアンサンブルを良しとしないのです。

例えば「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」で言うと、ドラムスの基本中の基本音であるスネアの演奏にそれがよく表れています。
4拍子の曲をロックバンドが演奏する場合、通常はスネアが1小節の中で「2」「4」の拍を2つ打ちます。これが基本形。その上で、曲の展開に応じてスネアの手数を増やすことで全体の打音を盛り上げるわけです。
ところが「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」(当然4拍子の曲です)では、その基本形がなかなか登場しません。Aメロでは2小節にまたがってただ1度の打点(2小節ぶんを続けて数えて8拍目)、Bメロでは1小節にひとつの打点でこれは4拍目。焦らしに焦らします。
このため、通常なら基本形である筈の2、4拍の打音が楽曲最大のクレシェンドとなるのです。
ではそのクレシェンドはどの箇所か・・・もうお気づきでしょう。現在絶賛進行中の全国ツアーでも魅せてくれている、ジュリーが妖艶に手刀を振り下ろす仕草、あれこそ「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」でのスネアのクレシェンドにピタリと合わせた動きなのですね。
オリジナル音源でフェイド・アウトへと繋ぐエンディング部は別として、この曲に2、4拍の打点が登場するのは、ステージでジュリーが腕を下ろすあの小節だけ。
ツイン・ドラムにしてこの繊細さ、緻密さ。手刀の表現は、単にジュリーがサビの歌メロ部の間隙に「振り付け」を行っているのではなく、特異なドラムスのアレンジに呼応しているのだ、と分かります。
エキゾティックな低い打音のリズムが淡々と続く中に、満を持して降臨するシンプルかつ斬新なクレシェンド。こうしたアレンジ手法はジュリーの他時期のどのバンドにも無い、CO-CoLO独特のものだと思います。

それにしても不思議なのは、この曲と次シングル「女神」での、ベースの音量を極端に絞ったミックス。
実はエキゾ時代の「晴れのちBLUE BOY」もそうなんですが、やっぱり「ジュリーのヴォーカルと打楽器に偏って寄せる」というコンセプトのミックスなのかなぁ。
アルバム『CO-CoLO1』収録曲についてはそれは無いので、これは当時の「シングル」戦略だったのかもしれません。

「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」ではジュリーの作曲が既に素晴らしかった、刺激的だった、ということも大きくアレンジに影響したでしょうね。


Arif

参考スコアは当然『不協和音Vol.2』掲載の五線メロディー譜。この号、A面の「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」のみならずB面「愛の嵐」のスコアまで載っているという・・・なんと贅沢な会報誌でしょうか!

キーはト短調。ジュリー作曲の時点ではイ短調だったと思います(Amのローコードから展開させるジュリー独特の手クセがコード進行に見受けられるので)。それをレコーディング段階で1音下げたんじゃないかな。

アルバム『架空のオペラ』製作時、大野さんに作曲を依頼したことについて、「声の相性があるから」と語っているように、当時ジュリーは「自分に合うのはどんなメロディーなのか」を突き詰めて考えていたようです。
「灰とダイヤモンド」も「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」も、調号の変化が無い抒情味ある短調のメロディーを自ら作り、シングル曲としたジュリー。『不協和音』では「降りてきた」と語るジュリーですが、おそらく大野さんがこれまで作った数々メロディーが既にジュリーの血肉となっていて、そこに自分なりのドラマや展開を加えてゆく・・・「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」はそんな作曲手法だったと僕は推測しています。
エキゾ期までは自由なコード進行と奔放な小節割りの「変化球」を得意としていたジュリーが、85年の独立から作曲についても姿勢を変えたんですね。
「本格」への目覚めでしょう。
CO-CoLO独特のリズム解釈もあいまって、「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」はそれまでのジュリーには無いタイプのシングルであり自作曲に仕上がっています。

夜は行く 朝は来る
Gm

アア 月は頬染める 陽は笑う
        Cm7

二人は何処かに迷いこむ ♪
B♭    Cm         A7      D7

詞とメロディーの絡みが、ま~凄まじくエロいですよね。ジュリーが「スケベェ」と面白おかしく話すのも、自作曲への満足、自信の表れではないでしょうか。
詞曲一体、志の高さを感じる名曲です。


③『NISSAN ミッドナイト・ステーション』より ジュリーA面ベストテン(前半部)

さてこのチャプターでは、お題とは時期もまったく異なりますが・・・強引に「シングルA面曲」繋がりとして、82年11月30日放送の『NISSAN ミッドナイト・ステーション』ラジオ音源のコーナーとさせて頂きます。

最新シングルが「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」という時期のジュリーが、ファン投票でランクインしたシングル曲について色々と語ってくれている貴重な放送回。先輩方にとっては「懐かしの」お話であり、新規ファンの僕としては本当に勉強になるラジオ音源です。
ジュリー曰く「これを聞かずして夜は眠れないというスペシャル・プログラム、『あなたが選んだジュリーA面ベストテン』」ということで、今日はその前半部(ベストテンの第5位まで)をお届けしたいと思います。


日本史上最もしぶとくシングル・ヒットを出し続ける沢田研二のベストテンはいかに?「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」は何位でありましょうか?6番目(6位)とは限りませんよ。
また、チェックイン、ス・ト・リ・ッ・パ・-、コバルト、勝手に、時過ぎ・・・などなどのランクはいかに?
ま~ヒット曲が多いだけにホント大変。何はなくとも、この番組を聞かずしてジュリーは語れない、ということでございますね!


ジュリーが「勝手」とか「時過ぎ」とか”省略形”で曲のタイトルを連呼しただけで「おおっ貴重!」と萌えるのは、僕が新規ファンだからでしょうか。
まずは、10位から8位が発表されます。


10位「憎みきれないろくでなし」(66通)
9位「追憶」(84通)
8位「渚のラブレター」(92通)

「追憶」ってのは1974年ですからね~。声がまだ「やや可愛い」というかね、歌い方もちょっとね「ちっこい」歌い方をしておりましたが。しかしまた「渚のラブレター」くらいになると、去年ですから、声がずいぶん太くなってきているなぁと。
ジャケットを見てみると、「追憶」の時にね、帽子をかぶっている、ちょっとセピア風な感じで撮った写真があるんですが、まぁこの頃からですね。帽子をかぶり始めたのは、うん。「勝手にしやがれ」で、まぁトレードマークみたいになりましたけどね。


続いて、7位から5位までを発表。


7位「LOVE(抱きしめたい)」(116通)
6位「”おまえにチェック・イン”」(118通)
5位「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」(156通)

ここまで聞いて頂いた6曲が全部ベストテンの中に入っているんだから、ほんとにねぇ。(シングル)37枚中30枚でしょ?ですからねぇ・・・たいしたもんだ、我ながら本当にもう。
つくづく感心いたしますよ(笑)。あんたはエライ!


このジュリーが言うところの「ベストテン」が何のベストテンなのかが分からないんですよ。「追憶」があるから『ザ・ベストテン』ではないですし。オリコンかな?
で、ここで「惜しくもベストテンから漏れた」20位~11位までの曲達が発表されます。


20位「白い部屋」(31通)
19位「ヤマトより愛をこめて」(37通)
18位「カサブランカ・ダンディ」(40通)
17位「TOKIO」(43通)
16位「ダーリング」(46通)
15位「さよならをいう気もない」(49通)
14位「あなたへの愛」(52通)
13位「麗人」(57通)
12位「危険なふたり」(58通)
11位「サムライ」(64通)


先輩方なら、「まぁあの当時なら順位はこんな感じになるかな」と思えるのかもしれませんが、いやぁ僕は「意外!」と驚かされました。
「危険なふたり」「ヤマトより愛をこめて」「TOKIO」の3曲が10位以内に入っていないというのがね~。
また、逆に「さよならをいう気もない」の15位って大健闘じゃん、とか。この曲の得票についてはジュリーも思うところがあったらしくて


15位に「さよならをいう気もない」が入っておりますけど、これはまぁ、「勝手にしやがれ」を出す前の曲なんですね。
謹慎明けの2曲目でございましてね(笑)、このあたりから私、何と申しますか、こう・・・度胸がつきましたね。この時に、タンクトップみたいな女性の下着みたいな、っていうのを着てイヤリングなんかもつけて、テレビにもそういう格好で出るようになったという曲でございますね。そういう布石があって、だんだん「派手派手な沢田研二」が出来上がっていったという。
で、(今日オンエアした中で?)「さよならをいう気もない」だけですよ、ベストテンに入ってないのは(笑)。アンタはエライ!買うてくれたアンタもエライ!


というわけで、『ジュリーA面ベストテン』のラジオ音源、今日はとりあえずここまで。次回更新の後半でいよいよ4位→1位の発表です。
ジュリーは「あの曲」が4位にランクインしたことに感激の様子(これはバレバレかな?)。
加えて、20位以内にも入っていない曲をジュリーが「これが抜けとるやろ!」と言わんばかりに特別に紹介してくれたりします(こちらは一体どの曲なのか・・・。この放送をご存知ないみなさまは予想してみて!)。
どうぞお楽しみに~。

もし今、『ジュリーA面ベストテン』のファン投票企画が実現したらどんな感じになるのでしょうか。
当然83年以降のシングル曲が増えていますから票も分かれ、この時とはまったく違うランキングとなりましょう。その中にあって、やはり現在進行中のツアーでセットリストに採り上げられている曲達は(今投票ということなら)相当に有利かと思います。
今日のお題「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」をはじめ、「STEPPIN' STONES」「CHANCE」あたりは好位置につけてくるんじゃないかなぁ。


それでは、オマケです!
今日は、記事本文にも参考資料としていくつか添付しました『不協和音 Vol.2』から数ページぶんをどうぞ~。

Fukyou206

Fukyou207

Fukyou221

Fukyou222


次回お題は「STEPPIN' STONES」です。
こちらもジュリーの自作詞・作曲のシングル。詞の内容が正に今年の50周年に歌われるにふさわしいもので、またもやジュリーの詞の考察に文量を割くことになりそうですね。更新までしばしお待ちを~。

そうそう、今回の”セットリストを振り返る”シリーズで採り上げる5曲は松戸公演までにすべて書き終えるつもりでしたが、先週からの風邪のため予定通りの更新ができず、最後の1曲「愛まで待てない」は松戸レポの後の執筆となります。
引き続き頑張ります!

この週末は全国的に雨の予報です。
台風も接近していて、ジュリーの島根、広島公演が心配。どうかみなさま無事に参加できますように。

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2017年10月18日 (水)

沢田研二 「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」

from『ROYAL STRAIGHT FLUSH Vol.3』
original released on single、1982

Royal3

1. どん底
2. きめてやる今夜
3. 晴れのちBLUE BOY
4. 背中まで45分
5. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
6. ”おまえにチェック・イン”
7. 麗人
8. ス・ト・リ・ッ・パ・-
9. TOKIO
10. サムライ
11. 勝手にしやがれ
12. あなたへの愛
---------------------

みなさま大絶賛のフォーラム公演の後、先の土日にジュリーの50周年記念ツアーは”プチ関西シリーズ”の奈良、三田の公演を終えました。
この三田公演の評判がまた大変良いのですな~。
ジュリーとお客さん双方がどんどん高め合い、暖め合う素晴らしい雰囲気のステージだったようで・・・僕は参加していないので実感は沸きませんが、小さな会場での名演は、昨年で言えば三木公演のような感じだったのでしょうか。フォーラムともども、体感されたみなさまを羨ましく思うばかりです。
今日の新潟はどうだったでしょうか。

さて、前回からスタートした今ツアーの”セットリストを振り返る”シリーズ。今日のお題は超・有名曲「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」です。
セットリストの佳境、この曲で一般ピープルのお客さんも完全に巻き込み、直後に怒涛の「愛まで待てない」→「ROCK'N ROLL MARCH」→「そのキスが欲しい」の流れへと繋がっていく・・・重要な位置に配された大ヒット・ナンバー。次回参加、松戸公演に誘っている音楽仲間達も絶対に知っている曲で、反応が楽しみです。
新規ファンの僕が最近になって知ったこの曲にまつわる逸話も多く、またまた大長文となるやもしれませんので枕もそこそこに・・・僭越ながら伝授!

①「6番目」の解釈、意味づけ・あれこれ

まずはこの摩訶不思議な楽曲タイトル「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」・・・「何故”6番目”なのか」についての諸説様々な解釈を考えてみたいと思います。

とは言っても「6番目」なるフレーズには「特に意味は無い」という事実、先輩方ならご存知ですよね。僕はそのことを今年になって勉強した『歌謡ベストテン』のラジオ音源でのジュリーの話で初めて知ったのでした。
しかしジュリーファン以外の一般のリスナーが、特によく知られているこの大ヒット・シングルのタイトルについて、当時から現在に至るまで「どういう意味だろう」と考えてみる、というのはごく自然なこと。数え切れないほどの解釈が世に存在するのでしょう。
まずは82年秋から冬にかけ『ザ・ベストテン』で毎週のようにこの曲を聴いていた若き日のDYNAMITE少年がどう考えていたのか、から書いていくことにします。

僕の場合は、「6番目」=「第六感」と推測しました。
確か曲と同時期、もしくはその少し前だったかもしれませんが、『霊感・ヤマカン・第六感』というテレビ番組を時々見ていて、そこから連想したのだと思います。
人間の基本感覚である「五感」、加えて選ばれし人だけが持つ超常能力としての「第六感」。後にジュリーがズバリのタイトルで98年にアルバム・タイトルとしたこの言葉は、「科学的な説明はできないけれど、感ずる当人にとっては何よりも確かな”誠”の感覚」といったところでしょうか。
今年のツアーではそのアルバム『第六感』から、名曲「永遠に」が歌われていますね。

幼い頃からSFやミステリーが大好きだった僕は、「特殊な超常能力の持ち主であるミュータント(エスパー)の、その能力故の孤独」を扱ったような小説もたくさん読んでいましたから、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」とはそうした「特殊な人間」の苦悩(憂鬱)をテーマにした曲であろうとの解釈に至ったわけです。
例えば「ミュータントもの」で考えるなら、どんなに素敵な恋人であろうと相手の心が完全に読めてしまっては、そりゃユウウツにもなるわな、という。
その解釈は、テレビで観る妖しく神秘的なジュリーのルックスとも自然にリンクするものでした。

「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」なるタイトルについて僕のこの考え方は、おそらく多数派だったんじゃないかな。
それとは別の、僕などでは想像もできないような様々な少数派解釈もあったはずで、何と言っても有名な曲ですから、今に至るまで多岐多様な解釈の拡がりが継続し、世に存在しているのではないでしょうか。

その中のひとつ・・・ここでご紹介したいのは、「歌詞(タイトル)解釈」というのとは少し違いますが、某病院の仲○和正医師による「老人の鬱病」総説です。
これは以前、J先輩から教えて頂いていた論説で、仲○先生がが3年前に発表されたもの。本文こそ専門的で難しい内容ですが、冒頭にジュリーの「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」の紹介があり、歌詞の引用が登場します。
原文のまま書き出しますと


昔、沢田研二(ジュリー、66歳)の「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」(三浦徳子作詞)という歌がありました。家内の友人がジュリーのファンで毎年欠かさずコンサートに行ってるのですが、ジュリーが「75歳までコンサートやるぞ!皆いいか!」と言うと「オー!」とおばさん、おっさん皆で総立ちで歓声を上げるのだそうです。

という「掴み」に始まり


6番目のユ・ウ・ウ・ツ」の歌詞は次のようなもので、大うつ病(Major Depressive Disorder)の診断クライテリアのうち6つ満たします。5つ以上で「うつ」確定です。

「毎日僕ねむれない(不眠)やるせない(焦燥感)
毎日僕生きてない(無価値感)愛せない
あなたを抱いても 誰かを抱いても ユ・ウ・ウ・ツだよ(喜びの消失と憂鬱感)」
「もっと血を流してみたい 見知らぬナイフに傷つけば そこはmisty zone(自殺念慮)」

特に、「誰かを抱いても、ユ・ウ・ウ・ツだよ」こそは、鬱病の中核症状(core symptom)である2大症状、すなわち喜び・興味の消失(anhedonia)と憂鬱(depressed mood)とを含んでいます。
中核症状を忘れたら「誰かを抱いてもユウウツだよ」と歌ってみれば良いのです。だけど、この歌は、歌詞は鬱っぽいけどリズムが良くて歌うと元気になると思います。

「6番目」のタイトルをヒントと捉え、鍵となるフレーズを歌詞本編の中から6つ拾い上げる、という考察。正に理系ならではの着眼で、純文系の僕には到底思いもつかない斬新な切り口。面白いですね~。
そう、確かに暗い、危険な感覚の歌詞なのです。でも「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」という歌は歌うと元気になる・・・先生の仰る通りではないでしょうか。

こんなふうに、本当は「特に意味は無い」のだとしても、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」は聴き手の数だけ自由に内容を紐解ける懐の深さがあります。まるで謎解きをしているかのように楽しめるミステリアスな名曲・・・その意味で数あるジュリー・シングルの中でも唯一無二、素晴らしい「大ヒット曲」と言えるでしょう。
みなさまは、それぞれどのような「6番目」の自由な解釈を思い浮かべるでしょうか。

②謎解きの楽しさは歌詞(タイトル)のみにあらず!


Yuuutu21

Yuuutu22


続いて楽曲全体の考察ですが、この名曲の「謎解き」の楽しさは歌詞(タイトル)にとどまらず、様々なポイントでミステリー感が満載!です。

最も基本的な「謎
」と言えば、あの印象的な「擬似・女声コーラス」ですね。
サビにも負けないインパクトがあって、幼い子供達の琴線にも引っかかる重要なパートですが、じゃあその声が実際何と歌っているか、という。

僕自身は今でこそ「I don't need your love at all♪」の認識は持っていますが、いつ頃「正解」を把握したかは我が事ながら不明。確かなのはこの曲が大ヒットしていた当時はまったく分かっていなかった、と。
謎は謎のまま残しておいて、テレビのジュリーを観ながらあのコーラスを楽しんでいました。
今でもハッキリ覚えていますが、当時DYNAMITE少年が通学の自転車に乗りながら口ずさむこの曲は必ずコーラス部で、言葉の意味などまるで意識せずに

あどみちゃ、らばほ~、らばほ~、らばほ~
あどみちゃ、らばほ~、らばほ~ほ~、hoo!


と歌っていましたねぇ。
って、計算してみたら僕は「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」が流行っている頃にはもう高校1年生になってるぞ・・・。そんなアホだったのか僕は(笑)。
英語の成績は悪くはなかった筈ですが・・・まぁ、学校の勉強と人生現場の実践とはまた全然別の話、ってことなのでしょうな~(←言い訳)。

続いて「音」の面。これね、「この曲のオリジナル・キーは?」という大きな謎があるのです。
82年にリリースされたオリジナル音源のキーは、「ホ短調とへ短調の間」、つまり一番最初の和音で言うと「ミ・ソ・シ」なのか「ファ・ラ♭・ド」なのかが曖昧。この曲は最初から最後まで「鍵盤には存在しない」微妙にズレた音が鳴り続けているんですよ。こういうマスタリングって、ピッチ・コントロールのマスターテープ録音の時代には時折あるんですが、絶対音感をお持ちの方々にはどんなふうに聴こえるのかな。
要は、楽器と歌すべてのトラックをレコーディングした後にピッチをいじってミックスダウンしているわけですが、元がヘ短調の録音であればピッチを下げて(テンポを遅くして)、ホ短調の録音であればピッチを上げて(テンポを速くして)処理しているということ。

手元には、同い年の男性ジュリーファンの友人がコピーしてくれたこの曲の貴重なバンドスコアがあり、そこでは♭4つのヘ短調(Fm)での採譜となっています。


Yuuutu


でも僕は、この曲は元々ホ短調(Em)でレコーディングされていた、と解きます。
根拠はジュリーのヴォーカル。よ~く聴き込むと、この曲のジュリーは当時の地声より少しだけ高い、細い声で歌っているように感じませんか?
つまり、一度ホ短調で完成したテイクがあり、その後から(おそらく加瀬さんあたりの)「もうちょっとテンポを速くした方がいいんじゃない?」との提言を受け、ピッチを上げてミックスダウン作業に移行した、という推測ですね。
この謎解き、僕は自信ありますよ。ですので以下の考察はすべて、参考スコアとは違うホ短調のコード表記とさせて頂きます。

SFやミステリー小説は、物語導入からしばらくは一見関連性の無いいくつかのエピソードが描かれ、それが物語が進むに連れて密接に関わり絡み合い「謎」が一気に収束していく・・・そんな醍醐味があります。
「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」で西平彰さんが作り上げた楽曲構成は正にそれ。Aメロ、Bメロ、そしてサビ。それぞれ別の曲から持ってきたようなヴァースが見事に絡み合い進行していくディープ・インパクトは、ジュリー・シングルの中でも抜群の構成力を誇ります。
次チャプターでラジオでのジュリーの言葉を借りて書きますが、この「新曲」のキャッチ・フレーズは「クラシカル・ニューウェイヴ」。その心は、「新しい魅力もあれば、古い(懐かしい)魅力もある」曲なのだと。
言われてみますとAメロは

泣きたいときにはいつも
Em7        Bm7          Am7   Bm7

聖母のほほえみで・・・ほら
Em7    Bm7        Am7    D

レースのハンカチーフ 僕に差し出すよ
Am                           Em

できすぎた  恋人さ ♪
G         D(onF#)  A


(う~ん、こりゃ主人公だけじゃなくて相手の恋人もテレパスという状況でしょうか笑)

コード進行も歌メロも、懐かしき歌謡曲黄金時代・・・ジュリーで言えば阿久=大野時代の雰囲気。ミディアム・テンポの艶やかなヒット性を感じます。
それがBメロになると突然イ長調に転調して(ホ短調でも違和感の無い「A→G」を一度経て、「あふれすぎて♪」の「D」がサブ・ドミナント、「いるよ♪」の「A」でようやくトニックという仕組みですから、ここは転調に気づかず聴いている人も多いと思います)「ビート」感がハッキリと出てきます。
続く強烈なサビ。このサビに繋ぐ(ホ短調に舞い戻る)瞬間の進行がまず斬新過ぎます。

この部屋は暖かすぎる まるで safety zone ♪
A             G           D            A

この1行、最初「A」と最後の「A」の鳴りが、同じ和音なのに全然違う・・・こんな戻り方、聴いたことないですよ(西平さんのメロディー展開の素晴らしさ故です)。
しかもジュリーの「safety zone♪」があまりに妖しく美しく、盛り上げ感が凄い。「さぁ、サビ行くぞ!」と煽られた聴き手はワケもわからずサビの「ハッ!ハッ!ハッ!」までグ~ッとそのまま引っ張り込まれるという・・・ミステリー・パズルの完璧な収束ですね。

このシングル盤、ジュリーは自作曲をA面にするつもりでいたのを(「ロマンティックはご一緒に」のことでしょうね)、西平さんの「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」と入れ替えられた・・・「彰に負けた」と当時ジュリーがよく話していた、と先輩から教えて頂いたことがありますが、これほどの曲が出来たからにはジュリーも「これはイケる!」と納得のA面リリースだったのではないでしょうか。

で、先程レコーディング後のテンポ・アップの話をしましたが、Aメロについては元々のテンポ(キー)がしっくりきて、それで録音したと思うんですよ。
出来上がってみたらあまりにBメロとサビのビートの説得力が凄いので、それを生かすために「全体のピッチを上げる」アイデアが生まれたんじゃないかなぁ。

長くなってきましたが(汗)、蛇足ながら、もうひとつだけこの曲の「謎」の話を。
これは僕の長年の「うっかり」で、実はこの記事を書き始めてからようやく氷解したという、無知なヒヨッコならではのくだらない「謎」なんですが・・・。

「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」って『ROYAL STRAIGHT FLUSH Vol.3』の5曲目に収録されているじゃないですか。僕は「せっかくの特別な編集盤なんだから、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」を6曲目にする気の効かせ方ができなかったのかいな」などと考えていました。
今回の記事で冒頭に収録曲目を書いていて・・・「あっ、これ”新しい”曲順に並んでるんだ!」と。
気づくのが遅い、話にならんぞDYNAMITE!
このルールはポリドール期の『ROYAL STRAIGHT FLUSH』3枚の中で『3』だけのものですから、今まで完全に見落としていました(恥)。
それでラストが「あなたへの愛」なんですね・・・。

③『歌謡ベストテン』よりジュリー・インタビュー

ここでは、僕が今年勉強したラジオ音源の中から、シングル「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」リリース直後の『コーセー・歌謡ベストテン』での話をご紹介です。

当時テレビはベストテン形式の番組全盛期ですが、同形式のラジオ番組もあったんですね。『歌謡ベストテン』・・・恥ずかしながら知りませんでした。
「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」をリリースしたばかりのジュリーがゲスト出演し、色々とお話をしてくれた回のこの音源を、僕は最近になって勉強したばかり。
全編書き起こしてみましょう。



- ツアーが始まりまして、今日静岡なんですけれども、出発前の大変慌ただしい時にお邪魔をしまして、どうもすみません。

J 「いえいえ」


- 新曲の方が・・・今年最後のシングル盤になりますね?

J 「たぶんそうだと思いますね。まぁこの調子でいきますと、(年内この曲で)持つと思います(笑)」


- 「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」、今大ヒット中で『歌謡ベストテン』では今週第7位なんです。

J 「ああそうですか。ありがとうございます」


- この曲を初めて聴いた時、ものすごく印象的で、不思議な世界に惹き込まれるみたいな感じがしたんですけど。パンクっぽい、と言うのか・・・(本人としては)どういう曲なんですか?

J 「まぁね~、パンクっぽい雰囲気もあるし、ファシズム的な匂いもしないでもないし、クラシカルな面もあるし、ってんで・・・スタッフなんかも相談して、キャッチフレーズは「クラシカル・ニューウェーヴ」っていうね。古い部分もあって新しい部分もあって、ってそういう感じの曲にしたつもりなんですけどね」


- ”6番目”ということにはあまり意味は無いそうですね。

J 「タイトルを決める時に結構苦労したんですね。みんなで徹夜で考えて朝までかかってね。
まぁ”6番目”ってすると”何で6番目なんですか?”って言われるんじゃないかとかね、その時のために答を用意しておかないといけないけれども。でも、なんとなく映画のタイトルみたいでね。『7年目の浮気』とか、そういう映画ありましたよね?だからそういう感じで、”何か意味があるのかな?”と思ってみんなが考えてくれるんじゃないか、とか言ってね(笑)。結局これになったんですけども」


- それでは、「クラシカル・ニューウェーヴ」の「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」です。

(「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」、フルサイズでオンエア)

- さて、いま秋のコンサート・ツアー中ということで、今日の静岡から始まりまして、相模原、千葉、豊田、四日市、松山、久留米とその他14箇所、夏にず~っと(ツアーを)まわっていらして、そこをまわれなかった所をカバーするということで。

J 「そうですね」


- じゃあ、内容的にはほとんど同じ?

J 「ほとんど同じで、あと新曲が入って、中身が少し・・・一部変わる、ということですね」


- (ツアーの)タイトルも、『A WONDERFUL TIME パート2』という・・・。やっぱりあの、『パート1』を終えて、反省の意味もこめてパート2はこうしたいんだ、みたいなところはあります?

J 「そうですね~。(パート1」は)結構喋る時間が長かったんですね。30分か・・・ちょっとハメ外すと40分くらい喋ってて。評論家のかたに「ちょっとダレ気味だった」とか書かれてね。(今回は)短くしようと思いまして、喋りを(笑)」


- 今年の予定としては、あと映画をやる、というお話も来ているようですね。それから、アルバムも12月頃には出る予定だということですけれども、今年はもう沢田さんが頭からずっと連続ヒットで、とてもいい年だったと思うんですけれども、やはり歌謡界はもう10月ともなりますと(1年の)終わりというのが近づいてきましたから・・・振り返ってみてどうですか?

J 「まぁあの~、今年は歌の方ではタイガース(同窓会)があったでしょう。で、「色つきの女でいてくれよ」ってのが、これがもう当たったもんですからね~。沢田研二個人としては、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」でその(売上)枚数を抜かないと(笑)。なんか、タイガースに賞を持っていかれそうな感じですから(笑)。
ですから、なんとか頑張って・・・(賞については)岩崎宏美さんもいるし、細川たかしさんもいるし、聖子ちゃん、マッチ、トシちゃんと・・・この中に入って何となく6番目あたりにつけてるな、って感じなんでね(笑)。これではイカンので。
なんとかもうちょっと頑張りたいと思ってます」


- この曲(「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」)はまだ出たばっかりですからね。まだまだずっと上位までいきそうですから、頑張って下さい。今日はどうもありがとうございました。

J 「ありがとうございました」



なるほど、曲先の作業で作詞は三浦さんだけど、タイトルについてはレコーディングの最後の最後まで正式決定していなかったわけですね。

一般のリスナーはそんなことはないでしょうけど、「今週第7位です」に対するジュリーの「ああそうですか」に、「まだ7位なのか~」というニュアンスが混ざっているのは、ジュリーファンなら分かっちゃいますよね~。
いつも思うことですが、ジュリーって正直過ぎるくらいにその時の気持ちが声のトーンに表れる人です。そこがイイんですね。だから、ジュリーが嬉しいとこちらも嬉しい、悔しいとこちらも悔しい・・・そんな不思議な気持ちの疎通があって、長いファンの先輩方はずっとそうしてきたんだなぁ、と。

「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」はこのインタビューでも語られた通り、82年末の賞レースに向けて「この曲で勝負!」的なリリースだったようです。「大ヒット」と言って良い曲なのでしょうけど、その意味ではジュリーの目指した特等賞には惜しくも届かず、という結果でした。
ただ、そこから30数年、リリース時のキャッチ・フレーズ「クラシカル・ニューウェーブ」がまったく色褪せないまま今もステージで歌い続けられていること、それが本当に素晴らしい。今この曲をひょんなことで聴いて、「こんな曲を歌いたい!」と考える若いアイドル、歌手は多いんじゃないかな。
時代が変わっても、楽曲の鮮度は変わらないまま。

数あるヒット曲の中でもLIVEセットリスト入り率の特に高い1曲で、『ジュリー祭り』から僅か9年のキャリアの僕ですら、もうオリジナル音源よりもLIVEヴァージョンのイメージの方が強くなってきているシングルのひとつ。
先輩方はそれこそリリースから30数年この曲の生歌を聴き続けていらっしゃるわけですから、たまにCDでこの曲を聴いた時に「あれっ、6番目のユ・ウ・ウ・ツって最後フェイドアウトだったんだ」と再確認、なんてこともあったりするんじゃないですか?

ともあれ次参加の松戸公演では、仲間達の前でビシッ!と最後の「ハイ!」を合わせてきますよ~。
チケット、早く来い来い!


それでは、オマケです!
今日は、『ミスキャスト』ツアーのパンフレットから、まだ過去に添付していないジュリーのショットです。
このツアー・パンフレットは、写真撮影がちょうど「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」がヒットしていた時期(或いはリリース直前)と思われ、アルバム『ミスキャスト』より少し前のジュリー、というイメージのショットが多いです。


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次回のお題は「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」です。
この曲については、まだ僕の知らない事実や逸話がたくさんありそう。先輩方に色々とコメントで教えて頂かなければならない内容の考察になりそうですが、ひとまず自分のベストを尽くして書いてみます。

あと、前回記事でちょっと触れた『NISSAN ミッドナイト・ステーション』の特別企画『ジュリーA面ベストテン』についてお2人の先輩から「興味津々」「懐かしい」とのお言葉を頂いておりますので、「シングルA面」というそれだけにかこつけて、ラジオ音源コーナーのチャプターも設けます(僕自身の勉強のためにも)。
ただし、なにせ『NISSAN ミッドナイト・ステーション』は60分番組です。一気に全部書くと大変な文量になってしまいますから、次回「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」、次々回「STEPPIN' STONES」と2つのお題に分けて書いていくことにいたします。どうぞお楽しみに!

今週は肌寒い日が続いています。またか、とお思いでしょうが実は月曜から少し喉の調子が・・・(汗)。
みなさまも油断なさいませぬよう。

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2017年10月14日 (土)

沢田研二 「愛の逃亡者」

from『愛の逃亡者』、1974

Fugitive

1. 愛の逃亡者/THE FUGITIVE
2. ゴー・スージー・ゴー/GO SUSY GO
3. ウォーキング・イン・ザ・シティ/WALKING IN THE CITY
4. サタデー・ナイト/SATURDAY NIGHT
5. 悪夢の銀行強盗/RUN WITH THE DEVIL
6. マンデー・モーニング/MONDAY MORNING
7. 恋のジューク・ボックス/JUKE BOX JIVE
8. 十代のロックンロール/WAY BACK IN THE FIFTIES
9. 傷心の日々/NOTHING BUT A HEARTACHE
10. アイ・ウォズ・ボーン・ト・ラヴ・ユー/I WAS BORN TO LOVE YOU
11. L.A. ウーマン/L. A. WOMAN
12. キャンディー/CANDY

--------------------

50周年ツアーも一昨日の東京国際フォーラム公演を終え(タイガースや沢田組メンバーを客席に迎えての素晴らしいステージだったと聞いています。参加されたみなさまが羨ましい!)、今日が奈良。長いツアーのほぼ折り返し地点というところでしょうか。
例年であれば「もう全国ツアーの公演会場も残すところ僅か、という季節なのですが今回はまだまだ続きます。ジュリー達に疲れが無い筈はありませんが、元気いっぱいのパフォーマンスが各地で続いているようで、本当に頼もしいですね。

さて今日からはその50周年記念LIVEの”セットリストを振り返る”シリーズとして、僕の次回参加の松戸公演(チケットまだかいな~。発送が待ち遠しいです)までに5曲を採り上げ考察記事を書いてまいります。
本当は前回更新から間髪入れず開始する予定だったんですけど、いつもコメントをくださるねこ仮面様が、奈良公演までセットリストのネタバレ我慢を続けていらっしゃるようで(素晴らしき鋼鉄の意志。ツアー初日から3ケ月のネタバレ我慢など僕には到底無理です)、記事本文は読まずとも、うっかり僕のブログを開いてレアな楽曲タイトルが目に飛び込んできたりするとあまりに申し訳ない・・・ということで、今回のこのシリーズ第1弾更新は奈良公演の当日に、と待ち構えていた次第。

本日、シリーズ第1弾のお題は「愛の逃亡者」です。
神席で観たばかりの(自慢汗)今年のジュリーのステージを思い浮かべながら・・・張り切って伝授!


①「完璧な音」ゆえの現地セールス苦戦?


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以前ピーファンの先輩にお借りした75年お正月LIVE『新春歌いぞめ』パンフレットより。
「愛の逃亡者」が最新シングル、というステージですね。


「パリは良かった、ロンドンはダメだった」
74年末から勇躍開始された海外戦略、フランス、イギリス双方の現地ファースト・シングル「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」「愛の逃亡者」のセールスについてジュリーは近年も(今年の大宮公演でも)よくそんな話をしてくれます。
2曲とも素晴らしい名曲ですが、どういうわけでセールスにそれほどの差がついたのでしょうか。

最後のチャプターで詳しく書きますが、僕は今年になって『愛をもとめて』のラジオ音源を勉強し、イギリスとフランスでのレコーディング手法の違い、ジュリー自身の手応えの有無を、2曲それぞれについて今さらのように実感しているところです。
フルアルバム12曲ぶんを一気に録ったロンドンと、とりあえず第1弾シングルに絞ったパリとではそりゃあ単純比較はできません。でもジュリーのラジオでの話を聞くと、双方の現地プロデュースに両極とも言える大きな違いがあったことが分かります。

まず、「歌入れ終わったらもう大丈夫。あとは完璧に仕上げておくから任せて!」というイギリスはビッカートン&ワディントンのポップ職人幼馴染コンビ。
ジュリーの発音についても「普段喋ってる言葉じゃないんだから」とフォロー発言すらあった・・・というのは以前先輩から教えて頂いた逸話でした。
これまで何度か書いてきた通り、ビッカートン&ワディントンは驚異のポップ性を持つ名コンビで、ジュリーのアルバムについても「序盤・中盤・終盤隙が無い」音作りで完璧、極上の名盤を作り上げてくれました。
もちろんジュリーの歌だって最高に素晴らしい。ただ、僕レベルでは分からないのですが、完璧な音ゆえに「現地で通用する発音」として見るとジュリーの「歌」の方には若干ハンデがあったかもしれません。
アルバム収録曲で言うと、例えば「傷心の日々」での「everyday」「teardrop」などの単語は(あくまで発音については)僕でも「んん?」という違和感はあって、そのあたりが「愛の逃亡者」についても現地のリスナーにハッキリと持たれたりしたのかなぁ、と。

対して「一番の土台(歌)がキチンとしていないとダメ。話はそれからだ」というパリはフランス・ポリドールのピエールさん。
実は、このロンドン、パリのプロデュース手法でどちらが個人的に肌が合うかと言うと、僕はビッカートン&ワディントンの方なんですね。
これはおそらく加瀬さんもそうだったと思います。加瀬さんには「ジュリーという天賦の素材をプロデューサーの色に染める。そこでジュリーがどう映えるかを楽しむ」という感覚はあった筈です。その点、「愛の逃亡者」の仕上がりには満足していたんじゃないかな。

言わば、「音楽人気質」のプロデュースと「ビジネス気質」のプロデュースの違い。
ジュリーは歌手なんだから前者の方が良いだろう、とは単純にいかないところがまた音楽の面白さ。タイガース時代「時計の針のよう」と言われたと聞く「きっちり、しっかり」派のジュリーにとって、パリでのビジネス気質のプロデュース・・・徹底的にしごかれる、それに対してなにくそと徹底的に努力する、というレコーディングの方が性に合っていて、結果それがイギリスとパリとのセールスに素直に反映されたのかもしれません。

とは言え、僕ら日本人が「ジュリーの英語曲」として聴く限りは「愛の逃亡者」は大変な名曲。何よりジュリーが今も歌い続けてくれている、というのが大きい。
時間を超えて、当時のセールス状況に惑わされずに聴くジュリー・シングル。今年は「CHANCE」もそうでしたが、「愛の逃亡者」も僕などは初めて生体感してようやく「いや、これは素晴らしい曲だ」と大興奮でした。新規ファンにはそういう人は多いと思います。
次のチャプターでは、僕が今年改めて頭に叩き込んだこの曲の魅力について紐解いていきましょう。

②これほどの名曲!再確認させられたセトリ入り


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今日の参考スコア、『YOUNG SONG』75年1月号より


今ツアーでは、「時の過ぎゆくままに」→「勝手にしやがれ」という超特大ヒット曲連発の直後に配されたこの曲。後に続くのがCO-CoLOコーナーというのがまた渋くて、セトリ順を完全に覚えこんだ状態で臨む今後参加会場では、「待ち構える」感覚で楽しみにしている僕にとっての「LIVEレア曲」です。
考えてみると『ジュリー祭り』から9年、僕はアルバム『愛の逃亡者』収録曲を今年初めて生体感したことになります(「キャンディー」を歌った2009年の『きめてやる今夜』は無念の不参加でした)。

洋楽に詳しいつもりでいながら、ビッカートン&ワディントンの魅力を初めて知ったのも2005年のポリドール再発シリーズで購入したこのアルバムで、ジュリーの名盤の中でも格別に好きな1枚です。
ただし、実はタイトルチューンにしてシングルの「愛の逃亡者」は今まで軽視していました。イギリスのセールス戦略、これじゃなくてアルバムの他収録曲にシングル・カットの有力候補があったのでは、みたいなことも生意気に以前の記事で書いたこともあります。
それが今年の初生歌、初生演奏で見事ヤラれたという。素晴らしい存在感を持つ曲ですよ!

その上で改めて74年のレコーディング音源を聴くと、ジュリーの歌はもちろん、鳴っているすべての音が心地よいんですよね。
まずはギター。左右に分けてミックスされたトラックはいずれもバッキングに徹し、ワウを効かせて楽曲全体の輪郭を作り上げます(今年のツアーで柴山さんもワウを使用しています)。

あとはベース、ドラムスの基本隊に加えてブラス、ストリングス、そして何より素晴らしいのが鍵盤パート。この曲はキーボードが2トラックですが、2つの異なる音色が入れ替わり立ち替わり、かと思いきやユニゾンしたり・・・さすがはビッカートン&ワディントン御大のプロデュース、本当に緻密かつ耳に優しいです。
そして「あぁ、泰輝さんも確かにこのアレンジ、この通りの音色で演奏していたなぁ」と、今ツアーで聴いたばかりのこの曲に思いを馳せるのです。泰輝さんのキーボード、最高にカッコ良かったですからね~。
松戸では再度チェックしてきます!

ジュリーのヴォーカルはガ~ッと一気に録った感じなのでしょうか。僕はこのアルバムのヴォーカルはとても好きですが(良い意味で「歌わされている」時のジュリーになにやら「歌の神」が降臨するパターンのヴォーカル・・・個人的には「ウォーキング・イン・ザ・シティー」に最もそれが表れているように思います)、ジュリー本人には「もっと良くなったかもしれない」といった心残りは多少あったのではないでしょうか。
これは『愛をもとめて』でのロンドン報告とパリ報告でのジュリーのテンションの違いから感じること。
いや、ロンドン報告は「いつものジュリー」なんですよ。ただ、パリ報告の方が尋常でなくテンションが高いんですね。まだいずれもセールスの結果が出る前の放送ですから、それはジュリーの率直な手応えを反映していると考えて良いでしょう。パリは「やりきった」、ロンドンは「もう少し頑張れたんじゃないか」と。
今も変わらず、当時からジュリーは「話す」ことについては本当に正直で、気持ちがそのまま声に表れる人なんだなぁと思ったり。

でも、先述したように・・・だからこそ作品化された後もその時の曲達をステージで歌い続けているジュリーに特別さ、格別さ、突出性を感じます。
アルバム『愛の逃亡者』なら、長い歌人生の中でLIVEセットリスト入り率の高い「キャンディー」そしてシングル曲「愛の逃亡者」は正にその代表格でしょう。
あと、アルバムではさほど目立たない(←個人的な感想です)「ゴー・スージー・ゴー」のLIVEヴァージョンを聴いた時の衝撃たるや。確か2009年、先輩に聴かせて貰った比叡山のテイクだったかな・・・レコーディング音源の時からあっという間に進化を遂げています。きっと発音も、もちろんエモーションもね。
僕はジュリーの「努力家」の面がとても好きです。あれほどの才能、輝きを持っていながら努力家ってのが本当にイイですね~。元々が素晴らしいので、努力の成果の表れ方も凄いですし。
イギリス現地では思うような結果は出なかったかもしれませんが、今年のツアーで「愛の逃亡者」を聴いて、ジュリーのそんな資質を観た気がします。

ジュリー・ナンバーに「裏打ち」のレゲエ・スタイルはさほど多くはありませんから、その意味でも「愛の逃亡者」は貴重な1曲。
似通ったコンセプトやリズムの曲を連続で繰り出すセトリ順を好むジュリー・・・レゲエ・ビートに必要不可欠なベースについても、今は依知川さんもバンド復帰してくれましたし、いつか「愛の逃亡者」→「EDEN」→「海に還るべき・だろう」なんていう夢のようなセットリストを体感してみたいものです。


③『愛をもとめて』より”イギリスの報告”編

最後に、ジュリー・ラジオ音源のコーナーです。
このコーナーは僕自身の勉強の意味もあって、参考資料として最近の考察記事ではよく採り上げているんですが、多くの先輩方にとっては「昔からよく知っている話題のおさらい」という感じになるのかなぁ?

今日はもちろん、75年(たぶん2月初めの放送)の『愛をもとめて』からお届けいたします。
現地でリリースされた曲のプロモーション遠征から帰ってきたばかりのジュリーのお話です(この次の放送回が、以前「マ・ゲイシャ・ドゥ・フランス」の記事で書いた「パリの報告」という順序になります)。


イギリスでは、ご存知「愛の逃亡者」・・・もちろん英語版でございますが、向こうでは正式に「THE FUGITIVE KIND」というタイトルになっておりましてですね。B面が日本では「I WAS BORN TO LOVE YOU」でしたけれども向こうでは「NOTHING BUT A HEARTACHE」というのが入っております。

「愛の逃亡者」は日本盤では併記の英語タイトルが単に「THE FUGITIVE」ですね。そこがまず違う、と。
また、日本盤とイギリス盤のB面収録曲の違いは以前先輩にコメントでご指摘頂いたことがあり(僕はその時まで同じカップリングだと思い込んでいました)そこはもう知識として持っていたんですが、「愛の逃亡者」と「傷心の日々」の組み合わせって、相当攻めていますね。イギリスではまず「ロック」に拘る、という戦略を加瀬さん達スタッフも持っていたのではないでしょうか。

それはさておき、続いて僕がこのラジオ音源を聞くまで知らなかった話が飛び出します。


で、「FUGITIVE KIND」のミキシングね、日本で出たやつは「あっ!」「うっ!」っていう掛け声が入ってるでしょ?あれが(イギリス盤シングルでは)無くなってましてね。

これ、何故なんでしょうねぇ。あの掛け声は間違いなく「愛の逃亡者」の肝だと思うし、現地でもあった方が良かったんじゃないかと思うのですが・・・。
これはビッカートンさんの好みの問題なのかな。声を余計に入れるよりも、後からオーヴァーダブした豪華なブラスやストリングスにリスナーの耳が行くよう仕上げたい、という狙いだったとするならそれはそれで分かるような気もします。


そのレコードのプロモートのために行ったわけですが、1月26日の日曜日ですかな・・・その日はロンドンに泊まりまして、月曜日にはロンドン以外のおもな都市を歩いたんです。歩いたって言うか、要するにラジオ局を回ったんですね。

ジュリーの話によれば、イギリスでは国営放送(BBC)の支所がローカル局として各都市にある、加えて民放もある、それを順繰りに訪ねていったようです。
各地を歩き回った中でジュリーが特に挙げて話をしてくれた町は、サウスポート。


リバプール近くの小さな町なんですけど、(ジュリーが訪れる)一週間くらい前から、ケンジ・サワダという日本で有名な歌手が来ます、というチラシがあってね。結構女の子達もいっぱい集まってて、その中にね、去年の夏頃までかな、原宿に住んでたっていう女の子がいてね。
裏口から入って控室みたいなところにちょっと待機してたら、「いらっしゃいませ」なんてこう日本語で言われてね。「あっ?」てね。話を聞いてみたら、「私、一番好きなのジュリーさんね。その次マチャアキ、その次ににしきのあきらさん」ってね、そういう女の子もいたんですが。


いやぁ、日本じゃ「控室でジュリーとお話する」なんてことは夢物語ですからね。当時ラジオを聞いていらした先輩方は、「ムキ~!」となったんじゃないですか?

イギリスでよく尋ねられたのは、左手の薬指に指輪をしていたので「結婚してるのか?」とか、「日本でそんなに有名なのに、何故またこっちでやるのか?」というようなことだったとか。
あと、「君はイギリスの歌手で言うと誰なんだ?デヴィッド・○○か?」(○○の部分が聴き取れません涙。「ボウイ」とは言ってないように思いますが)と言われて、「いや、ミック・ジャガーだ」と答えたらしいですよ~。
なるほど、「日本のミック・ジャガー」がイギリスでシングル・リリースとなったら、B面は「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」よりも「傷心の日々」の方がふさわしいですか。納得です。

そしてジュリーの話は現地のセールス状況に。


なかなかこれ難しいんですね。ってのは、レコード屋さん自体が買取でね、返品できない、そういう日本なんかとは違う販売システムで、BBCっていう国営放送のポピュラー音楽ベスト50位以内に入らないと店頭には置かないっていう・・・損したくないっていうね。

この話は聞いたことあるなぁ。いつか何処かのジュリーのMCで聞いたんだっけなぁ?思い出せません。
ただこのシステムはラジオからじわじわと火が点いてヒットに繋がるパターンも多いらしくて、日本のように(シングルで出した曲が)1ケ月経ってダメだったらその後もずっとダメ、ということは言えないみたい。


だからプロデューサーの人も言ってましたけど、10週間はかかるだろうと。2ケ月経ってやっとこう、どうなのかな、っていう状態が掴めると。まぁ、(まだ)分かんないですね、とにかく。あとは成りゆきに任せるしかないし。

このあたりのジュリーの発言が、次放送回のパリ編とずいぶん違うんです。
「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」については「楽しみ楽しみ!」みたいなことを、セールスの結果が出る前からジュリーは盛り上がって話しているわけですから、やっぱりこれはジュリー本人のレコーディングの手応えが違ったのでしょう。
それでもイギリス戦略についてジュリーは最後に


自分自身への戒めと言うか、教訓を授かるっていうことが多いしね。勉強になるだけでもいい、と思っている次第であります。

今年のツアーで自らの歌手生活50年を振り返り、「良いことだけでなく悪いことも糧としてきた」といった内容のMCを時々聞かせてくれているジュリー。
イギリスの「愛の逃亡者」も、フランスの「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」も同じように血肉としてきた、ということでしょうか。

まぁ大宮のMCではロンドンの話は数秒、パリの話は30分近く(あくまで僕の体感ですが)、と双方にかなりの差が出てましたけどね(笑)。


それでは、オマケです!
今日は、冒頭にも1枚添付しました75年『新春歌いぞめ』パンフレットから数ページぶんをどうぞ~。


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このLIVEに参加されていた先輩方は、衣装やセトリを覚えていらっしゃるのかな?
ステージの様子は、こちらは福岡の先輩からお預かりしている資料『ヤング』75年2月号で(1ページだけの記事ですが)窺うことができます。


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さて、次回更新では僭越ながら、「一般ピープルもよくご存知」な超有名曲「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」の考察に挑戦させて頂きます。
もうとっくに書き終えていても不思議のない曲ですけど、ここまで記事お題に採り上げるタイミングを逃していたのが逆に幸い・・・これまた今年になって勉強したラジオ音源で初めて知ったあれやこれやの逸話がとても多いシングル曲なのです。
ちょっと前までは『NISSANミッドナイト・ステーション』で開催されていた『ジュリーA面ベストテン』という企画放送回をご紹介するつもりでいましたが予定を変更。
ズバリ「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」リリース直後に放送された『歌謡ベストテン』でのジュリーのインタビュー音源を採り上げつつ、この名曲の妖しげな魅力を僕なりに紐解いていきたいと考えています。


去年の今頃は痔核切除の術後の激痛にのたうち回っていたので、「秋をしみじみ実感する」余裕など無かったですが、今年はなんとか元気に過ごせています。
こちら関東は昨日の雨で急激に気温が下がり、まぁ涼しくなってよく眠れるのは嬉しいんですけど、体調管理には特に気を遣わなければいけない季節(僕は季節の変わり目によく風邪をひくので)となりました。
みなさまもどうぞお気をつけて!

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2017年10月 4日 (水)

沢田研二 「Aurora」

from『俺たち最高』、2006

Oretatisaikou

1. 涙のhappy new year
2. 俺たち最高
3. Caress
4. 勇気凛々
5. 桜舞う
6. weeping swallow
7. 遠い夏
8. now here man
9. Aurora
10. 未来地図

---------------------

はじめに。
またしてもロック・レジェンドの訃報・・・トム・ペティの突然の旅立ちにはただただ驚き、肩を落とすばかりです。
過剰な装飾音を嫌い、土の匂いがするロックを貫いた偉大なシンガーであり、プレイヤーでした。訃報を受けてのボブ・ディランのコメントが本当に切ないです。
天国でジョージ・ハリスンやロイ・オービソンとも再会を果たし、早速バリバリ活躍しているんだ、と今はそう思うことしかできません。ご冥福をお祈りいたします・・・。

☆    ☆    ☆

10月です。すっかり秋ですな~。

ツアーが始まってから記事更新の頻度が落ちているので、今月は頑張りますよ!せっせと更新を頑張っているうちに、僕の次回参加会場・松戸公演が自然に近づいてくる、という目論みです。
で、恒例の”セットリストを振り返る”シリーズに入る前に、今日はアルバム『俺たち最高』から1曲採り上げておきたいと思います。

枕もそこそこに・・・なるべくタイトな文量で、とは考えていますがどうなりますやら。
依知川さんの作曲作品で、「Aurora」伝授です!


①応援!BARAKA結成20周年記念公演

まずここでは依知川さん作曲作品のお題にあやかり、依知川さん率いるプログレッシヴ・バンド、BARAKA(ジャンルで括るにはあまりにも多彩なクオリティーを誇るバンドですが、ひとまず「プログレ」とするのが最も適切でしょう)について書かせて頂きます。

僕は今年の5月、依知川さんと浅野孝巳さん(ゴダイゴのギタリスト)のユニット「あさいち」のLIVEに参加、そこでたまたま同席させて頂いたBARAKA後援会の男性お2人とお友達になり、BARAKAが今年結成20周年を迎えること、そのメモリアルLIVEとして来たる11月2日の東京国際フォーラムC公演が決定しており、「なんとか会場満員のお客さんでお祝いしたい」と後援会一丸となって集客を頑張っていらっしゃることを知りました。

僕自身は11・2への参加は仕事的に厳しい状況なのですが、お2人の熱意に打たれメモリアルLIVE成功祈願と、ジュリーファンへの呼びかけをお約束し、これまで何度か記事中にてこの件に触れてきました。
いよいよ公演まで残すところ1ケ月を切ったというタイミングですので、今日は改めての告知です!


Baraka3

BARAKAを未体感のジュリーファンのみなさまが気になるのは、「そもそもBARAKAってどんなバンドなの?」ということかと思います。
僕は先の9月1日、BARAKAの埼玉・鶴ヶ島公演を観てきましたので、その時の感想を交えて僭越ながらここで解説させて頂きましょう。

楽曲はインストゥルメンタル(歌無し)が中心です。
20年間のキャリアで多数のオリジナルCDをリリースしてきたBARAKA。その中から、会場で再会した後援会のM様お勧めの1枚を購入してみたところ、歌入りのオリジナル曲もありフォーラムではそうした曲も披露されるとは思いますが、鶴ヶ島ではアンコールの2曲(ビートルズとジミヘンのカバー)を除きセットリスト本割はすべてインストでした。

プログレというのは大作志向が強く、BARAKAのオリジナル曲も例外ではありません。特に鶴ヶ島セトリ本割ラストの曲は超大作で、40~50分くらいの演奏時間だったでしょうか。ただし長時間とは言っても、楽章形式とも言うべき無数のアイデアを凝縮した楽曲構成は、パートの見せ場が矢継ぎ早に繰り出されるスリリングな「音の物語性」重視でまったく飽きさせません。
美味しいメロディーやテクニカルなソロが代わる代わるに織り成す「ロックバンド」の醍醐味が味わえる「超大作」なのです。

演奏されたほとんどの曲のリズムは複雑怪奇で、僕も最初は「今いったい何分の何拍子なんだ?」と意地になって確認しながら聴いていましたが、あまりに高度過ぎて途中でギブアップ。本割のセトリで唯一の洋楽カバーとして披露されたビートルズ・メドレーにしても、一体何処から何処までが「キャント・バイ・ミー・ラヴ」で何処から何処までが「サムシング」なのか・・・ビートルズ・ナンバーならばメロディーもアレンジもすべて頭に叩き込んでいる、と自負する僕が迷子になるほどの斬新なアレンジには完全に白旗状態でした。

(追記:記事を読んでくださったM様よりご紹介頂いた、BARAKAの「キャント・バイ・ミー・ラヴ」「ラヴ・ミー・ドゥ」「「サムシング」一発録り生演奏映像です)

ところがBARAKAの音って、「頭で考える」聴き方を放棄してからが凄まじい快感で。
余計なことは考えず無心で演奏を受け入れる状態こそが心地よい・・・そんなサウンドなのですよ。

パートはギター(高見一生さん)、ベース(依知川さん)、ドラムス(平石正樹さん)の3人編成。
曲によって時折シンセの音色が流れてくるのは、依知川さんがサスティン・ペダルを併奏しているんじゃないかな(鶴ヶ島で僕は依知川さん真ん前のテーブル席で観たのですが、残念ながら足元は死角でした)。

3人とも超絶のテクニシャンです。分かり易く例えるならば、正にこのフライヤーのキャッチコピーの通り。


Baraka4

「ジミヘン」はジミー・ヘンドリックス、「マッカートニー」はポール・マッカートニー(ビートルズ)、「ボンゾ」はジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)。
そんな3人が個性と技量をぶつけ合って「プログレする」のですからそりゃあ凄いわけですよ!

依知川さんはジュリーLIVEとはガラリとスタイルを変え(と言うかこちらが「普段」の姿)、5弦ベースを徹底的に指弾きで魅せてくれます。楽曲中でギターと交互に主メロを高音で担当するシーンも多く、かつて「まるでリード・ギターのように動き回る」と評されたポール・マッカートニーへのリスペクトが確かに感じられます。

僕は今回の鶴ヶ島公演が初めてのBARAKA体感だったわけですが、最も感銘を受けたのが高見さんのギター演奏でした。
特に楽器演奏についての知識など無くても、高見さんのギターの「凄さ」は万人に伝わるものと思います。「百聞は一見に如かず」ですから、余計な説明は野暮というもの。「自由度の高さ」という点で、僕がこれまで生で観た中ではダントツのギタリストですね~。
アンコールでの「カム・トゥゲザー」(ビートルズ)なんて、あのお馴染みのリフをそのままではなく3度上、5度上で弾く・・・そんなスタイルの演奏が炸裂しまくり。まったく新しいフレーズを弾いているように聴こえるんです(依知川さんがキッチリとオリジナルそのままに弾いているのがまた不思議なハーモニーへと昇華)。
高見さんは演奏時の表情も豊かで、「良いギタリストって、チョーキングで「ぬお~っ!」となるものなんだなぁ」と改めて納得した次第です。
これほどまでに自由奔放なスタイル、しかもメンバー中最年少の高見さんが、結成時からずっとBARAKAで演奏を続けていることが即ち、依知川さんと平石さんの高い技量、度量を証明しているとも言えそうです。

加えて高見さんは、ハードで攻撃的な演奏と人懐っこい天然なキャラクターのギャップも魅力。
例えば、BARAKAは来年2月に海外遠征ツアーも決定しており、それが何とイエス主催(!)による世界に名だたるプログレッシブ・ロックのレジェンドが一同に会する豪華な対バン形式の船上公演なのだとか。
それについて依知川さんの場合はMCで
「(世界のレジェンド達に対して)もちろんリスペクトはありますけど、同じ人間。ステージ上では対等、という気持ちで臨みたいと思います」
と静かな闘志を燃やしていたのですが、片や高見さんはと言うと、のんびりとした口調で
「(競演者の)スティーヴ・ハケット(ジェネシス)とジャック・ダニエルが飲みたいな~」
とまぁ、驚異的なまでの超自然体モード。
その気負いの無さこそ、高見さんのスケールの大きさなのでしょうか。

ともあれBARAKAの演奏は世界に通じる素晴らしいものですから、来年の海外ツアーでは世界のレジェンド達の間でも、「ジャパンから来た3人組、相当ヤリやがるぜ!」と話題となること、疑いありません。
演奏を終えた高見さんにスティーヴ・ハケットが駆け寄ってジャック・ダニエルを振る舞う、というシーンはきっと現実となるでしょうね~。

ただ、その前に今年11月2日、BARAKAにとって大きなステージが控えているという状況。
鶴ヶ島公演の時点で「あと2ケ月」に迫っていたフォーラム公演。依知川さんがMCで曰く「まだ良い席も残っている」とのことでした。
後援会のM様も、集客の手応えは「まだまだ」と満足には至っていないご様子で、「是非ともジュリーファンの方々も」と改めてお誘いを頂きました。

ジュリーファンのみなさま、依知川さんのジュリーバンド復帰というタイミングでの巡り合わせ・・・これも何かのご縁です。ここはひとつ、フォーラム満員のお客さんでBARAKAの20周年お祝いと行きましょう!
ご都合のよろしい方は、是非11月2日の公演にご参加ください。ジュリー松戸公演の前日です。
よろしくお願い申し上げます!

②「Aurora」楽曲考察

チャプター①が想定以上の長文となってしまいましたので、ここからはちょっと駆け足でまいります(笑)。

アルバム『俺たち最高』はジュリー初のベースレス・アレンジのアルバムですね。後追いファンの僕は『ジュリー祭り』の年に予習として『ROCK'N ROLL MARCH』を購入した時にもベースレスのアレンジに強烈な違和感を覚えましたが、その後遡って聴いた『俺たち最高』の方がその感覚はより強かったような気がします。
『生きてたらシアワセ』『ROCK'N ROLL MARCH』とは違い「ドラムスは生なのにベースが無いなんて・・・」と、生意気にもそんなふうに考えた記憶が(汗)。
ただ、収録曲で言うと「Aurora」についてはその感覚はありませんでした。
初めて聴いた時に「おっ、これはドアーズだな」と思ったからです。

ベースレスでのアルバム製作は、音源作品とステージとの乖離を最小にとどめたい、という以前からのジュリーの考え方に沿う手法だったでしょうが、ジュリーは当初そのことについて
「LIVEではキーボードが左手でベースを弾く。ドアーズみたいでカッコイイ!」
と話していたそうですね。
斬新な試みを以ってアルバム『俺たち最高』のアレンジを託された白井良明さんにも当然「ベースレス・ロックバンドの先駆者」であるドアーズの楽曲群は引き出しにあったはずです。それが最も明快に表れた収録曲が「Aurora」というわけ。

肝はキーボード。良い意味でチープなオルガンの音色が、左右のギター・トラックとくんずほぐれつに絡み合う・・・具体的には、ジュリーの歌メロ部では左サイドのバッキングとリズムを揃え、歌の隙間に右トラックのリード・ギターと音階を揃えます。
それをワントラックのキーボードでやる、というのがドアーズのレコーディング作品でよく見られるレイ・マンザレク直系のスタイル。
このオルガンを柱としたベースレスのアレンジは、後の鉄人バンドによる「こっちの水苦いぞ」の演奏で、より洗練された形で引き継がれていると思います。

依知川さんのジュリーへの提供曲は、昨年の「犀か象」以外すべて直球。
BARAKAではメロディーもリズムもあれほど変則的な作曲をする依知川さん、懐が深い!のひと言です。
「Aurora」でも調号の変化は無く、シンプルなリズムに王道・イ短調のメロディーを採用。コード割りは白井さんが相当イジリ倒していると思いますけど。

僕がこの曲で今着目したいのは、ジュリーの作詞に登場する英フレーズ。今年の新譜「ISONOMIA」と比較してみるととても面白いのです。
「ISONOMIA」には、英フレーズが計8単語が繰り出されます。それぞれジュリーが「良い意味」と考える「~ful」が4つ、「悪い意味」の「~ness」が4つずつ。良い、悪いの対比はハッキリしていますね。
一方「Aurora」に登場する英フレーズは3つで、「Happiness」「Loneliness」「Tenderness」。
普通に考えると「Happiness」「Tenderness」は「良い」、「Loneliness」は「悪い」意味合いでしょうが、ジュリーがそれぞれに組み合わせた日本語が逆説的で

「薄光のHappiness」
「女神はLoneliness」
「寒風のTenderness」

となっています。「薄光」「寒風」は楽曲タイトル「Aurora」からの連想、そして「オーロラの見える国」=「平和な国」とするなら、本来は平和の象徴であるはずの「女神」・・・これは「届かない花々」に同じく「9.11」の意味を持たせてジュリーは言葉を選んでいるかもしれません。

『俺たち最高』は音作りの面でも前作『greenboy』とはガラリと作風を変えましたが、「Aurora」などいくつかの収録曲では「日常の尊さ」をコンセプトとして受け継ぎつつ、さらに平和へのメッセージが強く加味するという、貴重なターニング・ポイント的な名盤と言えるのではないでしょうか。

それにしても「旨いものなさそうだけど♪」はジュリーらしさ全開ですよね~。
はからずも明日から東北・北海道へと向かう50周年記念ツアー。ジュリー達は各地で美味しいものをたくさん食べるのでしょう。
それが楽しみで、この季節に北へと向かうスケジュールを組んだんだったりして・・・。

③アルバム『俺たち最高』、今後のセトリ入りは?

最後に、「隠れた名盤」とも言うべきスタンスかと思いますが、アルバム『俺たち最高』について。
先日お会いしたJ友さんとたまたまこのアルバムの話になって、「最初はとっつきにくかったよねぇ」と。

これは新規ファン独特の感覚なのかな・・・僕の場合はまず先述の「ベースレス」への違和感があり、加えて、今でこそ「ジュリーってこんな感じ」としっかり身につけているんですけど、ジュリーの自作詞の奇抜さと言うか奔放さと言うか、そういう面が目立つナンバーが多く収録されているように感じていました。
例えば僕は長い間「涙のhappy new year」の詞の言葉並びが苦手で(今はそうは思っていませんよ!)、このブログでも「三大壁曲の筆頭」と書いていたほど。
2014年お正月LIVEでのジュリーの生歌と鉄人バンドの演奏の素晴らしさで完全に克服、今では大好きなジュリー・バラードとなっていますが、「1曲目がダメ」という長い時期がこのアルバムの正当な評価を個人的に遅らせていたことは事実です。でも実際は、本当にジュリーファンが愛すべき1枚・・・名盤なんですよね。

収録曲中僕がこれまで生のLIVEで体感できているのは、今触れた「涙のhappy new year」と、「俺たち最高」(『ジュリー祭り』)「桜舞う」(『燃えろ東京スワローズ』)の計3曲。2000年代のアルバムとしては、セトリ入り率は低い方なのかな。
アルバムで一番好きな曲は「未来地図」。ただし「この先LIVEで一番聴きたい曲は?」ということになると圧倒的に「weeping swallow」です。毎回、ツアーの度に期待をかけていますが未だ実現せず・・・これまで何度も「セットリスト予想」に書こうと思いつつ機を逸しているうち、「そう簡単に書いてよい曲じゃないぞ」と考えが変わってきました。なにせ昨今のこの国、ひいては世界情勢がね・・・もしこの曲の考察記事を書くなら、自分の中の「NO WAR」をトコトン追求してからでないと、と今は思っています。
今日のお題が「Aurora」ということで、アルバム『俺たち最高』収録曲の中で僕がまだ記事未執筆の曲は「weeping awallow」1曲を残すのみとなっておりまして、いつか「平和」を実感しながら書くのが一番ふさわしいとは思いますが、まだ時間はかかりそうですねぇ。

この「weeping swallow」をはじめ「勇気凛々」「遠い夏」、そして「Aurora」・・・これらジュリー作詞のナンバーはいつツアー・セットリスト入りがあってもおかしくないと僕は思っています。
中でも「Aurora」は依知川さんの作曲作品ですし、近々要チェックの予習必須曲ではないでしょうか。

「エンドレスで歌い続ける」と宣言してくれたジュリー・・・今後は「久々に歌うか~」と次々にレア曲を採り上げてくれるのではないか、と。
とりあえず来年の古希イヤーでは、『ジュリー祭り』以来となるアルバム・タイトルチューン「俺たち最高」のセトリ入りに期待しています!


☆    ☆    ☆

さて、今日はオマケの添付画像がありません。
2006年関連資料の手元のネタが尽きてしまっているのですよ・・・。そのぶん次回は奮発するつもりです。

それでは次回から”『沢田研二50周年記念LIVE』・セットリストを振り返る”シリーズへと突入します。
今回のセトリで記事未執筆の曲は全部で6曲。その中から「時の過ぎゆくままに」以外(以前からの予告の通り、「時過ぎ」は来年の6月25日の更新お題と決めています)の5曲を矢継ぎ早に書いてまいります。
どうぞお楽しみに~!

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2017年9月29日 (金)

2017.8.20大宮ソニックシティ 沢田研二『50周年記念LIVE 2017-2018』セットリスト&完全レポ

ようやく・・・本当にようやく、書き終えることができました。
ひと月以上前の公演のレポに長々とおつき合い頂き、ありがとうございました。大変でしたが楽しい更新の日々でした!

☆    ☆    ☆

ジュリー50周年記念ツアーは2週間のお盆休みも明け、大盛況の大宮公演から無事再開されました。
これからファイナルまでが本当に長い・・・物凄いスケジュールです。しかしジュリーは相変わらず元気一杯、気合充分。そんな大宮公演に僕は今年もYOKO君と男2人で参加してまいりました~。

こんな年はもう二度とないと思うんですけど、僕は今回のツアーで、初日NHKホールが上手側端の最前列、この大宮がYOKO君と並びでド真ん中2列目という神がかりの席運に恵まれての参加。感謝、感動、いくら言葉を尽くしても足りません。
この特別なツアーにそんな幸運が巡ってくるとは、真に有難き身に余る光栄であり幸せの極みです。こうなったからにはもう、とにかく全力渾身を尽くしてレポに取り組みたいと思います。

いやはや、それにしても。
実はこれまで僕はジュリーLIVE1桁台の神席経験は(キャリアに比すると)比較的多いのですが、完全にジュリー正面の「どセンター」って初めてだったんですよ。
ご経験のある方ならお分かりの通り・・・ただただ凄いです、ドセンターの神席って。YOKO君も言ってましたが、いつもはしょっちゅうギターのフォームでキーを確かめたり、あれこれとバンドのチェックをしてしまう僕らが、ま~よほど思い切らない限り正面のジュリーから視線を外せないわけです。
それでも僕は何度か柴山さんのギター・ソロをガン見したり「TOKIO」のイントロで依知川さんに見とれたりできましたけど、YOKO君の方は「ジュリーがサイドに動き回る時以外はひたすら視線固まってた」と。
まぁ無理もない。彼は今回「ジュリー以外のLIVE全部含めて今までで一番の神席」だそうですから。打ち上げではお姉さん達に「ご懐妊?」とからかわれていたYOKO君、否定せずに「たぶん双子を授かりました」と(笑)。

そんなこんなでひたすらロックオン気分が続いた幸せな時間でしたが、それ抜きにしても本当に素晴らしいステージでした。ジュリー69歳、心身とも絶好調です。
もちろん声もね。
ロックナンバーもバラードも最高のパフォーマンス、ヴォーカルだったと思います。素晴らしかった!

それに、やっぱり隣でビビッドな反応をされるのは楽しいですねぇ。明らかにジュリーから丸見え状態なのでさすがに例年のような殴り合いはできませんでしたが、YOKO君は「ダイブ曲」のイントロの度に僕の下半身をゴツゴツ拳で打ってきました。
彼の興奮を間近で感じたことで改めて「今年のツアーは特に凄いぞ!」と再確認できました。

開演前のBGMはいよいよ「祈り歌」まで来ました。
マキシシングルですから、CDタイトルチューン以外の3曲が流れます。YOKO君曰く「震災後の曲をこういう大きなホールの音響で聴くと荘厳な感覚に打たれる」とのことですがまったく同感。特に「FRIDAYS VOICE」のような構成の曲はね・・・。

おっと、今ツアーはセットリストの曲数も曲数です。枕は短めに、早速レポ本文にとりかかりましょう。
今回はキッチリ演奏順に書いていきますよ~。
執筆途中での更新スタイルで、記事完成までには相当な日数がかかるかもしれませんが、呆れずによろしくおつきあい下さいませ。

とにかく「どセンター神席」にビビリまくりのYOKO君、ブザーが鳴って場内の灯りが落ちると「うわぁ~~~」と呻きます。僕はそれを横目に余裕のふり。
初日と同じように巨大スクリーンがスルスルと降りてきて(いや~近い!)、YOKO君「?」状態から・・・開演!


あなたに今夜はワインをふりかけ

Omoikirikiza

大宮公演は場所的にも「もう関東圏の会場で1度参加済み」のお客さんが多かったのかな。初日のようにスライドショーが切り替わる度に歓声が沸く、ということはありません。でも隣のYOKO君はしきりに「うおっ!」とか「へ~」とか「おっオーティスじゃん!」とか反応しながら観ていましたね。

巷で話題なのは、このスライドショー最後のショット。今ジュリーが何と言っているのか、という。僕も今回はジュリーの唇の動きを確認してみました。
単に「ありがとう」ではなさそう。至近距離で見た感じだと、最後の1音は「お」行のように見えるんです。とすれば「愛してるよ」説が有力でしょうか。でも最後が「え」行で「ありがとうね」の可能性もあるかなぁ。

スクリーンが上がり、ジュリーの姿を確認するやYOKO君は「やべぇ、やべぇ!」と。
いや、分かる・・・ホント近い。
これが「どセンター神席」の景色なのか~。
イントロが始まるや、たまらずのスタンディング。ジュリーLIVEの前方席で男が2人並びで立っちゃうのは本来とても申し訳ないことです。僕でも170センチ強、YOKO君に至っては180センチ近い身長ですから・・・。
YOKO君は何度か気にして後ろをチラ見したそうですが、「悪いなぁと思うのはもちろんだけど、それでも(後ろのお客さんが)ノリノリな様子だったから本当に救われた」と。有り難いことです。

今ツアーのオープニング、曲数カウント外のオマケとして配された「あなたに今夜はワインをふりかけ」。改めて、特別なショーの幕開けにふさわしい選曲、アレンジなんだなぁと感じました。
それにしても初日同様、ジュリーの喉は冒頭から絶好調。これはジュリー、日頃から相当気合を入れて節制、精進しているのでしょうね。

1曲目「君だけに愛を

Tigersred

多くのじゅり風呂さんもそうされていますが、拙ブログでもジュリーに倣いオープニングの「あなたに今夜はワインをふりかけ」を曲数カウントせず、この「君だけに愛を」から曲順表記させて頂きます。
「どセンター神席」はさすがに音響も凄い迫力で。特に、最初の「君だけ~に~♪」でアッパービートになって以降の依知川さんの「どっ、どっ、どどどど♪」というラインがズンズン身体に響いてきます。
柴山さんのイントロでのアルペジオ→単音瞬時の切り替えは初日と変わらず。

ただ、そんな素晴らしい演奏でも僕らの視線はジュリーだけに釘付け。真正面の至近距離でこの曲を歌うジュリー・・・格別なる挑発。幸せと言うしかありません。
指差しはおもに1階の10列目~20列目くらいを狙っていたでしょうか。僕は追っかけコーラスにも密かに参加。「夢の世界へ♪」からはトッポのパートをこっそり歌ってきましたよ~。

2曲目「自由に歩いて愛して

Pygbest

イントロの瞬間、「うおっ!」と叫びながらジュリーの死角を突いて(笑)僕の太腿をガンガン打つYOKO君。
打ち上げでも話題の中心となったのはこの曲をはじめとするYOKO君初体感のレア曲で、「自由に歩いて愛して」については「俺はもうあのAmのリフは余裕で弾ける!」と自慢顔の彼でしたが、バンド名のことをさかんに「ぴーわいじー」「ぴーわいじー」と連呼。
僕と2人の時は良いけど、お姉さん達がいる場所でそれはアカンで~。

ツアー直前にこの曲の考察記事を書いて、コメントにてKIX-Sのカバー・ヴァージョンの存在を教えて頂きました。音源はまだ聴けてはいないのですが、96年に勤務先から出版していたバンドスコア『KIX-S/BEST-S』の中に収載があったことを先日資料本で確認。

Kixsbests


スコアを見ると、KIX-Sヴァージョンは斬新にアレンジを変えていることが分かります。
キーもオリジナルより1音半高いハ短調です。


大宮でのこの曲で気づいたのは・・・コーダ部で歌メロを締めくくる「NOW THE TIME FOR LOVE♪」の「LOVE」はメロディー自体は冒頭の「誰かが今♪」の「が」と同じなんですが、発声の違いなのかジュリーのヴォーカルは「LOVE」の方がずっと高い音階に聴こえるんだなぁ、と。
ジュリーは「LOVE♪」の瞬間首をググッと上げ目を閉じ熱唱します。シャウトっぽいけど決してメロディーは崩さない、絶品の歌声。
素晴らしいシーンを間近で観て、素晴らしい発声を間近で聴けた、と感動しました。

3曲目「
僕のマリー

Tigersred

大宮でもジュリーのMCは初日と同じく、この曲の前、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の後、「ISONOMIA」の後、そしてアンコール前と計4回。ま~この日はとにかく長かったですが(大宮のMCは毎年長いですけど、それにも増して)、MCについては僕の印象に強く残ったお話に絞ってアンコール前に纏めて書かせて頂くことにします。

さて、よく考えたらYOKO君はこの「僕のマリー」は初体感(『ジュリー祭り』では歌われず、その後の「ほぼ虎」「完全再結成」のツアーには彼は不参加)。
イントロの瞬間に「おっ?」と漏らしたYOKO君、今回の大宮に向けてジュリーのシングルをすべて自力でワンコーラスに編集しクロスフェイドで繋げたCDを作って予習に励んでいたそうです。しかし後で聞くと「ソロの曲でしか作んなかったんだよね」と。
全部詰め込むにはシングル多過ぎだよね、と打ち上げで話したりしました。

ジュリーのソロで体感するこの曲は「夢を見た~♪」の聴こえ方がタイガースとは違います。ジュリーが歌う音階のみが強調されるのです。
それはそれでザ・タイガースの「僕のマリー」とは別物という感じで新鮮でした。

4曲目「
青い鳥

Tigersblue

打ち上げでYOKO君曰く、「俺、タイガースの曲だと「風は知らない」と「青い鳥」が好きなんだよね」と。
彼のジュリー・ナンバーの好み(「古い巣」「バタフライ革命」「WOMAN WOMAN」「ジャンジャンロック」など)を考えると以外や朴訥で穏やかな2曲です。
「青い鳥」はドーム(『ジュリー祭り』)以来でドキッとした、と言っていました。
ほぼ虎、そしてタイガースの再結成LIVE、強引に彼を誘っておけばよかったかなぁと今さらのように後悔します。ピーのドラムスやサリーのベースにYOKO君が感化されない筈がないので・・・。

柴山さんのギターは初日と比べるとかなりタイトに。
でも「あくまで横移動」奏法(ジュリーの視線にビビりつつ必死でチラ見しました笑)は変わっていません!

5曲目「
greenboy

Greenboy
タイガース・ナンバーに続いての選曲に、ジュリーの思いを感じずにはいられません。
その一方で、基本的にはこの曲は赤ん坊から少年へ、少年から大人へ、大人から老人へ、そしてまた赤ん坊へ・・・という「人生一気振り返り」テーマですから、来年の古希イヤーも再度歌われるんじゃないかなぁ、とそんなことを考えながら観ていました。

「ビートポップに尖ってた♪」の箇所だったか、をひと差し指を立てて歌ってくれたジュリー。
この曲は他にも結構ジュリーの動きに見所は多いですよね。「愛まで待てない」ほど派手ではないけれどヘドバンもしますし、エアギターもあります。
衣装のグリーンもあいまって、「デビューからの50年を一気におさらいする」ツアーでのジュリーの真髄のような名曲だと感じました。

それにしても、他でもないこの曲で柴山さんのソロに目が行かないとは・・・畏るべし、センター神席で受けるジュリーの眼力&吸引力!

6曲目「
あなたへの愛

Royal3

今回のこの曲の柴山さんの音、すごくオリジナルに近いですよね。
考えてみれば「あなたへの愛」は普遍的なメロディーが傑出している名曲で、それ故にアレンジ自体もこれまで色々と冒険的な試みが成されてきた1曲です。
ジュリーwithザ・ワイルドワンズがそうだったし、僕が体験していないLIVEでは、何とワルツ・アレンジの時もあったと以前先輩に教えて頂きました。
でも、結局オリジナルのアレンジが一番良い・・・これはみなさまそう思われるでしょう。だから、音色についても今回はじみじみ「いいなぁ」と。
細かいエフェクト設定は分からないけど、「コーラス」を使っているのは間違いなさそう。ストーンズの「If You Really Want To Be My Friend」のような音です。

7曲目「
許されない愛

Julie2

この日僕らは真正面のジュリーのオーラに気圧されてなかなか左右弦楽器隊に目を向けられませんでしたが、GRACE姉さんと泰輝さんについてはジュリーの奥で細かい動きまで自然に観ることができました。

で、「許されない愛」ですが・・・初日とはGRACE姉さんのアレンジが変わりました。Aメロでスネアを4拍打ちです(4拍目は裏のゴーストも挿入)。
これは音も見た目もカッコイイ!
初日のようにだいたい2小節に1度の割合で豪快なフィルを繰り出すアレンジも良いけど、こちらはリズムに骨が入ると言うか、LIVE向きかなぁ。
「あなたへの愛」がオリジナル音源王道の再現ですから、70年代序盤の同時期リリース2曲の繋がりとしても面白かったです。

ジュリーの「あなたが~♪」の狂おしい「が~♪」が相変わらず素晴らしい!
目を閉じて上半身を揺らしながら、ギリギリとした主人公の感情を載せて歌ってくれます。

8曲目「
追憶

Jeweljulie

こちらもGRACE姉さんが名演。細かいハイハットと16分音符で2連打するキックのコンビネーションは、いつ聴いても「生のLIVEならでは」の感動があります。
そう言えばYOKO君が「GRACEさんがキックを打つとバスドラが光る」って話してたんだけど、僕はまったく気づけず。実際そういう仕掛けになってるのか、それともスピリチュアルな現象なのか(僕は全然ダメだけどYOKO君はそっちの感覚も持ってます)。

サビの「ニーナ♪」を気持ち良く伸ばせている時は、ジュリーの喉の調子が良いと思います。
初日もこの大宮も声が絶好調の今ツアー。69歳ジュリーの体調管理にも本当に頭が下がりますね。

9曲目「
サムライ

Omoikirikiza

初日とは違い大宮ではこの曲が終わってもジャケットを脱がなかったジュリー。
結局後の「時の過ぎゆくままに」で脱いだんですが、真ん中のMCだったか、暑い暑いと言いながら
「最近涼しい日が続いていたので忘れてた」
という話をしてくれました。僕は「暑さ」を忘れてた、とその時は解釈したんですけど、もしかしたら「サムライでジャケット脱ぐのを忘れてた」ということだったのかな。
忘れる、と言えばこの日はカウントが始まってから「あっ、次はスタンドや!」と急いでマイクスタンドをとりに戻って「よし!」とばかりにマイクをしっかりはめ込むやいなや歌が始まる、というシーンも楽しめました。

それにしても至近距離の「サムライ」は最高です。
最初のサビと最後のサビで使う手を変えてくるお馴染みの所作が、しなやかと言うか流麗と言うか。
背中の後ろにクイッと手をやる仕草なんて特にね。まだ脳裏にハッキリ映像が残っていますよ~。

10曲目「
君を真実に愛せなくては他の何も続けられない

Teaforthree

YOKO君が「おっ、ティーフォースリー!」と反応したのもつかの間、終わってしまうというアレンジ。
いや~、やっぱり短いですな~。せっかくなら「誓うよOh My Love~♪」のジュリーのロングトーン(「ve」の発音がポイント)まで聴きたいところですが・・・。
でも逆に、短いアレンジだからこそ柴山さんの2度のリフが倍オイシイ!とも言えます。

タロー作曲の短調アップテンポということで、ギターやベースの感触が2013年に生で体感したザ・タイガース再結成時の「色つきの女でいてくれよ」によく似ているなぁ、とも思いました。
ちなみにこの大宮公演の日は、都内の銀座タクトでピーとタローのジョイント・コンサートも行われていました。ジュリーと他のタイガース・メンバーのLIVE日程が近場の会場で完全に重なる、というのは今回が初めてのパターンだったのではないでしょうか。

11曲目「
ス・ト・リ・ッ・パ・-

Stripper

大宮のジュリーLIVEは毎年音響も素晴らしくて、YOKO君はコンソールのお兄さんのことを「短髪の真面目そうな彼」と呼んでリスペクトしているのですが、今回は開演前にPAのチェックを忘れていました(YOKO君が緊張していてそれどころではなかった)。

で、もちろん今年も素晴らしい音響を堪能したわけですが、唯1曲、この「ス・ト・リ・ッ・パ・-」でトラブル(なのかどうかも分からないのですが)がありました。反響音がワンワン言って混沌状態となり、珍しくもジュリーが大きく音程を外して歌っていたのです。
この曲ではジュリーと弦楽器隊がかなりステージ前方に出てきていましたから、僕らの位置の客席も含めて「たまり」に入っちゃったのかな。
依知川さんが「ここです、ここです!」とばかりに強いアタックでルートを強調したり・・・観ている僕らとしては焦りました。でも、ジュリーってこんな時でも堂々としているんですよね。

大宮の次の町田公演のMCでイヤモニの話が出たそうです。これは大宮の「ス・ト・リ・ッ・パ・-」での出来事を受けてのことだと思います。
イヤモニをしていれば、こういう事態においても伴奏のモニターに支障はない・・・でもジュリーはそれをしない、と。耳をいたわり長く歌い続けたいとの気持ちもありましょうし、タイガース時代のジャズ喫茶の演奏経験で、ジュリーは大抵のことには動じなくなっています。それぞれの条件、状況での対処も自分の中で「こう!」というラインを持っているのですね。
大切に環境をお膳立てされた歌手とは経験値も対応能力も違うということです。
ある意味、今年の大宮の「ス・ト・リ・ッ・パ・-」は僕らとしては貴重な体験ができた、と考えています。

・・・とここまで書いたところでNasia様のブログを拝見したら、福井公演の「ス・ト・リ・ッ・パ・-」でも、たぶん同じようなことがあったっぽいです。
う~ん、やはりモニター返し無しのセッティングで「たまり」が発生しているのかなぁ。初日のNHKホールではそんなことはなかったんだけど・・・。

12曲目「
ヤマトより愛をこめて

Konndohakareina

僕は『ジュリー祭り』で本格的にジュリー堕ちしたのですが(これはYOKO君も同様)、それはイコール「鉄人バンドの音」で堕ちた、ということです。

これまで何度か書いている通り、僕は『ジュリー祭り』の佳境で歌われた「ヤマトより愛をこめて」でのGRACE姉さんのドラムスに強く惹かれました。決して主張し過ぎず、それでいて存在感のあるデリカシー溢れたバラード・エイトの刻みにその時僕は、「あの素敵な女性ドラマーは誰?」というド素人状態でした。
その後2000年代のアルバムを購入し、作詞クレジットの「GRACE」さんがそのドラマーだったと分かり、「こういう詞を書く人だからあれほど歌心のあるドラムが叩けるのか」と納得したものです。
ただ、今回の「ヤマトより愛をこめて」はショート・ヴァージョンですからGRACE姉さんのエイトが聴けません。その点はやはり残念・・・でもそのぶん、泰輝さんのピアノ、柴山さんのギターの素晴らしさが伝わりやすいアレンジなのかもしれません。

ジュリーの歌う「ヤマトより愛をこめて」はツアーごと、会場ごとに発声の表情が違うといった感じのことを初日NHKホールのレポで書きましたが、それは柴山さんのギターも同じです。
特に「からだを投げ出す値打ちがある♪」の箇所。直前の小節4拍目から頭の1拍目に繋がる2和音の柴山さんの表現は毎回違います。激情の突き放しだったり、繊細で本当に微かな音だったり。
いつまでも変わらず若々しいルックスのために年齢のことを忘れてしまいがちですが、柴山さんも先日お誕生日を迎えられ何と65歳となりました。
65歳のギタリストが、50曲を演奏する66公演を駆け抜けようという・・・ジュリーだけでなく柴山さんも超人です。真に鉄人です。
柴山さん、遅くなりましたが65歳のお誕生日おめでとうございます。いつまでも、ジュリーの横で素晴らしいギターを聴かせてください。

13曲目「
モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド

Kenjisawadafrance

以前から大好きな曲でしたが、どうやら今年に入って僕はこの曲を「格別に好きなジュリー・シングル」と再評価し改めて惚れ込んでしまったようです。
福岡の先輩のご好意で『沢田研二の愛をもとめて』のラジオ音源を聞くことができ、その中でもパリの話題に特に感銘を受けたからでしょう。

後ほどアンコール前の項で書きますが、この日の大宮の長~いMCで、ジュリーは正にその「パリ・レコーディング秘話」の補足をしてくれたのですよ~。
これは本当に嬉しかった!
「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」のフランス・リリースについて「一等賞になったわけではないので大した自慢話でもないんですけど、まぁ、四等賞だったんです」と紹介してくれたジュリー。やっぱり「苦労しながらも一生懸命やった、そしてその努力がセールスに反映された」のは、当時のジュリーもとても嬉しかったのでしょうし、すごく良い想い出となって記憶に残っているんだろうなぁ。
生で聴いても素晴らしい名曲、素晴らしい歌です。加瀬さんも実際は「いい曲」だと思っているはずですよ(←この加瀬さんの楽曲評価の話題は、後にMCの項で詳しく書かせて頂きます~)。

14曲目「
明日は晴れる

Asitahahareru

この曲のセットリスト配置も興味深いですね。
時代を大きく離れた曲の繋がり、ということで言えば、「greenboy」が「きれいな大人」のキーワードを指摘するまでもなく自然にザ・タイガースのナンバーに続いたように、「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」から「明日は晴れる」への繋がりにも何かジュリーの中で特別な意味があるのでしょうか。

考えられるのは、アルバム『明日は晴れる』製作時にジュリーは、セーヌの源流を訪ねる旅番組に出演し、「我が心のラ・セーヌ」という曲が生まれアルバムにも収録されていること。
ジュリーにとって70年代のフランスでの成功の想い出が、2003年のアルバム『明日は晴れる』とリンクしているのかもしれません。

初日の演奏が素晴らしかった柴山さんのギターをガン見するつもりでしたが、ジュリーのオーラに圧されてチラ見しかできず・・・(泣)。
とにかくこの曲のギターは、Bメロ以降の単音と複音のコンビネーションが凄まじいのです。次の松戸公演ではしっかりチェックしなければ~!

あと、ジュリーの歌に気持ちよく身を委ねていてふと「あれっ、このベースはピックの音じゃないぞ!」と気がつき、今度は依知川さんをチラ見。
おおっ、指です、指で弾いてます!
素晴らしいグルーヴ。柴山さんのギターも合わせ、「明日は晴れる」は今セットリスト中バンド演奏のクオリティーが特に高い1曲と言えるでしょう。

15曲目「
コバルトの季節の中で

Tyakoruglay

本来お客さんが手拍子参加するタイプの曲ではないんですけど、あのイントロが始まると思わず身体が反応して手を打ってしまいます(YOKO君もやってた)。
究極にポップなリフ、軽快なエイト・ビート。そして歌に入ると哀愁のメロディーが待っているという。
「これはジュリー本人の作曲作品ですよ!」と世界中に叫びたくなる名曲です。

またラジオ音源の話なんですが、今僕は82年~84年のジュリー出演番組(こちらも福岡の先輩のご好意で聞くことができています)を中心に猛勉強中。
その中に『NISSANミッドナイト・ステーション』(先輩方は当然ご存知の番組でしょうね)で『ジュリーA面ベストテン』『ジュリーB面ベストテン』という企画がありました。ちょうど「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」が最新シングル、という時期の放送で、A面、B面それぞれの名曲群の中でどの曲が一番好きか、というのをリスナーにハガキで応募して貰い、ベストテン形式で発表していくというもの。
これがなかなか興味深い順位でね~。
A面では、今もLIVEの定番で必ず盛り上がる「危険なふたり」「TOKIO」といった曲がその時のファン投票では意外やベストテンから外れているんです。
詳しい内容は”セットリストを振り返る”シリーズで執筆予定の「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」の記事に譲りますけど、他でもない「コバルトの季節の中で」が堂々ベストテン上位にランクされていたんですね。
「ひょっとしたらベストテンに入ってくるかな、とは思っていたんですが、こんな上位にランクインするとは・・・自分で作った曲ですから嬉しい」という感じで喜ぶジュリーの声が印象に残っています。
もちろん今ツアーの超豪華なセットリストにあっても堂々の名曲ぶり。
しみじみ、本当に良い曲ですね。

16曲目「
君をのせて

Acollection

今となっては奇跡のようなソロ・デビュー・シングル。ジュリーのヴォーカル、佇まいはとても自然で気品があって、優雅と言う他ありません。
久世さん作詞の「コバルトの季節の中で」に続く配置も良いですね~。
確か久世さんは「君をのせて」について、「これは男同士の歌だ!」とご熱心だったんですっけ。これは間違いなく歌詞で言うと「肩と肩をぶつけながら♪」の箇所に収束する解釈でしょう。ほら、そんな歌詞の通りに互いの肩をゴツゴツとやりながら「君をのせて」のその歌詞部(だったと思います)を歌うジュリーに見とれている男2人が実際ここに(笑)。
別に事前に打ち合わせていたわけでは決してないのですが、自然にそんな感じになりましてね。こういうのは、女性のファンからすると羨ましい状況なのかな?
すぐ後ろのお客さんにとっては迷惑この上ないでしょうが・・・(申し訳ありません)。

17曲目「
憎みきれないろくでなし

Omoikirikiza

やはりYOKO君も初日の僕と同じ感想を持ったようです。「この曲はベースがあった方がイイ!」と。
ただしその上で「そういう曲をベースレスで見事再現していた鉄人バンドの技量に改めて感服する」とも。これは、今回はセットリストから外れている「カサブランカ・ダンディ」についても彼は昨年のツアーで同じことを言っていたなぁ。いや、本当にその通りです。

初日まじまじとガン見した柴山さんのギターもこの日は音だけを楽しみ、ひたすらジュリーを観続けました。仕草のひとつひとつがなめらかな中で、静から動へのスイッチの切り替えをスパ~ン!と行くのがジュリーの凄さ(憎みきれない~♪」の瞬間とか)。
エロックでもあり、ブラス・ロックでもあり、愛すべきバカ・ロックでもあり・・・でもやっぱりこの曲も「ロック」だけでは語れないジュリーの魅力に満ちています。

18曲目「時の過ぎゆくままに」

Ikutuka

今セットリスト中まだ考察記事未執筆の6曲のうち、この曲だけは今年の”セットリストを振り返る”シリーズでは書かず、来年6月25日、『ジュリー祭り』全セットリスト考察記事の大トリとして採り上げる予定です。
こんなに有名なジュリー最大のヒット曲なのに、リアルタイムでの記憶が僕にまったく残っていないのは何故だろう、と今でもよく考えることがあります。
小学校低学年ということもあって歌番組を観ていなかったのと(と言うかまだ音楽に興味を持つ前だった)、あとこれは最近今さらのように知ったのですが、『悪魔のようなあいつ』って夜10時からの放送だったんですって?完全にアダルト枠じゃないですか(笑)。
まぁそんな状態のヒヨッコ後追いファンが、このジュリー・ナンバーの中で最も有名な曲の考察にどう取り組むか・・・今はそれを迷いながらも楽しんでいる期間。
ジュリーが目の前で歌ってくれた「時の過ぎゆくままに」に、僕はとても健全なイメージを持ちました。
「危ういジュリー」「ガラスのジュリー」のような退廃美を、遅れてきたファンの僕は「時の過ぎゆくままに」の中に感じとるには至りません。
そのぶん、不朽の名曲に新たな切り口を見出すつもりで頑張りたい、と思っています。

大宮の「時の過ぎゆくままに」・・・YOKO君曰く「テレビより近いジュリー」の歌は清らかで健やかで、ただただ素晴らしかったです。

19曲目「
勝手にしやがれ

Omoikirikiza_2

セットリスト前半で「時の過ぎゆくままに」→「勝手にしやがれ」って、どれだけ贅沢なんだ!という。
やっぱりイントロの瞬間に会場がうねる感覚、大宮でもありました。生涯過去最高の神席と言うYOKO君のエキサイトも止まるところを知らず、何とあの彼が今回は堂々と壁塗りアクション!
「これは珍しいなぁ」と思いながら手拍子していたら、「何スカして手拍子なんかしてる?お前もやれ!」とばかりに僕の右手を掴んでグイッと持ち上げるという荒技も食らいました。

ということでジュリーの真正面で男2人も壁塗りに参加。
ジュリーはいつものように細かいパントマイム、後奏での素早い闊歩から最後は全速でセンターに戻ってきてビシ~ッ!とポーズを決めます。
ちょっとよろけるようなフリはあくまで一連の動作についてくる余興でありサービス、と見ました。近くで観ていたら、ジュリー実際は相当に余裕がありますよ。凄まじい体力、天性のステージングに畏れ入るばかりです。

20曲目「愛の逃亡者」

Fugitive

YOKO君大興奮!この曲はまったく予想していなかったようです。イントロ一瞬で「うわっ!」と叫んで僕の太腿をガンガン突いてきます。痛い・・・。

初日見逃していた「うっ!」「はっ!」は泰輝さんとGRACE姉さんの2人が担当していました。
打ち上げでもその話になり「イントロのフェイクやレゲエ風のビートでトリッキーに聴こえるけど、あのかけ声って4拍子の頭なんだねぇ」と。最後のジュリーの熱唱リフレイン「FUGITIVE KIND~♪」の箇所で僕もその点に気がつきました。GRACE姉さんとしては、本来キックを繰り出す箇所、というリズム感を以って発声する感じかなぁ。

あと、この曲についてはYOKO君ともども「演奏が特に素晴らしい1曲!」と確認し合いましたね。
すべてのパートが素晴らしいのだけれど、個人的には泰輝さんが要所で切り込むホイッスル系の音色がメチャクチャ効いていると思います。
もちろん、後ノリ・ビートのギターのお手本のような柴山さんのワウも最高!

21曲目「アリフ・ライラ・ウィ・ ライラ」

Royal80

これは前々からYOKO君に「この曲やったらアンタに”片翼の天使”(プロレスラー、ケニー・オメガ選手のフィニッシュ・ホールド)を仕掛ける!」と宣言を受けていた、彼のダイブ曲のひとつです。
開演前のお茶の時にもその話がチラッと出て、当然僕はネタバレに気遣って「歌うよ」とは言わなかったわけですが・・・何とYOKO君、イントロのドラムの段階でこの曲に反応できず!
他の音が入ってきてようやく「あっ!」と気づいた様子で、痛恨の面持ちで立ち尽くし、僕にちょっかいを出すこともなくそのままジュリーに見入っていました。
打ち上げでは「感動のあまり」と言い訳しきりのYOKO君でしたが、いや確かに素晴らしかったのよ~。
ここからのCO-CoLO3連発のジュリーとバンドのテンションは、あの大感動の初日を凌ぐパフォーマンスでした。これは、ここまで今ツアーの公演を重ねてきたジュリー自身に「CO-CoLO期の曲のお客さんの反応がイイ!」という手応えが出てきて、一層気持ちが入るようになってきたんじゃないかなぁ。
このツアーを機に、来年以降CO-CoLO期名曲群のセットリスト入りの比率upを期待したいですね。
ちなみにYOKO君は「TRUE BLUEと女神も聴きてぇ!」と騒いでいます。まったく同感です。まぁ僕らは「女神」については去年のお正月に聴けてるけどね!と自慢しておきましたが。

いやしかし、この曲のジュリーの動きはただ見とれるしかありません。
「一流の腕前の剣豪は、剣の動きが実際の速さよりもゆっくりに見える。相手はそのスローな剣先の舞いに見入ったまま成す術なく斬られてしまう」
という話を聞いたことがあります。
間近で体感したジュリーの「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」は正にそんな感じですね。

22曲目「STEPPIN' STONES」

Kokuhaku

YOKO君が言うには、開演からこの曲まではジュリーと目が合うと圧倒されて目を逸らしていたそうですが、「STEPPIN' STONES」を歌うジュリーを観て「もうどうにでもしてくれ!」という気持ちになり、ここからはひたすらジュリーをガン見状態に変わったのだとか。

ということで、YOKO君にとって大宮ジュリーのベスト・パフォーマンスはこの「STEPPIN' STONES」だったようです。打ち上げでは隣に座ったお姉さんに「何回ステッピン・ストーン言ってるの!」と呆れ笑いされるくらいに、ステッピン・ストーン、ステッピン・ストーンと連呼していました(笑)。
同時に、彼の中で(僕もそうなんですが)CO-CoLOナンバーの評価が凄まじい勢いで急上昇。
長いファンの先輩方は当然CO-CoLO期の素晴らしさを充分に血肉とした自然な状態で今ツアーに臨まれたでしょうが、僕も含め新規ファン、中抜けファンの多くがそんな感覚を持ったのではないでしょうか。

今「STEPPIN' STONES」の音源を聴き返していると、ツアー以前と比べジュリーの歌詞がストレートに胸に飛び込んでくるように思います。
「継続」の尊さ・・・ジュリーにとってそれは「歌」だったのだ、と改めて思い知らされました。

23曲目「
CHANCE

Royal80

怒涛のCO-CoLO3連発は、今セットリストの目玉。
YOKO君が言うように「STEPPIN' STONES」も最高なんだけど、僕の個人的な今ツアー・イチオシは初日に続いてこちら「CHANCE」の方!
とにかく「これほどの名曲だったか!」と。それは曲や演奏の素晴らしさは当然として、「この曲を歌うジュリーのカッコ良さ」を後追いファンの僕は今回初めて知った、ということ・・・それに尽きます。

イントロから魅せるジュリーのアクションに釘づけ。ゆっくりと闊歩しながら大きく身体を上下する姿が異様なまでに逐一カッコイイのと、あとはやっぱりサビ直前の「ぱんぱんぱん!」ですな~。これは実際に生で観ないと分からないカッコ良さです。
YOKO君も、演奏が終わった瞬間にはさすがに「い~や~名曲だな~!」と言ってましたね。

24曲目「
ラヴ・ラヴ・ラヴ

Tigersblue

セットリスト前半の締めくくり。思えば僕とYOKO君が初めて参加したジュリーLIVE・・・あの『ジュリー祭り』もそうだったんですよね。
あの頃僕らにはこの曲について「DVD『Zuzusongs』でも歌っていたタイガースの曲」くらいの知識しか無くてね・・・。あれから9年、まさかザ・タイガースが完全復活して、そのステージを実際目の当たりにするなど予想だにしていなかったことです。

そうそう、タローとの東西ジョイント・コンサートは終わりましたが、今年もピーは二十二世紀バンドと共にLIVEをやってくれます。
12月の会場は四谷。もちろん僕は申し込みました。今年もきっと「ラヴ・ラヴ・ラヴ」がセットリスト本割のトリで歌われるでしょう。
ジュリーも、トリでこそありませんが還暦の二大ドーム、そして今年のデビュー50周年記念ツアーでこの曲をセットリストの重要な位置に配しました。リアルタイムで体感する「ラヴ・ラヴ・ラヴ」に感謝、感謝です。

25曲目「
灰とダイヤモンド

Kakuu

MC明け、セットリスト後半戦の1曲目。YOKO君、またしてもイントロでまったく反応できず・・・。
とは言っても「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」と違い今回の「灰とダイヤモンド」についてはそれも当然。初日は僕自身がこの日のYOKO君と同じ状態でした。
イントロの細部を改めて気合入れて検証したところ、オリジナル音源のヴァイオリン・パートの音階をアナグラム的に導入している、とかそういうこともまったく無く、原曲のアレンジとは完全な別物なのですね。
ジュリワンの時の「あなたへの愛」くらいに原曲とは異なるアレンジです。
ただ、ジュリーの歌に入ると間違いなくあの「灰とダイヤモンド」なわけで、今年限り(たぶんね)の貴重なテイク、存分に楽しみました。YOKO君も松戸ではこの日の僕と同じ感じで聴けるんじゃないかな。

ジュリーの語尾のロングトーンは驚くほど素直で、肩肘張っている感覚が無くて、リリース当時とはまた違った魅力のあるヴォーカルではないでしょうか。
そんな中に変わらぬ「魔性」が保たれている・・・今年のセットリストを妖しく彩る名演ですね!

26曲目「
LOVE(抱きしめたい)

Love

YOKO君は初の生体感、待望の1曲だそうで。
打ち上げでは「この曲だけでなく『LOVE~愛とは不幸をおそれないこと』収録のどの曲も自分にとっては貴重な大感動曲」と唾を飛ばしながら語っていましたが・・・どうもこのアルバム、周囲のお姉さん達はいまひとつ印象が薄い1枚のようで「実家にレコードは持ってるけど・・・」といった話にしか進まず、しょんぼり肩を落とすYOKO君なのでした。

今回はショート・ヴァージョンですので、あのイントロの印象的なシンセは割愛され、柴山さんのエレキ・アルペジオから曲がスタートします。
個人的にはこの曲のアルペジオはやっぱりオリジナル・アレンジ通りのアコギが良いなぁとは思う一方で、エレキで普通の運指で弾いているだけなのにここまでの説得力・・・柴山さんの凄味も感じ取れました。

ちなみにこの曲、ティアラと前橋で(それぞれ別の理由による)「歌い直し」があったのだとか。
特にティアラは完全に丸々2度聴けたということですから、お客さんはラッキーでしたね。羨ましい!

27曲目「
TOKIO

Tokio

初日後、この曲のエンディングが変わったと先輩に教えて頂き、僕はてっきりPAのディレイ設定が変わったものとばかり思っていました。実際はそうではなくて、ジュリーの「自分ディレイ」になったのですね!

ここまで僕はジュリーの圧倒的なオーラの前にバンド演奏のガン見ができずにいましたが、遂にこのイントロで依知川さんのベースに見とれてしまいました(おいっちに体操しながらね笑)。
いやぁこれぞプロの技!この指弾きの素晴らしさは是非みなさまにも注目して頂きたいです。
ちなみに僕は9月1日に依知川さんのバンド「BARAKA」の鶴ヶ島公演(埼玉です)を観てきました。ジュリーのLIVEではピック弾きと指弾きを楽曲に応じて使い分ける依知川さんですが、BARAKAでは完全に指弾きの超絶プレイ(しかも5弦ベース!)でした。このBARAKAのLIVEについては大宮レポートを書き終えましたら改めて記事を書かせて頂くつもりでいます。

「STEPPIN' STONES」以降「箍が外れた」と言うYOKO君は、この「TOKIO」でも珍しく最初からおいっちに体操に参加。彼をよく知る僕にとってはそのことだけで「ど真ん中神席」の威力を実感できる「TOKIO」でした。

28曲目「
ウィンクでさよなら

Royal2

ジュリーの「ときお・・・ときお・・・」の「自分ディレイ」から間髪入れずイントロへ。
この流れは「TOKIO」エンディングの唐突さをそのまま盛り上がりに変える勢いがあり、「なるほど」というセットリストの流れです。ジュリーとしては計算してのことでしょうね。

最初の「あい・ら~びゅ~♪」の求愛ポーズは僕らの斜め右のお席のお姉さんが独り占め!
この時のジュリーはステージ前方ギリギリまで進出していましたから、僕ら2列目から観ていても「うわ、近い!」とビクンとするほど。最前列のそのお姉さん、倒れちゃうんじゃないかと思いましたよ~。

29曲目「
危険なふたり

Royal

僕もYOKO君も大好きなシングル(2人ともリアルタイムの記憶は無いんですけどね)。
セットリストとしては常連ですが、何度聴いてもまったく飽きない1曲です。
YOKO君とこの曲の話をする度に話題に挙がるのは、「リフのどの部分がチョーキングなのか」と。
僕は今回、その点完璧に(顔はジュリーを向いて、目だけ柴山さんチラ見という状況でしたが)確認しました。1音目ではなく、2音目から3音目でやってるんですね。

どうやら今ツアー、「年上のひと・物色」コーナーはナシ、とジュリーは決めているようで、ちょっと残念・・・。
でも歌詞に合わせたパントマイムは随所にあり、肉眼でそれを楽しめる神席、本当に有難いことです。

松戸公演に誘っているベーシストの友人は、YOKO君とスタジオに入った際にこの曲を合わせたことがあるそうで、依知川さんのベースをはじめ「危険なふたり」の生演奏を楽しみにしているのだとか。早く来い11月!

30曲目「
ダーリング

Konndohakareina

YOKO君、指舐めやらなかったなぁ。『ジュリー祭り』では堂々とやってたんですが。

さて、この項を書いている時点でツアーは神戸公演が終わったところ。
じっくり書き進めているとは言え、さすがに50曲もあるとなかなか完結が見えませんが、その間ジュリーの髪も順調に伸びているようで、先輩方のお話ではフサフサ感も出てきたそうです。
となると僕はこの「ダーリング」の「短い髪の毛を手で確認しながら無理やりかき分ける」ヴァージョン、大宮で見納めだったということですな~。

最前列のお姉さま方は、「あなたが欲しい♪」からのアクションをジュリーに倣って完璧に合わせます。
「勝手にしやがれ」の壁塗り同様、こういうのは後方席から観ると圧巻でしょうね。

31曲目「
麗人

Royal3

イントロ、久々にYOKO君が僕の太腿をゴツンゴツンと。ようやく彼も「麗人」の初体感成りました。
「追憶」同様にこの曲についてもYOKO君曰く「グレースのキックはバスドラが光る!」のだそうで。これが本当にそういう演出(仕掛け)になっているのか、特別な感性を持っている人だけに見える光なのか・・・今後の参加会場で神席チケットをお持ちのみなさま、チェックをお願いいたします~。

ジュリーの首のアクションは、明らかに架空の三つ編みを振り回していますよね。最後の「アァァ!」は信じられないほどカッコイイです。
エキゾティクス期では個人的には一番好きなシングル。加えて、作曲家・沢田研二の凄味を感じさせるヒット曲でもあります。
「恋はもともとそういうもの♪」と「心ばかりか体までも♪」の2行のメロディーの並びだけで、ジュリーの天賦の才が隠し切れずにほとばしってしまう大名曲!

32曲目「
SPLEEN~六月の風にゆれて

Panorama

初日はただただ矢継ぎ早に繰り出される名曲の数々に心奪われポ~ッとするばかりで、バンド演奏の細かい点の記憶がほとんど残りませんでした。
例えばこの「SPLEEN~六月の風にゆれて」は、2012年にセトリ入りした際には2番からキーボード以外の楽器が荘厳なフェスティバルのように噛み込んでくるアレンジでしたが、「さぁショート・ヴァージョンの今ツアーはどうなってる?」と大宮では特に注目。

今回は、演奏が泰輝さん、歌うジュリーと完全な2人体制のようですね。
GRACE姉さんが何か味つけをしている可能性はありますが、柴山さんと依知川さんはフリーのようで。
これはこれで、50曲という贅沢なセットリストの流れの中でひと捻り効いているアレンジと言うか、強いアクセントになっていたと思います。
セトリの配置的にも、一般ピープルに「こんな曲も歌ってたんだよ」と引っかかりを持って貰えそうな感じ。松戸では終演後に音楽仲間から「エリナー・リグビーみたいな曲があったね」と話題に上る1曲なんじゃないかな。

33曲目「
きわどい季節

Royal80

初日、大宮と今ツアーを2度体感して、もうセットリストの演奏順は完璧に覚えた・・・と言いたいところだけど、正にこのレポを書いていく際に「はて?」と分からなくなったのが「きわどい季節」と前曲「SPLEEN~六月の風にゆれて」の順序。
どっちを先に歌ったんだっけなぁ、と(汗)。

こういう時は敬愛する他じゅり風呂さんにお邪魔してカンニングするわけです。
星のかけら様のところで曲順を確認させて頂きつつ、今ツアーのセットリストにシングルのリリース年を付記してくださっている御記事を改めて拝見しました。
CO-CoLO期の名曲が多く採り上げられていることに、今更のように喜びを噛み締めます。
ツアー前、多くのジュリーファンの予想の中には「1年に1曲で計50曲」説があり、僕も「律儀なジュリーのことだからその可能性はあるなぁ」と思いましたが実際にはそうではなく・・・星のかけら様が纏めてくださったところによれば、まず1978年が4曲と最も多く採り上げられ、次いで1982年と1987年が3曲ずつ。
78年と82年についてはまぁ妥当と言うか「確かにこれは外せないか~」という一般ピープルにもお馴染みの曲が並ぶ一方で、87年から3曲のセトリ入り(「きわどい季節」「STEPPIN' STONES」「CHANCE」)というのは本当に素晴らしいサプライズでしたね。

「きわどい季節」はやっぱり加瀬さんを送る2015年のツアーを強く思い出す1曲。
同時に、ジュリーの歌を通じて阿久さんの詞に87年という時代を確かに感じ取れます。
ちなみにYOKO君は阿久さんのジュリーへの最後の提供曲である「Stranger -Only Tonight」の詞をいたく気に入っていて、開演前には「聴きたい、聴きたい」と言っていましたが今回はお預け。
いつか僕らが生体感できる日は来るのでしょうか。

34曲目「
鼓動

Iikazeyofuke

先日、日頃からジュリー道の師と仰いでいる先輩からティアラのレポを頂きました。
その先輩の独特の視点、感性には毎回驚嘆させられっ放しで、今回も新鮮な気持ちで拝見しましたが、特に僕がビビッ!と来たのは

”今セトリでは、「greenboy」「明日は晴れる」「鼓動」の3曲の”重心”が面白い”

とのお言葉。
確かに「greenboy」と「明日は晴れる」の特殊な配置には僕も気づいていたけれど、「鼓動」を合わせての3曲を、今年の豪華絢爛なセットリストの「重心」と読み解く感性には目からウロコです。言われてみますとまったくその通りなんですよね。
ジュリーの絶妙なバランス、独特のプロデュース感覚。加えて、先輩によればこの3曲はジュリーの歌に「覚醒する」感じを受けるのだそうです。
これも何となく分かります。「ヒット曲」ではないけど、外に向かって真摯に、ひたむきに「歌手・ジュリー」が開放される3曲、ということでしょう。
次回参加の松戸公演では、もう一度無心に戻って「鼓動」の歌声に注目してみたいと思います。

35曲目「
忘却の天才

Boukyaku

YOKO君待望のダイブ曲。
本当は興奮してもっと大暴れしたかった筈ですが、目の前のジュリーに気圧されて「うぉ!」とか「素晴らしい!」とか口を突くのが精一杯の状態のようでした。
彼は覚さんの「突き抜け系」の詞が大好きで、特にこの曲は語り口が好みドンピシャなのだとか。
考えてみればYOKO君のオリジナル曲にズバリ「いいじゃん」ってのがありますからね(←ただしこちらは男同士の歌です笑)。

生で聴くと改めて歌詞だけでなくヴォーカルもアレンジも相当キテる曲だなぁ、と。
で、こういうセットリストの流れで聴くと、たとえテイクは同じだとしても、シングル盤のCDが欲しくなってきます(この曲に限ったことではありませんが)。
数年前にはLIVE会場で2000年代のシングルCD販売がありましたよね?今はどうなんだろう・・・。

36曲目「
ポラロイドGIRL

Karehanemurenai

大変な盛り上がりで、ジュリーのジャンプもキレッキレ、バンドの演奏も最高だったのですが・・・大宮のこの曲についての僕の感動は、エンディングの水噴きシーンにすべて持っていかれてしまいました。
今回のセトリでは基本、この曲と「愛まで待てない」でジュリーの水噴きがありますよね。僕は今まで、ジュリーの水噴きはステージ前方からお客さんに飛沫がかからないギリギリのラインを計算して「ぷ~っ!」とやっているのかなぁと考えていました。
しかし。

ど真ん中2列目までは若干量飛んでくるんですね!

いや、本当に微々たる量で、例えて言うなら「あれっ、雨かな?」という程度なんですが、なにせジュリーが一度口に含んだ水飛沫なわけですから。
たぶん最前列のドセンターのお姉さん達にはもっとハッキリ「ポツポツッ」って感じだったんだろうなぁ。
そして・・・飛沫が噴き上がるシーンがすごくゆっくりに見えるんです。幻想で虹が見ちゃうくらい。
厳かな、畏れ多い瞬間です。
いやいや、得難い体験でした。こんなことはもう二度と無いでしょうな~。

37曲目「
Pray~神の与え賜いし

Pray

瑞々しく胸に染み入るヴォーカル。特に「こと~ではな~く~♪」の箇所は声量も上がり艶も増して、メロディーの美しさを再確認しました。

震災後のマキシ・シングル群は収録曲すべてそうですが、CDで聴くと確かに僕らの中に痛みを残す、ということはあります。でも実際に生のLIVEで聴くと、この曲などはジュリーのヴォーカルに「痛み」はまったく無い、と感じます。
2012年のツアーで、『3月8日の雲』収録4曲を歌い終えていったん休憩が入り、セットリスト後半初っ端に続けざまに歌った「約束の地」「君をのせて」「我が窮状」「時の過ぎゆくままに」のバラード4曲を僕は当時京極夏彦さんの小節になぞらえて「憑き物落とし」のバラードだと解釈したことがありました。今考えると2013年の「Pray~神の与え賜いし」はそれ自体が前年の憑き物落とし的なタイトルチューンだったのかなぁ、と。
歌詞には怒り、悲しみがあり具体的に特定の人物への揶揄も含まれる過激な作品ではありましょうが、やはりジュリーの場合は「生の歌を聴いてそれぞれがどう感じるか」が肝要。
心洗われるバラード・・・僕らファンにとってこれも間違いなくジュリーの名シングル曲です。

38曲目「
un democratic love

Undemocraticlove

リリース順ではなく、前曲「Pray~神の与え賜いし」とバラードを繋ぐセトリ配置で臨んだジュリー。
この2曲には「祈り」の共通点もあります。それは、特定の人物への怒りや糾弾を明確に内包させつつ、最終的にはそのマイナスの感情を大きく凌ぐ清らかな志を持つ者の深い祈りです。
もちろん楽曲への解釈はリスナーそれぞれで、この「un democratic love」については「嘆き」を見て取る若いジュリーファンがいらっしゃることも知っていますが、僕個人はこの曲に「後ろ向き」だったり「落ち込んでいる」といった感覚はまったく持ちません。
前向きで、堂々と矜持を歌い聴き手に希望を託す、勇気あるバラードだと思っています。
これは、対外的に問題作と捉えられるのを承知で踏み出す勇気というものではなく、自らの内から自然に溢れる勇気なのですね。この勇気はどんな人でも持っているはずのものだけど、多くの人は自分が持っているその力に気づけないでいて、ジュリーの歌はそれを思い出させてくれる、奮い起こしてくれるのです。
ですから僕の中でこの曲は「自由に歩いて愛して」とも(聴く際の気持ちが)似ています。
今年の「un democratic love」はショート・ヴァージョンで、僕が曲中で一番好きな歌詞部「君と同じ以上に 自由が好きだよ♪」は歌われないのだけれど、初日、大宮ともにジュリーの歌うこの曲を聴いて、僕自身が持つささやかな勇気の確信を新たにしました。

泰輝さんのピアノも素晴らしい入魂の指さばき。
歌詞のことだけでなく、志の高い名曲だと思います。

39曲目「
こっちの水苦いぞ

Kottinomizunigaizo

初日のレポで、僕はこの曲を聴くたびに故郷・鹿児島の川内原発を思う、と書きました。そのせいか、目の前のジュリーが「霧島の廃炉想う」と歌ったように錯覚してしまった、と・・・。
有難いことに大宮では、錯覚ではない出来事が。
ステージを下手から上手へと歩いてゆく途中、ちょうど僕の目の前を通りかかったジュリーがこの日確かに「鹿児島」と歌いました(「桜島と川内断層」の部分)。
歌詞を変えて歌ったのではなく、「桜島」が誤って「鹿児島」になってしまった感じでしたが、これにはさすがにドキリとさせられました。

一方、今ジュリーがツアーを邁進する中、原子力規制委員会が新潟柏崎刈羽原発6、7号機について「再稼動適合」の見通し、とのニュースがありました。
刈羽が川内や伊方などと異なるのは、これは東京電力の原発であり、「東電が原発を稼動させる適性があるのか否か」という議論が審査段階で持ち上がっていることです。東電側のコメントとしてニュースでは「覚悟」の文字が躍っていますが、僕には現時点でその言葉に対し「軽々しいな」という印象しかありません。

ジュリーの「こっちの水苦いぞ」の詞には2つの側面があると思います。
まずは「誰かが吐き捨てた飴玉に群がる蟻がごとき人間の欲望の様を俯瞰して見よ」という面。
もうひとつは「この空しいマネー・ゲームをいつまで続ける気でいるのか」という面です。
昨年亡くなったプリンスが「マネー・ドント・マター・トゥー・ナイト」という曲で1991年に歌っていたように、名も無き一般人の視点で語られ始めた詞が発展し、世の経済面、軍事面への言及に至るというメッセージ・ソングは、「後になって振り返ってみれば、それは誰の身にも起こり得ることだったのだ」という警鐘の喚起でもあります(プリンスの場合は湾岸戦争を念頭にしていることは確実)。
名も無き一般人のひとりである僕のような者のしょうもない日常に起こり得ることで例えるならば、僕はギャンブルから足を洗って20年以上になりますけど、時代が変わり、今は競馬の馬券もスマホで簡単に買えちゃうんだとか。財布持ってウインズに行って、お札が減っていくのを目で見ながら結局スッカラカンになってトボトボ帰宅するのと違い、スマホのギャンブルはお金が実態の見えない「数字」でしかないわけで、「財布からお札がなくなる」という明確な「際限」がありません。
欲望にまかせて続けていると、気づかない間に取り返しのつかない大変な状況になってしまう・・・そんな様子を世の経済、軍事の「生産と消費」(凄惨と傷悲)に当て嵌めてみろ、ということ。「こっちの水苦いぞ」は、そうした手法の名曲だと僕は考えています。

YOKO君曰く、「この曲のコーダ・アルペジオはステージの左(下山さん)と身体に染み付いていたので、右の柴山さんが弾いた瞬間はスリリングだった」と。
僕はお正月に聴いてるからそんな感覚は無かったけど、言われてみればそうだなぁと思いました。
柴山さんはアルペジオへ移行する瞬間にエフェクターは踏みますが、それまでの歪み系を合わせて生かした設定となっていて、完全に擬似アコギ設定で弾いたお正月とは音色がかなり違いますね。

40曲目「
ISONOMIA

Isonomia

今年もYOKO君と個別にジュリーの新譜2曲を採譜しまして、大宮のビフォーで答え合わせをしました。
「ISONOMIA」については、イントロから続く「A→Aadd9→Asus4→A→Aadd9→A→BonA」
もお互いまったく同じフォームでコピー(「A」を2フレットのローコードで弾く)していたことが分かり、「これは間違いないね」と言っていました。
そういう話が直前に出るとやっぱり柴山さんの手元を確認したくなり、この曲ではジュリーのオーラに全力で抵抗して上手をチラ見。すると・・・柴山さん、かなりのハイフレットで弾いてる!
これはYOKO君もチェックしていたようで、終演後に「ハイだったねぇ」と。
後でCDを聴き返してもローにしか聴こえなくて、これはYOKO君もそう言っていますから、CDでの白井さんの演奏と、ステージでの柴山さんの演奏が異なっている可能性が考えられるところ。次回松戸公演の直前にCD音源を聴きこんで、柴山さんの演奏とのトーンなどに違いがあるかどうか再度確認したいと思います。

案の定YOKO君、手拍子の変則箇所にあたふた。
目の前でジュリーが物凄い迫力で歌っているので、僕も「依知川さんを見て!」とはとても言えず(笑)。
まぁ、松戸ではおそらくYOKO君、後方席からのリベンジとなるでしょう。これ以上神席が続いたら、さすがにバチが当たります。

41曲目「
シーサイド・バウンド

Tigersred

大宮はこの曲の前のMCも長くてね~。
と言うか「灰とダイヤモンド」の前のMCからもう長くて、その度に「長くなってきましたので、続きはまた後で!」と、大長編MCを3度に分けてしてくれた感じ。
結果、公演時間は驚異の3時間15分。大宮は毎年MCが長いですが、ここまで長かったのは初めて体験しました。そのMCの内容については50曲目の前に!

この日の「シーサイド・バウンド」では初日には聞けなかったジュリーのタイガース・オリジナルなシャウト・フレーズもあり、大いに盛り上がりました。
YOKO君も楽しそうにしていましたが間奏のステップはスルー。これはジュリーファンとしてはいただけませんな~。松戸では開演前に指導しておきます。

42曲目「
”おまえにチェック・イン”

Wonderfultime

柴山さんのエフェクト設定が大きく変わりました。
初めて生で聴いた『ジュリー祭り』以降ずっと、この曲での柴山さんのギターはぶっとい音でサスティンもディレイも効きまくって、とにかく豪快にはっちゃけて弾くイメージがありましたが、大宮ではほとんどナチュラル・トーンの設定。
エフェクターを踏み忘れたとは思えないですし(もしそうなら途中で修正したはず)、これは柴山さんが「今日はこう」と決めた設定だったのでしょう。この日だけそうしたのか、それとも初日以降何処かの会場でそうしてからずっとそうしているのかは不明ですが・・・。
細く繊細な音をゴリゴリに弾く感じです。派手さはありませんが逆にギタリストとしての実力が伝わりやすい、余分な装飾の無いソリッドなソロと言えます。
加えて、ギター1本の編成にあって依知川さんの小節頭打ちのグルーヴ、泰輝さんの細かいフレーズ挿入も引き立ち、「ジュリーが自由に泳げる」アレンジへと昇華。次回松戸で再度のチェック・ポイントです。

間近で観るジュリーの「OH MY GOD♪」は格別。
あと、片足に重心を乗せている時のジュリーは膝の角度が本当に綺麗ですねぇ・・・。

43曲目「
サーモスタットな夏

Samosutatto

どセンター神席だと意外に弦楽器隊をガン見できない、と身をもって知った大宮でしたが、この曲と「愛まで待てない」の依知川さんは例外。大宮でも僕らの目の前にやってきて演奏してくれたシーンがありました。
「サーモスタットな夏」のそれは間奏部。
ジュリーの合図を受けて上手前方に進出しソロを弾く柴山さん、その隣にジュリー(センターと上手の間)、そしてど真ん中に陣取るのが依知川さん。3人横並びで「ス・ト・リ・ッ・パ・-」に勝るとも劣らぬ楽しい楽しい横揺れタイムとなります。
依知川さんはニッコニコで弾きまくり。柴山さんがソロに専念するので隙間なく音を繋げる渾身のサーフィン・ビートなベース演奏です。素晴らしい!

あと、要所要所でジュリーのヴォーカルに絡む愉快な裏声の合いの手は、ほとんどが泰輝さんの担当だったようです。

一般的に有名な曲でこそありませんが、「シーサイド・バウンド」からの9曲の佳境の流れの中にあって、初めてジュリーLIVEに参加したお客さんも一体となって楽しめるタイプの曲ではないでしょうか。

44曲目「
晴れのちBLUE BOY

Royal3

初日のレポにも書いた通り、とにかく依知川さんのベースが効きまくり!なジャングル・ビート。

今年のこの曲はジュリーのLIVEとしては珍しく打ち込みを大々的に導入しています。
先日久しぶりに『ジュリー祭り』の映像を見返す機会がありましたが(いつもお世話になっている先輩の還暦記念パーティーにて鑑賞)、バンドの音のイメージはずいぶん違いますよね。
今回はギターが1本体制でブラッシング・パート(「ちゅっくちゃっか、ちゅっくちゃっか♪」ってヤツね)が不在となるため、策を練ったようです。

「woo、chachacha♪」の後に頷くように軽くヘドバンするジュリーがカッコイイです。上半身と下半身のリズム・バランスがとても自然で。
斜め左にいらした最前列のお姉さんが、手拍子ではなく腕を振ってリズムに合わせているのが心地良さげで、思わず僕も途中からマネしてしまいました。

45曲目「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」

Royal3_2

こちらは鉄人バンドのアレンジからの変化がさほど感じられないのがまた不思議な魅力。音そのものはだいぶ変わっている筈なのですが、インパクトは僕が『ジュリー祭り』以降親しんできた感覚そのままです。
特にスネアを意識して聴いている曲でもありますね。

YOKO君は指舐めこそやっていませんでしたが、エンディングで「ハイ!」をジュリーと合わせよう、と構えているのがビシビシ伝わってくるという(笑)。バッチリ決まった瞬間に「よっしゃ!」とか言ってました。

この曲は松戸公演に誘っている音楽仲間全員も確実に「サビで拳振り上げがある」ことを知っている曲で、そこは全員が会場と一体となって参加できるでしょう。
その上で僕とYOKO君2人は最後の「ハイ!」をビシッ!と合わせ、ジュリーファンとしての正しい姿を彼等に見せつけたいと思います。

46曲目「愛まで待てない」

Aimadematenai

ここから一般ピープルにあまりお馴染みではない曲で最後の攻勢が続きますが、「知らない曲だけどとにかく盛り上がる、ついていく!」という、正に僕らが『ジュリー祭り』で経験した新鮮な感覚を、今年も多くのお客さんが心に刻むことになるでしょう。

歌メロの前にジュリーと依知川さんが2人でヘドバンするのは今ツアーお馴染みのシーンとなったようで、大宮では本当に目の前で観ることができました。
笑顔でグイグイとネックを振りかざす依知川さんに煽られるようなジュリーの「必死」ポーズは凄まじい吸引力。実際には充分な体力の余裕あらばこそ、でしょうね。
「みなさんから見たらスキップしているようにしか見えないのかもしれませんが、本人は走っているつもりなんです」との恒例のお話もMCでありましたが、いやいや走ってますよ~。駆け回っています。
これにはジュリーの年齢を知っている新規のお客さんもブッたまげるのではないでしょうか。
「彼女はデリケート」と共に、ジュリー高速ビート・ナンバーの代表格。これらの曲をステージで歌い続けている限りジュリーはまだまだ若い!と思える1曲です。

47曲目「
ROCK'N ROLL MARCH

Rocknrollmarch

この曲にベースが入ったらたぶんこんなふうに弾く、という話を以前何かの記事で書いたことがありましたが、その時の僕の予想は全然外れました。
ただ、依知川さんのフレーズに驚き感動したことは覚えていても、具体的にどんなベースラインだったかの記憶が(汗)。松戸公演の宿題ですね。
にしても、さすがに50曲ぶんのレポは大変です。今この項を書いている時点で大宮からはもうひと月以上過ぎていて、この曲のベースに限らず、どんどんバンド演奏の記憶が怪しくなっています。次回からはちょっと書き方考えないとなぁ(でも、間近で観たジュリーの表情や仕草は何日経っても覚えてるんですよね)。

YOKO君の「HEY!HEY!HEY!」の拳振り上げはずいぶん久しぶりに見たような。
『ジュリー祭り』直前に「ああいう曲にベース入ってないのってどうなの?」などと言い合っていたヒヨッコ2人も、あれから9年、今やベースレスの鉄人バンドへのリスペクトを経て、遂にベースありの「ROCK'N ROLL MARCH」を生体感しました。
先日『ジュリー祭り』DVDを観たという話を先に書きましたが、この9年間はあっという間だったような気がしていても、皆それぞれ年を重ねているんだなぁと。
観ている皆でそんな話をしていました。

48曲目「
そのキスが欲しい

Reallyloveya

まずは間奏のこと。初日はここで依知川さんが前方に進み出てきてから「あれえっ?」という感じで定位置の柴山さんをチラチラ見ていたのですが、大宮では柴山さんも揃ってステージ前方に進出。
初日が柴山さんの「うっかり」だったのか、それとも依知川さんが後で柴山さんに「あそこは2人で前に行きましょうよ~」と話されたのか・・・そのあたりは分かりませんけど、やっぱりこの曲の間奏は弦楽器隊が揃ってせり出してくる方がしっくりきます。
直後のジュリーの「そのキスが欲しい~♪」からの「きゃ~!」もその方がインパクトが強いですしね。

さてその「今セットリストで最強に盛り上がる」と言っても過言ではない、間奏直後の「そのキスが欲しい~♪」のシーンなんですが、もう真正面のジュリーが至近距離でグイグイ攻めてくる、挑発されてる、って感じで。僕もYOKO君もたじろくしかありません。
「俺様」ジュリーの真骨頂・・・肘をクイッと手前に引き寄せる仕草なんて「俺だけ見てろよ!」と言わんばかりでね。だからこそ、間奏ではバンドが目立った方が良い、とも言えるのです。
これまで何度も生で体感できている曲ですが、間違いなく過去最強に「いい思いをさせて貰った」今年大宮での「そのキスが欲しい」でした。

49曲目「
永遠に

Dairokkan

激しいビート・ナンバーから間髪入れずバラードへと転ずるヴォーカルこそ、ジュリーLIVEの真骨頂。今回のセットリストで一般ピープルのお客さんが「うわ、こんなにいい声なのか!」と特に驚く曲は、「ポラロイドGIRL」の次の「Pray~神の与え賜いし」か、「そのキスが欲しい」の次・・・この「永遠に」かもしれません。

初日は(僕にとって超サプライズの選曲&セトリ配置だったので)ひたすらジュリーの歌に浸るばかりでしたが、少し余裕のあった大宮では、バンド演奏にも耳を傾けてみました。
今回の「永遠に」は『第六感』のアルバム・ヴァージョンに近いアレンジですが、柴山さんがあのギター・オーケストラをすべて再現しているわけではなくて(物理的に無理)、メンバーそれぞれ新たに手管を尽くした「2017ヴァージョン」、とするのが正しいでしょう。
歌の感情にピタリと呼応するGRACE姉さんのクラッシュ・シンバルが素晴らしいです。注意して聴いていると結構力強く「ばしゃ~ん!」と叩いているのですが、気づかずにいるお客さんも多いんじゃないかな。
つまり、ジュリーの歌をまったく邪魔しない自然な打音ということですね。

この曲のタイトル、先輩方やJ友さんとお話していると「えいえんに」と言う人と「とわに」と言う人とほぼ半々に分かれるんですが・・・正解はどちらなのでしょうか。

渚でシャララ」(スクリーン上映)

Juliewiththewildones

ジュリーとバンドがいったん退場すると、隣で放心状態のYOKO君に声をかけました。
「YOKOさ~、2年前にシャララ・ダンスの練習してたじゃん。まだ踊れる?」
なんだなんだ?といった感じながらもYOKO君はハッキリ「踊れるよ!」と。

ということで再度スクリーンが降りてきまして、例の映像が流れ始めます。
「そういうことか!」と心得たYOKO君と男2人、着席状態ではありましたが無事全編踊ってきましたよ~。
YOKO君の記憶は完璧、要所要所で
「おひけえなすって!」
とか
「ハート!」
など、次の動作をラジオ体操のようにナレーション付でリードしてくれました(笑)。
映像はジュリーを追いかけているので鳥塚さんや植田さんのヴォーカル・パートではダンスのシーンは映らないのですが、YOKO君はまったく迷い無く正調・シャララ・ダンスを繰り出していましたね。

後日「これで加瀬さんに許して貰えそう?」と聞くと
「いや、まだ駄目。俺ら2人の動きが合ってなかった。瀬戸口さん松戸までにもっと練習しといて!」
だそうです。マジですか・・・。

~MC~

「あの時加瀬さんは、優しかった・・・」

僕がこれまで参加してきたジュリーLIVEの中で間違いなく最長だったこの日のMC、個人的に一番心に残っているジュリーの言葉がこれです。

50周年記念ツアーということで、今年のMCは各会場とも「これまでの歌人生を多角的に振り返る」内容となっているようですね。
セットリストはもちろん、MCについても「自分に関わったすべての人への感謝」がコンセプト。ジュリーは特に、ずっと自分を応援し続けてきた長いファンの先輩方に向けて歌い、語りかけていると僕は感じます。
ジュリーの「振り返り」話を、「うんうん、そうだったそうだった」とか「あぁ、あの時ってそういうことだったの?」とか、そんなふうに聞けるのって、リアルタイムでジュリーを観続けている人の特権なんだなぁと、僕などはただただ羨ましく思うばかりで。
少しでも先輩方に追いつきたい、その境地に近づきたい・・・それにはとにかく勉強するしかないのですが、この日の大宮のMCで、つい最近僕自身が気合を入れて勉強したばかりの話題、「パリのレコーディング秘話」が語られました。この話だけはヒヨッコ新規ファンの僕も「ほうほう、あの時そうだったんだねジュリー」と、リアルタイムでずっとファンだった先輩方に近い心境で話を聞くことができたんじゃないかと思っています。
他にも色々な話がありましたが、ここではそのパリの話題に絞って「大宮MC振り返り」とさせて頂きますね(全編網羅できずにすみません)。

パリで「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」を最初にレコーディングした時の話です(多くの先輩方には必要ないでしょうが、僕が勉強していた内容について
こちらの記事のチャプター③を参照して頂ければ、話の推移が分かり易いかと思います)。
フランス・ポリドールの若いプロデューサー、ミッシェルさんに発音指導を受け、なんとか「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」の歌入れを終え一旦ロンドンに戻ってきたジュリー(&加瀬さん)。
そこにパリから電話があって、「もう一度こっちに来てレコーディングし直して欲しい」と。
ミッシェルさんの上司・フランス・ポリドールの製作部長であるピエールさんが「発音がダメだ!」と言ったらしいのですね。
一度フランス人のミッシェルさんがOKを出したテイクなのに、一体どういうことでしょう?

大宮でジュリー曰く
「ミッシェルは最初から全部つき合ってくれていて、歌詞の内容とかもすべて分かっているから、発音が多少悪くてもそう聞こえる(歌詞の通りに)んですね」
ただ、上司のピエールさんはそうではなかったと。マッサラな状態で歌を聴いて「これじゃあダメだ」と判断したということです。

再度パリに渡ったジュリー、今度はピエールさんから直々に発音指導を受けて果敢に歌録りに挑むも悪戦苦闘。基本中の基本である「ジュ」(日本語で「私」)からして「違う!」と何度もダメ出しされたんですって。

ピエールさん「君のニックネームは?」
ジュリー「ジュリー・・・」
ピエールさん「それだ!」

「それだ!言われてもこっちはワケ分かりませんがな」と笑わせてくれたジュリーですが、近くで観ていたから気づいたんですけど、このあたりでちょっとジュリーの表情が変わったのね。優しい、と言うかなんとも言えない慈しみの目になって。
ジュリーは加瀬さんの話を始めました。

「僕らがそうやっている間(ダメ出しの連発で、場の空気も煮詰まっていたでしょうな~)、加瀬さんはじっと黙ってピアノに肘をついて見守っていたんですが、ふと「メシでも食いに行こうか!」と言ってね」

お昼ご飯だったのか、早い夕食だったのかまでは話が無かったんですけど、加瀬さんはジュリーを食事に連れ出して、こんなふうに言ってくれたのだそうです。

「できなかったらできなかったでいいんだよ。たいしてイイ曲じゃないんだからさ!」

もちろん、「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」は詞曲ともに素晴らしい曲です。加瀬さんももちろんそう思っている・・・ただ、こんな表現でジュリーの気持ちを和らげることができるのもまた、加瀬さんしかいないんですよね。
加瀬さんならそんな言葉にも全然嫌味がないですし、「この曲がダメでも、俺がまたイイ曲作るからさ」というニュアンスでもあるでしょうし、とにかくジュリーはよほど嬉しかったのか、その後40年以上経ったこの日の大宮のMCで「あの時加瀬さんは、優しかった・・・」と、しみじみ語ったのでした。

グ~ッときましたねぇ。
今年になってラジオ音源『愛をもとめて』でパリ・レコーディングの回を勉強していなかったら、僕はここまでの感動は味わえなかったと思います。
長いファンの先輩方が今年のジュリーの「振り返りMC」を聞く、というのはこういう感覚なのか、と心から理解した・・・そんな気持ち。
ラジオでは、加瀬さんの話まではしていませんでしたからね。よく知っているジュリーにまつわる出来事を、ジュリー自身の口から聞き、その中にひょい、と初めて聞くちょっとした逸話が混じっているという。
初日のレポで、「ジュリーと先輩方の相思相愛が羨ましくて仕方がない、僕もなんとかその境地に追いつきたい」ということを書きましたが、大宮でのこのパリ・レコーディングについてのMCだけは、それが達成できたような気がしています。
やっぱり日々コツコツと勉強はしておくものですな~。

加瀬さんの言葉に癒され気持ちを新たにしたジュリーはそこから見事「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」の歌入れを完璧にやり遂げ、ピエールさんも「素晴らしいものができた。これは売れる!」と太鼓判を押した・・・そして結果はその通りに大成功、遂にはフランス・ポリドールのゴールデン・ディスクを受賞、わざわざ来日したピエールさんからトロフィーを貰った・・・と、そこまでの話は大宮では無かったですが、それを知識として知っているだけで余計に感動できました。
一生懸命にやって結果が出る、ジュリーはそういうことを大事に思う人なんだとも改めて感じました。

MCはその他、同曲のスペイン語ヴァージョンの話、『パリの哀愁』撮影の話など盛りだくさんでお客さんも笑いっ放しでしたが、僕が特に胸に残った話ということで、この項ではパリ・レコーディングの話題だけを採り上げてみました。
この感動、大宮に参加していない先輩方には伝わったでしょうか?

ジュリーは最後にファンの健康を祈念してくれた後
「ということで・・・本日のワタシの短い挨拶に代えさせて頂きます!」
と、大爆笑を誘いこの日の長時間MCタイムを締めくくりました。本当に楽しい時間でした・・・。

50曲目「いくつかの場面

Ikutuka

この曲については多くの先輩方が、ミラーボールによる照明演出の感動を語っていらっしゃいます。
実は僕は初日、大宮とも席がステージに近すぎたので(←コラコラそういう書き方はいい加減怒られるぞ)、ミラーボールには気づけていません。ただ、ジュリーの顔に光の点と影が交互に降りかかるのが間近に見え、幻想的な照明だなぁとは感じていました。きっとそれがミラーボールのシーンだったんですね。

「できるならもう一度僕のまわりに集まってきて」
そんな照明含めたステージングは、間違いなくこの歌詞部をコンセプトとしているでしょう。
無数の光がジュリーの周りを通り過ぎ、集まり、散り、また戻ってくる・・・次回の松戸ではミラーボールに注目してこのフィナーレを待ちたいと思っています。

間奏での柴山さんの「鉄人バンド」スタイルのソロ再現にも改めて感動しました。
でも、初日から連続の神席だったというのに、大宮でもサムピックの有無を確認できませんでした。あの奏法なら、親指には装着してると思うんだけどなぁ。

エンディングでジュリーが自らの身体を抱きかかえるシーンには、なかなか言葉が見つかりません。
神聖、と言うのも軽いと思うほどに尊い何かが凝縮された感覚・・・ただただこのシーンをど真ん中の至近距離で観られたことが有難く、感謝するばかりです。

☆    ☆    ☆

初日とはまた感慨の違う素晴らしいステージでした。
今回YOKO君が「特に感動的だった」と挙げた曲は「STEPPIN' STONES」と「LOVE(抱きしめたい)」でしたが、翌週のメールでは「すべてがダイブ曲、何もかも素晴らしかった」と。
ちなみにYOKO君がこの日のジュリーのMCで一番心に残ったのは、『ジュリー祭り』開催までのいきさつだったそうです。「沢田研二ではお客さんは入らない」と言われて逆に火が点いた、という話、僕は何度かこれまでの参加LIVEでジュリーの口から実際に聞いたことがありましたが、年一度の参加が基本のYOKO君(今年は2回ですが)は初めて知った逸話だったみたい。

バンドの演奏については、僕は初日に続いて2度目の参加でしたからYOKO君に比べると細々とした点にも多少は目が行ったとは言え、真正面に立つジュリーのオーラは想定以上に凄まじく、まだまだ気づけないでいることも多いはずです。
とりあえずは次回の松戸・・・このレポを書いている間にもうあとひと月ちょっと、というところまで来ましたが、それぞれギター、ベース、ドラムスに精通している音楽仲間と共に参加できますので、またまた違った楽しみ方もでき、新鮮な感想が聞けそうです。

さて、僕のジュリーファン・キャリアでは史上最長となった今年の大宮公演のMC(大宮MCは毎年長いのですが、今年は抜きん出ていました)、最後にひとつだけ気になった内容について書いておきましょう。
「毎年いっぱいになる会場」とのことでジュリーお気に入りであろう大宮ソニックシティ公演は、残念ながら来年の古希ツアーからは外れているのだそうです。
埼玉の公演としてその代わりの会場に「ええトコがあるんですよ~」と意味深に話してくれたジュリー。ニュアンス的には「まだ詳しくは言えないけど、ここでこっそり予告しておきます」みたいな感じで。
現在埼玉県民の僕としては、自宅近くの市民会館なんかもチラッと頭をよぎったわけですが、ジュリーのあの雰囲気はそんな小さい箱の話ではなさそう。何か「特別感」が漂っていました。
となると第一に考えられるのは、さいたまスーパーアリーナです。
ツアー途中の1会場とするにはかなり大きな会場ですが、今のジュリーの勢いならそれも不思議ではありません。もしそうなら・・・ツアー・ファイナルはたぶん武道館でしょうから、どういった日程で組み込まれるのかにも期待が膨らみます。
実現となればもちろん、何を置いても駆けつけたいと楽しみにしているところです。

いやはや、いつも以上に完成までに時間がかかったレポとなってしまいました。みなさまには長々とおつき合い頂くこととなり、申し訳ありませんでした。
さすがに50曲のセットリストを従来のスタイルで書くのは大変です。
松戸のレポをどのように書くかはまだ考えていませんが、何か工夫が必要でしょうね。

それでは今後の更新予定ですが、10月は”セットリストを振り返る”月間。今セットリストで考察記事未執筆の6曲の中から、5曲を書く予定です。
ただその前に1本、依知川さん作曲のジュリー・ナンバーをお題にしてBARAKAのことをちょっと書きます。もちろん通常の楽曲考察も交えて。

しばらく楽曲考察記事がご無沙汰になっていますから、10月はそのお題と”セットリストを振り返る”シリーズと合わせ6曲を更新予定に頑張りますよ~。
あ、引き続きツアー各会場に参加されたみなさまのご感想も、楽しみにお待ちしています。
よろしくお願い申し上げます!

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2017年9月 2日 (土)

吉田QさんLIVE 出演時刻、入場方法など詳細のお知らせ

大宮レポの執筆途中ですが、明後日までこの記事がトップに来ます(それまでの間、レポの加筆はそのままの日付で更新していきます)。

さぁ、以前お知らせした吉田Qさんの下北沢LIVEが迫ってまいりました。繰り返しますと


日時:9月4日(月)
場所:下北沢 BASEMENT BAR


お店の当日スケジュール情報はこちら
下北沢駅からちょっと歩くみたいですけど、こちらの案内に従って行けば迷わずに辿り着けそうです。

さて、行こうかどうしようか、と迷っていた方や、「時間が分からないと予定が立たない」という方、「ライヴハウスの入場の仕方が分からない」というジュリーファンのみなみなさまに、最新最終の情報です。

まずQさんの出演時刻ですが、20時(午後8時)の予定です(お店は18時半オープン、19時開演。おそらくQさんは3番目の出演者ということでしょう)。
ライヴハウスというのは「お目当ての出演者だけ見る」お客さんが大半ですし、Qさんをお目当てのみなさまは、20時を目指して来店すればOKです。
これなら平日の仕事帰りに立ち寄れる、という方も多いのではないでしょうか。
僕も当初は会社を早退するつもりでしたが、これで定時上がりでも余裕で間に合いそうです。

次に入場方法です。
ジュリーファンのために今回、Qさんがお店に特別な心遣いを伝えてくださいました。
お店に到着したら、カウンターで

吉田Qさんで取り置きしてある貴族部です

と申し出てください。
これだけで、予約者扱いということで入場できます(普通に当日入場するよりお値段が安くなります)。
つまり、「貴族部(きぞくぶ)」の合言葉により「吉田Qさんのはからいでチケット予約してある人」である条件を満たすことになるのです。
より優雅に
「吉田Qさんを見に来た貴族部の者だが?」
と言うもよし。とにかく「吉田Q」「貴族部」という2つの言葉をお店に伝えれば大丈夫です。
あとは入場後ドリンクを注文しライブを楽しむだけ。

僕は一応30分前の入場(Qさんのひとつ前の競演者のステージから見られるような感じ)を目指します。会場に着きましたら気軽にお声がけください。

Qさんのお話では、30分ほどのステージになるそうです。関東圏のQさんのLIVEは本当に貴重な機会ですので、ジュリーファンのみなさまも奮ってご参加下さい。
それでは明後日、会場でお会いしましょう!

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2017年8月21日 (月)

ネタバレ解禁のお知らせ

昨日、待望の大宮公演に行ってまいりました!
素晴らしいステージ、そして『ジュリー祭り』以後に僕が参加したジュリーLIVEの中では史上最長のMCにより、3時間をゆうに超える大興奮の公演でございました。

ジュリーはお盆休みをはさんでも相変わらず元気でしたよ~。髪も良い感じで伸びてきましたし、動きもしなやか、お肌もピカピカ。何より歌声の素晴らしさ・・・喉も絶好調を維持しているようです。
まだまだ続く歴史的ツアー、これからのジュリーも本当に楽しみですね。

さて、大宮レポ執筆開始前ですが、かねてよりお知らせしていた通り今日のこの記事をもってコメント欄などすべて、セットリストのネタバレ解禁とさせて頂きます。
まだネタバレ我慢続行中のかたもいらっしゃるかと思います。今後、うっかり拙ブログ記事本文、コメントに目を通してしまわぬよう充分お気をつけください。

大宮のレポは、初日同様書き終えるまでにはかなり時間がかかってしまいそうです。
書き終えてから一括のupとするやり方も考えましたが、この先の各地公演にご参加のみなさまからの情報、ご感想をコメントにて心待ちにしていることもあり、ひとまず近日中に執筆途中の状態でupし、ネチネチと日々書き加えてゆくことにします。
なるべく早く最初のupができるよう頑張りたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

それでは、YOKO君とシャララダンスを踊ってきた大宮公演のレポ開始まで、しばしお待ちを~。

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2017年8月 8日 (火)

下北沢『BASEMENT BAR』にて、吉田QさんのLIVEが決定!

こちら本館の更新は久しぶりです。
迷惑なノロノロ台風、猛暑と大変な気候が続いていますがみなさま大丈夫でしょうか。

僕は昨日ようやくツアー初日・NHKホール公演のレポートを書き終えたところ(3週間かかりました)。
ネタバレ我慢中のみなさまもまだまだ多いと思いますが、頑張ってくださいね。我慢するだけの値打ちは絶対にある!と断言できるツアーですから。

さて今日は・・・情報をご存知ない方々も多いと思いますので、この場でお知らせです。
あのジュリーwithザ・ワイルドワンズ「涙がこぼれちゃう」「いつかの”熱視線ギャル”」の作詞・作曲者としてお馴染みの吉田Qさん、来月のLIVEが決定しています!
(Qさんの関東圏でのLIVEは、2010年千葉ポートパークの夏フェス以来)

日時:9月4日(月)
場所:下北沢 BASEMENT BAR


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Qさんご本人のお言葉によれば

ライヴを観にいくというよりラジオを聴きにいく感覚で来て頂ければ、戸惑いが軽減されると思います

とのこと。
よく分からない・・・(笑)。

お店のスケジュールに掲載されている競演者の方々についてチラッと検索したりして・・・ますますどんなイベントなのか想像がつかなくなりました(笑)。
ただ、いかにもQさんらしい独特のステージになるだろう、という予感はプンプンしますね。
イベントの概要やQさんの出番のだいたいの時刻など、新たに情報が入手できましたらおいおいこの記事に追記してまいります。

平日の開催ですが、滅多にない貴重な機会です。幸いにも個人的には勤務先の決算作業を終えたばかりの日程ということで、当日は僕もなんとか仕事を早退して駆けつけたいと思っています。
ご都合よろしければジュリーファンのみなさまも是非お越しください。会場でお会いしましょう!

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